新聞出版用紙割当事務庁設置法
法令番号: 法律第二百十一号
公布年月日: 昭和23年8月3日
法令の形式: 法律
新聞出版用紙割当事務廳設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年八月三日
内閣総理大臣 芦田均
法律第二百十一号
新聞出版用紙割当事務廳設置法
(設置の目的及び主旨)
第一條 用紙の供給が不足している國家経済の現状にかんがみ、新聞出版部門が供給を受け得る限度の用紙を、適正に割当てるための機関が必要なので、この法律により、内閣総理大臣の管理の下に、臨時に、新聞出版用紙割当事務廳(以下事務廳という。)を置く。
第二條 何人も如何なる方法によるを問はず、用紙割当に関し圧迫を加え、又はこれを利用して言論の自由を害し、若しくは特定の思想への從属を強制してはならない。
(所掌事務及び権限)
第三條 事務廳の所掌事務の範囲は左の通りとし、その権限の行使は、その範囲内で法律(法律に基く命令を含む。)に從つてなされなければならない。
一 新聞出版用紙割当申請書を受理し、審査の上、新聞出版用紙割当審議会(以下本條中審議会という。)に附議すべき割当原案を作成すること。
二 審議会の議決に基き、需要者割当証明書を発行し、及び必要に應じこれを取消すこと。
三 割当てられた新聞出版用紙の供給及び消費について檢査を行い、もし正規に反する事実があると認められるときは、適当な措置を講ずること。
四 用紙割当に関する陳情書及び異議申請書を受理し、審査のため審議会の議に附すること。
五 前各号に関係がある事項に関し調査し、及び資料を集めること。
六 審議会及び部会の議事録を保存して、関係当事者の申出により閲覧に供すること。
七 用紙割当の結果を公表すること。
2 内閣総理大臣は、特に必要があると認める場合においては、第一條に基きその権限に属する管理の事務を他の國務大臣に行わせることができる。
(職員及び組織)
第四條 事務廳の長は、事務廳長官とする。
2 事務廳長官は、第三條の事務を掌理する。
3 この法律に定めるものの外、事務廳に置かれる職員について必要な事項は、政令でこれを定める。
4 事務廳の組織の細目について必要な事項は、事務廳長官がこれを定める。
(新聞出版用紙割当審議会)
第五條 事務廳に、新聞出版用紙割当審議会(以下審議会という。)を置く。
2 審議会は第六條各号に規定するものの外、新聞出版用紙の割当に関する重要事項につき審議する。
第六條 事務廳長官は、左に掲げる事項については必ず審議会の議に附し、その議決に從つて、決定しなければならない。
一 新聞出版用紙の割当に関する方針、基準及び手続
二 個々の新聞及び出版物に対する用紙の割当
第七條 審議会は、新聞部会及び出版部会をもつてこれを組織し、各部会に委員十一人を置く。
2 各部会を構成する委員は、当該業界から選出された者五人、学識経驗のある者のうちから選出された者五人及び商工省の用紙に関する主管局長とする。
第八條 委員の選定については、審議会議長は、関係各方面の意見を参酌して、候補者を選定しなければならない。
2 事務廳長官は、前項の候補者に関し不適当と認められる正当な理由がある場合においては、議長に対し、その撤回を要求することができる。但し、この要求は各地位ごとに二回をこえてこれを行つてはならない。
3 審議会議長は、前項の要求があつたときは改めて候補者を選定しなければならない。
4 各部会は、確定した候補者のうちから多数決により委員を選挙する。
第九條 前二條に規定するものの外、審議会の組織、運営、議長の選任、委員の任期、選定及び任免に関する手続並びに審議会設置の際、從前の新聞及び出版用紙割当委員会との関連に於て必要な事項は、政令でこれを定める。
(割当方針及び基準)
第十條 新聞出版用紙の割当は、適正公平を旨としなければならない。
2 新聞出版用紙の割当に関する方針は、日本の道徳的及び文化的水準を高め、且つ、民主的社会の建設に貢献するように定められなければならない。
3 新聞出版用紙割当に関する基準は、文化的價値、社会的有用性及び読者の需要度等を考慮して、できる限り客観性のあるように定められなければならない。
附 則
1 この法律は、公布の日から、これを施行する。
2 新聞出版用紙割当事務局臨時設置制(昭和二十一年勅令第五百六十六号)は、これを廃止する。
3 用紙割当を継続する必要の有無及び割当制度の可否に関して國会に再審議の機会を與える爲に、政府は、この法律を無修正で継続させることにつき毎通常國会の議決による確認を求める手続をとらなければならない。
4 前項の場合において、國会がその旨可決したときは、この法律は無修正で継続する。國会が修正又は廃止の議決をしたときは、政府は、これについて必要な措置をとらなければならない。
内閣総理大臣 芦田均
新聞出版用紙割当事務庁設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年八月三日
内閣総理大臣 芦田均
法律第二百十一号
新聞出版用紙割当事務庁設置法
(設置の目的及び主旨)
第一条 用紙の供給が不足している国家経済の現状にかんがみ、新聞出版部門が供給を受け得る限度の用紙を、適正に割当てるための機関が必要なので、この法律により、内閣総理大臣の管理の下に、臨時に、新聞出版用紙割当事務庁(以下事務庁という。)を置く。
第二条 何人も如何なる方法によるを問はず、用紙割当に関し圧迫を加え、又はこれを利用して言論の自由を害し、若しくは特定の思想への従属を強制してはならない。
(所掌事務及び権限)
第三条 事務庁の所掌事務の範囲は左の通りとし、その権限の行使は、その範囲内で法律(法律に基く命令を含む。)に従つてなされなければならない。
一 新聞出版用紙割当申請書を受理し、審査の上、新聞出版用紙割当審議会(以下本条中審議会という。)に附議すべき割当原案を作成すること。
二 審議会の議決に基き、需要者割当証明書を発行し、及び必要に応じこれを取消すこと。
三 割当てられた新聞出版用紙の供給及び消費について検査を行い、もし正規に反する事実があると認められるときは、適当な措置を講ずること。
四 用紙割当に関する陳情書及び異議申請書を受理し、審査のため審議会の議に附すること。
五 前各号に関係がある事項に関し調査し、及び資料を集めること。
六 審議会及び部会の議事録を保存して、関係当事者の申出により閲覧に供すること。
七 用紙割当の結果を公表すること。
2 内閣総理大臣は、特に必要があると認める場合においては、第一条に基きその権限に属する管理の事務を他の国務大臣に行わせることができる。
(職員及び組織)
第四条 事務庁の長は、事務庁長官とする。
2 事務庁長官は、第三条の事務を掌理する。
3 この法律に定めるものの外、事務庁に置かれる職員について必要な事項は、政令でこれを定める。
4 事務庁の組織の細目について必要な事項は、事務庁長官がこれを定める。
(新聞出版用紙割当審議会)
第五条 事務庁に、新聞出版用紙割当審議会(以下審議会という。)を置く。
2 審議会は第六条各号に規定するものの外、新聞出版用紙の割当に関する重要事項につき審議する。
第六条 事務庁長官は、左に掲げる事項については必ず審議会の議に附し、その議決に従つて、決定しなければならない。
一 新聞出版用紙の割当に関する方針、基準及び手続
二 個々の新聞及び出版物に対する用紙の割当
第七条 審議会は、新聞部会及び出版部会をもつてこれを組織し、各部会に委員十一人を置く。
2 各部会を構成する委員は、当該業界から選出された者五人、学識経験のある者のうちから選出された者五人及び商工省の用紙に関する主管局長とする。
第八条 委員の選定については、審議会議長は、関係各方面の意見を参酌して、候補者を選定しなければならない。
2 事務庁長官は、前項の候補者に関し不適当と認められる正当な理由がある場合においては、議長に対し、その撤回を要求することができる。但し、この要求は各地位ごとに二回をこえてこれを行つてはならない。
3 審議会議長は、前項の要求があつたときは改めて候補者を選定しなければならない。
4 各部会は、確定した候補者のうちから多数決により委員を選挙する。
第九条 前二条に規定するものの外、審議会の組織、運営、議長の選任、委員の任期、選定及び任免に関する手続並びに審議会設置の際、従前の新聞及び出版用紙割当委員会との関連に於て必要な事項は、政令でこれを定める。
(割当方針及び基準)
第十条 新聞出版用紙の割当は、適正公平を旨としなければならない。
2 新聞出版用紙の割当に関する方針は、日本の道徳的及び文化的水準を高め、且つ、民主的社会の建設に貢献するように定められなければならない。
3 新聞出版用紙割当に関する基準は、文化的価値、社会的有用性及び読者の需要度等を考慮して、できる限り客観性のあるように定められなければならない。
附 則
1 この法律は、公布の日から、これを施行する。
2 新聞出版用紙割当事務局臨時設置制(昭和二十一年勅令第五百六十六号)は、これを廃止する。
3 用紙割当を継続する必要の有無及び割当制度の可否に関して国会に再審議の機会を与える為に、政府は、この法律を無修正で継続させることにつき毎通常国会の議決による確認を求める手続をとらなければならない。
4 前項の場合において、国会がその旨可決したときは、この法律は無修正で継続する。国会が修正又は廃止の議決をしたときは、政府は、これについて必要な措置をとらなければならない。
内閣総理大臣 芦田均