財産税法施行規則
法令番号: 勅令第五百四十九號
公布年月日: 昭和21年11月19日
法令の形式: 勅令
朕は、財產稅法施行規則を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十一月十八日
內閣總理大臣 吉田茂
大藏大臣 石橋湛山
勅令第五百四十九號
財產稅法施行規則目次
第一章
總則
第二章
課稅價格
第三章
財產の評價
第四章
申吿
第五章
納付
第六章
物納及び延納
第七章
雜則
財產稅法施行規則
第一章 總則
第一條 財產稅法(以下法といふ。)第二條の外國人は、法施行の際左に揭げる國の國籍を有する者(日本の國籍を有する者を除く。)とする。
オーストラリア、ベルギー王國、ボリヴィア國、ブラジル國、カナダ、チリ國、中華民國、コロンビア國、コスタ、リカ國、キュバ國、チェッコスロヴァキア國、デンマーク國、ドミニカ共和國、エクアドル國、エジプト國、エティオピア國、フランス國、グレート、ブリテン及び北部アイルランド聯合王國、ギリシァ國、グァテマラ國、ハイティ國、ホンデュラス國、アイスランド國、インド、イラン國、イラーク國、レバノン、リベリア國、ルクセンブルグ大公國、メキシコ國、オランダ王國、ニュー・ジーランド、ニカラグァ國、ノールウェー王國、パナマ國、ペラグァイ國、ペルー國、フィリッピン聯邦、ポーランド國、サルヴァドル國、サウデイ、アラビア國、シリア、トルコ國、南アフリカ聯邦、ソヴイエト社會主義共和國聯邦、アメリカ合衆國、ウルグァイ國、ヴェネズエラ國、ユーゴースラヴィア國
第二條 民法第千五十一條に規定する法人(以下相續財團といふ。)で、調査時期において現に存したものについて、法第三十七條第一項に規定する申吿書の提出期限(以下法第三十七條の申吿期限といふ。)又は法第三十八條第一項に規定する申吿書の提出期限(以下法第三十八條の申吿期限といふ。)までに、相續人があることが分明となり又は相續財產が國庫に歸屬することとなつた場合においては、當該相續財團については、法第三條第一項の規定は、これを適用しない。
法第三條第一項に規定する相續財團(前項に規定するものを除く。以下同じ。)について、被相續人が相續開始直前において、戶籍法の適用を受けるものであつた場合においては、當該相續財團は、これを戶籍法の適用を受ける個人とみなす。
法第三條第一項に規定する相續財團について、被相續人が相續開始直前において、法施行地に住所を有し又は一年以上居所を有してゐた場合においては、當該相續財團は、これを調査時期において法施行地に住所を有し又は一年以上居所を有してゐた個人とみなす。
法第三條第一項に規定する相續財團について、民法第千五十二條の規定により選任せられた相續財產の管理人が法施行地に住所又は居所を有するときは、その管理人の住所地(法施行地に住所のないときは居所地)を當該相續財團の納稅地とみなし、當該管理人を當該相續財團について申吿書の提出、納稅その他財產稅に關する一切の事項を處理するため定められた納稅管理人とみなす。
法第三條第一項に規定する相續財團について、相續財產の管理人が法施行地に住所及び居所を有してゐないときは、當該管理人は、法第七十二條第二項の規定に準じ納稅地を定め、法第七十三條の規定に準じ納稅地に居住する者のうちから納稅管理人を定めて、納稅地の所轄稅務署長に申吿しなければならない。
法第三條第一項に規定する相續財團について、法第三十七條の申吿期限後又は法第三十八條の申吿期限後相續人があることが分明となつた場合においては、當該相續財團につき法第三條第一項の規定竝びに第二項及び第三項の規定により課せらるべき財產稅額を以て、當該相續財產につき相續人が課せらるべき財產稅額とみなす。
第三條 前條第四項及び第五項の規定は、法第四條第四項の規定により、相續財團に財產稅を課する場合について、これを準用する。
第四條 法第五條第一項第四號の金融機關に對する預金、貯金、積金又は寄託金は、左に揭げるものとする。
一 銀行又は無盡會社に對する預金、貯金又は積金
二 市町村農業會、信用組合又は市街地信用組合に對する貯金又は積金
三 鹽業組合、工業組合、商業組合、統制組合、貿易組合、漁業協同組合、漁業會、製造業會、自動車運送事業組合、鹽業組合聯合會、工業組合聯合會、商業組合聯合會、貿易組合聯合會、自動車運送事業組合聯合會、都道府縣農業會、道府縣水產業會、農林中央金庫、商工組合中央金庫又は庶民金庫に對する貯金又は積金
四 恩給金庫に對する寄託金
第五條 左の各號の一に該當する場合においては、調査時期において現に存した郵便年金契約で、その時までにまだ年金支拂事由が發生してゐなかつたもの又は調査時期において現に存した生命保險契約で、その時までにまだ保險事故が發生してゐなかつたものについては、法第七條但書の規定により、當該各號に揭げる者が、その契約に關する權利の全部を有してゐたものとみなす。
一 契約者が他人のために契約をなし、且つ、その他人が現實に掛金又は保險料の全部を負擔してゐた場合においては、その掛金又は保險料を負擔してゐた者
二 前號に揭げる場合の外、雇傭者が契約者となつて、被傭者を年金受取人及び返還金受取人又は被保險者及び保險金受取人となしてゐた場合、被傭者を年金受取人又は被保險者となし、その家族を返還金受取人又は保險金受取人となしてゐた場合竝びに被傭者を年金受取人又は被保險者となし、且つ、被傭者が退職するときは當該契約者の權利義務を無償で被傭者が承繼すべき旨を約してゐた場合においては、その被傭者
第六條 昭和二十年十一月十五日以後調査時期前に、贈與の契約とその履行とがあつた場合又は財產を留保する家督相續があつた場合において、左の各號の一に該當するときは、その贈與財產又は相續財產の價額は、その贈與又は相續があつた財產の價額から當該各號に揭げる金額を控除した金額による。
一 贈與が負擔附であるときは、當該負擔たる債務の金額
二 債務(公租公課を含む。以下同じ。)を相續したときは、當該債務の金額
三 贈與財產又は相續財產について相續稅を課せられるときは、その相續稅額に相當する金額
前項の場合において、同項各號に揭げる金額は、課稅價格の算定上、これを受贈者又は相續人の債務の金額に算入しない。
第七條 法第八條第二項(法第十七條第二項において準用する場合を含む。)の公共團體は、都道府縣、市町村、都府縣組合、道府縣組合、府縣組合、都市町村組合、市町村組合、町村組合、東京都內の區、市町村內の區、町村制を施行してゐない地における町村に準ずべき團體、水利組合、水利組合聯合會、耕地整理組合、耕地整理組合聯合會及び北海道士功組合とする。
宗敎法人竝びに町內會部落會及びその聯合會に對する贈與については、法第八條第二項(法第十七條第二項において準用する場合を含む。)の規定により、法第八條第一項(法第十七條第二項の規定において法第八條第二項の規定を準用する場合においては、法第十七條第一項)の規定は、これを適用しない。
第八條 法第十條第五號の年金は、戰爭又は災害に起因して死亡し又は傷痍を受け若しくは疾病に罹り、これに因り支給を受ける增加恩給、傷病年金その他これに準ずる年金(當該年金が、普通恩給に準ずるものを含むときは、その部分を除く。)とする。
第九條 法第十條第六號の財產は、左に揭げるものとする。
一 調査時期において、一契約につき預貯金額が、五十圓以下の預貯金、一件につき保險金額が千圓以下の生命保險契約に關する權利(保險料を一時に拂ひ込んだものを除く。)及びこれらに準ずるその他の財產で、大藏大臣の指定するもの
二 日本銀行券預入令第二條第二項の規定により、支拂がなされた金錢で、大藏大臣の指定する金額に相當するもの
三 法第十條第四號及び第五號に揭げるものを除く外、恩給その他これに準ずる年金で、年金額が五百圓未滿のもの
第十條 戶主又は家族のうちに、疎開、戰災、法施行地外からの引揚等の事情に因り、調査時期において一時同居する者があつた場合においては、當該戶主又は家族は、調査時期において從前の狀況により別居してゐたものとみなす。
戶主又は家族のうちに、疎開、戰災、法施行地外からの引揚等の事情に因り、調査時期において一時別居する者があつた場合においては、當該戶主又は家族は、調査時期において從前の狀況により同居してゐたものとみなす。
第二章 課稅價格
第十一條 同居家族(法第十一條第二項に規定する同居家族をいふ。以下同じ。)のうちに、債務の金額が財產(法第十條に揭げる財產を除く。以下同じ。)の價額を超過する者がある場合において、法第十二條第二項の規定により、他の一人又は數人の同居家族のうち、誰の財產の價額からいかなる金額を控除すべきかは、第三十二條の規定により申吿書に記載されたところによる。但し、課稅價格の更正又は決定をなす場合においては、大藏大臣の定めるところによる。
前項の規定は、法第十三條第二項の場合について、これを準用する。
第十二條 法第十六條第一項第二號の規定により、同號の戰時補償特別稅額から除かれる稅額は、戰時補償特別措置法第六十條の規定により、土地若しくは建物(土地又は建物に定着するものを含む。以下本條中同じ。)又は鑛業權若しくは砂鑛權が舊所有者又は舊鑛業權者若しくは舊砂鑛權業者に讓渡された場合において、當該土地若しくは建物又は鑛業權者若しくは砂鑛權の讓渡又は收用の對價の請求權について課せられた戰時補償特別稅額とする。
第十三條 昭和二十年十一月十五日以後に贈與の契約がなされて、調査時期までにその履行がなかつた場合においては、贈與の義務の金額及び受贈の權利の價額は、課稅價格の算定上、調査時期における贈與者又は受贈者の債務の金額又は財產の價額には、これを算入しない。但し、左の各號の一に該當する場合において、當該各號に揭げる金額に相當する部分については、この限りでない。
一 贈與が負擔附であるときは、當該負擔たる金額
二 贈與について相續稅が課せられるときは、當該相續稅額に相當する金額
第十四條 戰爭又は災害に起因して死亡し又は傷痍を受け若しくは疾病に罹り、これに因り、調査時期前五年以內に、一時金たる恩給、扶助金、救恤金その他これらの性質を有する給付で左に揭げるもの以外のもの(一時金たる恩給、扶助金、救恤金その他これらの性質を有する給付が、左に揭げる給付又は戰爭若しくは災害に起因せずして死亡し若しくは退職した場合において通常支給さるべき給付を含むときは、その部分を除く。)の支給を受けることとなつた場合においては、その給付に相當する金額を、調査時期前にその給付を受けてゐた者又は調査時期において現にその給付を受ける權利を有してゐた者について、課稅價格から控除する。但し、その控除金額は、一萬圓を超えることができない。
一 葬祭料、療養費その他死亡又は傷痍若しくは疾病に關して支給される實費辨償の性質を有する給付
二 療養中の給料に相當する給付
第十五條 第十一條第一項の規定は、法第十九條第一項の場合について、これを準用する。この場合において、第十一條第一項中「第三十二條の規定により申吿書に記載された」とあるのは「第三十三條の規定により明細書に記載された」と讀み替へるものとす。
第十六條 法第十條第三項の規定により、戰災者及び引揚者の範圍を、左の通り定める。
一 戰災者とは、戰爭の際における戰鬪行爲に因る災害又はこれに起因して生じた災害に因り住宅(水上生活者にあつては居住の用に供する舟を含む。)又は家財の滅失又は毀損があつた場合において、その損害を受けた者で、大藏大臣の指定する罹災證明書その他これに準ずる書類の交付を受けてゐるものとする。
二 引揚者とは、昭和二十年八月十五日後法施行地外から引き揚げた者(大藏大臣の指定する者を除く。)で、引揚援護局長又は地方長官の發行する證明書の交付を受けてゐるものとする。
第十七條 法第二十四條の場合において、被相續人が調査時期において有してゐた財產に關する課稅價格の算定については、被相續人が、法第四條第一項又は第三項の規定に該當する者であつたときは法第十二條の規定を、法第四條第二項の規定に該當する者(同條第三項の規定に該當する者を除く。)であつたときは法第十三條の規定を適用する。
相續人が二人以上あつた場合において、法第二十四條の規定により、各相續人が被相續人の調査時期において有してゐた財產について納付すべき財產稅額は、被相續人が調査時期において有してゐた財產に對する財產稅額を、當該相續により各相續人が受けた利益の價額の占める割合に應じて按分した金額による。
第三章 財產の評價
第十八條 自作農創設特別措置法第二條に規定する農地(法第二十七條の規定の適用を受けるものを除く。)の價格は、その賃貸價格(地租法第八條に規定する賃貸價格をいふ。)に一定の倍數(法第二十五條第一項の一定の倍數をいふ。)を乘じて算出した金額に、調査時期における當該農地の現況により、納稅地の所轄稅務署長において、自作農創設特別措置法第十三條第三項の規定により、交付があると認める報償金に相當する金額を加算した金額による。
第十九條 法第二十六條第一項及び第二項の區域は、左の各號に定めるところによる。
一 東京都の區及び市制第六條又は第八十二條第一項の規定により指定された市の區の區域
二 前號に揭げる市以外の市の區域
三 郡の區域
四 伊豆七島の區域
前項の郡、市及び區の區域は、調査時期における區域による。
第二十條 法第二十六條第一項及び第二項の倍數は、當該土地若しくは家屋又は借地權(借地法に規定する借地權をいふ。以下同じ。)の目的となつてゐる土地の所在地の所轄財務局長において、不動產評價委員會に諮問して、これを定める。
財務局長が前項の倍數を定めたときは、大藏大臣は、前條第一項に揭げる區域內において標準となるべき土地、家屋又は借地權について定めた倍數竝びに當該區域內における土地、家屋又は借地權について定めた倍數のうちで最も高い倍數及び最も低い倍數を、官報で公吿する。
財務局長が第一項の倍數を定めたときは、當該土地若しくは家屋又は借地權の目的となつてゐる土地の所在地の所轄稅務署長において、これを記載した書類を作成し、當該稅務署長及び當該土地若しくは家屋又は借地權の目的となつてゐる土地の所在地の市區役所又は町村役場(町村組合で町村の事務の全部若しくは役場事務を共同處理するもの又は伊豆七島の區域においては、町村役場に準ずるもの)にこれを備へて、縱覽に供する。
第二十一條 法第二十七條各號に揭げる土地若しくはこれを目的とする借他權又は家屋の價額については、左の各號の定めるところによる。
一 法第二十七條第一號若しくは第二號の土地(鑛泉地を除く。)、同條第四號の家屋又は同條第五號の土地若しくは家屋については、狀況類似する近傍の土地又は家屋で法第二十五條第一項の規定の適用を受けるものの價額に比準する價額
二 鑛泉地又は法第二十七條第三號の土地については、調査時期における時價
三 前各號の土地を目的とする借地權については、狀況類似する近傍の土地で法第二十五條第一項の規定の適用を受けるものを目的とする借地權の價額に比準する價額
第二十二條 法第二十八條の割合を左の通り定める。
殘存期間が十年以下のもの 百分の五
殘存期間が十年を超え十五年以下のもの 百分の十
殘存期間が十五年を超え二十年以下のもの 百分の二十
殘存期間が二十年を超え二十五年以下のもの 百分の三十
殘存期間が二十五年を超え三十年以下のもの及び地上權で存續期間の定のないもの 百分の四十
殘存期間が三十年を超え三十五年以下のもの 百分の五十
殘存期間が三十五年を超え四十年以下のもの 百分の六十
殘存期間が四十年を超え四十五年以下のもの 百分の七十
殘存期間が四十五年を超え五十年以下のもの 百分の八十
殘存期間が五十年を超えるもの 百分の九十
第二十三條 法第二十九條の金融機關に對する預金、貯金及び積金その他これに準ずるものは、左に揭げるものとする。
一 第四條に揭げる預金、積金及び寄託金
二 郵便貯金
三 信託會社(信託業務を兼營する銀行を含む。以下同じ。)に對する合同運用信託(法第十一條第一項に規定する合同運用信託をいふ。以下同じ。)に關する權利
四 無盡會社に對する無盡契約に關する權利
五 金融機關に對する寄託金で大藏大臣が指定するもの
第二十四條 社債及び特別の法令により設立された法人で會社でないもの(以下特殊法人といふ。)の發行する債券の價額は、その發行價格を基準として定めたものによる。但し、會社經理應急措置法第一條に規定する特別經理會社(同法第三十九條の規定により、同法のうち必要な規定の準用を受けた法人を含む。)及び金融機關經理應急措置法第二十七條に規定する金融機關の發行に係るものの價額は、その發行價格、調査時期における當該法人の資產及び收益の狀況、調査時期後法施行の日までの當該法人の資產の異動の狀況等を參酌して定めたものによる。
株式その他の出資の價額は、大藏大臣の指定する期間における取引價額を基準として定めたものによる。但し、取引價額が明かでないものについては、調査時期における當該法人の資產及び收益の狀況、調査時期後法施行の日までの當該法人の資產の異動の狀況、大藏大臣の指定する期間における類似の他の法人の株式その他の出資の取引價額、調査時期におけるその類似の他の法人の資產及び收益の狀況、調査時期後法施行の日までのその類似の他の法人の資產の異動の狀況等を參酌して定めたものによる。
株式その他の出資について、調査時期後法施行の日までに前項の規定により算定した價額よりも低、價額の對價で讓渡があつた場合においては、その讓渡があつた當該株式その他の出資の價額は、前項の規定にかかはらず、その對價の價額による。
法第三十條第一項但書の公債の價額及び調査時期における資本金(出資總額、株金總額、出資總額及び株金總額の合計額又は基金總額をいふ。以下同じ。)千萬圓以上の法人の發行に係る社債(特殊法人の發行に係る債券を含む。以下同じ。)又は株式その他の出資の價額は、大藏大臣において、中央株式等評價委員會に諮問してこれを定め、その他の法人の發行に係る社債又は株式その他の出資の價額は、當該法人の本店又は主たる事務所の所在地の所轄財務局長において、地方株式等評價委員會に諮問してこれを定める。
大藏大臣は、法第三十條第一項但書の公債の價額及び調査時期における資本金千萬圓以上の法人の發行に係る社債又は株式その他の出資の價額を定めたときは、これを官報で公吿する。
財務局長は、資本金千萬圓未滿の法人の發行に係る社債又は株式その他の出資の價額を定めたときは、これを當該法人に通知する。
前二項の規定する法人の本店又は主たる事務所の所在地の所轄稅務署長は、當該法人の發行に係る社債又は株式その他の出資の價額を記載した書類を作成し、これを當該稅務署に備へて、縱覽に供する。
第二十五條 法第三十一條第一項第一號の割合を左の通り定める。
殘存期間が五年以下のもの 百分の八十
殘存期間が五年を超え十五年以下のもの 百分の七十
殘存期間が十五年を超え二十五年以下のもの 百分の六十
殘存期間が二十五年を超え三十五年以下のもの 百分の五十
殘存期間が三十五年を超えるもの 百分の四十
法第三十一條第一項第三號の倍數を左の通り定める。
二十五歲以下の者 十五倍
二十五歲を超え四十歲以下の者 十二倍
四十歲を超え五十歲以下の者 八倍
五十歲を超え六十歲以下の者 五倍
六十歲を超え七十歲以下の者 二倍
七十歲を超える者 一倍
定期金受取人に對し、一定期間、且つ、定期金受取人の生存中、定期金を給付する契約で、調査時期までに定期金の給付事由が發生してゐたものの價額は、法第三十一條第一項第一號に規定する有期定期金として算出した、價額による。
定期金受取人の死亡に至るまで定期金の給付をなす外、一定期間內に定期金受取人が死亡したときは、その死亡後その殘存期間遺族その他の第三者に對し繼續して定期金を給付する契約で、調査時期までに當該受取人につき、定期金の給付事由が發生してゐたものの價額は、法第三十一條第一項第三號に規定する終身定期金として算出した價額による。
法第三十一條第一項及び第二項の規定竝びに前四項の規定は、定期金に關する權利で契約に因り生じたもの以外のものの價額の算定について、これを準用する。但し、大藏大臣が特別の定をなす場合は、この限りでない。
第二十六條 調査時期において現に存した郵便年金契約で、その時までに、まだ年金支拂事由が發生してゐなかつたものに關する權利の價額は、調査時期までに拂ひ込まれた掛金の合計額に、掛金の拂込開始の時から調査時期までの經過期間に應じて、左の割合を乘じて算出した金額による。
經過期間が五年以下のもの 百分の九十
經過期間が五年を超え十年以下のもの 百分の百
經過期間が十年を超え十五年以下のもの 百分の百十
經過期間が十五年を超えるもの 百分の百二十
第二十七條 調査時期において現に存した生命保險契約で、その時までにまだ保險事故が發生してゐなかつたものに關する權利の價額は、調査時期までに拂ひ込まれた保險料の合計額(調査時期までに保險料の拂込期日の到來してゐない部分を除く。)に百分の七十の割合で乘じて算出した金額(保險金額に百分の二の割合を乘じて算出した金額を除く。)による。但し、保險料の全額が一時に拂ひ込まれた生命保險契約に關する權利の價額は、拂込保險料の全額に百分の百の割合を乘じて算出した金額による。
第二十八條 法第三十三條第一項及び第二項本文に規定する財產の價額は、左の各號の定める金額による。
一 生產者の有してゐた財產については、左に揭げる金額
イ 製品については、生產者がこれを販賣する場合において適用される統制額から、當該統制額のうちに含まれる適正利潤の額、調査時期後販賣の時までに要すると認められる經費(以下豫定經費といふ。)の額及びその者が納付すべき消費稅相當額の合計額を控除した金額
ロ 半製品については、生產者がその原材料品を購入する場合において適用される統制額にその原材料品の引取、加工等に要する正常な運賃、加工費その他の諸掛の額を加算した金額
ハ 原材料品については、生產者がこれを購入する場合において適用される統制額に、その原材料品の引取等に要する正常な運賃の額その他の諸掛の額を加算した金額
二 卸賣業者の有してゐた財產については、卸賣業者がこれを販賣する場合において適用される統制額から、當該統制額のうちに含まれる適正利潤の額、豫定經費の額及びその者が納付すべき消費稅相當額の合計額を控除した金額
三 小賣業者の有してゐた財產については、小賣業者がこれを販賣する場合において適用される統制額から、當該統制額のうちに含まれる適正利潤の額、豫定經費の額及びその者が納付すべき消費稅相當額の合計額を控除した金額
四 消費者の有してゐた財產については、小賣業者がこれを販賣する場合において適用される統制額
第二十九條 法第三十六條第一項の割合は、大藏大臣の定めるところによる。
法第三十六條第一項及び第二項の家庭用動產の範圍は、事業の用に供する動產以外の動產で、現金及び有價證券を除いたものとする。
第四章 申吿
第三十條 法第三十七條第一項の規定により申吿書を提出すべき者は、昭和二十二年一月三十一日までは、大藏大臣の定める事項を記載した申吿書を、申吿地(申吿義務者について、法第七十二條の規定に準じて定める地をいふ。以下同じ。)の所轄稅務署長に提出しなければならない。
前項の申吿書を提出すべき者が、法第四條第四項の規定により、被相續人が調査時期において有してゐた財產に對する財產稅を課せられる相續人である場合においては、相續人は、被相續人が調査時期において有してゐた財產及び相續人が調査時期において有してゐた財產を區分し、その各〻について、各別に前項の申吿書を提出しなければならない。
同居家族のうちに申吿義務者が二人以上ある場合においては、各その課稅價格を區分し、連署で第一項の申吿書を提出しなければならない。但し、申吿義務者たる他の同居家族の氏名を附記して、各別に申吿書を提出しても妨げない。
第三十一條 法施行の日以後昭和二十二年一月三十一日までに、法第三十八條第一項各號に揭げる事由に因り、法第三十七條第一項の申吿書の提出を要することとなつた者については、前條第一項の規定にする申吿書の提出期限は、その事由が生じた日の翌日から三箇月を經過した日とする。
通信、交通その他の狀況により、昭和二十二年一月三十一日までに、前條第一項の申吿書を提出することができない者については、前條第一項の規定による申吿書の提出期限は、その狀況が止んだ日の翌日から三箇月を經過した日とする。
第三十二條 第十一條第一項の場合においては、第三十條第一項の申吿書には、大藏大臣の定める事項を記載し、債務の金額が財產の價額を超過する者及び同居家族のうちで法第十二條第二項の規定の適用を受くべき者が連署しなければならない。
第三十三條 法第十八條又は法第十九條の規定による控除を受けようとする者は、大藏大臣の定める事項を記載した明細書を、第三十條第一項の申吿書に添附しなければならない。
法第十九條の規定による控除を受けようとする者は、第三十條第一項の申吿書の提出と同時に、第十六條各號に揭げる證明書その他これに準ずる書類を、申吿地の所轄稅務署長に呈示し、又は大藏大臣の定めるところにより、これらの書類を有することを證する書面を、第三十條第一項の申吿書に添附しなければならない。
第三十四條 法第三十八條第一項の規定により申吿書を提出すべき者は、同項に揭げる事由が發生した日の翌日から三箇月以內に、第三十條第一項の申吿書を、申吿地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
第三十一條第二項及び前條の規定は、前項の場合について、これを準用する。
第三十五條 法第三十九條第一項(同條第四項において準用する場合を含む。)の規定により申吿書を修正すべき者は、法第三十八條第一項に揭げる事由が發生した日の翌日から三箇月以內に、大藏大臣の定める事項を記載した申吿修正書(法第三十九條第四項において同條第一項の規定を準用する場合においては、課稅價格修正書)を、申吿地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
法第三十九條第三項(同條第五項において準用する場合を含む。)の規定により申吿書を修正すべき者は、課稅價額について脫漏があることを發見した後直ちに、大藏大臣の定める事項を記載した申吿修正書(法第三十九條第五項において同條第三項の規定を準用する場合においては、課稅價格修正書)を、申吿地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
第三十一條第二項の規定は、前二項の場合について、第三十三條の規定は、第一項の場合について、これを準用する。
第五章 納付
第三十六條 納稅義務者は、法第四十條第一項の規定により、財產稅を納付しようとするときは、大藏大臣の定める書式による納付書を添へて、これを日本銀行の本店、支店又は代理店に納付しなければならない。
第三十七條 法第四十一條第一項及び第四十四條第一項に規定する財產稅の稅額竝びに法第四十二條に規定する受益者が納付すべき財產稅額及び法第四十三條に規定する贈與者又は被相續人が納付すべき財產稅額には、法第六十五條の規定により加算する稅額及び法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額は、これを算入しない。但し、法第五十七條第一項の規定による延納稅額(法第四十條第一項第二號若しくは第五號に揭げる財產稅に對し、又は法第五十條の規定による追徵稅額に對し、法第六十五條の規定による稅額の加算をなし、これを延納する場合においては、延納稅額のうち當該加算稅額に相當する部分を除く。)に加算する稅額は、この限りでない。
第三十八條 法第四十二條又は法第四十三條第一項の規定により委託者又は受贈者若しくは相續人が連帶納付の責に任ずべき財產稅額は、受益者又は贈與者若しくは被相續人の調査時期における財產(法第八條及び法第九條の規定により、調査時期において、贈與者又は被相續人が有してゐたとみなされる財產を含む。以下同じ。)のうちに、法第五十五條第一項に規定する舊勘定財產(以下舊勘定財產といふ。)がある場合においては、左に揭げる金額の合計額とする。
一 受益者又は贈與者若しくは被相續人の課稅價格から舊勘定財產の價額を控除した金額により計算した財產稅の額のうち、當該課稅價格から舊勘定財產の價額を控除した金額中舊勘定財產以外の信託財產若しくは信託に關する權利又は贈與財產若しくは相續財產の價額が占める割合に應じて按分した金額
二 受益者又は贈與者若しくは被相續人が法第五十五條第一項の規定により舊勘定預貯金等(同項に規定する舊勘定預金等をいふ。以下同じ。)により納付を申請することができる財產稅額(法第六十五條の規定により加算する稅額及び法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額で、大藏大臣の定めるところにより、舊勘定財產に係るものと認められるものを除く。)のうち、舊勘定財產の價額中舊勘定財產たる信託財產若しくは信託に關する權利又は贈與財產若しくは相續財產の價額を占める割合に應じて按分した金額
第三十九條 法第四十三條第二項又は第三項の規定により、贈與者又は被相續人が受贈者又は相續人に對して請求することができる金額は、贈與者又は被相續人の調査時期における財產のうちに舊勘定財產がある場合においては、贈與者又は被相續人の納付した財產稅額のうち、その納付すべき財產稅額中前條の規定により受贈者又は相續人が連帶納付の責に任ずべき財產稅額が占める割合に應じて按分した金額とする。
舊勘定預金等により、財產稅を納付した贈與者又は被相續人が、法第四十三條第二項又は第三項の規定により、受贈者又は相續人に對して請求をなした場合においては、受贈者又は相續人は、贈與者又は被相續人が舊勘定預金等により納付した金額のうち贈與者又は被相續人が法第五十五條第一項の規定により舊勘定預金等による納付を申請することができる財產稅額(法第六十五條の規定により加算する稅額及び法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額で、大藏大臣の定めるところにより、舊勘定財產に係るものと認められるものを除く。)中前條第二號の金額が占める割合に應じて按分した金額について、贈與財產又は相續財產たる舊勘定財產に相當する舊勘定預金等を以て、贈與者又は被相續人の請求に應じて履行することができる。この場合において、受贈者又は相續人が當該舊勘定預金等を二以上の金融機關に有するときは、舊勘定預金等を以て請求に應じようとする金額を、各金融機關に對する舊勘定預金等に相當する舊勘定財產の價額の割合に應じて按分した金額について、各金融機關に對する舊勘定預金等を以て履行しなければならない。
前項の場合において、贈與財產又は相續財產たる舊勘定財產に相當する舊勘定預金等について、金融機關再建整備法により、その債權の一部が金融機關の新勘定又は新金融機關(同法第十五條の新金融機關をいふ。以下同じ。)に移されたときは、受贈者又は相續人は、前項の規定により舊勘定預金等を以て請求に應ずることができる金額のうち、當該舊勘定預金等の金額(當該舊勘定財產の價額に相當する金額をいふ。以下本條中同じ。)中舊勘定に殘つてゐる金額が占める割合に應じて按分した金額に限り、當該舊勘定預金等を以て、贈與者又は被相續人の請求に應じて履行することができる。
第二項の場合において、贈與財產又は相續財產たる舊勘定財產に相當する舊勘定預金等について、金融機關再建整備法による舊勘定の最終處理の結果、その債權の全部又は一部が消滅したときは受贈者又は相續人は、第二項の規定により當該舊勘定預金等を以て請求に應ずることができる金額のうち、當該舊勘定預金等の金額中消滅した債權の金額が占める割合に應じて按分した金額については、その請求に應ずる必要がない。
第四十條 法第四十三條第二項又は第三項の場合において贈與者又は被相續人が受贈者又は相續人に請求することができる金額は、受贈者又は相續人が同條第一項又は法第四十四條第一項の規定により連帶納付の責に任ずべき財產稅額から受贈者又は相續人が連帶して納付した稅額を控除した金額を超えることができない。
第四十一條 法第四十五條第一項(同條第二項において、準用する場合を含む。)の預金、貯金その他の債權は、左に揭げるもので金融機關經理應急措置法により金融機關の新勘定に屬することとなつたものとする。但し、擔保權が存するものを除く。
一 第四條各號に揭げる金融機關に對する定期預金、定期貯金、据置貯金、定期積金又は定期寄託金
二 信託會社に對する合同運用信託に關する權利
第四十二條 納稅義務者が前條に揭げる定期預金、定期貯金、据置貯金若しくは定期寄託金の全部若しくは一部につき期限前の拂戾を請求し、又は定期積金若しくは合同運用信託につき契約を解除し若しくは變更してその拂ひ込んだ掛金若しくは信託した金額の全部若しくは一部に相當する金額の給付を請求しようとするときは、第三十六條に規定する納付書又はこれに準ずる書類に、大藏大臣の定める事項について納稅地の所轄稅務署長の證明を受け、これを金融機關に呈示しなければならない。
前項の場合において、金融機關が納稅義務者から同項の規定による證明のある書類の呈示を受けたときは、金融機關は、その請求に應じなければならない。
前項の規定により金融機關が請求金額の拂戾又は給付をなす場合においては、金融機關は、主務大臣の定めるところにより、その金額に對する利子、利子相當額又は利益額を支拂はなければならない。
第四十三條 前條の場合においては、金融機關は、何等の名義を以てするを問はず、納稅義務者から補償金、手數料その他これらに類するものを受けることができない。
第四十四條 第三十六條及び前二條の規定は、財產稅につき連帶納付の責に任ずる者について、これを準用する。
第六章 物納及び延納
第四十五條 舊勘定預金等は、金融機關經理應急措置法により金融機關の舊勘定に屬することとなつた左に揭げる預金、貯金その他の債權とする。
一 第四條及び第二十三條第三號乃至第五號に揭げる預金、貯金及び積金その他これに準ずるもの
二 生命保險會社又は生命保險中央會に對する生命保險契約に關する權利
第四十六條 舊勘定財產は、納稅義務者の調査時期における財產で、左に揭げるものとする。
一 同一金融機關に對する預金、貯金その他の債權(以下預貯金等といふ。)について、その昭和二十一年八月十一日午前零時(以下指定時といふ。)における金額が、調査時期における預貯金等(日本銀行券預入令第二條第一項の規定により預金、貯金又は金錢信託となされたものを含む。但し、同條第二項の規定により支拂がなされた部分を除く。以下同じ。)の金額と同額であるとき又はこれに比し減少してゐたときは、その調査時期における預貯金等のうち、指定時における舊勘定預金等の金額(大藏大臣の定める公租公課その他の債務で舊勘定預金等を以て履行したもの又は履行し得るものがあるときは、當該債務の金額を控除した金額をいふ。)に相當するもの
二 同一金融機關に對する預貯金等について、その指定時における金額が、調査時期における預貯金等の金額に比し增加してゐたときは、その調査時期における預貯金等のうち、その增加がなかつたとすれば指定時において舊勘定預金等となるべきであつた金額(大藏大臣の定める公租公課その他の債務で舊勘定預金等を以て履行したもの又は履行し得るものがあるときは、當該債務の金額のうち、指定時において現に存した舊勘定預金等の金額中前記の指定時において舊勘定預金等となるべきであつた金額が占める割合に應じて按分した金額を控除した金額をいふ。)に相當するもの
三 調査時期における財產(不動產、船舶、鑛業權及び有價證券に限る。)の賣却代金又は調査時期にあつた債權について辨濟として受けた財產が舊勘定預金等となつた場合において、納稅義務者が、イの金額とロの金額との差額に相當する稅額について、調査時期に有してゐなかつた財產(舊勘定預金等となつたものを除く。)による納付を困難とするときは、當該賣却財產又は當該債權のうち、その差額に相當する稅額中納付を困難とする稅額に對應するもの
イ 課稅價格から前二號に揭げる舊勘定財產の價額を控除した金額により計算した財產稅の額
ロ 課稅價格から前二號に揭げる舊勘定財產及び當該賣却財產又は當該債權の價額の合計額を控除した金額により計算した財產稅の額
前項第一號又は第二號の規定の適用については、甲金融機關に對する調査時期における預貯金等が指定時までに乙金融機關に移されたときは、その移された金額は調査時期において乙金融機關にあつたものとみなす。
第一項第一號又は第二號の規定の適用については、同項第三號の賣却代金又は辨濟として受けた財產の額のうち預貯金等となつた金額及び舊勘定預金等となつた金額は、同項第一號の預貯金等の指定時における金額及び指定時における舊勘定預金等の金額に、同項第二號の預貯金等の指定時における金額及び指定時において現に存した舊勘定預金等の金額に、夫々これを算入しない。
調査時期後贈與、遺贈又は寄附行爲に因り調査時期における預貯金等の移轉があつた場合における第一項の規定の適用について必要な事項は、大藏大臣がこれを定める。
第四十七條 法第五十五條第一項に規定する「納付すべき財產稅額」、には法第六十五條の規定により加算する稅額及び法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額を含むものとし、又、法第五十五條第一項に規定する「課稅價格から舊勘定財產の價額を控除した金額により計算した財產稅の額」には、法第六十五條の規定により加算する稅額及び法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額で、當該財產稅の額に係るものを含むものとする。
法第五十五條第一項又は第二項の規定により、納稅義務者又は財產稅につき連帶納付の責に任ずる者が財產稅の納付に充てることができる舊勘定預金等は、當該財產稅に關する舊勘定財產に相當する舊勘定預金等とする。但し、擔保權が存するものを除く。
第四十八條 納稅義務者が舊勘定預金等により財產稅を納付しようとする場合において、舊勘定財產に相當する舊勘定預金等を二以上の金融機關に有するときは、法第五十五條第一項の規定により舊勘定預金等による納付を申請することができる稅額を、各金融機關に對する舊勘定預金等(擔保權が存するものを除く。)に相當する舊勘定財產の價額の割合に應じて按分した金額に相當する財產稅額について、各金融機關に對する舊勘定預金等による納付を申請しなければならない。但し、大藏大臣が特別の定をなす場合は、この限りでない。
第四十九條 財產稅につき連帶納付の責に任ずる者は、當該財產稅に關する舊勘定財產に相當する舊勘定預金等を有するときは、納稅義務者が法第五十五條第一項の規定により舊勘定預金等による納付を申請することができる財產稅額のうち、納稅義務者の課稅價格算定の基礎となつた舊勘定財產の價額中連帶納付の責に任ずる者が有する當該舊勘定預金等に相當する舊勘定財產の價額が占める割合に應じて按分した金額に相當する稅額について、當該舊勘定預金等による納付を申請することができる。
第五十條 舊勘定財產に相當する舊勘定預金等について、指定時後舊勘定預金等による財產稅の納付前に、金融機關再建整備法によりその債權の一部が新勘定又は新金融機關に移されたときは、納稅義務者は、當該舊勘定預金等による納付を申請することができる稅額のうち、當該舊勘定預金等の金額(當該舊勘定財產の價額に相當する金額をいふ。)中舊勘定に殘つてゐる金額が占める割合に應じて按分した稅額に限り、當該舊勘定預金等により納付することができる。
第五十一條 納稅義務者は、舊勘定預金等により財產稅を納付しようとするときは、法第四十條第一項各號に揭げる納付の期限の一箇月前又は法第五十條に規定する納期限前に、大藏大臣の定める事項を記載した申請書を、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
第五十二條 納稅義務者は、法第五十五條第一項の規定により、舊勘定預金等による財產稅納付のため必要があるときは、その限度において舊勘定預金等に關する定期積金契約、合同運用信託契約、生命保險契約又は無盡契約を解除し又は變更することができる。この場合においては、納稅義務者は、その拂ひ込んだ掛金、信託した金額又は保險契約者のために積み立てた責任準備金の全部又は一部に相當する金額に對し、主務大臣の定める利子、利子相當額又は利益額を加算した金額に相當する金額の債權を契約の相手方たる金融機關に對して取得する。
第四十三條の規定は、前項の場合について、これを準用する。
第五十三條 納稅義務者は、舊勘定預金等による財產稅の納付を許可されたときは、その許可書及び舊勘定預金等の通帳又は證書を呈示して、預金、貯金又は恩給金庫に對する寄託金については財產稅の納付に充てようとする金額に相當する債權により財產稅の納付をなすべき旨を、又、定期積金契約、合同運用信託契約、生命保險契約又は無盡契約については財產稅の納付に充てるため必要とする金額の限度においてその契約を解除し又は變更してこれに因り取得した債權により財產稅の納付をなすべき旨を、契約の相手方たる金融機關に申し出なければならない。
前項の申出があつたときは、當該債權は、他の法令又は契約にかかはらず、政府に對し移轉したものとみなし、同時にその金額に相當する財產稅の納付があつたものとする。この場合においては、相手方たる金融機關は、大藏大臣の定める事項を、納稅義務者の納稅地の所轄稅務署長に通知しなければならない。
第五十四條 法第五十六條第一項(同條第二項において準用する場合を含む。)の規定により物納に充てることができる財產は、納稅義務者の課稅價格算定の基礎となつた財產で、左に揭げるものとする。
一 國債及び地方債
二 社債、全額拂込濟の株式その他の出資及び投資信託の受益證券
三 不動產
四 動產
前項第二號又は第三號に揭げる財產を物納に充てることができる場合は、同項第一號に揭げる財產で納稅義務者が物納申請の際現に有するものの價額の合計額の百分の八十以上を物納に充てる場合に限る。
第一項第四號に揭げる財產を物納に充てることができる場合は、同項第二號及び第三號に揭げる財產で納稅義務者が物納申請の際現に有するものの價額の合計額の百分の八十以上を物納に充てる場合に限る。但し、同項第二號及び第三號に揭げる財產で納稅義務者が物納申請の際現に有するもののうち、適當な價額のものがないときは、この限りでない。
第五十五條 法第五十六條第一項(同條第二項において準用する場合を含む。)の規定により物納に充てる場合における前條の財產の收納價額は、左の各號に揭げる價額による。但し、調査時期後その財產の狀況に著しい變化を生じたときは、稅務署長は、收納の時の現況により、その價額を定めることができる。
一 法第四十條第一項各號に揭げる財產稅を納付する場合(法第六十五條第一項の規定により加算する稅額又は法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額を納付する場合を含む。)においては、法第三十七條乃至第三十九條の規定により納稅義務者が申吿書に記載した當該財產の價額、但し、稅務署長がその價額を不相當と認めるときは、その相當と認める價額
二 法第五十條の規定による追徵稅額に相當する財產稅を納付する場合(法第六十五條第三項において準用する同條第一項の規定により加算する稅額又は法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額を納付する場合を含む。)においては、課稅價格の更正又は決定の基礎となつた當該財產の價額
第五十六條 第五十四條第一項に揭げるものの外、調査時期における財產のうちに、金融緊急措置令により封鎖預金等となつた郵便貯金又は郵便年金で大藏大臣の定めるもの(以下準舊勘定預金等といふ。)に相當すると認められる財產(以下準舊勘定財產といふ。)があるときは、納稅義務者は、第一號に揭げる財產稅額から第二號に揭げる財產稅額を控除した稅額について、當該準舊勘定預金等を以てその物納に充てることができる。
一 納稅義務者の納付すべき財產稅額(法第六十五條の規定により加算する稅額及び法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額を含む。)と、課稅價格から舊勘定財產及び準舊勘定財產の價額を控除した金額により計算した財產稅の額(法第六十五條の規定により加算する稅額及び法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額で當該財產稅の額に係るものを含む。)との差額に相當する稅額
二 納稅義務者が法第五十五條第一項の規定により、舊勘定預金等による財產稅の納付を申請することができる稅額
納稅義務者は、前項の規定により、準舊勘定預金等による財產稅納付のため必要があるときは、その限度において準舊勘定預金等に關する郵便年金契約を變更することができる。この場合においては、納稅義務者は、遞信大臣の定めるところにより計算した金額に相當する金額の債權を國に對して取得する。
第四十六條の規定は、準舊勘定財產について、第四十七條第二項の規定は、準舊勘定預金等について、これを準用する。
第五十三條の規定は、準舊勘定預金等により財產稅を納付する場合について、これを準用する。この場合において、同條中「預金、貯金又は恩給金庫に對する寄託金」とあるのは「郵便貯金」、「定期積金契約、合同運用信託契約、生命保險契約又は無盡契約」とあるのは「郵便年金契約」、「その契約を解除し又は變更して」とあるのは「その契約を變更して」、「契約の相手方たる金融機關」とあるのは「郵便官署」と讀み替へるものとする。
第五十七條 納稅義務者は、財產稅の物納を申請しようとするときは、法第四十條第一項各號に揭げる納付の期限の一箇月前又は法第五十條に規定する納期限前に、大藏大臣の定める事項を記載した申請書を納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
第五十八條 稅務署長は、納稅義務者の物納に充てようとする財產が管理又は處分をなすに不適當と認めるときは、その變換を命じ又は物納を許可しないことができる。
第五十九條 納稅義務者は、前條の規定により物納に充てようとする財產の變換を命ぜられた場合において、他の財產を以て物納に充てようとするときは、その旨の通知を受けた後二十日以內に、大藏大臣の定める事項を記載した申請書を、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
納稅義務者が前項の期間內に同項の申請書を提出しなかつたときは、物納の申請は、その效力を失ふ。
第六十條 第五十四條第一項に揭げる財產による物納の許可を受けた稅額に相當する財產稅は、物納に充てようとする財產の引渡、所有權移轉の登記その他法令により第三者に對抗することのできる要件を充足した時において納付があつたものとする。
第六十一條 納稅義務者は、財產稅の延納を申請しようとするときは、法第四十條第一項各號に揭げる納付の期限の一箇月前又は法第五十條に規定する納期限前に、大藏大臣の定める事項を記載した申請書を、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。但し、延納稅額が五萬圓を超え十萬圓以下であるときは、納稅地の所轄稅務署長を經由し所轄財務局長に、延納稅額が十萬圓を超えるときは納稅地の所轄稅務署長を經由し大藏大臣に、これを提出しなければならない。
納稅義務者が第五十七條の規定による申請書を提出した場合において、物納を許可されなかつたとき又は第五十八條の規定により物納に充てようとする財產の變換を命ぜられたときは、當該財產稅については、前項の規定にかかはらず、その旨の通知を受けた後二十日以內に、前項の申請書を提出することができる。
第六十二條 法第五十七條第一項に規定する擔保の種類は、左に揭げるものとする。
一 國債及び地方債竝びに稅務署長において確實と認める社債及びその他の有價證券
二 土地
三 保險に附した家屋
四 保險に附した立木
五 保險に附した船舶
六 工場財團、鑛業財團及び漁業財團
第六十三條 擔保として前條第一號の財產を提供しようとする者は、これを供託し、その供託受領證を納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。但し、登錄國債又は社債等登錄法により登錄した社債については、その登錄を受け、登錄濟通知書又は登錄濟證を提出し、なほ乙種國債登錄簿に登錄したものについては記名國債證券を供託し、その供託受領證を提出しなければならない。
擔保として前條第二號乃至第六號の財產を提供した者があるときは、稅務署長は、低當權の登記又は登錄を登記所又は登錄官廳に囑託しなければならない。
第六十四條 稅務署長は、擔保物の價額が減少したと認めるときは、增擔保を提供させることができる。
擔保として提供した第六十二條第一號の財產につき償還、支拂等を受けるに至つたとき、又は家屋、立木若しくは船舶が滅失したとき、若しくはその保險契約が消滅したときは、納稅義務者は、これに代る擔保を提供しなければならない。
第六十五條 前條の規定により擔保を提供しなければならない場合においてこれを提供しないときは、稅務署長は、延納の許可を取り消して稅金を一時に徵收することができる。延納稅金を滯納した場合においてもまた同じ。
第六十六條 延納の許可を受けた者が延納稅金を滯納した場合において、擔保物があるときは、擔保物を公賣に付し延納稅金(督促手數料、延滯金及び公賣の費用を含む。以下本條中同じ。)に充てる。
前項の規定による公賣手續については、國稅滯納處分の場合における公賣の例による。
第一項の規定により擔保物を公賣に付しようとする場合において、擔保物の價額が延納稅金に充てなほ不足があると認めるときは、納稅義務者の他の財產につき滯納處分を行ふことができる。
第六十七條 延納稅金が完納されたときは、稅務署長は、擔保解除の手續をしなければならない。
第六十八條 稅務署長は第五十一條(第七十一條において準用する場合を含む。)、第五十七條(第七十一條において準用する場合を含む。)又は第六十一條の規定による申請書の提出があつた場合において、必要があると認めるときは、納稅義務者の申請により、稅金の納付を猶豫することができる。
納稅義務者は、前項の規定により稅金の納付の猶豫を受けようとするときは、事由を具し、前項に揭げる申請書の提出と同時に、納稅地の所轄稅務署長に申請しなければならない。
稅務署長は、第一項の規定により稅金の納付の猶豫に關する處分をなしたときは、これを納稅義務者に通知する。
第一項の規定により稅金の納付の猶豫の處分があつた場合において、舊勘定預金等による納付、物納若しくは延納の申請が取り消されたとき又はこれらに關する處分の確定後において若しくは第五十九條第二項の規定により物納の申請がその效力を失つた後において納稅義務者の納付すべき稅金があるときは、稅務署長は、納期限を指定して當該稅金を徵收する。
第六十九條 法第五十五條第一項又は第二項の規定の適用を受けて納付した財產稅につき舊勘定預金等により納付した部分に過誤納額があつた場合においては、當該部分の過誤納額については、その納付に充てられた舊勘定預金等を以て還付する。
前項の場合において、納付に充てられた舊勘定預金等について、金融機關再建整備法によりその債權の一部が新勘定又は新金融機關に移されたときは、前項に規定する過誤納額のうち、その納付に充てられた舊勘定預金等の金額中舊勘定に殘つてゐる金額が占める割合に應じて按分した金額については、當該舊勘定預金等を以て還付する。
第一項の場合において、納付に充てられた舊勘定預金等について、金融機關再建整備法による舊勘定の最終處理の結果、その債權の全部又は一部が消滅したときは、第一項に規定する過誤納額のうち、その納付に充てられた舊勘定預金等の金額中消滅した債權の金額が占める割合に應じて按分した金額については、これを還付しない。
第七十條 法第五十六條第一項の規定の適用を受けて財產稅を納付した場合においてその財產稅につき過誤納額があつたときは、その物納に充てた第五十四條第一項に揭げる財產は、納稅義務者の申請により、これを過誤納額(前條の規定の適用のあるものを除く。以下本條中同じ。)の還付に充てることができる。但し、當該財產が換價されてゐたとき、公用若しくは公共の用に供せられてゐるとき又は過誤納額が當該財產の收納價額の二分の一に滿たないときは、この限りでない。
前項の規定により過誤納額の還付に充てる場合における當該財產の價額は、その收納價額(政府がその財產につき有益費を出したときは、その費用の額に相當する金額を加算した金額以下本條中同じ。)による。
第一項の場合において、過誤納額が當該財產の收納價額に滿たないときは、納稅義務者は、その收納價額と過誤納額との差額に相當する金額を支拂はなければならない。
前條第一項及び第三項の規定は、第五十六條第一項に規定する準舊勘定預金等により納付した財產稅につき、準舊勘定預金等を以て納付した部分に過誤納額があつた場合について、これを準用する。この場合において、前條第一項及び第三項中「法第五十五條第一項又は第二項」とあるのは「法第五十六條第一項」、「舊勘定預金等」とあるのは「準舊勘定預金等」、「金融機關再建整備法による舊勘定の最終處理の結果」とあるのは「大藏省預金部等損失特別處理法により」と讀み替へるものとする。
第七十一條 第四十八條、第五十條乃至第五十三條、第五十四條第二項及び第三項、第五十六條乃至第五十九條及び前條の規定は、財產稅につき、連帶納付の責に任ずる者について、これを準用する。この場合において、第四十八條及び第五十六條中「法第五十五條第一項」とあるのは「第四十九條」、第五十一條及び第五十七條中「法第四十條第一項各號に揭げる納付の期限の一箇月前又は法第五十條に規定する納期限前に」とあるのは「納稅義務者の納稅地の所轄稅務署長から財產稅を納付すべき旨の通知を受けた後二十日以內に」、「納稅地の所轄稅務署長」とあるのは「當該稅務署長」、第五十二條中「第一項」とあるのは「第二項」、前條中「法第五十六條第一項」とあるのは「法第五十六條第二項において準用する同條第一項」と讀み替へるものとする。
第七章 雜則
第七十二條 納稅義務者が、震災、風水害、落雷、火災、火山爆發その他の天災に因り著しく資力を喪失して、納稅困難と認められるときは、稅務署長は、納稅義務者の申請により、財產稅を輕減し又は免除することができる。
納稅義務者は、前項の規定により財產稅の輕減又は免除を受けようとするときは、事由を具し、納稅地の所轄稅務署長に申請しなければならない。
稅務署長は、第一項の規定により財產稅の輕減又は免除に關する處分をなしたときは、これを納稅義務者に通知する。
第七十三條 法第五十五條の規定により舊勘定預金等による納付を申請することができる稅額があつた場合において、舊勘定預金等により納付する財產稅の納付前に、舊勘定財產に相當する舊勘定預金等について、金融機關再建整備法による舊勘定の最終處理の結果、その債權の全部又は一部が消滅したときは、稅務署長は、當該舊勘定預金等による納付を申請することができる稅額のうち、當該舊勘定預金等の金額(當該舊勘定財產の價額に相當する金額をいふ。)中消滅した債權の金額が占める割合に應じて按分した金額に相當する財產稅を免除する。
前項の規定により財產稅の免除を受けようとする者は、大藏大臣の定めるところにより、その旨を、納稅地の所轄稅務署長に申請しなければならない。
稅務署長は、第一項の規定による財產稅の免除に關する處分をなしたときは、これを申請者に通知する。
前三項の規定は、準舊勘定預金等による納付を申請することができる稅額があつた場合について、これを準用する。
第七十四條 納稅義務者の提出した申吿書(申吿修正書を含む。)又は課稅價格の更正、決定若しくは修正に關する書類を閱覽しようとする者は、大藏大臣の定めるところにより、手數料を納付して當該納稅義務者の納稅地の所轄稅務署長に、その閱覽を請求することができる。
第七十五條 法第六十四條第一項の規定による報吿をしようとする者は、左の事項を明かにして、大藏大臣又は財務局長にその報吿をなさなければならない。
一 報吿者の住所又は居所及び氏名
二 納稅義務があると認められる者が、申吿書を提出しなかつた事實又は納稅義務者の課稅價格に脫漏があると認められる事實の詳細
三 前號の納稅義務があると認められる者又は納稅義務者の住所又は居所及び氏名
第七十六條 法第六十四條第一項の規定による報吿をなした者に交付する報償金の金額は、その報吿に因り稅務署長が課稅價格の決定又は更正により徵收することができた稅額(法第六十五條の規定により加算する稅額及び法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額を除く。)の百分の二十五以下に相當する金額で、その報吿が課稅價格の決定又は更正に寄與した程度等に應じ、財務局長の適當と認める金額による。
法第六十四條第一項の規定による報償金は、納稅義務者の納稅地の所轄財務局長が、これを交付する。
第七十七條 法第六十五條第一項の規定により法第四十條第一項第二號若しくは第五號に揭げる財產稅に加算する稅額又は法第六十五條第三項において準用する同條第一項の規定により法第五十條の規定による追徵稅額に相當する財產稅に加算する稅額は、當該稅額に、左の各號に揭げる日數に應じ、年百分の十の割合を乘じて算出した金額による。
一 法第四十條第一項第二號に揭げる財產稅については、左に揭げる日から、同號に揭げる納付の期限までの日數
イ 法第三十七條の申吿期限內に申吿書を提出すべきであつた場合においては、法第四十條第一項第一號に揭げる納付の期限の翌日
ロ 法第三十八條の申吿期限內に申吿書を提出すべきであつた場合においては、法第四十條第一項第三號に揭げる納付の期限の翌日
二 法第四十條第一項第五號に揭げる財產稅又は法第五十條の規定による追徵稅額に相當する財產稅については、左に揭げる日から、法第四十條第一項第五號に揭げる納付の期限までの日數又は法第五十條に規定する納期限までの日數
イ 法第三十七條の申吿期限內に申吿書を提出した場合又は提出すべきであつた場合においては、法第四十條第一項第一號に揭げる納付の期限の翌日
ロ 法第三十八條の申吿期限內に申吿書を提出した場合又は提出すべきであつた場合においては、法第四十條第一項第三號に揭げる納付の期限の翌日
ハ 法第三十九條第一項(同條第四項において準用する場合を含む。)の規定による修正期限內に申吿書若しくは課稅價格を修正した場合又は修正すべきであつた場合においては、法第四十條第一項第四號に揭げる納付の期限の翌日
法第六十五條第三項において準用する同條第一項の規定により、法第五十七條第一項の規定による延納稅額に相當する財產稅に加算する稅額は、延納稅額の未納額(滯納に係る額を除く。)に、左の各號に揭げる日數に應じ、年百分の十の割合を乘じて算出した金額による。
一 第一囘に納付すべき延納稅額に相當する財產稅については、左に揭げる日から、當該延納稅額の納期限までの日數
イ 法第三十七條の申吿期限內に提出された申吿書に記載された課稅價格に對する財產稅を延納する場合においては、法第四十條第一項第一號に揭げる納付の期限の翌日
ロ 法第三十八條の申吿期限內に提出された申吿書に記載された課稅價格に對する財產稅を延納する場合においては、法第四十條第一項第三號に揭げる納付の期限の翌日
ハ 法第三十九條第一項の規定による申吿書の修正又は同條第四項の規定による課稅價格の修正に因り增加する稅額に相當する財產稅を延納する場合においては、法第四十條第一項第四號に揭げる納付の期限の翌日
ニ 法第四十條第一項第二號又は同項第五號に揭げる財產稅(前項の規定により加算する財產稅を含む。)を延納する場合においては、同條第一項第二號又は第五號に揭げる納付の期限の翌日
ホ 法第五十條の規定による追徵稅額に相當する財產稅(前項の規定により加算する財產稅を含む。)を延納する場合においては、同條の納期限の翌日
二 第二囘以後に納付すべき延納稅額に相當する財產稅については前囘の延納稅額の納期限の翌日から、その囘の延納稅額の納期限までの日數
稅務署長は、已むを得ない事由があると認めるときは、大藏大臣の定めるところにより、第一項の加算稅額を免除することができる。
第七十八條 法第四十條第一項第二號若しくは第五號に揭げる財產稅の納付があつた場合又は法第五十條の規定による追徵稅額に相當する財產稅を徵收することとなつた場合において、法第六十六條第一項の規定による追徵する稅額は、左に揭げる日から、當該財產稅に關する申吿書(申吿修正書及び課稅價格修正書を含む。)を提出した日又は課稅價格の更正若しくは決定の通知をなした日までの期間に應じ、一箇月を經過するごとに、當該稅額に百分の五を乘じて算出した金額による。
一 法第三十七條の申吿期限內に申吿書を提出すべき場合においては、當該申吿期限の翌日
二 法第三十八條の申吿期限內に申吿書を提出すべき場合においては、當該申吿期限の翌日
三 法第三十九條第一項(同條第四項において準用する場合を含む。)の規定による修正期限內に申吿書又は課稅價格を修正すべき場合においては、當該修正期限の翌日
第七十九條 法第二十一條第二項中政府とあるのは、申吿地の所轄稅務署長とし、法第四十條第二項、第四十六條乃至第五十條、第五十一條第三項、第六十條第二項、第六十五條第三項、第六十六條、第六十七條、第七十二條乃至第七十四條及び第七十六條第四項中政府とあるのは、納稅地の所轄稅務署長とし、法第六十八條及び第六十九條中政府とあるのは、調書又は明細書若しくは書類の提出義務者の住所地の所轄稅務署長とし、法第五十二條第一項中政府とあるのは、納稅地の所轄財務局長とし、法第六十二條中政府とあるのは、大藏大臣とする。
法第五十一條第一項(同條第二項において準用する場合を含む。)の規定により、審査の請求をなすべき相手方は、納稅地の所轄財務局長とする。
第八十條 この勅令に定めるものの外、法施行に關し必要な事項は、大藏大臣がこれを定める。
附 則
この勅令は、法施行の日から、これを施行する。
法附則第三項の規定により山林の所得から控除すべき金額は、納稅義務者の調査時期における財產の價額のうち、その讓渡し又は物納に充てた立木の價額が占める割合を財產稅額(法第六十五條の規定により加算する稅額及び法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額を除く。)に乘じて算出した金額による。但し、その控除金額は、山林の所得のうち、當該立木の讓渡又は物納により生じたものを超えることができない。
法附則第三項の規定の適用を受けようとする者は、所得稅法第三十四條の申吿と同時に、控除を受くべき財產稅額その他必要な事項を記載した申請書を、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
稅務署長は、特別の事情があると認めるときは、前項の申請がなかつた場合においても、法附則第三項の規定を適用することができる。
法第四條第四項の相續人又は相續財團の納付する財產稅額(法第六十五條の規定により加算する稅額又は法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額を除く。)は、法附則第五項の規定により、相續稅法第三條又は第三條ノ二に揭げる公課とみなす。
前項の規定の適用を受けようとする者は、法第三十七條の申吿期限後又は法第三十八條の申吿期限後一箇月以內に、當該財產稅額その他必要な事項を記載した申請書を、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
附則第四條の規定は、前項の場合について、これを準用する。
所得稅法施行規則の一部を次のやうに改正する。
第十二條ノ三中「同日ニ於ケル價額」の下に「(土地、家屋、借地法ニ依ル借地權、借地法ニ依ル借地權タルモノ以外ノ地上權及永小作權ノ價額ニ付テハ財產稅法第三章ノ規定及之ニ基キ發スル命令ニ依リ算定シタル價額)」を加へる。
朕は、財産税法施行規則を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十一月十八日
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 石橋湛山
勅令第五百四十九号
財産税法施行規則目次
第一章
総則
第二章
課税価格
第三章
財産の評価
第四章
申告
第五章
納付
第六章
物納及び延納
第七章
雑則
財産税法施行規則
第一章 総則
第一条 財産税法(以下法といふ。)第二条の外国人は、法施行の際左に掲げる国の国籍を有する者(日本の国籍を有する者を除く。)とする。
オーストラリア、ベルギー王国、ボリヴィア国、ブラジル国、カナダ、チリ国、中華民国、コロンビア国、コスタ、リカ国、キュバ国、チェッコスロヴァキア国、デンマーク国、ドミニカ共和国、エクアドル国、エジプト国、エティオピア国、フランス国、グレート、ブリテン及び北部アイルランド連合王国、ギリシァ国、グァテマラ国、ハイティ国、ホンデュラス国、アイスランド国、インド、イラン国、イラーク国、レバノン、リベリア国、ルクセンブルグ大公国、メキシコ国、オランダ王国、ニュー・ジーランド、ニカラグァ国、ノールウェー王国、パナマ国、ペラグァイ国、ペルー国、フィリッピン連邦、ポーランド国、サルヴァドル国、サウデイ、アラビア国、シリア、トルコ国、南アフリカ連邦、ソヴイエト社会主義共和国連邦、アメリカ合衆国、ウルグァイ国、ヴェネズエラ国、ユーゴースラヴィア国
第二条 民法第千五十一条に規定する法人(以下相続財団といふ。)で、調査時期において現に存したものについて、法第三十七条第一項に規定する申告書の提出期限(以下法第三十七条の申告期限といふ。)又は法第三十八条第一項に規定する申告書の提出期限(以下法第三十八条の申告期限といふ。)までに、相続人があることが分明となり又は相続財産が国庫に帰属することとなつた場合においては、当該相続財団については、法第三条第一項の規定は、これを適用しない。
法第三条第一項に規定する相続財団(前項に規定するものを除く。以下同じ。)について、被相続人が相続開始直前において、戸籍法の適用を受けるものであつた場合においては、当該相続財団は、これを戸籍法の適用を受ける個人とみなす。
法第三条第一項に規定する相続財団について、被相続人が相続開始直前において、法施行地に住所を有し又は一年以上居所を有してゐた場合においては、当該相続財団は、これを調査時期において法施行地に住所を有し又は一年以上居所を有してゐた個人とみなす。
法第三条第一項に規定する相続財団について、民法第千五十二条の規定により選任せられた相続財産の管理人が法施行地に住所又は居所を有するときは、その管理人の住所地(法施行地に住所のないときは居所地)を当該相続財団の納税地とみなし、当該管理人を当該相続財団について申告書の提出、納税その他財産税に関する一切の事項を処理するため定められた納税管理人とみなす。
法第三条第一項に規定する相続財団について、相続財産の管理人が法施行地に住所及び居所を有してゐないときは、当該管理人は、法第七十二条第二項の規定に準じ納税地を定め、法第七十三条の規定に準じ納税地に居住する者のうちから納税管理人を定めて、納税地の所轄税務署長に申告しなければならない。
法第三条第一項に規定する相続財団について、法第三十七条の申告期限後又は法第三十八条の申告期限後相続人があることが分明となつた場合においては、当該相続財団につき法第三条第一項の規定並びに第二項及び第三項の規定により課せらるべき財産税額を以て、当該相続財産につき相続人が課せらるべき財産税額とみなす。
第三条 前条第四項及び第五項の規定は、法第四条第四項の規定により、相続財団に財産税を課する場合について、これを準用する。
第四条 法第五条第一項第四号の金融機関に対する預金、貯金、積金又は寄託金は、左に掲げるものとする。
一 銀行又は無尽会社に対する預金、貯金又は積金
二 市町村農業会、信用組合又は市街地信用組合に対する貯金又は積金
三 塩業組合、工業組合、商業組合、統制組合、貿易組合、漁業協同組合、漁業会、製造業会、自動車運送事業組合、塩業組合連合会、工業組合連合会、商業組合連合会、貿易組合連合会、自動車運送事業組合連合会、都道府県農業会、道府県水産業会、農林中央金庫、商工組合中央金庫又は庶民金庫に対する貯金又は積金
四 恩給金庫に対する寄託金
第五条 左の各号の一に該当する場合においては、調査時期において現に存した郵便年金契約で、その時までにまだ年金支払事由が発生してゐなかつたもの又は調査時期において現に存した生命保険契約で、その時までにまだ保険事故が発生してゐなかつたものについては、法第七条但書の規定により、当該各号に掲げる者が、その契約に関する権利の全部を有してゐたものとみなす。
一 契約者が他人のために契約をなし、且つ、その他人が現実に掛金又は保険料の全部を負担してゐた場合においては、その掛金又は保険料を負担してゐた者
二 前号に掲げる場合の外、雇傭者が契約者となつて、被傭者を年金受取人及び返還金受取人又は被保険者及び保険金受取人となしてゐた場合、被傭者を年金受取人又は被保険者となし、その家族を返還金受取人又は保険金受取人となしてゐた場合並びに被傭者を年金受取人又は被保険者となし、且つ、被傭者が退職するときは当該契約者の権利義務を無償で被傭者が承継すべき旨を約してゐた場合においては、その被傭者
第六条 昭和二十年十一月十五日以後調査時期前に、贈与の契約とその履行とがあつた場合又は財産を留保する家督相続があつた場合において、左の各号の一に該当するときは、その贈与財産又は相続財産の価額は、その贈与又は相続があつた財産の価額から当該各号に掲げる金額を控除した金額による。
一 贈与が負担附であるときは、当該負担たる債務の金額
二 債務(公租公課を含む。以下同じ。)を相続したときは、当該債務の金額
三 贈与財産又は相続財産について相続税を課せられるときは、その相続税額に相当する金額
前項の場合において、同項各号に掲げる金額は、課税価格の算定上、これを受贈者又は相続人の債務の金額に算入しない。
第七条 法第八条第二項(法第十七条第二項において準用する場合を含む。)の公共団体は、都道府県、市町村、都府県組合、道府県組合、府県組合、都市町村組合、市町村組合、町村組合、東京都内の区、市町村内の区、町村制を施行してゐない地における町村に準ずべき団体、水利組合、水利組合連合会、耕地整理組合、耕地整理組合連合会及び北海道士功組合とする。
宗教法人並びに町内会部落会及びその連合会に対する贈与については、法第八条第二項(法第十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定により、法第八条第一項(法第十七条第二項の規定において法第八条第二項の規定を準用する場合においては、法第十七条第一項)の規定は、これを適用しない。
第八条 法第十条第五号の年金は、戦争又は災害に起因して死亡し又は傷痍を受け若しくは疾病に罹り、これに因り支給を受ける増加恩給、傷病年金その他これに準ずる年金(当該年金が、普通恩給に準ずるものを含むときは、その部分を除く。)とする。
第九条 法第十条第六号の財産は、左に掲げるものとする。
一 調査時期において、一契約につき預貯金額が、五十円以下の預貯金、一件につき保険金額が千円以下の生命保険契約に関する権利(保険料を一時に払ひ込んだものを除く。)及びこれらに準ずるその他の財産で、大蔵大臣の指定するもの
二 日本銀行券預入令第二条第二項の規定により、支払がなされた金銭で、大蔵大臣の指定する金額に相当するもの
三 法第十条第四号及び第五号に掲げるものを除く外、恩給その他これに準ずる年金で、年金額が五百円未満のもの
第十条 戸主又は家族のうちに、疎開、戦災、法施行地外からの引揚等の事情に因り、調査時期において一時同居する者があつた場合においては、当該戸主又は家族は、調査時期において従前の状況により別居してゐたものとみなす。
戸主又は家族のうちに、疎開、戦災、法施行地外からの引揚等の事情に因り、調査時期において一時別居する者があつた場合においては、当該戸主又は家族は、調査時期において従前の状況により同居してゐたものとみなす。
第二章 課税価格
第十一条 同居家族(法第十一条第二項に規定する同居家族をいふ。以下同じ。)のうちに、債務の金額が財産(法第十条に掲げる財産を除く。以下同じ。)の価額を超過する者がある場合において、法第十二条第二項の規定により、他の一人又は数人の同居家族のうち、誰の財産の価額からいかなる金額を控除すべきかは、第三十二条の規定により申告書に記載されたところによる。但し、課税価格の更正又は決定をなす場合においては、大蔵大臣の定めるところによる。
前項の規定は、法第十三条第二項の場合について、これを準用する。
第十二条 法第十六条第一項第二号の規定により、同号の戦時補償特別税額から除かれる税額は、戦時補償特別措置法第六十条の規定により、土地若しくは建物(土地又は建物に定着するものを含む。以下本条中同じ。)又は鉱業権若しくは砂鉱権が旧所有者又は旧鉱業権者若しくは旧砂鉱権業者に譲渡された場合において、当該土地若しくは建物又は鉱業権者若しくは砂鉱権の譲渡又は収用の対価の請求権について課せられた戦時補償特別税額とする。
第十三条 昭和二十年十一月十五日以後に贈与の契約がなされて、調査時期までにその履行がなかつた場合においては、贈与の義務の金額及び受贈の権利の価額は、課税価格の算定上、調査時期における贈与者又は受贈者の債務の金額又は財産の価額には、これを算入しない。但し、左の各号の一に該当する場合において、当該各号に掲げる金額に相当する部分については、この限りでない。
一 贈与が負担附であるときは、当該負担たる金額
二 贈与について相続税が課せられるときは、当該相続税額に相当する金額
第十四条 戦争又は災害に起因して死亡し又は傷痍を受け若しくは疾病に罹り、これに因り、調査時期前五年以内に、一時金たる恩給、扶助金、救恤金その他これらの性質を有する給付で左に掲げるもの以外のもの(一時金たる恩給、扶助金、救恤金その他これらの性質を有する給付が、左に掲げる給付又は戦争若しくは災害に起因せずして死亡し若しくは退職した場合において通常支給さるべき給付を含むときは、その部分を除く。)の支給を受けることとなつた場合においては、その給付に相当する金額を、調査時期前にその給付を受けてゐた者又は調査時期において現にその給付を受ける権利を有してゐた者について、課税価格から控除する。但し、その控除金額は、一万円を超えることができない。
一 葬祭料、療養費その他死亡又は傷痍若しくは疾病に関して支給される実費弁償の性質を有する給付
二 療養中の給料に相当する給付
第十五条 第十一条第一項の規定は、法第十九条第一項の場合について、これを準用する。この場合において、第十一条第一項中「第三十二条の規定により申告書に記載された」とあるのは「第三十三条の規定により明細書に記載された」と読み替へるものとす。
第十六条 法第十条第三項の規定により、戦災者及び引揚者の範囲を、左の通り定める。
一 戦災者とは、戦争の際における戦闘行為に因る災害又はこれに起因して生じた災害に因り住宅(水上生活者にあつては居住の用に供する舟を含む。)又は家財の滅失又は毀損があつた場合において、その損害を受けた者で、大蔵大臣の指定する罹災証明書その他これに準ずる書類の交付を受けてゐるものとする。
二 引揚者とは、昭和二十年八月十五日後法施行地外から引き揚げた者(大蔵大臣の指定する者を除く。)で、引揚援護局長又は地方長官の発行する証明書の交付を受けてゐるものとする。
第十七条 法第二十四条の場合において、被相続人が調査時期において有してゐた財産に関する課税価格の算定については、被相続人が、法第四条第一項又は第三項の規定に該当する者であつたときは法第十二条の規定を、法第四条第二項の規定に該当する者(同条第三項の規定に該当する者を除く。)であつたときは法第十三条の規定を適用する。
相続人が二人以上あつた場合において、法第二十四条の規定により、各相続人が被相続人の調査時期において有してゐた財産について納付すべき財産税額は、被相続人が調査時期において有してゐた財産に対する財産税額を、当該相続により各相続人が受けた利益の価額の占める割合に応じて按分した金額による。
第三章 財産の評価
第十八条 自作農創設特別措置法第二条に規定する農地(法第二十七条の規定の適用を受けるものを除く。)の価格は、その賃貸価格(地租法第八条に規定する賃貸価格をいふ。)に一定の倍数(法第二十五条第一項の一定の倍数をいふ。)を乗じて算出した金額に、調査時期における当該農地の現況により、納税地の所轄税務署長において、自作農創設特別措置法第十三条第三項の規定により、交付があると認める報償金に相当する金額を加算した金額による。
第十九条 法第二十六条第一項及び第二項の区域は、左の各号に定めるところによる。
一 東京都の区及び市制第六条又は第八十二条第一項の規定により指定された市の区の区域
二 前号に掲げる市以外の市の区域
三 郡の区域
四 伊豆七島の区域
前項の郡、市及び区の区域は、調査時期における区域による。
第二十条 法第二十六条第一項及び第二項の倍数は、当該土地若しくは家屋又は借地権(借地法に規定する借地権をいふ。以下同じ。)の目的となつてゐる土地の所在地の所轄財務局長において、不動産評価委員会に諮問して、これを定める。
財務局長が前項の倍数を定めたときは、大蔵大臣は、前条第一項に掲げる区域内において標準となるべき土地、家屋又は借地権について定めた倍数並びに当該区域内における土地、家屋又は借地権について定めた倍数のうちで最も高い倍数及び最も低い倍数を、官報で公告する。
財務局長が第一項の倍数を定めたときは、当該土地若しくは家屋又は借地権の目的となつてゐる土地の所在地の所轄税務署長において、これを記載した書類を作成し、当該税務署長及び当該土地若しくは家屋又は借地権の目的となつてゐる土地の所在地の市区役所又は町村役場(町村組合で町村の事務の全部若しくは役場事務を共同処理するもの又は伊豆七島の区域においては、町村役場に準ずるもの)にこれを備へて、縦覧に供する。
第二十一条 法第二十七条各号に掲げる土地若しくはこれを目的とする借他権又は家屋の価額については、左の各号の定めるところによる。
一 法第二十七条第一号若しくは第二号の土地(鉱泉地を除く。)、同条第四号の家屋又は同条第五号の土地若しくは家屋については、状況類似する近傍の土地又は家屋で法第二十五条第一項の規定の適用を受けるものの価額に比準する価額
二 鉱泉地又は法第二十七条第三号の土地については、調査時期における時価
三 前各号の土地を目的とする借地権については、状況類似する近傍の土地で法第二十五条第一項の規定の適用を受けるものを目的とする借地権の価額に比準する価額
第二十二条 法第二十八条の割合を左の通り定める。
残存期間が十年以下のもの 百分の五
残存期間が十年を超え十五年以下のもの 百分の十
残存期間が十五年を超え二十年以下のもの 百分の二十
残存期間が二十年を超え二十五年以下のもの 百分の三十
残存期間が二十五年を超え三十年以下のもの及び地上権で存続期間の定のないもの 百分の四十
残存期間が三十年を超え三十五年以下のもの 百分の五十
残存期間が三十五年を超え四十年以下のもの 百分の六十
残存期間が四十年を超え四十五年以下のもの 百分の七十
残存期間が四十五年を超え五十年以下のもの 百分の八十
残存期間が五十年を超えるもの 百分の九十
第二十三条 法第二十九条の金融機関に対する預金、貯金及び積金その他これに準ずるものは、左に掲げるものとする。
一 第四条に掲げる預金、積金及び寄託金
二 郵便貯金
三 信託会社(信託業務を兼営する銀行を含む。以下同じ。)に対する合同運用信託(法第十一条第一項に規定する合同運用信託をいふ。以下同じ。)に関する権利
四 無尽会社に対する無尽契約に関する権利
五 金融機関に対する寄託金で大蔵大臣が指定するもの
第二十四条 社債及び特別の法令により設立された法人で会社でないもの(以下特殊法人といふ。)の発行する債券の価額は、その発行価格を基準として定めたものによる。但し、会社経理応急措置法第一条に規定する特別経理会社(同法第三十九条の規定により、同法のうち必要な規定の準用を受けた法人を含む。)及び金融機関経理応急措置法第二十七条に規定する金融機関の発行に係るものの価額は、その発行価格、調査時期における当該法人の資産及び収益の状況、調査時期後法施行の日までの当該法人の資産の異動の状況等を参酌して定めたものによる。
株式その他の出資の価額は、大蔵大臣の指定する期間における取引価額を基準として定めたものによる。但し、取引価額が明かでないものについては、調査時期における当該法人の資産及び収益の状況、調査時期後法施行の日までの当該法人の資産の異動の状況、大蔵大臣の指定する期間における類似の他の法人の株式その他の出資の取引価額、調査時期におけるその類似の他の法人の資産及び収益の状況、調査時期後法施行の日までのその類似の他の法人の資産の異動の状況等を参酌して定めたものによる。
株式その他の出資について、調査時期後法施行の日までに前項の規定により算定した価額よりも低、価額の対価で譲渡があつた場合においては、その譲渡があつた当該株式その他の出資の価額は、前項の規定にかかはらず、その対価の価額による。
法第三十条第一項但書の公債の価額及び調査時期における資本金(出資総額、株金総額、出資総額及び株金総額の合計額又は基金総額をいふ。以下同じ。)千万円以上の法人の発行に係る社債(特殊法人の発行に係る債券を含む。以下同じ。)又は株式その他の出資の価額は、大蔵大臣において、中央株式等評価委員会に諮問してこれを定め、その他の法人の発行に係る社債又は株式その他の出資の価額は、当該法人の本店又は主たる事務所の所在地の所轄財務局長において、地方株式等評価委員会に諮問してこれを定める。
大蔵大臣は、法第三十条第一項但書の公債の価額及び調査時期における資本金千万円以上の法人の発行に係る社債又は株式その他の出資の価額を定めたときは、これを官報で公告する。
財務局長は、資本金千万円未満の法人の発行に係る社債又は株式その他の出資の価額を定めたときは、これを当該法人に通知する。
前二項の規定する法人の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長は、当該法人の発行に係る社債又は株式その他の出資の価額を記載した書類を作成し、これを当該税務署に備へて、縦覧に供する。
第二十五条 法第三十一条第一項第一号の割合を左の通り定める。
残存期間が五年以下のもの 百分の八十
残存期間が五年を超え十五年以下のもの 百分の七十
残存期間が十五年を超え二十五年以下のもの 百分の六十
残存期間が二十五年を超え三十五年以下のもの 百分の五十
残存期間が三十五年を超えるもの 百分の四十
法第三十一条第一項第三号の倍数を左の通り定める。
二十五歳以下の者 十五倍
二十五歳を超え四十歳以下の者 十二倍
四十歳を超え五十歳以下の者 八倍
五十歳を超え六十歳以下の者 五倍
六十歳を超え七十歳以下の者 二倍
七十歳を超える者 一倍
定期金受取人に対し、一定期間、且つ、定期金受取人の生存中、定期金を給付する契約で、調査時期までに定期金の給付事由が発生してゐたものの価額は、法第三十一条第一項第一号に規定する有期定期金として算出した、価額による。
定期金受取人の死亡に至るまで定期金の給付をなす外、一定期間内に定期金受取人が死亡したときは、その死亡後その残存期間遺族その他の第三者に対し継続して定期金を給付する契約で、調査時期までに当該受取人につき、定期金の給付事由が発生してゐたものの価額は、法第三十一条第一項第三号に規定する終身定期金として算出した価額による。
法第三十一条第一項及び第二項の規定並びに前四項の規定は、定期金に関する権利で契約に因り生じたもの以外のものの価額の算定について、これを準用する。但し、大蔵大臣が特別の定をなす場合は、この限りでない。
第二十六条 調査時期において現に存した郵便年金契約で、その時までに、まだ年金支払事由が発生してゐなかつたものに関する権利の価額は、調査時期までに払ひ込まれた掛金の合計額に、掛金の払込開始の時から調査時期までの経過期間に応じて、左の割合を乗じて算出した金額による。
経過期間が五年以下のもの 百分の九十
経過期間が五年を超え十年以下のもの 百分の百
経過期間が十年を超え十五年以下のもの 百分の百十
経過期間が十五年を超えるもの 百分の百二十
第二十七条 調査時期において現に存した生命保険契約で、その時までにまだ保険事故が発生してゐなかつたものに関する権利の価額は、調査時期までに払ひ込まれた保険料の合計額(調査時期までに保険料の払込期日の到来してゐない部分を除く。)に百分の七十の割合で乗じて算出した金額(保険金額に百分の二の割合を乗じて算出した金額を除く。)による。但し、保険料の全額が一時に払ひ込まれた生命保険契約に関する権利の価額は、払込保険料の全額に百分の百の割合を乗じて算出した金額による。
第二十八条 法第三十三条第一項及び第二項本文に規定する財産の価額は、左の各号の定める金額による。
一 生産者の有してゐた財産については、左に掲げる金額
イ 製品については、生産者がこれを販売する場合において適用される統制額から、当該統制額のうちに含まれる適正利潤の額、調査時期後販売の時までに要すると認められる経費(以下予定経費といふ。)の額及びその者が納付すべき消費税相当額の合計額を控除した金額
ロ 半製品については、生産者がその原材料品を購入する場合において適用される統制額にその原材料品の引取、加工等に要する正常な運賃、加工費その他の諸掛の額を加算した金額
ハ 原材料品については、生産者がこれを購入する場合において適用される統制額に、その原材料品の引取等に要する正常な運賃の額その他の諸掛の額を加算した金額
二 卸売業者の有してゐた財産については、卸売業者がこれを販売する場合において適用される統制額から、当該統制額のうちに含まれる適正利潤の額、予定経費の額及びその者が納付すべき消費税相当額の合計額を控除した金額
三 小売業者の有してゐた財産については、小売業者がこれを販売する場合において適用される統制額から、当該統制額のうちに含まれる適正利潤の額、予定経費の額及びその者が納付すべき消費税相当額の合計額を控除した金額
四 消費者の有してゐた財産については、小売業者がこれを販売する場合において適用される統制額
第二十九条 法第三十六条第一項の割合は、大蔵大臣の定めるところによる。
法第三十六条第一項及び第二項の家庭用動産の範囲は、事業の用に供する動産以外の動産で、現金及び有価証券を除いたものとする。
第四章 申告
第三十条 法第三十七条第一項の規定により申告書を提出すべき者は、昭和二十二年一月三十一日までは、大蔵大臣の定める事項を記載した申告書を、申告地(申告義務者について、法第七十二条の規定に準じて定める地をいふ。以下同じ。)の所轄税務署長に提出しなければならない。
前項の申告書を提出すべき者が、法第四条第四項の規定により、被相続人が調査時期において有してゐた財産に対する財産税を課せられる相続人である場合においては、相続人は、被相続人が調査時期において有してゐた財産及び相続人が調査時期において有してゐた財産を区分し、その各々について、各別に前項の申告書を提出しなければならない。
同居家族のうちに申告義務者が二人以上ある場合においては、各その課税価格を区分し、連署で第一項の申告書を提出しなければならない。但し、申告義務者たる他の同居家族の氏名を附記して、各別に申告書を提出しても妨げない。
第三十一条 法施行の日以後昭和二十二年一月三十一日までに、法第三十八条第一項各号に掲げる事由に因り、法第三十七条第一項の申告書の提出を要することとなつた者については、前条第一項の規定にする申告書の提出期限は、その事由が生じた日の翌日から三箇月を経過した日とする。
通信、交通その他の状況により、昭和二十二年一月三十一日までに、前条第一項の申告書を提出することができない者については、前条第一項の規定による申告書の提出期限は、その状況が止んだ日の翌日から三箇月を経過した日とする。
第三十二条 第十一条第一項の場合においては、第三十条第一項の申告書には、大蔵大臣の定める事項を記載し、債務の金額が財産の価額を超過する者及び同居家族のうちで法第十二条第二項の規定の適用を受くべき者が連署しなければならない。
第三十三条 法第十八条又は法第十九条の規定による控除を受けようとする者は、大蔵大臣の定める事項を記載した明細書を、第三十条第一項の申告書に添附しなければならない。
法第十九条の規定による控除を受けようとする者は、第三十条第一項の申告書の提出と同時に、第十六条各号に掲げる証明書その他これに準ずる書類を、申告地の所轄税務署長に呈示し、又は大蔵大臣の定めるところにより、これらの書類を有することを証する書面を、第三十条第一項の申告書に添附しなければならない。
第三十四条 法第三十八条第一項の規定により申告書を提出すべき者は、同項に掲げる事由が発生した日の翌日から三箇月以内に、第三十条第一項の申告書を、申告地の所轄税務署長に提出しなければならない。
第三十一条第二項及び前条の規定は、前項の場合について、これを準用する。
第三十五条 法第三十九条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により申告書を修正すべき者は、法第三十八条第一項に掲げる事由が発生した日の翌日から三箇月以内に、大蔵大臣の定める事項を記載した申告修正書(法第三十九条第四項において同条第一項の規定を準用する場合においては、課税価格修正書)を、申告地の所轄税務署長に提出しなければならない。
法第三十九条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により申告書を修正すべき者は、課税価額について脱漏があることを発見した後直ちに、大蔵大臣の定める事項を記載した申告修正書(法第三十九条第五項において同条第三項の規定を準用する場合においては、課税価格修正書)を、申告地の所轄税務署長に提出しなければならない。
第三十一条第二項の規定は、前二項の場合について、第三十三条の規定は、第一項の場合について、これを準用する。
第五章 納付
第三十六条 納税義務者は、法第四十条第一項の規定により、財産税を納付しようとするときは、大蔵大臣の定める書式による納付書を添へて、これを日本銀行の本店、支店又は代理店に納付しなければならない。
第三十七条 法第四十一条第一項及び第四十四条第一項に規定する財産税の税額並びに法第四十二条に規定する受益者が納付すべき財産税額及び法第四十三条に規定する贈与者又は被相続人が納付すべき財産税額には、法第六十五条の規定により加算する税額及び法第六十六条第一項の規定により追徴する税額は、これを算入しない。但し、法第五十七条第一項の規定による延納税額(法第四十条第一項第二号若しくは第五号に掲げる財産税に対し、又は法第五十条の規定による追徴税額に対し、法第六十五条の規定による税額の加算をなし、これを延納する場合においては、延納税額のうち当該加算税額に相当する部分を除く。)に加算する税額は、この限りでない。
第三十八条 法第四十二条又は法第四十三条第一項の規定により委託者又は受贈者若しくは相続人が連帯納付の責に任ずべき財産税額は、受益者又は贈与者若しくは被相続人の調査時期における財産(法第八条及び法第九条の規定により、調査時期において、贈与者又は被相続人が有してゐたとみなされる財産を含む。以下同じ。)のうちに、法第五十五条第一項に規定する旧勘定財産(以下旧勘定財産といふ。)がある場合においては、左に掲げる金額の合計額とする。
一 受益者又は贈与者若しくは被相続人の課税価格から旧勘定財産の価額を控除した金額により計算した財産税の額のうち、当該課税価格から旧勘定財産の価額を控除した金額中旧勘定財産以外の信託財産若しくは信託に関する権利又は贈与財産若しくは相続財産の価額が占める割合に応じて按分した金額
二 受益者又は贈与者若しくは被相続人が法第五十五条第一項の規定により旧勘定預貯金等(同項に規定する旧勘定預金等をいふ。以下同じ。)により納付を申請することができる財産税額(法第六十五条の規定により加算する税額及び法第六十六条第一項の規定により追徴する税額で、大蔵大臣の定めるところにより、旧勘定財産に係るものと認められるものを除く。)のうち、旧勘定財産の価額中旧勘定財産たる信託財産若しくは信託に関する権利又は贈与財産若しくは相続財産の価額を占める割合に応じて按分した金額
第三十九条 法第四十三条第二項又は第三項の規定により、贈与者又は被相続人が受贈者又は相続人に対して請求することができる金額は、贈与者又は被相続人の調査時期における財産のうちに旧勘定財産がある場合においては、贈与者又は被相続人の納付した財産税額のうち、その納付すべき財産税額中前条の規定により受贈者又は相続人が連帯納付の責に任ずべき財産税額が占める割合に応じて按分した金額とする。
旧勘定預金等により、財産税を納付した贈与者又は被相続人が、法第四十三条第二項又は第三項の規定により、受贈者又は相続人に対して請求をなした場合においては、受贈者又は相続人は、贈与者又は被相続人が旧勘定預金等により納付した金額のうち贈与者又は被相続人が法第五十五条第一項の規定により旧勘定預金等による納付を申請することができる財産税額(法第六十五条の規定により加算する税額及び法第六十六条第一項の規定により追徴する税額で、大蔵大臣の定めるところにより、旧勘定財産に係るものと認められるものを除く。)中前条第二号の金額が占める割合に応じて按分した金額について、贈与財産又は相続財産たる旧勘定財産に相当する旧勘定預金等を以て、贈与者又は被相続人の請求に応じて履行することができる。この場合において、受贈者又は相続人が当該旧勘定預金等を二以上の金融機関に有するときは、旧勘定預金等を以て請求に応じようとする金額を、各金融機関に対する旧勘定預金等に相当する旧勘定財産の価額の割合に応じて按分した金額について、各金融機関に対する旧勘定預金等を以て履行しなければならない。
前項の場合において、贈与財産又は相続財産たる旧勘定財産に相当する旧勘定預金等について、金融機関再建整備法により、その債権の一部が金融機関の新勘定又は新金融機関(同法第十五条の新金融機関をいふ。以下同じ。)に移されたときは、受贈者又は相続人は、前項の規定により旧勘定預金等を以て請求に応ずることができる金額のうち、当該旧勘定預金等の金額(当該旧勘定財産の価額に相当する金額をいふ。以下本条中同じ。)中旧勘定に残つてゐる金額が占める割合に応じて按分した金額に限り、当該旧勘定預金等を以て、贈与者又は被相続人の請求に応じて履行することができる。
第二項の場合において、贈与財産又は相続財産たる旧勘定財産に相当する旧勘定預金等について、金融機関再建整備法による旧勘定の最終処理の結果、その債権の全部又は一部が消滅したときは受贈者又は相続人は、第二項の規定により当該旧勘定預金等を以て請求に応ずることができる金額のうち、当該旧勘定預金等の金額中消滅した債権の金額が占める割合に応じて按分した金額については、その請求に応ずる必要がない。
第四十条 法第四十三条第二項又は第三項の場合において贈与者又は被相続人が受贈者又は相続人に請求することができる金額は、受贈者又は相続人が同条第一項又は法第四十四条第一項の規定により連帯納付の責に任ずべき財産税額から受贈者又は相続人が連帯して納付した税額を控除した金額を超えることができない。
第四十一条 法第四十五条第一項(同条第二項において、準用する場合を含む。)の預金、貯金その他の債権は、左に掲げるもので金融機関経理応急措置法により金融機関の新勘定に属することとなつたものとする。但し、担保権が存するものを除く。
一 第四条各号に掲げる金融機関に対する定期預金、定期貯金、据置貯金、定期積金又は定期寄託金
二 信託会社に対する合同運用信託に関する権利
第四十二条 納税義務者が前条に掲げる定期預金、定期貯金、据置貯金若しくは定期寄託金の全部若しくは一部につき期限前の払戻を請求し、又は定期積金若しくは合同運用信託につき契約を解除し若しくは変更してその払ひ込んだ掛金若しくは信託した金額の全部若しくは一部に相当する金額の給付を請求しようとするときは、第三十六条に規定する納付書又はこれに準ずる書類に、大蔵大臣の定める事項について納税地の所轄税務署長の証明を受け、これを金融機関に呈示しなければならない。
前項の場合において、金融機関が納税義務者から同項の規定による証明のある書類の呈示を受けたときは、金融機関は、その請求に応じなければならない。
前項の規定により金融機関が請求金額の払戻又は給付をなす場合においては、金融機関は、主務大臣の定めるところにより、その金額に対する利子、利子相当額又は利益額を支払はなければならない。
第四十三条 前条の場合においては、金融機関は、何等の名義を以てするを問はず、納税義務者から補償金、手数料その他これらに類するものを受けることができない。
第四十四条 第三十六条及び前二条の規定は、財産税につき連帯納付の責に任ずる者について、これを準用する。
第六章 物納及び延納
第四十五条 旧勘定預金等は、金融機関経理応急措置法により金融機関の旧勘定に属することとなつた左に掲げる預金、貯金その他の債権とする。
一 第四条及び第二十三条第三号乃至第五号に掲げる預金、貯金及び積金その他これに準ずるもの
二 生命保険会社又は生命保険中央会に対する生命保険契約に関する権利
第四十六条 旧勘定財産は、納税義務者の調査時期における財産で、左に掲げるものとする。
一 同一金融機関に対する預金、貯金その他の債権(以下預貯金等といふ。)について、その昭和二十一年八月十一日午前零時(以下指定時といふ。)における金額が、調査時期における預貯金等(日本銀行券預入令第二条第一項の規定により預金、貯金又は金銭信託となされたものを含む。但し、同条第二項の規定により支払がなされた部分を除く。以下同じ。)の金額と同額であるとき又はこれに比し減少してゐたときは、その調査時期における預貯金等のうち、指定時における旧勘定預金等の金額(大蔵大臣の定める公租公課その他の債務で旧勘定預金等を以て履行したもの又は履行し得るものがあるときは、当該債務の金額を控除した金額をいふ。)に相当するもの
二 同一金融機関に対する預貯金等について、その指定時における金額が、調査時期における預貯金等の金額に比し増加してゐたときは、その調査時期における預貯金等のうち、その増加がなかつたとすれば指定時において旧勘定預金等となるべきであつた金額(大蔵大臣の定める公租公課その他の債務で旧勘定預金等を以て履行したもの又は履行し得るものがあるときは、当該債務の金額のうち、指定時において現に存した旧勘定預金等の金額中前記の指定時において旧勘定預金等となるべきであつた金額が占める割合に応じて按分した金額を控除した金額をいふ。)に相当するもの
三 調査時期における財産(不動産、船舶、鉱業権及び有価証券に限る。)の売却代金又は調査時期にあつた債権について弁済として受けた財産が旧勘定預金等となつた場合において、納税義務者が、イの金額とロの金額との差額に相当する税額について、調査時期に有してゐなかつた財産(旧勘定預金等となつたものを除く。)による納付を困難とするときは、当該売却財産又は当該債権のうち、その差額に相当する税額中納付を困難とする税額に対応するもの
イ 課税価格から前二号に掲げる旧勘定財産の価額を控除した金額により計算した財産税の額
ロ 課税価格から前二号に掲げる旧勘定財産及び当該売却財産又は当該債権の価額の合計額を控除した金額により計算した財産税の額
前項第一号又は第二号の規定の適用については、甲金融機関に対する調査時期における預貯金等が指定時までに乙金融機関に移されたときは、その移された金額は調査時期において乙金融機関にあつたものとみなす。
第一項第一号又は第二号の規定の適用については、同項第三号の売却代金又は弁済として受けた財産の額のうち預貯金等となつた金額及び旧勘定預金等となつた金額は、同項第一号の預貯金等の指定時における金額及び指定時における旧勘定預金等の金額に、同項第二号の預貯金等の指定時における金額及び指定時において現に存した旧勘定預金等の金額に、夫々これを算入しない。
調査時期後贈与、遺贈又は寄附行為に因り調査時期における預貯金等の移転があつた場合における第一項の規定の適用について必要な事項は、大蔵大臣がこれを定める。
第四十七条 法第五十五条第一項に規定する「納付すべき財産税額」、には法第六十五条の規定により加算する税額及び法第六十六条第一項の規定により追徴する税額を含むものとし、又、法第五十五条第一項に規定する「課税価格から旧勘定財産の価額を控除した金額により計算した財産税の額」には、法第六十五条の規定により加算する税額及び法第六十六条第一項の規定により追徴する税額で、当該財産税の額に係るものを含むものとする。
法第五十五条第一項又は第二項の規定により、納税義務者又は財産税につき連帯納付の責に任ずる者が財産税の納付に充てることができる旧勘定預金等は、当該財産税に関する旧勘定財産に相当する旧勘定預金等とする。但し、担保権が存するものを除く。
第四十八条 納税義務者が旧勘定預金等により財産税を納付しようとする場合において、旧勘定財産に相当する旧勘定預金等を二以上の金融機関に有するときは、法第五十五条第一項の規定により旧勘定預金等による納付を申請することができる税額を、各金融機関に対する旧勘定預金等(担保権が存するものを除く。)に相当する旧勘定財産の価額の割合に応じて按分した金額に相当する財産税額について、各金融機関に対する旧勘定預金等による納付を申請しなければならない。但し、大蔵大臣が特別の定をなす場合は、この限りでない。
第四十九条 財産税につき連帯納付の責に任ずる者は、当該財産税に関する旧勘定財産に相当する旧勘定預金等を有するときは、納税義務者が法第五十五条第一項の規定により旧勘定預金等による納付を申請することができる財産税額のうち、納税義務者の課税価格算定の基礎となつた旧勘定財産の価額中連帯納付の責に任ずる者が有する当該旧勘定預金等に相当する旧勘定財産の価額が占める割合に応じて按分した金額に相当する税額について、当該旧勘定預金等による納付を申請することができる。
第五十条 旧勘定財産に相当する旧勘定預金等について、指定時後旧勘定預金等による財産税の納付前に、金融機関再建整備法によりその債権の一部が新勘定又は新金融機関に移されたときは、納税義務者は、当該旧勘定預金等による納付を申請することができる税額のうち、当該旧勘定預金等の金額(当該旧勘定財産の価額に相当する金額をいふ。)中旧勘定に残つてゐる金額が占める割合に応じて按分した税額に限り、当該旧勘定預金等により納付することができる。
第五十一条 納税義務者は、旧勘定預金等により財産税を納付しようとするときは、法第四十条第一項各号に掲げる納付の期限の一箇月前又は法第五十条に規定する納期限前に、大蔵大臣の定める事項を記載した申請書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
第五十二条 納税義務者は、法第五十五条第一項の規定により、旧勘定預金等による財産税納付のため必要があるときは、その限度において旧勘定預金等に関する定期積金契約、合同運用信託契約、生命保険契約又は無尽契約を解除し又は変更することができる。この場合においては、納税義務者は、その払ひ込んだ掛金、信託した金額又は保険契約者のために積み立てた責任準備金の全部又は一部に相当する金額に対し、主務大臣の定める利子、利子相当額又は利益額を加算した金額に相当する金額の債権を契約の相手方たる金融機関に対して取得する。
第四十三条の規定は、前項の場合について、これを準用する。
第五十三条 納税義務者は、旧勘定預金等による財産税の納付を許可されたときは、その許可書及び旧勘定預金等の通帳又は証書を呈示して、預金、貯金又は恩給金庫に対する寄託金については財産税の納付に充てようとする金額に相当する債権により財産税の納付をなすべき旨を、又、定期積金契約、合同運用信託契約、生命保険契約又は無尽契約については財産税の納付に充てるため必要とする金額の限度においてその契約を解除し又は変更してこれに因り取得した債権により財産税の納付をなすべき旨を、契約の相手方たる金融機関に申し出なければならない。
前項の申出があつたときは、当該債権は、他の法令又は契約にかかはらず、政府に対し移転したものとみなし、同時にその金額に相当する財産税の納付があつたものとする。この場合においては、相手方たる金融機関は、大蔵大臣の定める事項を、納税義務者の納税地の所轄税務署長に通知しなければならない。
第五十四条 法第五十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により物納に充てることができる財産は、納税義務者の課税価格算定の基礎となつた財産で、左に掲げるものとする。
一 国債及び地方債
二 社債、全額払込済の株式その他の出資及び投資信託の受益証券
三 不動産
四 動産
前項第二号又は第三号に掲げる財産を物納に充てることができる場合は、同項第一号に掲げる財産で納税義務者が物納申請の際現に有するものの価額の合計額の百分の八十以上を物納に充てる場合に限る。
第一項第四号に掲げる財産を物納に充てることができる場合は、同項第二号及び第三号に掲げる財産で納税義務者が物納申請の際現に有するものの価額の合計額の百分の八十以上を物納に充てる場合に限る。但し、同項第二号及び第三号に掲げる財産で納税義務者が物納申請の際現に有するもののうち、適当な価額のものがないときは、この限りでない。
第五十五条 法第五十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により物納に充てる場合における前条の財産の収納価額は、左の各号に掲げる価額による。但し、調査時期後その財産の状況に著しい変化を生じたときは、税務署長は、収納の時の現況により、その価額を定めることができる。
一 法第四十条第一項各号に掲げる財産税を納付する場合(法第六十五条第一項の規定により加算する税額又は法第六十六条第一項の規定により追徴する税額を納付する場合を含む。)においては、法第三十七条乃至第三十九条の規定により納税義務者が申告書に記載した当該財産の価額、但し、税務署長がその価額を不相当と認めるときは、その相当と認める価額
二 法第五十条の規定による追徴税額に相当する財産税を納付する場合(法第六十五条第三項において準用する同条第一項の規定により加算する税額又は法第六十六条第一項の規定により追徴する税額を納付する場合を含む。)においては、課税価格の更正又は決定の基礎となつた当該財産の価額
第五十六条 第五十四条第一項に掲げるものの外、調査時期における財産のうちに、金融緊急措置令により封鎖預金等となつた郵便貯金又は郵便年金で大蔵大臣の定めるもの(以下準旧勘定預金等といふ。)に相当すると認められる財産(以下準旧勘定財産といふ。)があるときは、納税義務者は、第一号に掲げる財産税額から第二号に掲げる財産税額を控除した税額について、当該準旧勘定預金等を以てその物納に充てることができる。
一 納税義務者の納付すべき財産税額(法第六十五条の規定により加算する税額及び法第六十六条第一項の規定により追徴する税額を含む。)と、課税価格から旧勘定財産及び準旧勘定財産の価額を控除した金額により計算した財産税の額(法第六十五条の規定により加算する税額及び法第六十六条第一項の規定により追徴する税額で当該財産税の額に係るものを含む。)との差額に相当する税額
二 納税義務者が法第五十五条第一項の規定により、旧勘定預金等による財産税の納付を申請することができる税額
納税義務者は、前項の規定により、準旧勘定預金等による財産税納付のため必要があるときは、その限度において準旧勘定預金等に関する郵便年金契約を変更することができる。この場合においては、納税義務者は、逓信大臣の定めるところにより計算した金額に相当する金額の債権を国に対して取得する。
第四十六条の規定は、準旧勘定財産について、第四十七条第二項の規定は、準旧勘定預金等について、これを準用する。
第五十三条の規定は、準旧勘定預金等により財産税を納付する場合について、これを準用する。この場合において、同条中「預金、貯金又は恩給金庫に対する寄託金」とあるのは「郵便貯金」、「定期積金契約、合同運用信託契約、生命保険契約又は無尽契約」とあるのは「郵便年金契約」、「その契約を解除し又は変更して」とあるのは「その契約を変更して」、「契約の相手方たる金融機関」とあるのは「郵便官署」と読み替へるものとする。
第五十七条 納税義務者は、財産税の物納を申請しようとするときは、法第四十条第一項各号に掲げる納付の期限の一箇月前又は法第五十条に規定する納期限前に、大蔵大臣の定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
第五十八条 税務署長は、納税義務者の物納に充てようとする財産が管理又は処分をなすに不適当と認めるときは、その変換を命じ又は物納を許可しないことができる。
第五十九条 納税義務者は、前条の規定により物納に充てようとする財産の変換を命ぜられた場合において、他の財産を以て物納に充てようとするときは、その旨の通知を受けた後二十日以内に、大蔵大臣の定める事項を記載した申請書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
納税義務者が前項の期間内に同項の申請書を提出しなかつたときは、物納の申請は、その効力を失ふ。
第六十条 第五十四条第一項に掲げる財産による物納の許可を受けた税額に相当する財産税は、物納に充てようとする財産の引渡、所有権移転の登記その他法令により第三者に対抗することのできる要件を充足した時において納付があつたものとする。
第六十一条 納税義務者は、財産税の延納を申請しようとするときは、法第四十条第一項各号に掲げる納付の期限の一箇月前又は法第五十条に規定する納期限前に、大蔵大臣の定める事項を記載した申請書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。但し、延納税額が五万円を超え十万円以下であるときは、納税地の所轄税務署長を経由し所轄財務局長に、延納税額が十万円を超えるときは納税地の所轄税務署長を経由し大蔵大臣に、これを提出しなければならない。
納税義務者が第五十七条の規定による申請書を提出した場合において、物納を許可されなかつたとき又は第五十八条の規定により物納に充てようとする財産の変換を命ぜられたときは、当該財産税については、前項の規定にかかはらず、その旨の通知を受けた後二十日以内に、前項の申請書を提出することができる。
第六十二条 法第五十七条第一項に規定する担保の種類は、左に掲げるものとする。
一 国債及び地方債並びに税務署長において確実と認める社債及びその他の有価証券
二 土地
三 保険に附した家屋
四 保険に附した立木
五 保険に附した船舶
六 工場財団、鉱業財団及び漁業財団
第六十三条 担保として前条第一号の財産を提供しようとする者は、これを供託し、その供託受領証を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。但し、登録国債又は社債等登録法により登録した社債については、その登録を受け、登録済通知書又は登録済証を提出し、なほ乙種国債登録簿に登録したものについては記名国債証券を供託し、その供託受領証を提出しなければならない。
担保として前条第二号乃至第六号の財産を提供した者があるときは、税務署長は、低当権の登記又は登録を登記所又は登録官庁に嘱託しなければならない。
第六十四条 税務署長は、担保物の価額が減少したと認めるときは、増担保を提供させることができる。
担保として提供した第六十二条第一号の財産につき償還、支払等を受けるに至つたとき、又は家屋、立木若しくは船舶が滅失したとき、若しくはその保険契約が消滅したときは、納税義務者は、これに代る担保を提供しなければならない。
第六十五条 前条の規定により担保を提供しなければならない場合においてこれを提供しないときは、税務署長は、延納の許可を取り消して税金を一時に徴収することができる。延納税金を滞納した場合においてもまた同じ。
第六十六条 延納の許可を受けた者が延納税金を滞納した場合において、担保物があるときは、担保物を公売に付し延納税金(督促手数料、延滞金及び公売の費用を含む。以下本条中同じ。)に充てる。
前項の規定による公売手続については、国税滞納処分の場合における公売の例による。
第一項の規定により担保物を公売に付しようとする場合において、担保物の価額が延納税金に充てなほ不足があると認めるときは、納税義務者の他の財産につき滞納処分を行ふことができる。
第六十七条 延納税金が完納されたときは、税務署長は、担保解除の手続をしなければならない。
第六十八条 税務署長は第五十一条(第七十一条において準用する場合を含む。)、第五十七条(第七十一条において準用する場合を含む。)又は第六十一条の規定による申請書の提出があつた場合において、必要があると認めるときは、納税義務者の申請により、税金の納付を猶予することができる。
納税義務者は、前項の規定により税金の納付の猶予を受けようとするときは、事由を具し、前項に掲げる申請書の提出と同時に、納税地の所轄税務署長に申請しなければならない。
税務署長は、第一項の規定により税金の納付の猶予に関する処分をなしたときは、これを納税義務者に通知する。
第一項の規定により税金の納付の猶予の処分があつた場合において、旧勘定預金等による納付、物納若しくは延納の申請が取り消されたとき又はこれらに関する処分の確定後において若しくは第五十九条第二項の規定により物納の申請がその効力を失つた後において納税義務者の納付すべき税金があるときは、税務署長は、納期限を指定して当該税金を徴収する。
第六十九条 法第五十五条第一項又は第二項の規定の適用を受けて納付した財産税につき旧勘定預金等により納付した部分に過誤納額があつた場合においては、当該部分の過誤納額については、その納付に充てられた旧勘定預金等を以て還付する。
前項の場合において、納付に充てられた旧勘定預金等について、金融機関再建整備法によりその債権の一部が新勘定又は新金融機関に移されたときは、前項に規定する過誤納額のうち、その納付に充てられた旧勘定預金等の金額中旧勘定に残つてゐる金額が占める割合に応じて按分した金額については、当該旧勘定預金等を以て還付する。
第一項の場合において、納付に充てられた旧勘定預金等について、金融機関再建整備法による旧勘定の最終処理の結果、その債権の全部又は一部が消滅したときは、第一項に規定する過誤納額のうち、その納付に充てられた旧勘定預金等の金額中消滅した債権の金額が占める割合に応じて按分した金額については、これを還付しない。
第七十条 法第五十六条第一項の規定の適用を受けて財産税を納付した場合においてその財産税につき過誤納額があつたときは、その物納に充てた第五十四条第一項に掲げる財産は、納税義務者の申請により、これを過誤納額(前条の規定の適用のあるものを除く。以下本条中同じ。)の還付に充てることができる。但し、当該財産が換価されてゐたとき、公用若しくは公共の用に供せられてゐるとき又は過誤納額が当該財産の収納価額の二分の一に満たないときは、この限りでない。
前項の規定により過誤納額の還付に充てる場合における当該財産の価額は、その収納価額(政府がその財産につき有益費を出したときは、その費用の額に相当する金額を加算した金額以下本条中同じ。)による。
第一項の場合において、過誤納額が当該財産の収納価額に満たないときは、納税義務者は、その収納価額と過誤納額との差額に相当する金額を支払はなければならない。
前条第一項及び第三項の規定は、第五十六条第一項に規定する準旧勘定預金等により納付した財産税につき、準旧勘定預金等を以て納付した部分に過誤納額があつた場合について、これを準用する。この場合において、前条第一項及び第三項中「法第五十五条第一項又は第二項」とあるのは「法第五十六条第一項」、「旧勘定預金等」とあるのは「準旧勘定預金等」、「金融機関再建整備法による旧勘定の最終処理の結果」とあるのは「大蔵省預金部等損失特別処理法により」と読み替へるものとする。
第七十一条 第四十八条、第五十条乃至第五十三条、第五十四条第二項及び第三項、第五十六条乃至第五十九条及び前条の規定は、財産税につき、連帯納付の責に任ずる者について、これを準用する。この場合において、第四十八条及び第五十六条中「法第五十五条第一項」とあるのは「第四十九条」、第五十一条及び第五十七条中「法第四十条第一項各号に掲げる納付の期限の一箇月前又は法第五十条に規定する納期限前に」とあるのは「納税義務者の納税地の所轄税務署長から財産税を納付すべき旨の通知を受けた後二十日以内に」、「納税地の所轄税務署長」とあるのは「当該税務署長」、第五十二条中「第一項」とあるのは「第二項」、前条中「法第五十六条第一項」とあるのは「法第五十六条第二項において準用する同条第一項」と読み替へるものとする。
第七章 雑則
第七十二条 納税義務者が、震災、風水害、落雷、火災、火山爆発その他の天災に因り著しく資力を喪失して、納税困難と認められるときは、税務署長は、納税義務者の申請により、財産税を軽減し又は免除することができる。
納税義務者は、前項の規定により財産税の軽減又は免除を受けようとするときは、事由を具し、納税地の所轄税務署長に申請しなければならない。
税務署長は、第一項の規定により財産税の軽減又は免除に関する処分をなしたときは、これを納税義務者に通知する。
第七十三条 法第五十五条の規定により旧勘定預金等による納付を申請することができる税額があつた場合において、旧勘定預金等により納付する財産税の納付前に、旧勘定財産に相当する旧勘定預金等について、金融機関再建整備法による旧勘定の最終処理の結果、その債権の全部又は一部が消滅したときは、税務署長は、当該旧勘定預金等による納付を申請することができる税額のうち、当該旧勘定預金等の金額(当該旧勘定財産の価額に相当する金額をいふ。)中消滅した債権の金額が占める割合に応じて按分した金額に相当する財産税を免除する。
前項の規定により財産税の免除を受けようとする者は、大蔵大臣の定めるところにより、その旨を、納税地の所轄税務署長に申請しなければならない。
税務署長は、第一項の規定による財産税の免除に関する処分をなしたときは、これを申請者に通知する。
前三項の規定は、準旧勘定預金等による納付を申請することができる税額があつた場合について、これを準用する。
第七十四条 納税義務者の提出した申告書(申告修正書を含む。)又は課税価格の更正、決定若しくは修正に関する書類を閲覧しようとする者は、大蔵大臣の定めるところにより、手数料を納付して当該納税義務者の納税地の所轄税務署長に、その閲覧を請求することができる。
第七十五条 法第六十四条第一項の規定による報告をしようとする者は、左の事項を明かにして、大蔵大臣又は財務局長にその報告をなさなければならない。
一 報告者の住所又は居所及び氏名
二 納税義務があると認められる者が、申告書を提出しなかつた事実又は納税義務者の課税価格に脱漏があると認められる事実の詳細
三 前号の納税義務があると認められる者又は納税義務者の住所又は居所及び氏名
第七十六条 法第六十四条第一項の規定による報告をなした者に交付する報償金の金額は、その報告に因り税務署長が課税価格の決定又は更正により徴収することができた税額(法第六十五条の規定により加算する税額及び法第六十六条第一項の規定により追徴する税額を除く。)の百分の二十五以下に相当する金額で、その報告が課税価格の決定又は更正に寄与した程度等に応じ、財務局長の適当と認める金額による。
法第六十四条第一項の規定による報償金は、納税義務者の納税地の所轄財務局長が、これを交付する。
第七十七条 法第六十五条第一項の規定により法第四十条第一項第二号若しくは第五号に掲げる財産税に加算する税額又は法第六十五条第三項において準用する同条第一項の規定により法第五十条の規定による追徴税額に相当する財産税に加算する税額は、当該税額に、左の各号に掲げる日数に応じ、年百分の十の割合を乗じて算出した金額による。
一 法第四十条第一項第二号に掲げる財産税については、左に掲げる日から、同号に掲げる納付の期限までの日数
イ 法第三十七条の申告期限内に申告書を提出すべきであつた場合においては、法第四十条第一項第一号に掲げる納付の期限の翌日
ロ 法第三十八条の申告期限内に申告書を提出すべきであつた場合においては、法第四十条第一項第三号に掲げる納付の期限の翌日
二 法第四十条第一項第五号に掲げる財産税又は法第五十条の規定による追徴税額に相当する財産税については、左に掲げる日から、法第四十条第一項第五号に掲げる納付の期限までの日数又は法第五十条に規定する納期限までの日数
イ 法第三十七条の申告期限内に申告書を提出した場合又は提出すべきであつた場合においては、法第四十条第一項第一号に掲げる納付の期限の翌日
ロ 法第三十八条の申告期限内に申告書を提出した場合又は提出すべきであつた場合においては、法第四十条第一項第三号に掲げる納付の期限の翌日
ハ 法第三十九条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定による修正期限内に申告書若しくは課税価格を修正した場合又は修正すべきであつた場合においては、法第四十条第一項第四号に掲げる納付の期限の翌日
法第六十五条第三項において準用する同条第一項の規定により、法第五十七条第一項の規定による延納税額に相当する財産税に加算する税額は、延納税額の未納額(滞納に係る額を除く。)に、左の各号に掲げる日数に応じ、年百分の十の割合を乗じて算出した金額による。
一 第一回に納付すべき延納税額に相当する財産税については、左に掲げる日から、当該延納税額の納期限までの日数
イ 法第三十七条の申告期限内に提出された申告書に記載された課税価格に対する財産税を延納する場合においては、法第四十条第一項第一号に掲げる納付の期限の翌日
ロ 法第三十八条の申告期限内に提出された申告書に記載された課税価格に対する財産税を延納する場合においては、法第四十条第一項第三号に掲げる納付の期限の翌日
ハ 法第三十九条第一項の規定による申告書の修正又は同条第四項の規定による課税価格の修正に因り増加する税額に相当する財産税を延納する場合においては、法第四十条第一項第四号に掲げる納付の期限の翌日
ニ 法第四十条第一項第二号又は同項第五号に掲げる財産税(前項の規定により加算する財産税を含む。)を延納する場合においては、同条第一項第二号又は第五号に掲げる納付の期限の翌日
ホ 法第五十条の規定による追徴税額に相当する財産税(前項の規定により加算する財産税を含む。)を延納する場合においては、同条の納期限の翌日
二 第二回以後に納付すべき延納税額に相当する財産税については前回の延納税額の納期限の翌日から、その回の延納税額の納期限までの日数
税務署長は、已むを得ない事由があると認めるときは、大蔵大臣の定めるところにより、第一項の加算税額を免除することができる。
第七十八条 法第四十条第一項第二号若しくは第五号に掲げる財産税の納付があつた場合又は法第五十条の規定による追徴税額に相当する財産税を徴収することとなつた場合において、法第六十六条第一項の規定による追徴する税額は、左に掲げる日から、当該財産税に関する申告書(申告修正書及び課税価格修正書を含む。)を提出した日又は課税価格の更正若しくは決定の通知をなした日までの期間に応じ、一箇月を経過するごとに、当該税額に百分の五を乗じて算出した金額による。
一 法第三十七条の申告期限内に申告書を提出すべき場合においては、当該申告期限の翌日
二 法第三十八条の申告期限内に申告書を提出すべき場合においては、当該申告期限の翌日
三 法第三十九条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定による修正期限内に申告書又は課税価格を修正すべき場合においては、当該修正期限の翌日
第七十九条 法第二十一条第二項中政府とあるのは、申告地の所轄税務署長とし、法第四十条第二項、第四十六条乃至第五十条、第五十一条第三項、第六十条第二項、第六十五条第三項、第六十六条、第六十七条、第七十二条乃至第七十四条及び第七十六条第四項中政府とあるのは、納税地の所轄税務署長とし、法第六十八条及び第六十九条中政府とあるのは、調書又は明細書若しくは書類の提出義務者の住所地の所轄税務署長とし、法第五十二条第一項中政府とあるのは、納税地の所轄財務局長とし、法第六十二条中政府とあるのは、大蔵大臣とする。
法第五十一条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により、審査の請求をなすべき相手方は、納税地の所轄財務局長とする。
第八十条 この勅令に定めるものの外、法施行に関し必要な事項は、大蔵大臣がこれを定める。
附 則
この勅令は、法施行の日から、これを施行する。
法附則第三項の規定により山林の所得から控除すべき金額は、納税義務者の調査時期における財産の価額のうち、その譲渡し又は物納に充てた立木の価額が占める割合を財産税額(法第六十五条の規定により加算する税額及び法第六十六条第一項の規定により追徴する税額を除く。)に乗じて算出した金額による。但し、その控除金額は、山林の所得のうち、当該立木の譲渡又は物納により生じたものを超えることができない。
法附則第三項の規定の適用を受けようとする者は、所得税法第三十四条の申告と同時に、控除を受くべき財産税額その他必要な事項を記載した申請書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、特別の事情があると認めるときは、前項の申請がなかつた場合においても、法附則第三項の規定を適用することができる。
法第四条第四項の相続人又は相続財団の納付する財産税額(法第六十五条の規定により加算する税額又は法第六十六条第一項の規定により追徴する税額を除く。)は、法附則第五項の規定により、相続税法第三条又は第三条ノ二に掲げる公課とみなす。
前項の規定の適用を受けようとする者は、法第三十七条の申告期限後又は法第三十八条の申告期限後一箇月以内に、当該財産税額その他必要な事項を記載した申請書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
附則第四条の規定は、前項の場合について、これを準用する。
所得税法施行規則の一部を次のやうに改正する。
第十二条ノ三中「同日ニ於ケル価額」の下に「(土地、家屋、借地法ニ依ル借地権、借地法ニ依ル借地権タルモノ以外ノ地上権及永小作権ノ価額ニ付テハ財産税法第三章ノ規定及之ニ基キ発スル命令ニ依リ算定シタル価額)」を加へる。