第一條 臨時物資需給調整法(昭和二十一年法律第三十二号)に基いて、國の行う不正保有物資及び過剩物資(以下物資という。)の取得、賣拂等に関する歳入歳出は、これを一般会計と区分して特別会計を設置する。
第二條 この会計は、商工大臣が、法令の定めるところに從い、これを管理する。
第三條 物資の取得、賣拂等に関する事務は、商工大臣が、その定めるところにより、これを産業復興公團(当該物資につきその配給に関する業務を行うことを目的とする公團がある場合は、その公團とする。以下公團という。)又は当該物資をこの会計から買入れる特別会計の管理廳をして取り扱わしめる。
前項の場合において、商工大臣は、必要があると認めるときは、公團に対してその事務に関する支拂に必要な資金を交付することができる。
公團が第一項の規定により取り扱う物資及び現金の取扱に関し、國に損害を與えた場合の公團の賠償責任については、民法及び商法の適用があるものとする。
第一項の規定により同項に規定する特別会計の管理廳において取り扱う事務に関する経費は、これを当該特別会計の負担とする。
第四條 この会計においては、物資の賣拂代金、積立金から生ずる收入、積立金からの繰入金、一般会計からの繰入金及び附属雜收入をもつてその歳入とし、物資の買取代金のうち現金で交付するもの、物資の対價として交付するため政府の発行する登録國債の償還金及び利子、一時借入金の利子、登録國債の発行及び償還に関する諸費、事務取扱費、公團に対する事務取扱手数料、物資に関する情報提供者に支給する報償金、一般会計への繰入金並びに附属諸費をもつてその歳出とする。
第五條 臨時物資需給調整法第七條の規定により沒收した物資(商工大臣の指定する物資を除く。)は、この会計に帰属するものとする。
第六條 臨時物資需給調整法に基いて國の取得する物資の対價として交付するため政府の発行する登録國債は、これをこの会計の負担とする。
前項の登録國債の償還金及び利子、一時借入金の利子並びに登録國債の発行及び償還に関する諸費の支出に必要な金額は、これを毎年度國債整理基金特別会計に繰り入れるものとする。
第七條 この会計において、毎会計年度における歳入(一般会計からの繰入金及び第八條第一項の規定による前年度剩余の繰入金を除く。)の收納済額から、歳出(一般会計への繰入金を除く。)の支出済額と当該年度において收入済となつた賣拂物資の取得の対價として交付した又は交付すべきであつた登録國債の額面総額に相当する金額との合計額を控除して残余があるときは、これを当該年度の一般会計の歳入に繰り入れ、不足するときは、これを当該年度の一般会計の歳出を以て補てんする。但し、繰入に関するこの会計の当該年度における歳出予算額が当該繰入額に対して不足するとき、又は補てんに関する一般会計の当該年度における歳出予算額が当該補てん額に対して不足するときは、各々その不足額は、これを翌年度において繰り入れ又は補てんするものとする。
第八條 この会計において、決算上剩余を生じたときは、当該剩余金額のうち前條但書の規定により翌年度において一般会計へ繰り入れなければならない金額を控除した金額は、これを積立金として積み立て、翌年度において一般会計へ繰り入れるべき額に相当する金額は、これを翌年度の歳入に繰り入れるものとする。
この会計の積立金は、國債をもつて保有し、又は大藏省預金部に預け入れて運用しなければならない。
この会計の積立金は、この会計の負担に属する登録國債の償還金を支弁するため必要があるときは、これを使用することができる。
第九條 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、これを國会に提出しなければならない。
前項の予算には、左の書類を添付しなければならない。
第十條 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、これを國会に提出しなければならない。
前項の歳入歳出決算には、左の書類を添付しなければならない。
第十一條 この会計において、支拂上現金に余裕があるときは、これを大藏省預金部に預け入れることができる。
第十二條 この会計において、支拂上一時現金に不足があるときは、この会計の積立金を繰替使用し、又は、この会計の負担において、一時借入金をすることができる。
前項の規定による繰替金及び一時借入金は、当該年度の歳入を以てこれを償還しなければならない。
第十三條 この会計の負担に属する登録國債及び一時借入金の起債、償還等に関する事務は、大藏大臣が、これを行う。
第十四條 貿易資金特別会計法(昭和二十二年法律第百七十九号)第十條、第十一條及び第十四條の規定は、この会計の予算及び決算について、これを準用する。
第十五條 この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。