第一條 國家總動員法(昭和十三年勅令第三百十七號ニ於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第十九條ノ規定ニ基ク株式ノ價格ニ關スル統制ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 商工大臣ハ株式價格ノ著シキ低落ニ因リ國民經濟ノ圓滑ナル運行ガ阻害セラルルノ虞アリト認ムルトキハ株式ヲ指定シ其ノ最低價格ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ最低價格ハ當該株式ノ一定期日ニ於ケル取引所相場ヲ基準トシテ之ヲ定メ取引所相場ナキモノニ付テハ實物仲値ヲ基準トシテ之ヲ定ム
商工大臣ハ第一項ノ規定ニ依リ定メタル最低價格ガ事情ノ變更ニ因リ著シク不當ト爲リタリト認ムルトキハ之ヲ變更スルコトヲ得
商工大臣ハ第一項ノ規定ニ依リ最低價格ヲ定メ又ハ前項ノ規定ニ依リ之ヲ變更シタルトキハ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第三條 前條ノ規定ニ依リ最低價格ノ定メラレタル株式ニ付テハ有價證券ノ賣買取引ヲ爲ス取引所ノ會員若ハ取引員又ハ有價證券業取締法ニ依ル有價證券業者ハ當該株式ノ最低價格ヲ下ル價格ニ依ル賣買又ハ其ノ委託、受託若ハ媒介ヲ爲スコトヲ得ズ但シ商工大臣ノ許可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第四條 商工大臣ハ第二條ノ規定ニ依リ定メタル最低價格ヲ存置スルノ必要ナシト認ムルトキハ之ヲ廢止スルコトヲ得
商工大臣ハ前項ノ規定ニ依リ最低價格ヲ廢止シタルトキハ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第五條 何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ第三條ノ規定ニ依ル禁止ヲ免ルル行爲ヲ爲スコトヲ得ズ
第六條 商工大臣又ハ地方長官ハ必要アリト認ムルトキハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ依リ第三條ノ規定ニ依ル制限ニ關シ必要ナル報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ事務所、營業所其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第七條 本令中商工大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ地方長官トアルハ朝鮮ニ在リテハ道知事、臺灣ニ在リテハ州知事又ハ廳長、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トス
第三條中有價證券業取締法ニ依ル有價證券業者トアルハ朝鮮、臺灣、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ取引所ニ依ラザル有價證券ノ賣買又ハ其ノ媒介ノ業ヲ營ム者(銀行、信託會社及有價證券割賦販賣業者ヲ除ク)トス