陸軍航空技術学校令
法令番号: 勅令第二百二十五號
公布年月日: 昭和10年7月30日
法令の形式: 勅令
朕陸軍航空技術學校令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十年七月二十九日
內閣總理大臣 岡田啓介
陸軍大臣 林銑十郞
勅令第二百二十五號
陸軍航空技術學校令
第一條 陸軍航空技術學校ハ航空兵科尉官タル學生ニ航空技術ニ關スル諸般ノ學術ヲ修得セシメ竝ニ航空兵科現役士官ト爲スベキ學生及航空兵科現役下士官ト爲スベキ生徒ヲ敎育シ且航空技術ノ實務ニ關スル調查及硏究ヲ行フ所トス
陸軍航空技術學校ニ於テハ前項ノ外航空ニ關スル地上勤務又ハ技術ニ從事スベキ航空兵科幹部候補生タル生徒ニ必要ナル敎育ヲ行フ
第二條 學生ヲ分チテ左ノ三種トシ通常每年一囘入校セシム
甲種學生 航空兵科尉官中ヨリ若干名ヲ選拔シ航空技術ニ關スル須要ナル學術ヲ修習セシム其ノ修學期間ハ槪ネ一年トス
乙種學生 航空兵科尉官ヲ以テ之ニ充テ航空技術ニ關スル學術ヲ修習セシム其ノ修學期間ハ槪ネ二年トス
丙種學生 航空兵科少尉候補者ヲ以テ之ニ充テ技術ヲ主トスル航空兵科士官ニ必要ナル學術ヲ修習セシム其ノ修學期間ハ槪ネ一年トス
第三條 生徒ヲ分チテ左ノ二種トシ通常每年一囘入校セシム
技術生徒 航空兵科現役下士官タルコトヲ志願シ召募試驗ニ合格シタル者ヲ以テ之ニ充テ飛行機及其ノ他ノ航空器材ノ整備ニ必要ナル學術ヲ修習セシム其ノ修學期間ハ槪ネ三年トス
幹部候補生 航空ニ關スル地上勤務又ハ技術ニ從事スベキ航空兵科幹部候補生ヲ以テ之ニ充ツ其ノ修學ニ關シテハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四條 陸軍大臣ハ臨時ニ各兵科(憲兵科ヲ除ク)將校以下ヲ召集シ必要ノ修學ヲ爲サシムルコトヲ得
第五條 技術生徒ノ召募試驗其ノ他採用ニ關スル事項及入校期日ニ付テハ陸軍大臣之ヲ定ム
第六條 丙種學生及技術生徒ノ敎育ヲ分チテ學術敎育及訓育トシ其ノ敎育綱領ハ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ陸軍航空本部長之ヲ定ム
第七條 丙種學生及技術生徒ノ敎育ノ實施ハ敎則ニ依ル其ノ敎則ハ前條ノ敎育綱領ニ基キ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第八條 學生及生徒ノ敎育ニ任ジ且航空技術ノ實務ニ關スル調查及硏究ヲ行ハシムル爲陸軍航空技術學校ニ敎育部ヲ置ク
第九條 生徒ノ訓育ヲ行フ爲陸軍航空技術學校ニ生徒隊ヲ置ク
第十條 器材ノ修理及硏究竝ニ學生及生徒ノ實習ニ供スル爲陸軍航空技術學校ニ材料廠ヲ置ク
第十一條 陸軍航空技術學校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
幹事
副官
學校附
敎官
生徒隊長
生徒隊副官
生徒隊中隊長
生徒隊附
材料廠長
材料廠附
准士官、下士官及判任文官
第十二條 校長ハ陸軍航空本部長ニ隸シ校務ヲ總理ス
第十三條 幹事ハ校長ヲ輔佐シ校務ヲ整理シ敎育、調查及硏究ノ統一ヲ圖ル
第十四條 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十五條 學校附ハ校長ノ命ヲ承ケ各其ノ擔任ノ業務ヲ掌ル
第十六條 敎官ハ校長ノ命ヲ承ケ學術ノ授業ヲ分擔シ且諸般ノ調查及硏究ヲ分擔ス
第十七條 生徒隊長ハ生徒隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ訓育ヲ掌理ス
第十八條 生徒隊副官ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ生徒隊ノ庶務ヲ掌ル
第十九條 生徒隊中隊長ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ訓育ヲ擔任ス
第二十條 生徒隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各擔任ノ業務ヲ掌ル
第二十一條 材料廠長ハ校長ノ命ヲ承ケ廠務ヲ掌ル
第二十二條 材料廠附ハ材料廠長ノ命ヲ承ケ廠務ヲ分擔ス
第二十三條 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ技術又ハ事務ニ從事ス
第二十四條 學生及第四條ノ規定ニ依リ召集スル者ノ人員(必要アルトキハ其ノ人名)、入校又ハ召集ノ期日及召集期間ハ陸軍大臣之ヲ吿達ス
第二十五條 前條ノ吿達アリタルトキハ所管長官(陸軍航空本部竝ニ陸軍航空本部長所轄ノ官衙及學校ニ在リテハ陸軍航空本部長以下之ニ同ジ)ハ修學ニ適當ナル者ヲ選定シ入校又ハ召集ノ期日前ニ其ノ所屬部隊、官等級及氏名ヲ陸軍大臣ニ報吿シ且陸軍航空本部長ニ通報スベシ
第二十六條 學生ハ校外ニ、生徒ハ校內ニ居住セシメ其ノ修學ニ要スル兵器、被服、圖書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第二十七條 學生ノ願屆其ノ他業務ニ關スル諸件ハ總テ校長ノ管理ニ屬ス
技術生徒ハ總テ校長ノ管理ニ屬ス
第二十八條 甲種及乙種ノ學生中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ學術修得ノ目途ナキ者ハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ之ヲ退校セシム
第二十九條 甲種及乙種ノ學生中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修學期間內ニ所定ノ學術ヲ修メ得ザル者ニシテ尙望アリト認ムルモノハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ之ヲ所要ノ期間滯學セシメ又ハ次期ノ學生ト爲スコトヲ得
第三十條 丙種學生及技術生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第三十一條 丙種學生及技術生徒左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屢法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 學術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷痍疾病ニ因リ修學ニ堪ヘザル者
五 前各號ノ外士官又ハ下士官タルニ適セズト認ムル者
第三十二條 丙種學生及技術生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修學期間內ニ所定ノ學術ヲ修メ得ザル者ニシテ尙望アリト認ムルモノハ之ヲ所要ノ期間滯學セシメ又ハ技術生徒ニ在リテハ次期ノ生徒ト爲スコトヲ得
第三十三條 前二條ノ規定ニ該當スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ヲ經テ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ處理ス
第三十四條 校長ハ學生ノ修學期末ニ於テ學生ノ成績ヲ審查シ修業成績書ヲ調製シ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ本人ノ所管長官ヲ經テ之ヲ所屬部隊長ニ送付シ丙種學生ニハ卒業證書ヲ付與スルモノトス
滯學セシメラレタル學生修學ヲ終リタルトキハ前項ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第三十五條 校長ハ乙種學生中適當ナル者ニ就キ豫メ其ノ所管長官及陸軍砲工學校長ト協議シ且陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ之ヲ陸軍砲工學校員外學生候補者トシテ每年九月三十日迄ニ敎育總監ニ進達スルモノトス
第三十六條 丙種學生中成績優秀ノ者ハ少尉任官後ニ於テ之ヲ陸軍航空技術學校員外學生ト爲シ必要ノ學術ヲ硏究セシムルコトヲ得其ノ修學ニ關スル事項ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第三十七條 技術生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ校長ハ考科列序ヲ定メ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業證書ヲ付與シ著隊時日ヲ指定シ所屬隊ニ之ヲ入隊セシム
滯學セシメラレタル技術生徒修學ヲ終リタルトキハ前項ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第三十八條 校長ハ學生及技術生徒ニ每年三週間以內ノ休暇ヲ與フルコトヲ得
第三十九條 職員ニハ校務上便宜ノ時期ニ於テ隊附勤務ヲ爲サシムルコトヲ得
第四十條 硏究又ハ敎育上必要アルトキハ校長ハ敎育總監又ハ師團長ニ禀議シ其ノ學校又ハ軍隊ヲ使用スルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十年八月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行ノ際現ニ陸軍飛行學校令第四條ノ規定ニ依ル機關學生タル者ハ本令ニ依ル相當年ノ乙種學生ト爲リタルモノトス
本令施行ノ際現ニ昭和八年勅令第六十八號ニ依ル技術生徒タル者ハ本令ニ依ル相當年ノ技術生徒ト爲リタルモノトス
當分ノ內乙種學生ハ他兵科(憲兵科ヲ除ク)尉官ヲ以テ、丙種學生ハ他兵科(憲兵科ヲ除ク)ノ准士官及下士官ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得
朕陸軍航空技術学校令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十年七月二十九日
内閣総理大臣 岡田啓介
陸軍大臣 林銑十郎
勅令第二百二十五号
陸軍航空技術学校令
第一条 陸軍航空技術学校ハ航空兵科尉官タル学生ニ航空技術ニ関スル諸般ノ学術ヲ修得セシメ並ニ航空兵科現役士官ト為スベキ学生及航空兵科現役下士官ト為スベキ生徒ヲ教育シ且航空技術ノ実務ニ関スル調査及研究ヲ行フ所トス
陸軍航空技術学校ニ於テハ前項ノ外航空ニ関スル地上勤務又ハ技術ニ従事スベキ航空兵科幹部候補生タル生徒ニ必要ナル教育ヲ行フ
第二条 学生ヲ分チテ左ノ三種トシ通常毎年一回入校セシム
甲種学生 航空兵科尉官中ヨリ若干名ヲ選抜シ航空技術ニ関スル須要ナル学術ヲ修習セシム其ノ修学期間ハ概ネ一年トス
乙種学生 航空兵科尉官ヲ以テ之ニ充テ航空技術ニ関スル学術ヲ修習セシム其ノ修学期間ハ概ネ二年トス
丙種学生 航空兵科少尉候補者ヲ以テ之ニ充テ技術ヲ主トスル航空兵科士官ニ必要ナル学術ヲ修習セシム其ノ修学期間ハ概ネ一年トス
第三条 生徒ヲ分チテ左ノ二種トシ通常毎年一回入校セシム
技術生徒 航空兵科現役下士官タルコトヲ志願シ召募試験ニ合格シタル者ヲ以テ之ニ充テ飛行機及其ノ他ノ航空器材ノ整備ニ必要ナル学術ヲ修習セシム其ノ修学期間ハ概ネ三年トス
幹部候補生 航空ニ関スル地上勤務又ハ技術ニ従事スベキ航空兵科幹部候補生ヲ以テ之ニ充ツ其ノ修学ニ関シテハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四条 陸軍大臣ハ臨時ニ各兵科(憲兵科ヲ除ク)将校以下ヲ召集シ必要ノ修学ヲ為サシムルコトヲ得
第五条 技術生徒ノ召募試験其ノ他採用ニ関スル事項及入校期日ニ付テハ陸軍大臣之ヲ定ム
第六条 丙種学生及技術生徒ノ教育ヲ分チテ学術教育及訓育トシ其ノ教育綱領ハ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ陸軍航空本部長之ヲ定ム
第七条 丙種学生及技術生徒ノ教育ノ実施ハ教則ニ依ル其ノ教則ハ前条ノ教育綱領ニ基キ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第八条 学生及生徒ノ教育ニ任ジ且航空技術ノ実務ニ関スル調査及研究ヲ行ハシムル為陸軍航空技術学校ニ教育部ヲ置ク
第九条 生徒ノ訓育ヲ行フ為陸軍航空技術学校ニ生徒隊ヲ置ク
第十条 器材ノ修理及研究並ニ学生及生徒ノ実習ニ供スル為陸軍航空技術学校ニ材料廠ヲ置ク
第十一条 陸軍航空技術学校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
幹事
副官
学校附
教官
生徒隊長
生徒隊副官
生徒隊中隊長
生徒隊附
材料廠長
材料廠附
准士官、下士官及判任文官
第十二条 校長ハ陸軍航空本部長ニ隷シ校務ヲ総理ス
第十三条 幹事ハ校長ヲ輔佐シ校務ヲ整理シ教育、調査及研究ノ統一ヲ図ル
第十四条 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十五条 学校附ハ校長ノ命ヲ承ケ各其ノ担任ノ業務ヲ掌ル
第十六条 教官ハ校長ノ命ヲ承ケ学術ノ授業ヲ分担シ且諸般ノ調査及研究ヲ分担ス
第十七条 生徒隊長ハ生徒隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ訓育ヲ掌理ス
第十八条 生徒隊副官ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ生徒隊ノ庶務ヲ掌ル
第十九条 生徒隊中隊長ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ訓育ヲ担任ス
第二十条 生徒隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各担任ノ業務ヲ掌ル
第二十一条 材料廠長ハ校長ノ命ヲ承ケ廠務ヲ掌ル
第二十二条 材料廠附ハ材料廠長ノ命ヲ承ケ廠務ヲ分担ス
第二十三条 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ技術又ハ事務ニ従事ス
第二十四条 学生及第四条ノ規定ニ依リ召集スル者ノ人員(必要アルトキハ其ノ人名)、入校又ハ召集ノ期日及召集期間ハ陸軍大臣之ヲ告達ス
第二十五条 前条ノ告達アリタルトキハ所管長官(陸軍航空本部並ニ陸軍航空本部長所轄ノ官衙及学校ニ在リテハ陸軍航空本部長以下之ニ同ジ)ハ修学ニ適当ナル者ヲ選定シ入校又ハ召集ノ期日前ニ其ノ所属部隊、官等級及氏名ヲ陸軍大臣ニ報告シ且陸軍航空本部長ニ通報スベシ
第二十六条 学生ハ校外ニ、生徒ハ校内ニ居住セシメ其ノ修学ニ要スル兵器、被服、図書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第二十七条 学生ノ願届其ノ他業務ニ関スル諸件ハ総テ校長ノ管理ニ属ス
技術生徒ハ総テ校長ノ管理ニ属ス
第二十八条 甲種及乙種ノ学生中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ学術修得ノ目途ナキ者ハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ之ヲ退校セシム
第二十九条 甲種及乙種ノ学生中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修学期間内ニ所定ノ学術ヲ修メ得ザル者ニシテ尚望アリト認ムルモノハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ之ヲ所要ノ期間滞学セシメ又ハ次期ノ学生ト為スコトヲ得
第三十条 丙種学生及技術生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第三十一条 丙種学生及技術生徒左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屡法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 学術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷痍疾病ニ因リ修学ニ堪ヘザル者
五 前各号ノ外士官又ハ下士官タルニ適セズト認ムル者
第三十二条 丙種学生及技術生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修学期間内ニ所定ノ学術ヲ修メ得ザル者ニシテ尚望アリト認ムルモノハ之ヲ所要ノ期間滞学セシメ又ハ技術生徒ニ在リテハ次期ノ生徒ト為スコトヲ得
第三十三条 前二条ノ規定ニ該当スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ヲ経テ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ処理ス
第三十四条 校長ハ学生ノ修学期末ニ於テ学生ノ成績ヲ審査シ修業成績書ヲ調製シ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ本人ノ所管長官ヲ経テ之ヲ所属部隊長ニ送付シ丙種学生ニハ卒業証書ヲ付与スルモノトス
滞学セシメラレタル学生修学ヲ終リタルトキハ前項ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第三十五条 校長ハ乙種学生中適当ナル者ニ就キ予メ其ノ所管長官及陸軍砲工学校長ト協議シ且陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ之ヲ陸軍砲工学校員外学生候補者トシテ毎年九月三十日迄ニ教育総監ニ進達スルモノトス
第三十六条 丙種学生中成績優秀ノ者ハ少尉任官後ニ於テ之ヲ陸軍航空技術学校員外学生ト為シ必要ノ学術ヲ研究セシムルコトヲ得其ノ修学ニ関スル事項ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第三十七条 技術生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ校長ハ考科列序ヲ定メ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業証書ヲ付与シ著隊時日ヲ指定シ所属隊ニ之ヲ入隊セシム
滞学セシメラレタル技術生徒修学ヲ終リタルトキハ前項ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第三十八条 校長ハ学生及技術生徒ニ毎年三週間以内ノ休暇ヲ与フルコトヲ得
第三十九条 職員ニハ校務上便宜ノ時期ニ於テ隊附勤務ヲ為サシムルコトヲ得
第四十条 研究又ハ教育上必要アルトキハ校長ハ教育総監又ハ師団長ニ禀議シ其ノ学校又ハ軍隊ヲ使用スルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十年八月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行ノ際現ニ陸軍飛行学校令第四条ノ規定ニ依ル機関学生タル者ハ本令ニ依ル相当年ノ乙種学生ト為リタルモノトス
本令施行ノ際現ニ昭和八年勅令第六十八号ニ依ル技術生徒タル者ハ本令ニ依ル相当年ノ技術生徒ト為リタルモノトス
当分ノ内乙種学生ハ他兵科(憲兵科ヲ除ク)尉官ヲ以テ、丙種学生ハ他兵科(憲兵科ヲ除ク)ノ准士官及下士官ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得