(樺太臨時租税措置令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第二百三十號
公布年月日: 昭和17年3月25日
法令の形式: 勅令
朕樺太臨時租稅措置令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年三月二十四日
內閣總理大臣 東條英機
拓務大臣 井野碩哉
勅令第二百三十號
樺太臨時租稅措置令中左ノ通改正ス
第一條 當分ノ內本令ニ依リ所得稅、資本利子稅、法人資本稅及臨時利得稅ヲ輕減若ハ免除シ又ハ其ノ課稅標準ノ計算ニ關スル特例ヲ設ク
第二條中「十分ノ三」ヲ「十分ノ一」ニ、「百分ノ三」ヲ「百分ノ六・三」ニ改ム
第四條ニ左ノ一號ヲ加フ
四 樺太廳長官ノ指定スル價格平衡資金ヘノ繰入金
第五條第二項及第六條中「百分ノ二十五」ヲ「百分ノ十八」ニ改ム
第八條 樺太廳長官ノ定ムル預金、公債又ハ社債ノ利子ニシテ個人ノ受クルモノニ付テハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ利子金額ノ百分ノ一乃至百分ノ五ニ相當スル資本利子稅ヲ輕減又ハ免除ス
第九條 元本ノ償還及利息ノ支拂ニ付政府ノ保證アル社債ノ利子ニ付テハ樺太資本利子稅令第六條ニ規定スル稅率百分ノ六ヲ百分ノ五トシタル場合ノ差減額ニ相當スル資本利子稅ヲ輕減ス
第十條 明治三十九年法律第三十四號又ハ社債等登錄法ニ依リ銀行(日本銀行ヲ除ク)其ノ他樺太廳長官ノ定ムル金融機關ノ登錄シタル公債及社債ノ利子ニ付テハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ前條及樺太資本利子稅令第六條ノ規定ニ拘ラズ左ノ稅率ニ依リ資本利子稅ヲ賦課ス
一 國債ノ利子ニ付テハ百分ノ一
二 國債以外ノ公債及社債ノ利子ニ付テハ百分ノ四但シ前條ニ規定スル社債ノ利子ニ付テハ百分ノ三
第十一條 樺太ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ヨリ受クル利益又ハ利息ノ配當ニシテ樺太廳長官ノ定ムルモノニ付テハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ樺太資本利子稅令第六條ニ規定スル稅率百分ノ六ヲ百分ノ四トシタル場合ノ差減額ニ相當スル資本利子稅ヲ輕減ス
第十二條 甲法人ガ國家總動員法其ノ他ノ法令ニ依リ當該法令ニ基キテ設立セラレタル乙法人ト爲リ又ハ之ニ吸收セラレタルトキハ樺太所得稅令、樺太資本利子稅令、樺太法人資本稅令及樺太臨時利得稅令ノ適用ニ關シテハ甲法人ハ合併ニ因リテ消滅シタル法人ト看做シ乙法人ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ト看做ス
第十三條 法人ノ爲シタル寄附金(樺太廳長官ノ定ムルモノヲ除ク)中樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ計算シタル金額ヲ超過スル部分ノ金額ニ付テハ樺太所得稅令ニ依ル所得及樺太臨時利得稅令ニ依ル利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ
政府ニ於テ必要アリト認ムルトキハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ前項ノ超過金額ニ對シテ課セラルベキ所得ニ對スル所得稅ヲ免除スルコトヲ得
第十四條 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年十一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル拂込資本金額百萬圓以下ノ法人ニシテ樺太廳長官ノ定ムルモノノ淸算所得ニ付テハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ樺太支那事變特別稅令第二條ニ規定スル稅率百分ノ十五又ハ樺太大東亞戰爭特別稅令第二條ニ規定スル稅率百分ノ二十一ヲ百分ノ十一トシタル場合ノ差減額ニ相當スル所得稅ヲ輕減ス
法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル拂込資本金額百萬圓ヲ超ユル法人ニシテ樺太廳長官ノ定ムルモノノ淸算所得ニ付テハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ樺太大東亞戰爭特別稅令第二條ニ規定スル稅率百分ノ二十一ヲ百分ノ十六トシタル場合ノ差減額ニ相當スル所得稅ヲ輕減ス
第十五條 樺太廳長官ハ其ノ定ムル法人ガ法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年十一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ其ノ事業ニ屬スル設備又ハ權利其ノ他ヲ事業ノ統制ノ必要上設立セラルル法人ニ出資又ハ讓渡ヲ爲シタルトキハ其ノ出資又ハ讓渡ニ對シ與ヘラレタル有價證券ノ價額ニ關シ出資又ハ讓渡ヲ爲シタル事業年度ニ於ケル樺太所得稅令ニ依ル所得及樺太臨時利得稅令ニ依ル利益ノ計算ニ付特例ヲ設クルコトヲ得
第十六條 樺太廳長官ノ定ムル法人ガ法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年四月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル場合ニ於テ其ノ株主又ハ社員ノ受クル樺太所得稅令第十五條ノ二ニ規定スル利益ノ配當ニ付テハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ樺太資本利子稅令第六條ニ規定スル稅率百分ノ六ヲ百分ノ一トシタル場合ノ差減額ニ相當スル資本利子稅ヲ輕減ス
第十七條 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依ル昭和十六年一月一日以後昭和十七年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上營業ノ全部又ハ大部分ヲ廢止シタル個人ノ當該營業ヨリ生ズル所得ニ付テハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ昭和十七年分又ハ昭和十八年分ノ所得稅ニ限リ左ノ區分ニ依リ之ヲ輕減又ハ免除ス
所得金額五千圓以下ナルトキ 當該所得稅額ノ全部
同一萬圓以下ナルトキ 當該所得稅額ノ十分ノ五
同一萬圓ヲ超ユルトキ 當該所得稅額ノ十分ノ二
第十八條 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年一月一日以後昭和十七年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併若ハ解散シタル法人又ハ營業ノ全部若ハ大部分ヲ廢止シタル個人ノ使用人ニシテ退職シタル者ノ當該法人又ハ個人ヨリ受クル俸給、給料、賞與又ハ此等ノ性質ヲ有スル給與ニ付テハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ昭和十七年分又ハ昭和十八年分ノ所得稅ニ限リ左ノ區分ニ依リ之ヲ輕減又ハ免除ス
所得金額五千圓以下ナルトキ 當該所得稅額ノ全部
同一萬圓以下ナルトキ 當該所得稅額ノ十分ノ五
同一萬圓ヲ超ユルトキ 當該所得稅額ノ十分ノ二
附則第三項中「支那事變」ヲ「大東亞戰爭」ニ改ム
附 則
本令ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
法人ノ普通所得ニ對スル所得稅及法人ノ臨時利得稅ニ付テハ昭和十七年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、淸算所得ニ對スル所得稅ニ付テハ第十四條ニ規定スル場合ヲ除クノ外同日以後ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル分ヨリ本令ヲ適用ス
昭和十七年一月一日前ニ支出シタル寄附金及同日以後ニ支出スル寄附金ニシテ同日前ノ約束ニ係ルモノニ付テハ第十三條第一項ノ規定ニ拘ラズ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ樺太所得稅令ニ依ル所得及樺太臨時利得稅令ニ依ル利益ノ計算上其ノ全部又ハ一部ヲ損金ニ算入スルコトヲ得
朕樺太臨時租税措置令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年三月二十四日
内閣総理大臣 東条英機
拓務大臣 井野碩哉
勅令第二百三十号
樺太臨時租税措置令中左ノ通改正ス
第一条 当分ノ内本令ニ依リ所得税、資本利子税、法人資本税及臨時利得税ヲ軽減若ハ免除シ又ハ其ノ課税標準ノ計算ニ関スル特例ヲ設ク
第二条中「十分ノ三」ヲ「十分ノ一」ニ、「百分ノ三」ヲ「百分ノ六・三」ニ改ム
第四条ニ左ノ一号ヲ加フ
四 樺太庁長官ノ指定スル価格平衡資金ヘノ繰入金
第五条第二項及第六条中「百分ノ二十五」ヲ「百分ノ十八」ニ改ム
第八条 樺太庁長官ノ定ムル預金、公債又ハ社債ノ利子ニシテ個人ノ受クルモノニ付テハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ利子金額ノ百分ノ一乃至百分ノ五ニ相当スル資本利子税ヲ軽減又ハ免除ス
第九条 元本ノ償還及利息ノ支払ニ付政府ノ保証アル社債ノ利子ニ付テハ樺太資本利子税令第六条ニ規定スル税率百分ノ六ヲ百分ノ五トシタル場合ノ差減額ニ相当スル資本利子税ヲ軽減ス
第十条 明治三十九年法律第三十四号又ハ社債等登録法ニ依リ銀行(日本銀行ヲ除ク)其ノ他樺太庁長官ノ定ムル金融機関ノ登録シタル公債及社債ノ利子ニ付テハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ前条及樺太資本利子税令第六条ノ規定ニ拘ラズ左ノ税率ニ依リ資本利子税ヲ賦課ス
一 国債ノ利子ニ付テハ百分ノ一
二 国債以外ノ公債及社債ノ利子ニ付テハ百分ノ四但シ前条ニ規定スル社債ノ利子ニ付テハ百分ノ三
第十一条 樺太ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ヨリ受クル利益又ハ利息ノ配当ニシテ樺太庁長官ノ定ムルモノニ付テハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ樺太資本利子税令第六条ニ規定スル税率百分ノ六ヲ百分ノ四トシタル場合ノ差減額ニ相当スル資本利子税ヲ軽減ス
第十二条 甲法人ガ国家総動員法其ノ他ノ法令ニ依リ当該法令ニ基キテ設立セラレタル乙法人ト為リ又ハ之ニ吸収セラレタルトキハ樺太所得税令、樺太資本利子税令、樺太法人資本税令及樺太臨時利得税令ノ適用ニ関シテハ甲法人ハ合併ニ因リテ消滅シタル法人ト看做シ乙法人ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ト看做ス
第十三条 法人ノ為シタル寄附金(樺太庁長官ノ定ムルモノヲ除ク)中樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ計算シタル金額ヲ超過スル部分ノ金額ニ付テハ樺太所得税令ニ依ル所得及樺太臨時利得税令ニ依ル利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ
政府ニ於テ必要アリト認ムルトキハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ前項ノ超過金額ニ対シテ課セラルベキ所得ニ対スル所得税ヲ免除スルコトヲ得
第十四条 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年十一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル払込資本金額百万円以下ノ法人ニシテ樺太庁長官ノ定ムルモノノ清算所得ニ付テハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ樺太支那事変特別税令第二条ニ規定スル税率百分ノ十五又ハ樺太大東亜戦争特別税令第二条ニ規定スル税率百分ノ二十一ヲ百分ノ十一トシタル場合ノ差減額ニ相当スル所得税ヲ軽減ス
法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル払込資本金額百万円ヲ超ユル法人ニシテ樺太庁長官ノ定ムルモノノ清算所得ニ付テハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ樺太大東亜戦争特別税令第二条ニ規定スル税率百分ノ二十一ヲ百分ノ十六トシタル場合ノ差減額ニ相当スル所得税ヲ軽減ス
第十五条 樺太庁長官ハ其ノ定ムル法人ガ法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年十一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ其ノ事業ニ属スル設備又ハ権利其ノ他ヲ事業ノ統制ノ必要上設立セラルル法人ニ出資又ハ譲渡ヲ為シタルトキハ其ノ出資又ハ譲渡ニ対シ与ヘラレタル有価証券ノ価額ニ関シ出資又ハ譲渡ヲ為シタル事業年度ニ於ケル樺太所得税令ニ依ル所得及樺太臨時利得税令ニ依ル利益ノ計算ニ付特例ヲ設クルコトヲ得
第十六条 樺太庁長官ノ定ムル法人ガ法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年四月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル場合ニ於テ其ノ株主又ハ社員ノ受クル樺太所得税令第十五条ノ二ニ規定スル利益ノ配当ニ付テハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ樺太資本利子税令第六条ニ規定スル税率百分ノ六ヲ百分ノ一トシタル場合ノ差減額ニ相当スル資本利子税ヲ軽減ス
第十七条 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依ル昭和十六年一月一日以後昭和十七年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上営業ノ全部又ハ大部分ヲ廃止シタル個人ノ当該営業ヨリ生ズル所得ニ付テハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ昭和十七年分又ハ昭和十八年分ノ所得税ニ限リ左ノ区分ニ依リ之ヲ軽減又ハ免除ス
所得金額五千円以下ナルトキ 当該所得税額ノ全部
同一万円以下ナルトキ 当該所得税額ノ十分ノ五
同一万円ヲ超ユルトキ 当該所得税額ノ十分ノ二
第十八条 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年一月一日以後昭和十七年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併若ハ解散シタル法人又ハ営業ノ全部若ハ大部分ヲ廃止シタル個人ノ使用人ニシテ退職シタル者ノ当該法人又ハ個人ヨリ受クル俸給、給料、賞与又ハ此等ノ性質ヲ有スル給与ニ付テハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ昭和十七年分又ハ昭和十八年分ノ所得税ニ限リ左ノ区分ニ依リ之ヲ軽減又ハ免除ス
所得金額五千円以下ナルトキ 当該所得税額ノ全部
同一万円以下ナルトキ 当該所得税額ノ十分ノ五
同一万円ヲ超ユルトキ 当該所得税額ノ十分ノ二
附則第三項中「支那事変」ヲ「大東亜戦争」ニ改ム
附 則
本令ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
法人ノ普通所得ニ対スル所得税及法人ノ臨時利得税ニ付テハ昭和十七年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、清算所得ニ対スル所得税ニ付テハ第十四条ニ規定スル場合ヲ除クノ外同日以後ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル分ヨリ本令ヲ適用ス
昭和十七年一月一日前ニ支出シタル寄附金及同日以後ニ支出スル寄附金ニシテ同日前ノ約束ニ係ルモノニ付テハ第十三条第一項ノ規定ニ拘ラズ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ樺太所得税令ニ依ル所得及樺太臨時利得税令ニ依ル利益ノ計算上其ノ全部又ハ一部ヲ損金ニ算入スルコトヲ得