財産税等収入金特別会計法
法令番号: 法律第五十三號
公布年月日: 昭和21年11月13日
法令の形式: 法律
朕は、帝國議會の協贊を經た財産税等收入金特別會計法を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十一月十二日
内閣總理大臣 吉田茂
大藏大臣 石橋湛山
法律第五十三號
財産税等收入金特別會計法
第一條 財産税法及び戰時補償特別措置法に基く收入金に關する會計は、これを特別とし、一般の歳入歳出と區分して經理する。
財産税法及び戰時補償特別措置法に基いて收納する國債(政府特殊借入金を含む。以下同じ。)以外の物納の財産(以下物納財産といふ。)、財産税法に基いて讓り受ける財産(以下讓受財産といふ。)及び財産税法に基いて收納する金融機關經理應急措置法により金融機關の舊勘定の負債に屬することとなつた預金その他の債權(以下舊勘定預金等といふ。)は、これをこの會計の所屬とする。
第二條 この會計においては、財産税及び戰時補償特別税の收入金、物納財産及び讓受財産から生ずる收入金竝びにこれらの財産の處分に因る收入金、舊勘定預金等の拂戻金、公債募集金、借入金竝びに附屬雜收入を以てその歳入とし、一般會計又は國債整理基金特別會計への繰入金、地方公共團體又は特定機關への交付金、公債及び借入金の償還金及び利子、財産税及び戰時補償特別税の還付金その他の諸費を以てその歳出とする。
財産税及び戰時補償特別税の國債による收納の額は、これをこの會計の歳入とみなし、第三條第一項の規定による國債の所屬換の額は、これをこの會計の歳出及び國債整理基金特別會計の歳入とみなし、又、同條第三項の規定による當該國債の償却の額は、これを國債整理基金特別會計の歳出とみなして、整理するものとする。
第三條 この會計において、財産税及び戰時補償特別税を國債を以て收納した場合においては、その收納價額を以て、當該國債を國債整理基金特別會計の所屬に移さなければならない。
前項の規定により國債を國債整理基金特別會計の所屬に移した場合においては、國債整理基金特別會計法第二條第一項の規定により、一般會計から當該國債の收納價額に相當する額の國債元金償還資金の繰入があつたものとみなす。
國債整理基金特別會計で第一項の國債を受け入れた場合においては、直ちに、當該國債を償却しなければならない。
第四條 この會計に屬する經費を支辨するため必要があるときは、政府は、この會計の負擔において公債を發行し又は借入金をなすことができる。但し、公債又は借入金の額は、この會計に屬する資産(現金及び讓受財産を除き財産税及び戰時補償特別税の延納許可額を含む。)の現在額に七割五分の割合を乘じて算出した額を超えてはならない。
讓受財産の對價として國債を交付するため必要があるときは、政府は、前項の規定による外、この會計の負擔において公債を發行することができる。
物納財産の處分に因る收入金及び舊勘定預金等の拂戻金は、先づ、當該收入の收納の時に存する第一項の公債又は借入金の償還に充て、讓受財産の處分に因る收入金は、これを先づ、前項の公債の償還に充てるものとする。
第五條 この會計で支拂上現金に餘裕があるときは、これを大藏省預金部に預け入れることができる。
第六條 この會計において決算上剩餘を生じたときは、これを翌年度の歳入に繰り入れる。
第七條 政府は、毎年この會計の歳入歳出豫算を調製して、歳入歳出の總豫算とともに、これを帝國議會に提出する。
前項の歳入歳出豫算には、當該年度及び前年度における財産税及び戰時補償特別税の徴收豫定表竝びに物納財産、讓受財産及び舊勘定預金等の處分豫定表を添附しなければならない。
第八條 この會計の收入支出に關する規程は、勅令でこれを定める。
附 則
この法律施行の期日は、勅令でこれを定める。
この會計は、昭和二十六年度限り、これを廢止するものとする。
國有財産法の一部を次のやうに改正する。
第二十八條ノ二 財産税法及戰時補償特別措置法ニ依リ收納シタル財産ハ第五條又ハ第十六條ノ規定ニ拘ラズ之ヲ讓與シ又ハ勅令ヲ以テ定ムル場合ノ外之ヲ無償ニテ貸付スルコトヲ得ズ
朕は、帝国議会の協賛を経た財産税等収入金特別会計法を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十一月十二日
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 石橋湛山
法律第五十三号
財産税等収入金特別会計法
第一条 財産税法及び戦時補償特別措置法に基く収入金に関する会計は、これを特別とし、一般の歳入歳出と区分して経理する。
財産税法及び戦時補償特別措置法に基いて収納する国債(政府特殊借入金を含む。以下同じ。)以外の物納の財産(以下物納財産といふ。)、財産税法に基いて譲り受ける財産(以下譲受財産といふ。)及び財産税法に基いて収納する金融機関経理応急措置法により金融機関の旧勘定の負債に属することとなつた預金その他の債権(以下旧勘定預金等といふ。)は、これをこの会計の所属とする。
第二条 この会計においては、財産税及び戦時補償特別税の収入金、物納財産及び譲受財産から生ずる収入金並びにこれらの財産の処分に因る収入金、旧勘定預金等の払戻金、公債募集金、借入金並びに附属雑収入を以てその歳入とし、一般会計又は国債整理基金特別会計への繰入金、地方公共団体又は特定機関への交付金、公債及び借入金の償還金及び利子、財産税及び戦時補償特別税の還付金その他の諸費を以てその歳出とする。
財産税及び戦時補償特別税の国債による収納の額は、これをこの会計の歳入とみなし、第三条第一項の規定による国債の所属換の額は、これをこの会計の歳出及び国債整理基金特別会計の歳入とみなし、又、同条第三項の規定による当該国債の償却の額は、これを国債整理基金特別会計の歳出とみなして、整理するものとする。
第三条 この会計において、財産税及び戦時補償特別税を国債を以て収納した場合においては、その収納価額を以て、当該国債を国債整理基金特別会計の所属に移さなければならない。
前項の規定により国債を国債整理基金特別会計の所属に移した場合においては、国債整理基金特別会計法第二条第一項の規定により、一般会計から当該国債の収納価額に相当する額の国債元金償還資金の繰入があつたものとみなす。
国債整理基金特別会計で第一項の国債を受け入れた場合においては、直ちに、当該国債を償却しなければならない。
第四条 この会計に属する経費を支弁するため必要があるときは、政府は、この会計の負担において公債を発行し又は借入金をなすことができる。但し、公債又は借入金の額は、この会計に属する資産(現金及び譲受財産を除き財産税及び戦時補償特別税の延納許可額を含む。)の現在額に七割五分の割合を乗じて算出した額を超えてはならない。
譲受財産の対価として国債を交付するため必要があるときは、政府は、前項の規定による外、この会計の負担において公債を発行することができる。
物納財産の処分に因る収入金及び旧勘定預金等の払戻金は、先づ、当該収入の収納の時に存する第一項の公債又は借入金の償還に充て、譲受財産の処分に因る収入金は、これを先づ、前項の公債の償還に充てるものとする。
第五条 この会計で支払上現金に余裕があるときは、これを大蔵省預金部に預け入れることができる。
第六条 この会計において決算上剰余を生じたときは、これを翌年度の歳入に繰り入れる。
第七条 政府は、毎年この会計の歳入歳出予算を調製して、歳入歳出の総予算とともに、これを帝国議会に提出する。
前項の歳入歳出予算には、当該年度及び前年度における財産税及び戦時補償特別税の徴収予定表並びに物納財産、譲受財産及び旧勘定預金等の処分予定表を添附しなければならない。
第八条 この会計の収入支出に関する規程は、勅令でこれを定める。
附 則
この法律施行の期日は、勅令でこれを定める。
この会計は、昭和二十六年度限り、これを廃止するものとする。
国有財産法の一部を次のやうに改正する。
第二十八条ノ二 財産税法及戦時補償特別措置法ニ依リ収納シタル財産ハ第五条又ハ第十六条ノ規定ニ拘ラズ之ヲ譲与シ又ハ勅令ヲ以テ定ムル場合ノ外之ヲ無償ニテ貸付スルコトヲ得ズ