(趣旨)
第一条 この法律は、国の負担に属する年金又は恩給の支給金その他の政令で定める支払金でその支払のための資金が法令の規定により各省各庁の長から郵政大臣の指定する出納官吏に交付されるものに係る債権の管理及び当該債権に係る収納金の処理について必要な特例を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「債権の管理に関する事務」とは、国の債権の管理等に関する法律(昭和三十一年法律第百十四号)第二条第二項に規定する債権の管理に関する事務をいう。
2 この法律において「各省各庁の長」とは、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。
(返還金債権の管理の特例)
第三条 第一条に規定する支払金の過誤払による返還金に係る債権(以下「返還金債権」という。)に係る債権の管理に関する事務でその発生の日から三月を経過する日までの間におけるものについては、政令で定めるところにより、国の債権の管理等に関する法律の特例を設けることができる。
(返還金債権に係る債権の管理等の事務)
第四条 返還金債権に係る債権の管理に関する事務及び返還金債権の金額の収納に関する事務は、法令の定めるところにより、郵政官署の職員が行うものとする。
(返還金債権に係る収納金の処理)
第五条 前条に規定する職員が同条の規定により収納した返還金債権の金額(次項の規定に該当する金額を除く。)は、その過誤払に係る資金の金額に戻し入れることができる。
2 前条に規定する職員が同条の規定により収納した返還金債権の金額のうち第一条に規定する支払金の過誤払による返還金に係る利息又は延滞金の金額及び前年度以前における過誤払による返還金債権の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、その過誤払に係る資金を交付した各省各庁の長が、その資金の交付を受けた出納官吏をしてその収納した日の属する年度の歳入に払い込ませなければならない。
(返還金債権に係る充当又は控除)
第六条 法令の規定により第一条に規定する支払金の支払に関する事務を行う郵政官署の職員は、その支払に係る返還金債権がある場合において、その過誤払に係る支払金を支払つた日以後当該返還金債権に係る債務の弁済をすべき者(以下「返還義務者」という。)に対して支払うべき第一条に規定する支払金の金額があるときは、政令で定めるところにより、当該金額を当該返還金債権の金額に充当することができる。
2 返還義務者が国から俸給、退職手当その他の給与(恩給を除く。)を受ける場合には、国の給与支払機関は、返還金債権に係る債権管理者の請求に基き、当該返還金債権の金額に相当する金額をその支払うべき当該給与の金額から控除して、その控除した金額を当該返還義務者に代り国に払い込まなければならない。
3 第一条に規定する支払金のうち恩給の支給金に係る返還義務者が都道府県から報酬、給料、退職年金、退職一時金その他の給与を受ける場合には、都道府県の給与支払機関は、政令で定めるところにより、返還金債権に係る債権管理官の請求に基き、当該返還金債権の金額に相当する金額をその支払うべき当該給与の金額から控除して、その控除した金額を当該返還義務者に代り国に払い込まなければならない。
4 前二項の規定により控除する金額は、国又は都道府県が返還義務者に支払うべき支払日ごとのこれらの規定に規定する給与の金額の四分の一をこえることができない。