科学技術会議設置法
法令番号: 法律第4号
公布年月日: 昭和34年2月20日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

政府は科学技術振興の国家的重要性を認識し、諸施策を推進してきたが、総合性の面で十分でなかった点を改善するため、本法案を提案する。科学技術会議は内閣総理大臣の諮問機関として総理府に設置され、科学技術に関する重要事項について関係行政機関の施策の総合調整を行う。具体的には、科学技術の基本政策の樹立、長期的研究目標の設定、重要研究の推進方策の策定、日本学術会議との重要な連携などを担う。会議の組織は、内閣総理大臣を議長とし、関係閣僚や日本学術会議会長、有識者を議員として構成する。これにより、科学技術振興に関する施策の総合的な推進を図ることを目的とする。

参照した発言:
第31回国会 参議院 内閣委員会 第2号

審議経過

第31回国会

参議院
(昭和33年12月11日)
(昭和33年12月15日)
衆議院
(昭和33年12月16日)
(昭和33年12月18日)
参議院
(昭和34年2月12日)
(昭和34年2月13日)
(昭和34年3月11日)
衆議院
(昭和34年5月2日)
科学技術会議設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十四年二月二十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第四号
科学技術会議設置法
(目的及び設置)
第一条 科学技術の振興に資するため、総理府に、附属機関として、科学技術会議(以下「会議」という。)を置く。
(諮問)
第二条 内閣総理大臣は、次の各号に掲げる事項に関して関係行政機関の施策の総合調整を行う必要があると認めるときは、当該事項について会義に諮問しなければならない。
一 科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)一般に関する基本的かつ総合的な政策の樹立に関すること。
二 科学技術に関する長期的かつ総合的な研究目標の設定に関すること。
三 前号の研究目標を達成するために必要な研究で特に重要なものの推進方策の基本の策定に関すること。
四 日本学術会議への諮問及び日本学術会議の答申又は勧告に関することのうち重要なもの
(答申の尊重)
第三条 内閣総理大臣は、前条の諮問に対する答申があつたときは、これを尊重しなければならない。
(組織)
第四条 会議は、議長及び議員八人をもつて組織する。
(議長)
第五条 議長は、内閣総理大臣をもつて充てる。
2 議長は、会務を総理する。
3 議長に事故があるときは、あらかじめその指名する議員が、その職務を代理する。
(議員)
第六条 議員は、次の各号に掲げる者をもつて充てる。
一 大蔵大臣
二 文部大臣
三 経済企画庁長官
四 科学技術庁長官
五 日本学術会議会長
六 科学技術に関してすぐれた識見を有する者のうちから内閣総理大臣が任命する者 三人
2 議長は、第四条及び前項の規定にかかわらず、必要があると認めるときは、関係の国務大臣を、議員として、臨時に会議に参加させることができる。
3 第一項第五号の議員及び同項第六号の議員のうち一人は、それぞれ非常勤とする。
第七条 内閣総理大臣は、前条第一項第六号の議員を任命しようとするときは、両議院の同意を得なければならない。
2 前条第一項第六号の議員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、同号の議員を任命することができる。
3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその議員を罷免しなければならない。
4 次の各号の一に該当する者は、前条第一項第六号の議員となることができない。
一 禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ない者
二 禁錮以上の刑に処せられた者
第八条 第六条第一項第六号の議員の任期は、三年とする。ただし、補欠の議員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 第六条第一項第六号の議員は、再任されることができる。
第九条 第六条第一項第六号の議員は、第七条第四項各号の一に該当するに至つた場合においては、その職を失うものとする。
2 内閣総理大臣は、第六条第一項第六号の議員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は同号の議員に職務上の義務違反その他議員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。
第十条 議員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
2 第六条第一項第六号の議員で常勤のものは、在任中、内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行つてはならない。
第十一条 第六条第一項第五号及び第六号の議員の給与は、別に法律で定める。
(専門委員及び幹事)
第十二条 会議に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる。
2 会議に、幹事を置く。
3 専門委員及び幹事は、非常勤とする。
(資料提出の要求等)
第十三条 会議は、その所掌事務を行うため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。
(政令への委任)
第十四条 この法律に定めるもののほか、会議に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(第六条第一項第六号の議員の任期の特例)
2 この法律施行の後最初に任命される第六条第一項第六号の議員の任期は、第八条第一項の規定にかかわらず、内閣総理大臣の指定するところにより、一人については一年六月、二人については三年とする。
(総理府設置法の一部改正)
3 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第十五条第一項の表中台風常襲地帯対策審議会の項の次に次のように加える。
科学技術会議
科学技術会議設置法(昭和三十四年法律第四号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行うこと。
(科学技術庁設置法の一部改正)
4 科学技術庁設置法(昭和三十一年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項の表中科学技術審議会の項を削る。
(特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正)
5 特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(昭和三十三年法律第八十六号)の一部を次のように改正する。
附則第一項ただし書中「科学技術会議の議員に係る部分は、科学技術会議設置法(昭和三十三年法律第___号)の施行の日から」を「科学技術会議の常勤の議員及び非常勤の議員に係る部分は、科学技術会議設置法(昭和三十四年法律第四号)の施行の日から」に改める。
内閣総理大臣 岸信介
大蔵大臣 佐藤榮作
文部大臣 橋本龍伍
科学技術会議設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十四年二月二十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第四号
科学技術会議設置法
(目的及び設置)
第一条 科学技術の振興に資するため、総理府に、附属機関として、科学技術会議(以下「会議」という。)を置く。
(諮問)
第二条 内閣総理大臣は、次の各号に掲げる事項に関して関係行政機関の施策の総合調整を行う必要があると認めるときは、当該事項について会義に諮問しなければならない。
一 科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)一般に関する基本的かつ総合的な政策の樹立に関すること。
二 科学技術に関する長期的かつ総合的な研究目標の設定に関すること。
三 前号の研究目標を達成するために必要な研究で特に重要なものの推進方策の基本の策定に関すること。
四 日本学術会議への諮問及び日本学術会議の答申又は勧告に関することのうち重要なもの
(答申の尊重)
第三条 内閣総理大臣は、前条の諮問に対する答申があつたときは、これを尊重しなければならない。
(組織)
第四条 会議は、議長及び議員八人をもつて組織する。
(議長)
第五条 議長は、内閣総理大臣をもつて充てる。
2 議長は、会務を総理する。
3 議長に事故があるときは、あらかじめその指名する議員が、その職務を代理する。
(議員)
第六条 議員は、次の各号に掲げる者をもつて充てる。
一 大蔵大臣
二 文部大臣
三 経済企画庁長官
四 科学技術庁長官
五 日本学術会議会長
六 科学技術に関してすぐれた識見を有する者のうちから内閣総理大臣が任命する者 三人
2 議長は、第四条及び前項の規定にかかわらず、必要があると認めるときは、関係の国務大臣を、議員として、臨時に会議に参加させることができる。
3 第一項第五号の議員及び同項第六号の議員のうち一人は、それぞれ非常勤とする。
第七条 内閣総理大臣は、前条第一項第六号の議員を任命しようとするときは、両議院の同意を得なければならない。
2 前条第一項第六号の議員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、同号の議員を任命することができる。
3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその議員を罷免しなければならない。
4 次の各号の一に該当する者は、前条第一項第六号の議員となることができない。
一 禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ない者
二 禁錮以上の刑に処せられた者
第八条 第六条第一項第六号の議員の任期は、三年とする。ただし、補欠の議員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 第六条第一項第六号の議員は、再任されることができる。
第九条 第六条第一項第六号の議員は、第七条第四項各号の一に該当するに至つた場合においては、その職を失うものとする。
2 内閣総理大臣は、第六条第一項第六号の議員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は同号の議員に職務上の義務違反その他議員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。
第十条 議員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
2 第六条第一項第六号の議員で常勤のものは、在任中、内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行つてはならない。
第十一条 第六条第一項第五号及び第六号の議員の給与は、別に法律で定める。
(専門委員及び幹事)
第十二条 会議に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる。
2 会議に、幹事を置く。
3 専門委員及び幹事は、非常勤とする。
(資料提出の要求等)
第十三条 会議は、その所掌事務を行うため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。
(政令への委任)
第十四条 この法律に定めるもののほか、会議に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(第六条第一項第六号の議員の任期の特例)
2 この法律施行の後最初に任命される第六条第一項第六号の議員の任期は、第八条第一項の規定にかかわらず、内閣総理大臣の指定するところにより、一人については一年六月、二人については三年とする。
(総理府設置法の一部改正)
3 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第十五条第一項の表中台風常襲地帯対策審議会の項の次に次のように加える。
科学技術会議
科学技術会議設置法(昭和三十四年法律第四号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行うこと。
(科学技術庁設置法の一部改正)
4 科学技術庁設置法(昭和三十一年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項の表中科学技術審議会の項を削る。
(特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正)
5 特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(昭和三十三年法律第八十六号)の一部を次のように改正する。
附則第一項ただし書中「科学技術会議の議員に係る部分は、科学技術会議設置法(昭和三十三年法律第___号)の施行の日から」を「科学技術会議の常勤の議員及び非常勤の議員に係る部分は、科学技術会議設置法(昭和三十四年法律第四号)の施行の日から」に改める。
内閣総理大臣 岸信介
大蔵大臣 佐藤栄作
文部大臣 橋本龍伍