朕國民體力法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年九月二十四日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
文部大臣 橋田邦彦
厚生大臣 安井英二
司法大臣 風見章
勅令第六百二十號
國民體力法施行令
第一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ國民體力法第二條第三號ノ規定ニ依リ被管理者タラザルモノトス
一 海軍豫備練習生及海軍豫備補習生
二 從軍中ノ陸海軍軍屬
三 專ラ國民體力法施行地外ヲ航行スル船舶ノ乘組員
第二條 地方長官ハ國民體力法第四條第一項ノ規定ニ依リ體力檢査ヲ受クルコトヲ要スル被管理者(要檢査被管理者)ヲ常時四十人以上使用スル事務所、商店、工場、事業場等ノ事業主又ハ管理人ニ對シ其ノ使用スル要檢査被管理者ノ體力檢査ヲ行フコトヲ命ズベシ但シ事業主若ハ管理人ガ體力檢査ヲ行フコトヲ困難トスル事情アリト認メラルルトキ又ハ事業主若ハ管理人ヲシテ體力檢査ヲ行ハシムルコトガ不適當ト認メラルルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三條 要檢査被管理者ヲ常時四十人以上使用スル事務所、商店、工場、事業場等ノ事業主又ハ管理人ハ每年四月十日現在ニ依リ其ノ使用スル要檢査被管理者ノ數ヲ地方長官ニ屆出ヅベシ此ノ場合ニ於テ事業主又ハ管理人ガ體力檢査ヲ行フコトヲ困難トスル事情アルトキハ其ノ旨併セ屆出ヅベシ
第四條 第二條ノ規定ニ依リ事業主又ハ管理人ヲシテ體力檢査ヲ行ハシムル場合ニ於テハ地方長官ハ其ノ施行ヲ指揮監督シ關係官吏ヲ立會ハシムベシ
第五條 左ノ各號ノ一ニ該當スル學校ニ在學若ハ在園シ又ハ幼稚園ニ在園スル被管理者(夜間又ハ季節的ニ授業ヲ受クル者ヲ除ク)ノ體力檢査ハ當該學校長又ハ園長第一號又ハ第二號ノ學校ニ在リテハ厚生大臣ノ指揮監督ヲ承ケ、其ノ他ノ學校又ハ幼稚園ニ在リテハ地方長官ノ指揮監督ヲ承ケ之ヲ行フベシ
一 官立ノ學校
二 公立又ハ私立ノ大學、專門學校、實業專門學校、高等學校及之ニ準ズベキ學校
三 師範學校、中學校、高等女學校及公立又ハ私立ノ實業學校
四 公立又ハ私立ノ盲學校及聾啞學校
五 靑年學校及小學校
六 專門學校入學者檢定規程ニ依ル指定學校
前項第二號ノ之ニ準ズベキ學校ハ厚生大臣及文部大臣之ヲ指定ス
第六條 體力檢査ヲ行フ者ハ豫メ體力檢査ヲ行フベキ日時及場所ヲ定ムベシ
體力檢査ヲ行フベキ日時ハ每年七月一日ヨリ九月三十日迄ノ期間內ニ於テ之ヲ定ムベシ但シ學校又ハ幼稚園ノ長ノ行フ體力檢査ニ在リテハ每年四月一日ヨリ六月三十日迄ノ期間內ニ於テ其ノ日時ヲ定ムベシ
前項ノ規定ニ依リ難キ場合ニ於テハ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第七條 天災其ノ他已ムコトヲ得ザル事由ニ因リ前條第二項ノ期間內ニ體力檢査ヲ行フコト能ハザルトキハ第五條第一項第一號若ハ第二號、第十八條第一項又ハ第二十條第一項ノ規定ニ依リ行フ體力檢査ニ在リテハ學校長又ハ國ノ事業場若ハ施設ノ長ハ前條第二項ノ期間外ニ於テ體力檢査ヲ行フベキ日時ヲ定メ、其ノ他ノ體力檢査ニ在リテハ地方長官ハ別ニ期間ヲ定メ體力檢査ヲ行フ者ハ其ノ期間內ニ於テ體力檢査ヲ行フベキ日時ヲ定ムベシ
第八條 體力檢査ヲ行フ者ハ要檢査被管理者及國民體力法第四條第二項ノ規定ニ依ル義務者ニ對シ體力檢査ヲ行フベキ日時及場所ヲ了知セシムル爲必要ナル措置ヲ爲スベシ
第九條 要檢査被管理者ハ所定ノ日時及場所ニ於テ體力檢査ヲ受クベキモノトス
第十條 要檢査被管理者疾病其ノ他已ムコトヲ得ザル事由ニ因リ所定ノ日時及場所ニ於テ體力檢査ヲ受クルコト能ハザル場合ハ本人又ハ國民體力法第四條第二項ノ規定ニ依ル義務者ニ於テ其ノ旨體力檢査ヲ行フ者ニ屆出ヅベシ
前項ノ屆出アリタルトキハ體力檢査ヲ行フ者ハ更ニ體力檢査ヲ行フベキ日時及場所ヲ指定スベシ此ノ場合ニ於テハ第六條及第七條ノ期間ニ關スル規定ニ依ラザルコトヲ得
第十一條 體力檢査ハ命令ノ定ムル所ニ依リ身體計測、機能檢査及疾病異常檢診ヲ行フモノトス
第十二條 體力檢査ノ結果ハ體力手帳ニ之ヲ記載スルモノトス國民體力法第十條乃至第十二條ノ規定ニ依リ體力向上ニ關スル指導若ハ指示ヲ爲シ又ハ療養ニ關スル處置ヲ命ジタルトキ亦同ジ
前項ノ規定ニ依リ記載スベキ事項ニシテ醫務ニ關スルモノハ國民體力管理醫ニ於テ、其ノ他ノモノハ體力檢査ヲ行フ者ニ於テ之ヲ記載スベシ
體力手帳ノ樣式其ノ他體力手帳ニ關シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
第十三條 國民體力管理醫ノ選任及解任ハ地方長官之ヲ行フ但シ第五條第一項第一號若ハ第二號、第十八條第一項又ハ第二十條第一項ノ規定ニ依リ行フ體力檢査ニ關スル醫務ニ從事セシムベキ國民體力管理醫ニ付テハ學校長又ハ國ノ事業場若ハ施設ノ長ニ於テ之ヲ行フ
第十四條 國民體力管理醫ノ任期ハ二年トス但シ特定ノ醫務ニ從事セシムル爲選任シタル國民體力管理醫ハ其ノ職務終了ト同時ニ退任ス
特別ノ事由アル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ國民體力管理醫ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第十五條 國民體力管理醫ハ體力檢査ニ關スル職務ノ執行ニ付テハ體力檢査ヲ行フ者ノ、其ノ他ノ職務ノ執行ニ付テハ地方長官ノ指揮ニ從フベシ
第十六條 國民體力管理醫第五條ノ被管理者ヲ檢診シタル場合ニ於テ就學上考慮ヲ要スルモノアリト認ムルトキハ其ノ旨學校又ハ幼稚園ノ長ニ通報スベシ
第十七條 第五條第一項第一號又ハ第二號ノ學校ニ在學又ハ在園スル被管理者(夜間又ハ季節的ニ授業ヲ受クル者ヲ除ク)ニ對スル國民體力法第十二條第一項ノ規定ニ依ル療養ニ關スル處置命令ハ當該學校ノ長ニ於テ之ヲ爲スベシ
前項ノ被管理者ニ付保護者ニ對シ國民體力法第十二條第一項ノ規定ニ依リ療養ニ關スル處置ヲ命ズルノ必要アリト認ムルトキハ當該學校ノ長ハ其ノ旨保護者ノ居住地ヲ管轄スル地方長官ニ通報スベシ
第十八條 國ノ事業ニシテ厚生大臣ノ指定スルモノニ使用セラルル被管理者ノ體力檢査ハ其ノ事業場ノ長厚生大臣ノ指揮監督ヲ承ケ之ヲ行フベシ
道府縣ノ事業ニシテ地方長官ノ指定スルモノニ使用セラルル被管理者ノ體力檢査ハ其ノ事業場ノ長地方長官ノ指揮監督ヲ承ケ之ヲ行フベシ
第十九條 前條第一項ノ規定ニ依リ國ノ事業場ノ長ニ於テ體力檢査ヲ行フ被管理者ニ對スル國民體力法第十一條又ハ第十二條第一項ノ規定ニ依ル體力向上ニ關スル指示又ハ療養ニ關スル處置命令ハ當該事業場ノ長ニ於テ之ヲ爲スベシ
前項ノ被管理者ニ付保護者ニ對シ國民體力法第十一條又ハ第十二條第一項ノ規定ニ依リ體力向上ニ關スル指示ヲ爲シ又ハ療養ニ關スル處置ヲ命ズルノ必要アリト認ムルトキハ當該事業場ノ長ハ其ノ旨保護者ノ居住地ヲ管轄スル地方長官ニ通報スベシ
第二十條 監獄、矯正院又ハ國立ノ少年敎護院若ハ癩療養所ニ在ル被管理者ノ體力檢査ハ當該施設ノ長厚生大臣ノ指揮監督ヲ承ケ之ヲ行フベシ
公立又ハ私立ノ少年敎護院又ハ癩療養所ニ在ル被管理者ノ體力檢査ハ當該施設ノ長地方長官ノ指揮監督ヲ承ケ之ヲ行フベシ
第二十一條 前條ノ施設ニ在ル被管理者又ハ被管理者タリシ者ノ體力手帳ハ當該施設ノ長ニ於テ之ヲ保存スベシ
第二十二條 第二十條ノ規定ニ依リ體力檢査ヲ行フ場合ニ於テハ國民體力法第四條第二項、第六條、第十一條及第十二條ノ規定ハ之ヲ適用セズ
第二十條ノ規定ニ依リ體力檢査ヲ行フ場合ニ於テ必要アルトキハ第八條乃至第十條ノ規定ニ拘ラズ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第二十三條 體力檢査ニ要スル費用ニシテ左ニ揭グルモノハ每年度豫算ノ定ムル所ニ依リ國庫之ヲ負擔ス
一 國民體力管理醫手當
二 體力檢査補助者手當
三 藥品其ノ他消耗品ノ費用
第二十四條 市町村(町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ町村ニ準ズベキモノトス)ハ前條ノ費用ヲ一時繰替支辨スルコトヲ得
一時繰替支辨ニ關シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ國民體力法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十五年ニ限リ第三條中每年四月十日現在トアルハ九月二十六日現在トシ第六條第二項ノ期間ハ十月一日ヨリ十二月三十一日迄トス
朕国民体力法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年九月二十四日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
文部大臣 橋田邦彦
厚生大臣 安井英二
司法大臣 風見章
勅令第六百二十号
国民体力法施行令
第一条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ国民体力法第二条第三号ノ規定ニ依リ被管理者タラザルモノトス
一 海軍予備練習生及海軍予備補習生
二 従軍中ノ陸海軍軍属
三 専ラ国民体力法施行地外ヲ航行スル船舶ノ乗組員
第二条 地方長官ハ国民体力法第四条第一項ノ規定ニ依リ体力検査ヲ受クルコトヲ要スル被管理者(要検査被管理者)ヲ常時四十人以上使用スル事務所、商店、工場、事業場等ノ事業主又ハ管理人ニ対シ其ノ使用スル要検査被管理者ノ体力検査ヲ行フコトヲ命ズベシ但シ事業主若ハ管理人ガ体力検査ヲ行フコトヲ困難トスル事情アリト認メラルルトキ又ハ事業主若ハ管理人ヲシテ体力検査ヲ行ハシムルコトガ不適当ト認メラルルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三条 要検査被管理者ヲ常時四十人以上使用スル事務所、商店、工場、事業場等ノ事業主又ハ管理人ハ毎年四月十日現在ニ依リ其ノ使用スル要検査被管理者ノ数ヲ地方長官ニ届出ヅベシ此ノ場合ニ於テ事業主又ハ管理人ガ体力検査ヲ行フコトヲ困難トスル事情アルトキハ其ノ旨併セ届出ヅベシ
第四条 第二条ノ規定ニ依リ事業主又ハ管理人ヲシテ体力検査ヲ行ハシムル場合ニ於テハ地方長官ハ其ノ施行ヲ指揮監督シ関係官吏ヲ立会ハシムベシ
第五条 左ノ各号ノ一ニ該当スル学校ニ在学若ハ在園シ又ハ幼稚園ニ在園スル被管理者(夜間又ハ季節的ニ授業ヲ受クル者ヲ除ク)ノ体力検査ハ当該学校長又ハ園長第一号又ハ第二号ノ学校ニ在リテハ厚生大臣ノ指揮監督ヲ承ケ、其ノ他ノ学校又ハ幼稚園ニ在リテハ地方長官ノ指揮監督ヲ承ケ之ヲ行フベシ
一 官立ノ学校
二 公立又ハ私立ノ大学、専門学校、実業専門学校、高等学校及之ニ準ズベキ学校
三 師範学校、中学校、高等女学校及公立又ハ私立ノ実業学校
四 公立又ハ私立ノ盲学校及聾唖学校
五 青年学校及小学校
六 専門学校入学者検定規程ニ依ル指定学校
前項第二号ノ之ニ準ズベキ学校ハ厚生大臣及文部大臣之ヲ指定ス
第六条 体力検査ヲ行フ者ハ予メ体力検査ヲ行フベキ日時及場所ヲ定ムベシ
体力検査ヲ行フベキ日時ハ毎年七月一日ヨリ九月三十日迄ノ期間内ニ於テ之ヲ定ムベシ但シ学校又ハ幼稚園ノ長ノ行フ体力検査ニ在リテハ毎年四月一日ヨリ六月三十日迄ノ期間内ニ於テ其ノ日時ヲ定ムベシ
前項ノ規定ニ依リ難キ場合ニ於テハ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第七条 天災其ノ他已ムコトヲ得ザル事由ニ因リ前条第二項ノ期間内ニ体力検査ヲ行フコト能ハザルトキハ第五条第一項第一号若ハ第二号、第十八条第一項又ハ第二十条第一項ノ規定ニ依リ行フ体力検査ニ在リテハ学校長又ハ国ノ事業場若ハ施設ノ長ハ前条第二項ノ期間外ニ於テ体力検査ヲ行フベキ日時ヲ定メ、其ノ他ノ体力検査ニ在リテハ地方長官ハ別ニ期間ヲ定メ体力検査ヲ行フ者ハ其ノ期間内ニ於テ体力検査ヲ行フベキ日時ヲ定ムベシ
第八条 体力検査ヲ行フ者ハ要検査被管理者及国民体力法第四条第二項ノ規定ニ依ル義務者ニ対シ体力検査ヲ行フベキ日時及場所ヲ了知セシムル為必要ナル措置ヲ為スベシ
第九条 要検査被管理者ハ所定ノ日時及場所ニ於テ体力検査ヲ受クベキモノトス
第十条 要検査被管理者疾病其ノ他已ムコトヲ得ザル事由ニ因リ所定ノ日時及場所ニ於テ体力検査ヲ受クルコト能ハザル場合ハ本人又ハ国民体力法第四条第二項ノ規定ニ依ル義務者ニ於テ其ノ旨体力検査ヲ行フ者ニ届出ヅベシ
前項ノ届出アリタルトキハ体力検査ヲ行フ者ハ更ニ体力検査ヲ行フベキ日時及場所ヲ指定スベシ此ノ場合ニ於テハ第六条及第七条ノ期間ニ関スル規定ニ依ラザルコトヲ得
第十一条 体力検査ハ命令ノ定ムル所ニ依リ身体計測、機能検査及疾病異常検診ヲ行フモノトス
第十二条 体力検査ノ結果ハ体力手帳ニ之ヲ記載スルモノトス国民体力法第十条乃至第十二条ノ規定ニ依リ体力向上ニ関スル指導若ハ指示ヲ為シ又ハ療養ニ関スル処置ヲ命ジタルトキ亦同ジ
前項ノ規定ニ依リ記載スベキ事項ニシテ医務ニ関スルモノハ国民体力管理医ニ於テ、其ノ他ノモノハ体力検査ヲ行フ者ニ於テ之ヲ記載スベシ
体力手帳ノ様式其ノ他体力手帳ニ関シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
第十三条 国民体力管理医ノ選任及解任ハ地方長官之ヲ行フ但シ第五条第一項第一号若ハ第二号、第十八条第一項又ハ第二十条第一項ノ規定ニ依リ行フ体力検査ニ関スル医務ニ従事セシムベキ国民体力管理医ニ付テハ学校長又ハ国ノ事業場若ハ施設ノ長ニ於テ之ヲ行フ
第十四条 国民体力管理医ノ任期ハ二年トス但シ特定ノ医務ニ従事セシムル為選任シタル国民体力管理医ハ其ノ職務終了ト同時ニ退任ス
特別ノ事由アル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ国民体力管理医ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第十五条 国民体力管理医ハ体力検査ニ関スル職務ノ執行ニ付テハ体力検査ヲ行フ者ノ、其ノ他ノ職務ノ執行ニ付テハ地方長官ノ指揮ニ従フベシ
第十六条 国民体力管理医第五条ノ被管理者ヲ検診シタル場合ニ於テ就学上考慮ヲ要スルモノアリト認ムルトキハ其ノ旨学校又ハ幼稚園ノ長ニ通報スベシ
第十七条 第五条第一項第一号又ハ第二号ノ学校ニ在学又ハ在園スル被管理者(夜間又ハ季節的ニ授業ヲ受クル者ヲ除ク)ニ対スル国民体力法第十二条第一項ノ規定ニ依ル療養ニ関スル処置命令ハ当該学校ノ長ニ於テ之ヲ為スベシ
前項ノ被管理者ニ付保護者ニ対シ国民体力法第十二条第一項ノ規定ニ依リ療養ニ関スル処置ヲ命ズルノ必要アリト認ムルトキハ当該学校ノ長ハ其ノ旨保護者ノ居住地ヲ管轄スル地方長官ニ通報スベシ
第十八条 国ノ事業ニシテ厚生大臣ノ指定スルモノニ使用セラルル被管理者ノ体力検査ハ其ノ事業場ノ長厚生大臣ノ指揮監督ヲ承ケ之ヲ行フベシ
道府県ノ事業ニシテ地方長官ノ指定スルモノニ使用セラルル被管理者ノ体力検査ハ其ノ事業場ノ長地方長官ノ指揮監督ヲ承ケ之ヲ行フベシ
第十九条 前条第一項ノ規定ニ依リ国ノ事業場ノ長ニ於テ体力検査ヲ行フ被管理者ニ対スル国民体力法第十一条又ハ第十二条第一項ノ規定ニ依ル体力向上ニ関スル指示又ハ療養ニ関スル処置命令ハ当該事業場ノ長ニ於テ之ヲ為スベシ
前項ノ被管理者ニ付保護者ニ対シ国民体力法第十一条又ハ第十二条第一項ノ規定ニ依リ体力向上ニ関スル指示ヲ為シ又ハ療養ニ関スル処置ヲ命ズルノ必要アリト認ムルトキハ当該事業場ノ長ハ其ノ旨保護者ノ居住地ヲ管轄スル地方長官ニ通報スベシ
第二十条 監獄、矯正院又ハ国立ノ少年教護院若ハ癩療養所ニ在ル被管理者ノ体力検査ハ当該施設ノ長厚生大臣ノ指揮監督ヲ承ケ之ヲ行フベシ
公立又ハ私立ノ少年教護院又ハ癩療養所ニ在ル被管理者ノ体力検査ハ当該施設ノ長地方長官ノ指揮監督ヲ承ケ之ヲ行フベシ
第二十一条 前条ノ施設ニ在ル被管理者又ハ被管理者タリシ者ノ体力手帳ハ当該施設ノ長ニ於テ之ヲ保存スベシ
第二十二条 第二十条ノ規定ニ依リ体力検査ヲ行フ場合ニ於テハ国民体力法第四条第二項、第六条、第十一条及第十二条ノ規定ハ之ヲ適用セズ
第二十条ノ規定ニ依リ体力検査ヲ行フ場合ニ於テ必要アルトキハ第八条乃至第十条ノ規定ニ拘ラズ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第二十三条 体力検査ニ要スル費用ニシテ左ニ掲グルモノハ毎年度予算ノ定ムル所ニ依リ国庫之ヲ負担ス
一 国民体力管理医手当
二 体力検査補助者手当
三 薬品其ノ他消耗品ノ費用
第二十四条 市町村(町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ町村ニ準ズベキモノトス)ハ前条ノ費用ヲ一時繰替支弁スルコトヲ得
一時繰替支弁ニ関シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ国民体力法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十五年ニ限リ第三条中毎年四月十日現在トアルハ九月二十六日現在トシ第六条第二項ノ期間ハ十月一日ヨリ十二月三十一日迄トス