陸軍航空整備学校令
法令番号: 勅令第四百七十號
公布年月日: 昭和13年7月1日
法令の形式: 勅令
朕陸軍航空整備學校令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年六月三十日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
陸軍大臣 板垣征四郞
勅令第四百七十號
陸軍航空整備學校令
第一條 陸軍航空整備學校ハ學生ニ航空兵器ノ整備ニ關スル學術ヲ修得セシメ航空兵器ノ整備ニ從事スル航空兵科現役下士官ト爲スベキ生徒ヲ敎育スル所トス
陸軍航空整備學校ニ於テハ前項ノ外航空兵器ノ整備又ハ航空技術ニ從事スベキ航空兵科幹部候補生タル生徒ニ必要ナル敎育ヲ行フ
第二條 學生ハ航空兵科下士官ヲ以テ之ニ充テ航空兵器ノ整備ニ關スル學術ヲ修習セシム通常每年一囘入校セシメ其ノ修學期間ハ槪ネ四月トス
第三條 生徒ヲ分チテ左ノ二種トス
技術生徒 東京陸軍航空學校ヲ卒業シタル者ヲ以テ之ニ充テ航空兵器ノ整備ニ必要ナル學術ヲ修習セシム通常每年二囘入校セシメ其ノ修學期間ハ槪ネ二年トス
幹部候補生 航空兵科幹部候補生ヲ以テ之ニ充テ航空兵器ノ整備又ハ航空技術ニ關スル學術ヲ修習セシム通常每年一囘入校セシメ其ノ修學期間ハ甲種幹部候補生ニ在リテハ槪ネ一年、乙種幹部候補生ニ在リテハ槪ネ六月トス
第四條 陸軍大臣ハ臨時ニ各兵科(憲兵科ヲ除ク)將校以下ヲ召集シ必要ノ修學ヲ爲サシムルコトヲ得
第五條 生徒ノ敎育綱領ハ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ陸軍航空本部長之ヲ定ム
第六條 生徒ノ敎育ノ實施ハ敎則ニ依ル其ノ敎則ハ前條ノ敎育綱領ニ基キ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第七條 學生及生徒ノ敎育ヲ行フ爲陸軍航空整備學校ニ敎育隊ヲ置ク
第八條 兵器ノ修理竝ニ學生及生徒ノ實習ニ供スル爲陸軍航空整備學校ニ材料廠ヲ置ク
第九條 陸軍航空整備學校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
幹事
副官
學校附
敎育隊長
敎育隊副官
敎育隊中隊長
敎育隊附
材料廠長
材料廠附
准士官、下士官及判任文官
第十條 校長ハ陸軍航空本部長ニ隸シ校務ヲ總理ス
第十一條 幹事ハ校長ヲ輔佐シ校務ヲ整理シ敎育ノ統一ヲ圖ル
第十二條 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十三條 學校附ハ校長ノ命ヲ承ケ各其ノ擔任ノ業務ヲ掌ル
第十四條 敎育隊長ハ敎育隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ敎育ヲ掌理ス
第十五條 敎育隊副官ハ敎育隊長ノ命ヲ承ケ敎育隊ノ庶務ヲ掌ル
第十六條 敎育隊中隊長ハ敎育隊長ノ命ヲ承ケ敎育ヲ擔任ス
第十七條 敎育隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各其ノ擔任ノ業務ヲ掌ル
第十八條 材料廠長ハ校長ノ命ヲ承ケ廠務ヲ掌ル
第十九條 材料廠附ハ材料廠長ノ命ヲ承ケ廠務ヲ分擔ス
第二十條 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ敎育ヲ補助シ又ハ技術若ハ事務ニ從事ス
第二十一條 學生及第四條ノ規定ニ依リ召集スル者ノ人員(必要アルトキハ其ノ人名)、入校又ハ召集ノ期日及召集期間ハ陸軍大臣之ヲ吿達ス
第二十二條 前條ノ吿達アリタルトキハ所管長官(陸軍航空本部竝ニ陸軍航空本部長所轄ノ官衙及學校ニ在リテハ陸軍航空本部長以下之ニ同ジ)ハ修學ニ適當ナル者ヲ選定シ入校又ハ召集ノ期日前ニ其ノ所屬部隊、官等級及氏名ヲ陸軍大臣ニ報吿シ且陸軍航空本部長ニ通報スベシ
第二十三條 營外居住者タル學生ハ校外ニ、營內居住者タル學生及生徒ハ校內ニ居住セシメ其ノ修學ニ要スル兵器、被服、圖書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第二十四條 學生及幹部候補生ノ願屆其ノ他業務ニ關スル諸件ハ校長ノ管理ニ屬ス
技術生徒ハ總テ校長ノ管理ニ屬ス
第二十五條 學生中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ學術修得ノ目途ナキ者ハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ之ヲ退校セシム
第二十六條 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第二十七條 生徒左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屢法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 學術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷痍疾病ニ因リ修學ニ堪ヘザル者
五 前各號ノ外技術生徒ニ在リテハ現役下士官、幹部候補生ニ在リテハ豫備役ノ幹部タルニ適セズト認ムル者
第二十八條 技術生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修學期間內ニ所定ノ學術ヲ修メ得ザル者ニシテ尙望アリト認ムルモノハ之ヲ所要ノ期間滯學セシメ又ハ次期ノ生徒ト爲スコトヲ得
第二十九條 前二條ノ規定ニ該當スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ技術生徒ニ在リテハ陸軍航空本部長ヲ經テ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ、幹部候補生ニ在リテハ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ之ヲ處理ス
退校セシメラレタル幹部候補生ハ之ヲ歸隊セシム
第三十條 校長ハ學生ノ修學期末ニ於テ學生ノ成績ヲ審査シ修業成績書ヲ調製シ之ヲ陸軍航空本部長ニ提出シ其ノ認可ヲ受ケ學生ニ修業證書ヲ付與シ歸隊セシム
前項ノ場合ニ於テ校長ハ學生ノ修業成績書ヲ本人ノ所管長官ヲ經テ所屬部隊長ニ送付スルモノトス
第三十一條 校長ハ生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ生徒ノ考科列序ヲ定メ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業證書ヲ付與シ技術生徒ニ在リテハ著隊時日ヲ指定シ所屬部隊ニ之ヲ入隊セシメ、幹部候補生ニ在リテハ之ヲ歸隊セシム
前項ノ場合ニ於テ陸軍航空本部長ハ甲種幹部候補生ノ考科列序ヲ陸軍大臣ニ提出シ校長ハ生徒ノ考科列序ヲ本人ノ所管長官ヲ經テ所屬部隊長ニ送付スルモノトス
滯學セシメラレタル技術生徒修學ヲ終リタルトキハ前二項ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第三十二條 校長ハ技術生徒ニ每年三週間以內ノ休暇ヲ與フルコトヲ得
第三十三條 職員ニハ校務上便宜ノ時期ニ於テ隊附勤務ヲ爲サシムルコトヲ得
第三十四條 敎育上必要アルトキハ校長ハ敎育總監、軍司令官、師團長又ハ飛行集團長ニ禀議シ其ノ學校又ハ軍隊ヲ使用スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
陸軍航空技術學校令ハ之ヲ廢止ス
本令施行ノ際現ニ陸軍航空技術學校令第三條ノ規定ニ依ル生徒タル者ハ本令ニ依ル相當年ノ生徒ト爲リタルモノトス
朕陸軍航空整備学校令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年六月三十日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
陸軍大臣 板垣征四郎
勅令第四百七十号
陸軍航空整備学校令
第一条 陸軍航空整備学校ハ学生ニ航空兵器ノ整備ニ関スル学術ヲ修得セシメ航空兵器ノ整備ニ従事スル航空兵科現役下士官ト為スベキ生徒ヲ教育スル所トス
陸軍航空整備学校ニ於テハ前項ノ外航空兵器ノ整備又ハ航空技術ニ従事スベキ航空兵科幹部候補生タル生徒ニ必要ナル教育ヲ行フ
第二条 学生ハ航空兵科下士官ヲ以テ之ニ充テ航空兵器ノ整備ニ関スル学術ヲ修習セシム通常毎年一回入校セシメ其ノ修学期間ハ概ネ四月トス
第三条 生徒ヲ分チテ左ノ二種トス
技術生徒 東京陸軍航空学校ヲ卒業シタル者ヲ以テ之ニ充テ航空兵器ノ整備ニ必要ナル学術ヲ修習セシム通常毎年二回入校セシメ其ノ修学期間ハ概ネ二年トス
幹部候補生 航空兵科幹部候補生ヲ以テ之ニ充テ航空兵器ノ整備又ハ航空技術ニ関スル学術ヲ修習セシム通常毎年一回入校セシメ其ノ修学期間ハ甲種幹部候補生ニ在リテハ概ネ一年、乙種幹部候補生ニ在リテハ概ネ六月トス
第四条 陸軍大臣ハ臨時ニ各兵科(憲兵科ヲ除ク)将校以下ヲ召集シ必要ノ修学ヲ為サシムルコトヲ得
第五条 生徒ノ教育綱領ハ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ陸軍航空本部長之ヲ定ム
第六条 生徒ノ教育ノ実施ハ教則ニ依ル其ノ教則ハ前条ノ教育綱領ニ基キ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第七条 学生及生徒ノ教育ヲ行フ為陸軍航空整備学校ニ教育隊ヲ置ク
第八条 兵器ノ修理並ニ学生及生徒ノ実習ニ供スル為陸軍航空整備学校ニ材料廠ヲ置ク
第九条 陸軍航空整備学校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
幹事
副官
学校附
教育隊長
教育隊副官
教育隊中隊長
教育隊附
材料廠長
材料廠附
准士官、下士官及判任文官
第十条 校長ハ陸軍航空本部長ニ隷シ校務ヲ総理ス
第十一条 幹事ハ校長ヲ輔佐シ校務ヲ整理シ教育ノ統一ヲ図ル
第十二条 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十三条 学校附ハ校長ノ命ヲ承ケ各其ノ担任ノ業務ヲ掌ル
第十四条 教育隊長ハ教育隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ教育ヲ掌理ス
第十五条 教育隊副官ハ教育隊長ノ命ヲ承ケ教育隊ノ庶務ヲ掌ル
第十六条 教育隊中隊長ハ教育隊長ノ命ヲ承ケ教育ヲ担任ス
第十七条 教育隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各其ノ担任ノ業務ヲ掌ル
第十八条 材料廠長ハ校長ノ命ヲ承ケ廠務ヲ掌ル
第十九条 材料廠附ハ材料廠長ノ命ヲ承ケ廠務ヲ分担ス
第二十条 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ教育ヲ補助シ又ハ技術若ハ事務ニ従事ス
第二十一条 学生及第四条ノ規定ニ依リ召集スル者ノ人員(必要アルトキハ其ノ人名)、入校又ハ召集ノ期日及召集期間ハ陸軍大臣之ヲ告達ス
第二十二条 前条ノ告達アリタルトキハ所管長官(陸軍航空本部並ニ陸軍航空本部長所轄ノ官衙及学校ニ在リテハ陸軍航空本部長以下之ニ同ジ)ハ修学ニ適当ナル者ヲ選定シ入校又ハ召集ノ期日前ニ其ノ所属部隊、官等級及氏名ヲ陸軍大臣ニ報告シ且陸軍航空本部長ニ通報スベシ
第二十三条 営外居住者タル学生ハ校外ニ、営内居住者タル学生及生徒ハ校内ニ居住セシメ其ノ修学ニ要スル兵器、被服、図書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第二十四条 学生及幹部候補生ノ願届其ノ他業務ニ関スル諸件ハ校長ノ管理ニ属ス
技術生徒ハ総テ校長ノ管理ニ属ス
第二十五条 学生中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ学術修得ノ目途ナキ者ハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ之ヲ退校セシム
第二十六条 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第二十七条 生徒左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屡法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 学術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷痍疾病ニ因リ修学ニ堪ヘザル者
五 前各号ノ外技術生徒ニ在リテハ現役下士官、幹部候補生ニ在リテハ予備役ノ幹部タルニ適セズト認ムル者
第二十八条 技術生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修学期間内ニ所定ノ学術ヲ修メ得ザル者ニシテ尚望アリト認ムルモノハ之ヲ所要ノ期間滞学セシメ又ハ次期ノ生徒ト為スコトヲ得
第二十九条 前二条ノ規定ニ該当スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ技術生徒ニ在リテハ陸軍航空本部長ヲ経テ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ、幹部候補生ニ在リテハ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ之ヲ処理ス
退校セシメラレタル幹部候補生ハ之ヲ帰隊セシム
第三十条 校長ハ学生ノ修学期末ニ於テ学生ノ成績ヲ審査シ修業成績書ヲ調製シ之ヲ陸軍航空本部長ニ提出シ其ノ認可ヲ受ケ学生ニ修業証書ヲ付与シ帰隊セシム
前項ノ場合ニ於テ校長ハ学生ノ修業成績書ヲ本人ノ所管長官ヲ経テ所属部隊長ニ送付スルモノトス
第三十一条 校長ハ生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ生徒ノ考科列序ヲ定メ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業証書ヲ付与シ技術生徒ニ在リテハ著隊時日ヲ指定シ所属部隊ニ之ヲ入隊セシメ、幹部候補生ニ在リテハ之ヲ帰隊セシム
前項ノ場合ニ於テ陸軍航空本部長ハ甲種幹部候補生ノ考科列序ヲ陸軍大臣ニ提出シ校長ハ生徒ノ考科列序ヲ本人ノ所管長官ヲ経テ所属部隊長ニ送付スルモノトス
滞学セシメラレタル技術生徒修学ヲ終リタルトキハ前二項ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第三十二条 校長ハ技術生徒ニ毎年三週間以内ノ休暇ヲ与フルコトヲ得
第三十三条 職員ニハ校務上便宜ノ時期ニ於テ隊附勤務ヲ為サシムルコトヲ得
第三十四条 教育上必要アルトキハ校長ハ教育総監、軍司令官、師団長又ハ飛行集団長ニ禀議シ其ノ学校又ハ軍隊ヲ使用スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
陸軍航空技術学校令ハ之ヲ廃止ス
本令施行ノ際現ニ陸軍航空技術学校令第三条ノ規定ニ依ル生徒タル者ハ本令ニ依ル相当年ノ生徒ト為リタルモノトス