朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ地方總監府官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月十日
內閣總理大臣 男爵 鈴木貫太郞
內務大臣 安倍源基
勅令第三百五十號
地方總監府官制
第一條 地方總監ハ大東亞戰爭ニ際シ地方ニ於ケル各般ノ行政ヲ統轄シ法令又ハ特別ノ委任ニ依リ其ノ職權ニ屬スル事務ヲ管理ス
地方總監府ノ名稱、位置及管轄區域ハ別表ニ依ル
第二條 地方總監府ニハ通ジテ左ノ職員ヲ置ク
地方總監 親任
地方副總監 六人 勅任
參事官 專任三十人 勅任
祕書官 專任八人 奏任
副參事官 專任百十七人 奏任
事務官 專任五十九人 奏任
屬 專任四百二十六人 判任
地方總監ハ北海地方總監府及四國地方總監府ニハ之ヲ置カズ
地方總監、地方副總監及祕書官ヲ除クノ外第一項ノ職員ノ各地方總監府ニ於ケル定員ハ內務大臣之ヲ定ム
第三條 地方總監ハ行政全般ノ統轄ニ付テハ內閣總理大臣ノ指揮監督ヲ承ケ內閣又ハ各省ノ主務ニ付テハ內閣總理大臣又ハ各省大臣ノ指揮監督ヲ承ク
第四條 地方總監府ニ關スル事務ハ內務大臣之ヲ統理ス
第五條 地方總監ハ其ノ職權又ハ特別ノ委任ニ依リ管內一般又ハ其ノ一部ニ地方總監府令ヲ發シ之ニ三月以下ノ懲役若ハ禁錮、拘留、百圓以下ノ罰金又ハ科料ノ罰則ヲ附スルコトヲ得
第六條 地方總監ハ非常急變ノ場合ニ臨ミ兵力ヲ要シ又ハ警護ノ爲兵備ヲ要スルトキハ當該地方ノ陸海軍ノ司令官ニ移牒シテ出兵ヲ請フコトヲ得
第七條 地方總監ハ所部ノ官吏ヲ指揮監督シ高等官ノ功過ハ內務大臣ニ具狀シ判任官ノ進退ハ之ヲ行フ
第八條 地方總監ハ管內ニ關係アル地方官衙ノ長ニシテ勅令ヲ以テ指定スルモノ(以下地方官衙ノ長ト稱ス)ヲ指揮監督シ其ノ功過ハ當該地方官衙ノ所管大臣ニ具狀スルモノトス
第九條 地方總監ハ地方官衙ノ長ノ命令又ハ處分ニシテ成規ニ違ヒ、公益ヲ害シ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ命令又ハ處分ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得
第十條 地方總監ハ其ノ職權ニ關スル事務ノ一部ヲ地方官衙ノ長ニ委任スルコトヲ得
第十一條 地方副總監ハ地方總監ヲ佐ケ府務ヲ整理シ各部ノ事務ヲ監督シ地方總監事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス
北海地方總監府及四國地方總監府ニ在リテハ地方總監事故アルトキハ內務大臣ニ於テ參事官ノ一人ヲシテ其ノ職務ヲ代埋セシム
地方總監ハ地方總監府ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得
第十二條 地方總監府ニ總監官房及所要ノ部ヲ置ク
部長ハ參事官ヲ以テ之ニ充ツ
總監官房及各部ノ事務ノ分掌ハ內務大臣之ヲ定ム
第十三條 參事官ハ地方總監ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第十四條 祕書官ハ地方總監ノ命ヲ承ケ機密ニ屬スル事務ヲ掌ル
第十五條 副參事官及事務官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第十六條 屬ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
地方行政協議會令、地方參事官等臨時設置制及昭和二十年勅令第二百三十二號ハ之ヲ廢止ス
本令施行ノ際現ニ地方參事官、地方副參事官又ハ地方行政協議會令第十二條ノ規定ニ依ル都廳府縣屬ノ職ニ在ル者別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ現ニ其ノ者ノ勤務スル都廳府縣ノ區域ヲ管轄スル地方總監府ノ參事官、副參事官又ハ屬ニ同官等俸給(地方總監府參事官ニ在リテハ現ニ受クル俸給額ト同額ノ俸給ナキトキハ從前ノ額ノ俸給)ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
本令施行ノ際現ニ地方參事官、地方副參事官又ハ地方行政協議會令第十二條ノ規定ニ依ル都廳府縣屬ニシテ休職中ノモノ別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ休職ノ儘前項ノ例ニ依リ各相當ノ官ニ任ゼラレタルモノトス
(別表)
【表】
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ地方総監府官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月十日
内閣総理大臣 男爵 鈴木貫太郎
内務大臣 安倍源基
勅令第三百五十号
地方総監府官制
第一条 地方総監ハ大東亜戦争ニ際シ地方ニ於ケル各般ノ行政ヲ統轄シ法令又ハ特別ノ委任ニ依リ其ノ職権ニ属スル事務ヲ管理ス
地方総監府ノ名称、位置及管轄区域ハ別表ニ依ル
第二条 地方総監府ニハ通ジテ左ノ職員ヲ置ク
地方総監 親任
地方副総監 六人 勅任
参事官 専任三十人 勅任
秘書官 専任八人 奏任
副参事官 専任百十七人 奏任
事務官 専任五十九人 奏任
属 専任四百二十六人 判任
地方総監ハ北海地方総監府及四国地方総監府ニハ之ヲ置カズ
地方総監、地方副総監及秘書官ヲ除クノ外第一項ノ職員ノ各地方総監府ニ於ケル定員ハ内務大臣之ヲ定ム
第三条 地方総監ハ行政全般ノ統轄ニ付テハ内閣総理大臣ノ指揮監督ヲ承ケ内閣又ハ各省ノ主務ニ付テハ内閣総理大臣又ハ各省大臣ノ指揮監督ヲ承ク
第四条 地方総監府ニ関スル事務ハ内務大臣之ヲ統理ス
第五条 地方総監ハ其ノ職権又ハ特別ノ委任ニ依リ管内一般又ハ其ノ一部ニ地方総監府令ヲ発シ之ニ三月以下ノ懲役若ハ禁錮、拘留、百円以下ノ罰金又ハ科料ノ罰則ヲ附スルコトヲ得
第六条 地方総監ハ非常急変ノ場合ニ臨ミ兵力ヲ要シ又ハ警護ノ為兵備ヲ要スルトキハ当該地方ノ陸海軍ノ司令官ニ移牒シテ出兵ヲ請フコトヲ得
第七条 地方総監ハ所部ノ官吏ヲ指揮監督シ高等官ノ功過ハ内務大臣ニ具状シ判任官ノ進退ハ之ヲ行フ
第八条 地方総監ハ管内ニ関係アル地方官衙ノ長ニシテ勅令ヲ以テ指定スルモノ(以下地方官衙ノ長ト称ス)ヲ指揮監督シ其ノ功過ハ当該地方官衙ノ所管大臣ニ具状スルモノトス
第九条 地方総監ハ地方官衙ノ長ノ命令又ハ処分ニシテ成規ニ違ヒ、公益ヲ害シ又ハ権限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ命令又ハ処分ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得
第十条 地方総監ハ其ノ職権ニ関スル事務ノ一部ヲ地方官衙ノ長ニ委任スルコトヲ得
第十一条 地方副総監ハ地方総監ヲ佐ケ府務ヲ整理シ各部ノ事務ヲ監督シ地方総監事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス
北海地方総監府及四国地方総監府ニ在リテハ地方総監事故アルトキハ内務大臣ニ於テ参事官ノ一人ヲシテ其ノ職務ヲ代埋セシム
地方総監ハ地方総監府ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得
第十二条 地方総監府ニ総監官房及所要ノ部ヲ置ク
部長ハ参事官ヲ以テ之ニ充ツ
総監官房及各部ノ事務ノ分掌ハ内務大臣之ヲ定ム
第十三条 参事官ハ地方総監ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第十四条 秘書官ハ地方総監ノ命ヲ承ケ機密ニ属スル事務ヲ掌ル
第十五条 副参事官及事務官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第十六条 属ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
地方行政協議会令、地方参事官等臨時設置制及昭和二十年勅令第二百三十二号ハ之ヲ廃止ス
本令施行ノ際現ニ地方参事官、地方副参事官又ハ地方行政協議会令第十二条ノ規定ニ依ル都庁府県属ノ職ニ在ル者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ現ニ其ノ者ノ勤務スル都庁府県ノ区域ヲ管轄スル地方総監府ノ参事官、副参事官又ハ属ニ同官等俸給(地方総監府参事官ニ在リテハ現ニ受クル俸給額ト同額ノ俸給ナキトキハ従前ノ額ノ俸給)ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
本令施行ノ際現ニ地方参事官、地方副参事官又ハ地方行政協議会令第十二条ノ規定ニ依ル都庁府県属ニシテ休職中ノモノ別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ休職ノ儘前項ノ例ニ依リ各相当ノ官ニ任ゼラレタルモノトス
(別表)
【表】