樺太臨時租税措置令
法令番号: 勅令第百七十四號
公布年月日: 昭和14年4月1日
法令の形式: 勅令
朕樺太臨時租稅措置令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年三月三十一日
內閣總理大臣 男爵 平沼騏一郞
拓務大臣 八田嘉明
勅令第百七十四號
樺太臨時租稅措置令
第一條 當分ノ內本令ニ依リ所得稅及臨時利得稅ヲ輕減シ又ハ免除ス
第二條 法人ノ各事業年度ノ普通所得中留保シタル金額ガ其ノ事業年度ニ於ケル普通所得ノ十分ノ四ニ相當スル金額ヲ超過スル場合ニ於テ其ノ超過部分ノ全部又ハ一部ニ相當スル金額ヲ樺太廳長官ノ定ムル方法ニ依リ運用スルトキハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ其ノ運用金額ニ百分ノ二・四五ヲ乘ジテ算出シタル金額ニ相當スル所得稅ヲ輕減ス
第三條 樺太所得稅令第二十二條ノ規定ニ依リ指定シタル物產ノ製造業ニ付其ノ設備ヲ增設シタル者ニハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ設備增設ノ年及其ノ翌年ヨリ三年間其ノ增設シタル設備ニ依ル物產ノ製造業務ヨリ生ズル所得ニ付所得稅ヲ免除ス
樺太廳長官ノ指定スル製造方法ニ依ル物產ノ製造ヲ開始シタル者又ハ其ノ設備ヲ增設シタル者ニハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ製造開始又ハ設備增設ノ年及其ノ翌年ヨリ三年間其ノ製造方法ニ依ル物產ノ製造業務又ハ其ノ增設シタル設備ニ依ル物產ノ製造業務ヨリ生ズル所得ニ付所得稅ヲ免除ス
第四條 樺太廳長官ハ左ニ揭グル事項ニ付テハ樺太所得稅令ニ依ル所得及樺太臨時利得稅令ニ依ル利益ノ計算ニ關シ命令ヲ以テ特例ヲ設クルコトヲ得
一 樺太廳長官ノ指定スル國庫補助金ノ收入
二 樺太廳長官ノ指定スル事業ニ關シ硏究ヲ爲スニ要シタル支出
三 樺太廳長官ノ指定スル事業ノ用ニ供スル建物(工場用以外ノ建物ヲ除ク)、機械其ノ他ノ設備及船舶ノ價額ノ償却
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第一種所得稅及法人ノ臨時利得稅ニ付テハ昭和十四年四月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、第三種所得稅及個人ノ臨時利得稅ニ付テハ昭和十四年分ヨリ本令ヲ適用ス
本令ハ支那事變終了後其ノ年ノ翌年十二月三十一日迄ニ之ヲ廢止スルモノトス
朕樺太臨時租税措置令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年三月三十一日
内閣総理大臣 男爵 平沼騏一郎
拓務大臣 八田嘉明
勅令第百七十四号
樺太臨時租税措置令
第一条 当分ノ内本令ニ依リ所得税及臨時利得税ヲ軽減シ又ハ免除ス
第二条 法人ノ各事業年度ノ普通所得中留保シタル金額ガ其ノ事業年度ニ於ケル普通所得ノ十分ノ四ニ相当スル金額ヲ超過スル場合ニ於テ其ノ超過部分ノ全部又ハ一部ニ相当スル金額ヲ樺太庁長官ノ定ムル方法ニ依リ運用スルトキハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ其ノ運用金額ニ百分ノ二・四五ヲ乗ジテ算出シタル金額ニ相当スル所得税ヲ軽減ス
第三条 樺太所得税令第二十二条ノ規定ニ依リ指定シタル物産ノ製造業ニ付其ノ設備ヲ増設シタル者ニハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ設備増設ノ年及其ノ翌年ヨリ三年間其ノ増設シタル設備ニ依ル物産ノ製造業務ヨリ生ズル所得ニ付所得税ヲ免除ス
樺太庁長官ノ指定スル製造方法ニ依ル物産ノ製造ヲ開始シタル者又ハ其ノ設備ヲ増設シタル者ニハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ製造開始又ハ設備増設ノ年及其ノ翌年ヨリ三年間其ノ製造方法ニ依ル物産ノ製造業務又ハ其ノ増設シタル設備ニ依ル物産ノ製造業務ヨリ生ズル所得ニ付所得税ヲ免除ス
第四条 樺太庁長官ハ左ニ掲グル事項ニ付テハ樺太所得税令ニ依ル所得及樺太臨時利得税令ニ依ル利益ノ計算ニ関シ命令ヲ以テ特例ヲ設クルコトヲ得
一 樺太庁長官ノ指定スル国庫補助金ノ収入
二 樺太庁長官ノ指定スル事業ニ関シ研究ヲ為スニ要シタル支出
三 樺太庁長官ノ指定スル事業ノ用ニ供スル建物(工場用以外ノ建物ヲ除ク)、機械其ノ他ノ設備及船舶ノ価額ノ償却
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第一種所得税及法人ノ臨時利得税ニ付テハ昭和十四年四月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、第三種所得税及個人ノ臨時利得税ニ付テハ昭和十四年分ヨリ本令ヲ適用ス
本令ハ支那事変終了後其ノ年ノ翌年十二月三十一日迄ニ之ヲ廃止スルモノトス