(運輸通信省及鉄道局ノ鉄道医及鉄道薬剤師ニ関スル件)
法令番号: 勅令第六百十九號
公布年月日: 昭和14年8月30日
法令の形式: 勅令
朕大正八年勅令第二百五十七號鐵道省鐵道醫ニ關スル件改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年八月二十九日
內閣總理大臣 男爵 平沼騏一郞
鐵道大臣 前田米藏
勅令第六百十九號
第一條 鐵道省及鐵道局ニ鐵道醫及鐵道藥劑師ヲ置ク
第二條 鐵道醫ハ勅任官、奏任官又ハ判任官ノ待遇トス上司ノ命ヲ承ケ醫務ヲ掌ル
鐵道藥劑師ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス上司ノ命ヲ承ケ調劑ヲ掌ル
第三條 勅任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫ノ數ハ一人トシ奏任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫ノ數ハ二百四十八人以內、鐵道藥劑師ノ數ハ八人以內トシ判任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫ノ數ハ二百五十九人以內、鐵道藥劑師ノ數ハ七十五人以內トス
第四條 勅任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫ノ進退ハ勅任官ノ例ニ依リ、奏任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫及鐵道藥劑師ノ進退ハ奏任官ノ例ニ依リ之ヲ行ヒ判任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫及鐵道藥劑師ノ進退ハ鐵道大臣之ヲ專行ス
第五條 奏任官又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫及鐵道藥劑師ノ官等等級ハ其ノ俸給額ニ應ジ別表第一號表ニ依リ文武高等官官等又ハ文武判任官等級ニ配當ス
第六條 鐵道醫及鐵道藥劑師ニシテ勅任官、奏任官又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル者ノ席次ハ同官等又ハ同等級內ニ於テ文武官吏ノ次席トス
第七條 鐵道醫及鐵道藥劑師ノ俸給ハ別表第二號表ニ依ル
第八條 鐵道醫又ハ鐵道藥劑師ニシテ一級俸ヲ受ケ五年ヲ超エ特ニ功勞アル者ニハ勅任官又ハ奏任官ノ待遇ヲ受クル者ニ在リテハ年額六百圓以內ヲ、判任官ノ待遇ヲ受クル者ニ在リテハ月額三十五圓以內ヲ加給スルコトヲ得
第九條 勅任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫、奏任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫若ハ鐵道藥劑師ニシテ七級俸以上ノ俸給ヲ受クル者又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫若ハ鐵道藥劑師ニシテ五級俸以上ノ俸給ヲ受クル者ハ一年ヲ經過スルニ非ザレバ昇級スルコトヲ得ズ
第十條 俸給ノ支給ニ關シテハ高等官又ハ判任官ノ俸給支給ノ例ニ依ル
附 則
第十一條 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十二條 本令施行ノ際現ニ鐵道醫ノ職ニ在ル者別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ現ニ受クル俸給額ニ相當スル級俸ヲ受クルモノトス但シ現ニ受クル俸給額ニ相當スル級俸ナキトキハ從前ノ俸給ヲ受クルモノトス
第十三條 本令施行ノ際現ニ鐵道省囑託ノ藥劑員ノ職ニ在ル者ヲ鐵道藥劑師ニ任用スル場合ニ於テハ任用ノ當時受クル手當月額ノ十二倍ニ相當スル額ノ年俸又ハ任用ノ當時受クル手當月額ニ相當スル額ノ月俸ヲ給スルコトヲ得
第十四條 本令施行ノ日ヨリ五年內ニ判任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫ヲ新ニ任用スル場合ニ於テハ之ニ百四十五圓ヲ超エ百八十圓ヲ超エザル額ノ月俸ヲ給スルコトヲ得本令施行ノ日ヨリ五年內ニ判任官ノ待遇ヲ受クル鐵道醫ニ增給ヲ爲ス場合亦同ジ
第八條ノ規定ハ前項ノ場合ニ於テハ之ヲ適用セズ
第十五條 第五條ノ規定ハ前三條ノ規定ニ依リテ本令ノ定ムル級俸ニ相當セザル俸給ヲ給セラルル者ニ付テハ其ノ俸給ニ最モ近キ上級ノ級俸ヲ其ノ者ガ受クル俸給ト看做シ之ヲ適用ス但シ一級俸ヲ超ユル額ノ俸給ヲ給セラルル者ハ之ヲ一級俸ヲ受クル者ト看做ス
第十六條 第八條ノ規定ハ第十二條ノ規定ニ依リテ俸給ヲ給セラルル鐵道醫及第十三條ノ規定ニ依リテ俸給ヲ給セラルル判任官ノ待遇ヲ受クル鐵道藥劑師ニ付テハ其ノ者ガ初メテ一級俸以上ノ額ノ俸給又ハ手當ヲ受ケタル時ヲ以テ一級俸ヲ受ケタル時ト看做シ鐵道藥劑師ニ付テハ囑託期間ヲモ通算シ之ヲ適用ス但シ年俸四千六百五十圓又ハ月俸百八十圓ヲ超ユルコトヲ得ズ
第十七條 第九條ノ規定ハ第十二條又ハ第十三條ノ規定ニ依リテ本令ノ定ムル級俸ニ相當セザル俸給ヲ給セラルル者ニ付テハ其ノ俸給ニ最モ近キ上級ノ級俸ヲ其ノ者ガ受クル俸給ト看做シ之ヲ適用ス
第十二條又ハ第十三條ノ規定ニ依リテ俸給ヲ給セラルル者ニ付第九條ノ規定ヲ適用スル場合ニ於テハ同條ニ定ムル期間ハ其ノ者ガ現ニ受クル額ノ俸給又ハ現ニ受クル俸給ト同額ノ手當ヲ受ケタル初ヨリ之ヲ計算ス
第十八條 第十四條ノ規定ニ依リテ百四十五圓ヲ超ユル額ノ月俸ヲ給セラルル者ニハ一年ヲ經過スルニ非ザレバ增給ヲ爲スコトヲ得ズ
別表
第一號表
【表】
第二號表
【表】
朕大正八年勅令第二百五十七号鉄道省鉄道医ニ関スル件改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年八月二十九日
内閣総理大臣 男爵 平沼騏一郎
鉄道大臣 前田米蔵
勅令第六百十九号
第一条 鉄道省及鉄道局ニ鉄道医及鉄道薬剤師ヲ置ク
第二条 鉄道医ハ勅任官、奏任官又ハ判任官ノ待遇トス上司ノ命ヲ承ケ医務ヲ掌ル
鉄道薬剤師ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス上司ノ命ヲ承ケ調剤ヲ掌ル
第三条 勅任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医ノ数ハ一人トシ奏任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医ノ数ハ二百四十八人以内、鉄道薬剤師ノ数ハ八人以内トシ判任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医ノ数ハ二百五十九人以内、鉄道薬剤師ノ数ハ七十五人以内トス
第四条 勅任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医ノ進退ハ勅任官ノ例ニ依リ、奏任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医及鉄道薬剤師ノ進退ハ奏任官ノ例ニ依リ之ヲ行ヒ判任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医及鉄道薬剤師ノ進退ハ鉄道大臣之ヲ専行ス
第五条 奏任官又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医及鉄道薬剤師ノ官等等級ハ其ノ俸給額ニ応ジ別表第一号表ニ依リ文武高等官官等又ハ文武判任官等級ニ配当ス
第六条 鉄道医及鉄道薬剤師ニシテ勅任官、奏任官又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル者ノ席次ハ同官等又ハ同等級内ニ於テ文武官吏ノ次席トス
第七条 鉄道医及鉄道薬剤師ノ俸給ハ別表第二号表ニ依ル
第八条 鉄道医又ハ鉄道薬剤師ニシテ一級俸ヲ受ケ五年ヲ超エ特ニ功労アル者ニハ勅任官又ハ奏任官ノ待遇ヲ受クル者ニ在リテハ年額六百円以内ヲ、判任官ノ待遇ヲ受クル者ニ在リテハ月額三十五円以内ヲ加給スルコトヲ得
第九条 勅任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医、奏任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医若ハ鉄道薬剤師ニシテ七級俸以上ノ俸給ヲ受クル者又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医若ハ鉄道薬剤師ニシテ五級俸以上ノ俸給ヲ受クル者ハ一年ヲ経過スルニ非ザレバ昇級スルコトヲ得ズ
第十条 俸給ノ支給ニ関シテハ高等官又ハ判任官ノ俸給支給ノ例ニ依ル
附 則
第十一条 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十二条 本令施行ノ際現ニ鉄道医ノ職ニ在ル者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ現ニ受クル俸給額ニ相当スル級俸ヲ受クルモノトス但シ現ニ受クル俸給額ニ相当スル級俸ナキトキハ従前ノ俸給ヲ受クルモノトス
第十三条 本令施行ノ際現ニ鉄道省嘱託ノ薬剤員ノ職ニ在ル者ヲ鉄道薬剤師ニ任用スル場合ニ於テハ任用ノ当時受クル手当月額ノ十二倍ニ相当スル額ノ年俸又ハ任用ノ当時受クル手当月額ニ相当スル額ノ月俸ヲ給スルコトヲ得
第十四条 本令施行ノ日ヨリ五年内ニ判任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医ヲ新ニ任用スル場合ニ於テハ之ニ百四十五円ヲ超エ百八十円ヲ超エザル額ノ月俸ヲ給スルコトヲ得本令施行ノ日ヨリ五年内ニ判任官ノ待遇ヲ受クル鉄道医ニ増給ヲ為ス場合亦同ジ
第八条ノ規定ハ前項ノ場合ニ於テハ之ヲ適用セズ
第十五条 第五条ノ規定ハ前三条ノ規定ニ依リテ本令ノ定ムル級俸ニ相当セザル俸給ヲ給セラルル者ニ付テハ其ノ俸給ニ最モ近キ上級ノ級俸ヲ其ノ者ガ受クル俸給ト看做シ之ヲ適用ス但シ一級俸ヲ超ユル額ノ俸給ヲ給セラルル者ハ之ヲ一級俸ヲ受クル者ト看做ス
第十六条 第八条ノ規定ハ第十二条ノ規定ニ依リテ俸給ヲ給セラルル鉄道医及第十三条ノ規定ニ依リテ俸給ヲ給セラルル判任官ノ待遇ヲ受クル鉄道薬剤師ニ付テハ其ノ者ガ初メテ一級俸以上ノ額ノ俸給又ハ手当ヲ受ケタル時ヲ以テ一級俸ヲ受ケタル時ト看做シ鉄道薬剤師ニ付テハ嘱託期間ヲモ通算シ之ヲ適用ス但シ年俸四千六百五十円又ハ月俸百八十円ヲ超ユルコトヲ得ズ
第十七条 第九条ノ規定ハ第十二条又ハ第十三条ノ規定ニ依リテ本令ノ定ムル級俸ニ相当セザル俸給ヲ給セラルル者ニ付テハ其ノ俸給ニ最モ近キ上級ノ級俸ヲ其ノ者ガ受クル俸給ト看做シ之ヲ適用ス
第十二条又ハ第十三条ノ規定ニ依リテ俸給ヲ給セラルル者ニ付第九条ノ規定ヲ適用スル場合ニ於テハ同条ニ定ムル期間ハ其ノ者ガ現ニ受クル額ノ俸給又ハ現ニ受クル俸給ト同額ノ手当ヲ受ケタル初ヨリ之ヲ計算ス
第十八条 第十四条ノ規定ニ依リテ百四十五円ヲ超ユル額ノ月俸ヲ給セラルル者ニハ一年ヲ経過スルニ非ザレバ増給ヲ為スコトヲ得ズ
別表
第一号表
【表】
第二号表
【表】