(財産税法施行規則の一部を改正する勅令)
法令番号: 勅令第四十七号
公布年月日: 昭和22年2月12日
法令の形式: 勅令
朕は、財產稅法施行規則の一部を改正する勅令を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年二月十日
內閣総理大臣 吉田茂
大藏大臣 石橋湛山
勅令第四十七号
財產稅法施行規則の一部を次のように改正する。
第五十四條に次の一項を加える。
納稅義務者が第二項の規定により第一項第二號又は第三號に揭げる財產を物納に充てることができる場合において、納稅義務者の課稅價格算定の基礎となつた財產のうちに株式その他の出資があるときは、稅務署長は、納稅義務者の申請により、同項第二號又は第三號に揭げる財產の外、當該出資の出資先たる法人が調査時期において有してゐた財產(同項第一號乃至第三號に揭げる種類のものに限る。)で納稅義務者に屬するものによる物納を許可することができる。
第五十五條に次の一号を加える。
三 課稅價格算定の基礎となつた財產が株式その他の出資である場合において、前條第四項の規定により、出資先の法人の調査時期において有してゐた財產を物納に充てる場合においては、前二號の規定にかかわらず、當該財產を、法第三章の規定及びこの勅令の第三章の規定並びにこれらに基いて發する命令の定める方法により評價した價額
第五十六條第一項、第六十條及び第七十條第一項中「第五十四條第一項」の下に「又は第四項」を加える。
第七十一條中「第五十四條第二項及び第三項」を「第五十四條第二項乃至第四項」に改める。
第七十二條 納稅義務者が、左の各號に揭げる期間內に、震災、風水害、落雷、火災、火山爆發、その他の天災に因り、調査期間に有してゐた財產(舊勘定財產及び準舊勘定財產を除き、調査時期に有してゐた財產に代るものと認められる財產を含む。以下本條中同じ。)について被害を受けた場合(これらの天災に因り、會社等が被害を受けたため、株式その他の出資の價額が著しく低落した場合を含む。)において、その被害額が、調査時期に有してゐた財產の價額の十分の三に相當する金額又は十萬圓(同居家族については、その被害額の合計額が、調査時期に有してゐた財產の價額の合計額の十分の三に相當する金額又は十萬圓)を超え、納稅困難と認められるときは、稅務署長は、法第六十條第一項の規定により、左の各號に揭げる金額に相當する財產稅を輕減し又は免除することができる。
一 調査時期後法第四十條第一項第一號又は第三號に揭げる期限前に被害を受けた場合においては、
イ 法第三十七條第一項又は法第三十八條の規定による申吿書に記載された課稅價格に對する財產稅については、當該稅額と當該課稅價格から被害額を控除した金額により計算した財產稅の額との差額
ロ 法第三十九條第一項の規定による申吿書の修正又は同條第四項の規定による課稅價格の修正に因り增加する稅額に相當する財產稅については、修正後の課稅價格により計算した財產稅額と修正後の課稅價格から被害額を控除した金額により計算した財產稅の額との差額(修正前の課稅價格により計算した財產稅額と修正前の課稅價格から被害額を控除した金額により計算した財產稅の額との差額を除く。)
ハ 法第三十七條の申吿期限後若しくは法第三十八條の申吿期限後提出された申吿書に記載された課稅價格に對する財產稅、法第三十九條第三項の規定による申吿書の修正若しくは同條第五項の規定により課稅價格の修正に因り增加する稅額に相當する財產稅又は法第四十六條の規定による課稅價格の更正若しくは決定により徵收する稅額に相當する財產稅については、當該稅額(法第六十五條第一項の規定により加算する稅額、法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額竝びに舊勘定預金等及び準舊勘定預金等により納付を申請することができる稅額を除く。)に調査時期に有してゐた財產の價額に對する被害額の割合を乘じて算出した金額
二 法第四十條第一項第一號又は第三號に揭げる期限後財產稅の完納前に被害を受けた場合においては、未納稅額(法第六十五條第一項の規定により加算する稅額、法第六十六條第一項の規定により追徵する稅額、滯納に係る稅額竝びに舊勘定預金等及び準舊勘定預金等により納付を申請することができる稅額を除く。)に調査時期に有してゐた財產の價額に對する被害額の割合を乘じて算出した金額
前項の被害額は、被害を受けた財產について、被害に因る當該財產の價額の減少割合を、法第三章の規定及びこの勅令の第三章の規定竝びにこれらに基いて發する命令の定める方法により評價した當該財產の價額に乘じて算定した金額(當該財產に係る保險契約により支拂を受くべき保險金額を除く。)による。
第七十二條の二 前條第一項第一號イ又はロの規定により財產稅を輕減又は免除する場合においては、法第五十五條第一項及び第五十六條第一項第一號に規定する「納付すべき財產稅額」には、前條第一項第一號イ又はロの規定により輕減又は免除する稅額は、これを算入しない。
前條第一項第一號イ又はロの規定により財產稅を輕減又は免除する場合においては、法第五十五條第一項及び第五十六條第一項第一號に規定する「課稅價格」は、前條第一項の被害額を控除した額による。
前條第一項第一號イ又はロの規定により財產稅を輕減又は免除する場合においては、第三十八條第一項第一號及び第四十六條第一項第三號中「課稅價格」とあるのは「課稅價格から第七十二條第一項に規定する被害額を控除した額」と讀み替へるものとする。
第七十二條の三 納稅業務者は、第七十二條第一項の規定(同項第一號ハの規定を除く。)により財產稅の輕減又は免除を受けようとするときは、左の期限內に、大藏大臣の定める事項を記載した申請書を、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
一 第七十二條第一項第一號イの規定により財產稅の輕減又は免除を受けようとする者については、昭和二十二年三月十五日又は法第三十八條の申吿期限 但し、被害を受けた日が當該期限前二箇月に當る日以後であるときは、被害を受けた日の翌日から二箇月
二 第七十二條第一項第一號ロの規定により財產稅の輕減又は免除を受けようとする者については、法第三十九條第一項の規定による申吿書の修正又は同條第四項の規定による課稅價格の修正の期限 但し、被害を受けた日が當該期限前二箇月に當る日以後であるときは、被害を受けた日の翌日から二箇月
三 第七十二條第一項第二號の規定により財產稅の輕減又は免除を受けようとする者については、被害を受けた日の翌日から二箇月 但し、法第四十條第一項第二號、第四號若しくは第五號に揭げる期限又は法第五十條に規定する納期限が被害を受けた日の翌日から二箇月後であるときは當該期限
納稅義務者は、第七十二條第一項第一號ハの規定により、財產稅の輕減又は免除を受けようとするときは、申吿書の提出と同時に、法第三十九條第三項の規定による申吿書の修正若しくは同條第五項の規定による課稅價格の修正と同時に又は法第五十條に規定する納期限前に(被害を受けた日が申吿書提出の時、申吿書若しくは課稅價格修正の時又は法第五十條に規定する納期限前二箇月に當る日以後であるときは、被害を受けた日の翌日から二箇月以內に)、大藏大臣の定める事項を記載した申請書を、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
稅務署長は、第七十二條第一項の規定により財產稅の輕減又は免除に關する處分をなしたときは、これを納稅義務者に通知する。
第七十二條の四 稅務署長は、前條第一項又は第二項の規定による申請書の提出があつた場合において、必要があると認めるときは、納稅義務者の申請により、法第六十條第一項の規定による輕減又は免除に關する處分が確定するまで、稅金の徵收を猶豫することができる。
納稅義務者は、前項の規定により稅金の徵收の猶豫を受けようとするときは、大藏大臣の定める事項を記載した申請書を、前條第一項又は第二項の申請書の提出と同時に、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
稅務署長は、第一項の規定による稅金の徵收の猶豫に關する處分が確定したときは、これを納稅義務者に通知する。
第七十二條第一項の規定により財產稅を輕減又は免除することができる場合においては、前條第一項又は第二項の申請書の提出がない場合においても、大藏大臣の定めるところにより、稅金の徵收を猶豫することができる。
第七十九條中「第六十條第二項、」を削る。
附 則
この勅令は、公布の日から、これを施行する。
朕は、財産税法施行規則の一部を改正する勅令を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年二月十日
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 石橋湛山
勅令第四十七号
財産税法施行規則の一部を次のように改正する。
第五十四条に次の一項を加える。
納税義務者が第二項の規定により第一項第二号又は第三号に掲げる財産を物納に充てることができる場合において、納税義務者の課税価格算定の基礎となつた財産のうちに株式その他の出資があるときは、税務署長は、納税義務者の申請により、同項第二号又は第三号に掲げる財産の外、当該出資の出資先たる法人が調査時期において有してゐた財産(同項第一号乃至第三号に掲げる種類のものに限る。)で納税義務者に属するものによる物納を許可することができる。
第五十五条に次の一号を加える。
三 課税価格算定の基礎となつた財産が株式その他の出資である場合において、前条第四項の規定により、出資先の法人の調査時期において有してゐた財産を物納に充てる場合においては、前二号の規定にかかわらず、当該財産を、法第三章の規定及びこの勅令の第三章の規定並びにこれらに基いて発する命令の定める方法により評価した価額
第五十六条第一項、第六十条及び第七十条第一項中「第五十四条第一項」の下に「又は第四項」を加える。
第七十一条中「第五十四条第二項及び第三項」を「第五十四条第二項乃至第四項」に改める。
第七十二条 納税義務者が、左の各号に掲げる期間内に、震災、風水害、落雷、火災、火山爆発、その他の天災に因り、調査期間に有してゐた財産(旧勘定財産及び準旧勘定財産を除き、調査時期に有してゐた財産に代るものと認められる財産を含む。以下本条中同じ。)について被害を受けた場合(これらの天災に因り、会社等が被害を受けたため、株式その他の出資の価額が著しく低落した場合を含む。)において、その被害額が、調査時期に有してゐた財産の価額の十分の三に相当する金額又は十万円(同居家族については、その被害額の合計額が、調査時期に有してゐた財産の価額の合計額の十分の三に相当する金額又は十万円)を超え、納税困難と認められるときは、税務署長は、法第六十条第一項の規定により、左の各号に掲げる金額に相当する財産税を軽減し又は免除することができる。
一 調査時期後法第四十条第一項第一号又は第三号に掲げる期限前に被害を受けた場合においては、
イ 法第三十七条第一項又は法第三十八条の規定による申告書に記載された課税価格に対する財産税については、当該税額と当該課税価格から被害額を控除した金額により計算した財産税の額との差額
ロ 法第三十九条第一項の規定による申告書の修正又は同条第四項の規定による課税価格の修正に因り増加する税額に相当する財産税については、修正後の課税価格により計算した財産税額と修正後の課税価格から被害額を控除した金額により計算した財産税の額との差額(修正前の課税価格により計算した財産税額と修正前の課税価格から被害額を控除した金額により計算した財産税の額との差額を除く。)
ハ 法第三十七条の申告期限後若しくは法第三十八条の申告期限後提出された申告書に記載された課税価格に対する財産税、法第三十九条第三項の規定による申告書の修正若しくは同条第五項の規定により課税価格の修正に因り増加する税額に相当する財産税又は法第四十六条の規定による課税価格の更正若しくは決定により徴収する税額に相当する財産税については、当該税額(法第六十五条第一項の規定により加算する税額、法第六十六条第一項の規定により追徴する税額並びに旧勘定預金等及び準旧勘定預金等により納付を申請することができる税額を除く。)に調査時期に有してゐた財産の価額に対する被害額の割合を乗じて算出した金額
二 法第四十条第一項第一号又は第三号に掲げる期限後財産税の完納前に被害を受けた場合においては、未納税額(法第六十五条第一項の規定により加算する税額、法第六十六条第一項の規定により追徴する税額、滞納に係る税額並びに旧勘定預金等及び準旧勘定預金等により納付を申請することができる税額を除く。)に調査時期に有してゐた財産の価額に対する被害額の割合を乗じて算出した金額
前項の被害額は、被害を受けた財産について、被害に因る当該財産の価額の減少割合を、法第三章の規定及びこの勅令の第三章の規定並びにこれらに基いて発する命令の定める方法により評価した当該財産の価額に乗じて算定した金額(当該財産に係る保険契約により支払を受くべき保険金額を除く。)による。
第七十二条の二 前条第一項第一号イ又はロの規定により財産税を軽減又は免除する場合においては、法第五十五条第一項及び第五十六条第一項第一号に規定する「納付すべき財産税額」には、前条第一項第一号イ又はロの規定により軽減又は免除する税額は、これを算入しない。
前条第一項第一号イ又はロの規定により財産税を軽減又は免除する場合においては、法第五十五条第一項及び第五十六条第一項第一号に規定する「課税価格」は、前条第一項の被害額を控除した額による。
前条第一項第一号イ又はロの規定により財産税を軽減又は免除する場合においては、第三十八条第一項第一号及び第四十六条第一項第三号中「課税価格」とあるのは「課税価格から第七十二条第一項に規定する被害額を控除した額」と読み替へるものとする。
第七十二条の三 納税業務者は、第七十二条第一項の規定(同項第一号ハの規定を除く。)により財産税の軽減又は免除を受けようとするときは、左の期限内に、大蔵大臣の定める事項を記載した申請書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
一 第七十二条第一項第一号イの規定により財産税の軽減又は免除を受けようとする者については、昭和二十二年三月十五日又は法第三十八条の申告期限 但し、被害を受けた日が当該期限前二箇月に当る日以後であるときは、被害を受けた日の翌日から二箇月
二 第七十二条第一項第一号ロの規定により財産税の軽減又は免除を受けようとする者については、法第三十九条第一項の規定による申告書の修正又は同条第四項の規定による課税価格の修正の期限 但し、被害を受けた日が当該期限前二箇月に当る日以後であるときは、被害を受けた日の翌日から二箇月
三 第七十二条第一項第二号の規定により財産税の軽減又は免除を受けようとする者については、被害を受けた日の翌日から二箇月 但し、法第四十条第一項第二号、第四号若しくは第五号に掲げる期限又は法第五十条に規定する納期限が被害を受けた日の翌日から二箇月後であるときは当該期限
納税義務者は、第七十二条第一項第一号ハの規定により、財産税の軽減又は免除を受けようとするときは、申告書の提出と同時に、法第三十九条第三項の規定による申告書の修正若しくは同条第五項の規定による課税価格の修正と同時に又は法第五十条に規定する納期限前に(被害を受けた日が申告書提出の時、申告書若しくは課税価格修正の時又は法第五十条に規定する納期限前二箇月に当る日以後であるときは、被害を受けた日の翌日から二箇月以内に)、大蔵大臣の定める事項を記載した申請書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、第七十二条第一項の規定により財産税の軽減又は免除に関する処分をなしたときは、これを納税義務者に通知する。
第七十二条の四 税務署長は、前条第一項又は第二項の規定による申請書の提出があつた場合において、必要があると認めるときは、納税義務者の申請により、法第六十条第一項の規定による軽減又は免除に関する処分が確定するまで、税金の徴収を猶予することができる。
納税義務者は、前項の規定により税金の徴収の猶予を受けようとするときは、大蔵大臣の定める事項を記載した申請書を、前条第一項又は第二項の申請書の提出と同時に、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、第一項の規定による税金の徴収の猶予に関する処分が確定したときは、これを納税義務者に通知する。
第七十二条第一項の規定により財産税を軽減又は免除することができる場合においては、前条第一項又は第二項の申請書の提出がない場合においても、大蔵大臣の定めるところにより、税金の徴収を猶予することができる。
第七十九条中「第六十条第二項、」を削る。
附 則
この勅令は、公布の日から、これを施行する。