朕關東州臨時地租措置令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年四月二十五日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
勅令第二百八十八號
關東州臨時地租措置令
第一條 當分ノ內本令ニ依リ田畑地租ヲ輕減ス
第二條 個人ノ田畑自作ノ所得ガ平常所得ニ對シ五割以上減少シタルトキハ其ノ納付スル田畑地租ヲ輕減ス
第三條 田畑地租ノ輕減額ハ田畑自作ノ所得ガ平常所得ニ對シ減少シタル割合ニ從ヒ左ノ割合ノ金額トス
減少割合ガ五割以上七割未滿ナルトキ 田畑地租額ノ三割
同七割以上ナルトキ 田畑地租額ノ五割
前項ノ輕減額ハ自作ノ田畑ニ對スル其ノ年分ノ地租額ニ付之ヲ計算ス
第四條 平常所得ハ昭和十一年以前三年ノ田畑自作ノ平均所得ニ依ル但シ昭和十二年一月一日ヨリ新ニ田畑自作ヲ開始シタル者ニ付テハ昭和十二年ノ所得ニ依ル
前項ニ規定スルモノヲ除クノ外平常所得ノ算定ニ關シ必要ナル事項ハ滿洲國駐箚特命全權大使之ヲ定ム
第五條 田畑地租ノ輕減ヲ受ケントスル者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ申請スベシ
第六條 田畑地租ノ輕減ヲ申請シタル者ノ田畑自作ノ所得ハ政府ノ調査ニ依リ其ノ年第三種ノ所得金額ヲ決定スル時期ニ於テ政府之ヲ確定ス
第七條 關東州所得稅令第十三條第一項第六號ノ規定及同條第三項中相續シタル資產ノ所得計算ニ關スル規定ハ本令ニ依ル田畑自作ノ所得ノ計算ニ付之ヲ準用ス
第八條 田畑自作ノ所得ニ付當初確定額ニ比シ減損アル場合ニ於テハ政府ハ申請ニ依リ第二條乃至第四條ノ規定ニ準ジ田畑地租ヲ輕減シ又ハ輕減稅額ヲ變更スルコトヲ得
前項ノ規定ハ田畑自作ノ所得ガ所得確定後相續又ハ贈與ニ因リ減損シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第一項ノ申請ハ翌年一月三十一日迄ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
第九條 前條第一項ノ申請アリタルトキハ政府ハ其ノ處分ノ確定スルニ至ル迄地租ノ徵收ヲ猶豫スルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十三年分田畑地租ヨリ之ヲ適用ス
本令ハ支那事變終了後其ノ年ノ翌年十二月三十一日迄ニ之ヲ廢止スルモノトス
昭和十二年勅令第五百七十二號第一條中「第三種所得稅」ノ下ニ「及同十三年以降ノ分ノ地租」ヲ加フ
朕関東州臨時地租措置令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年四月二十五日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
勅令第二百八十八号
関東州臨時地租措置令
第一条 当分ノ内本令ニ依リ田畑地租ヲ軽減ス
第二条 個人ノ田畑自作ノ所得ガ平常所得ニ対シ五割以上減少シタルトキハ其ノ納付スル田畑地租ヲ軽減ス
第三条 田畑地租ノ軽減額ハ田畑自作ノ所得ガ平常所得ニ対シ減少シタル割合ニ従ヒ左ノ割合ノ金額トス
減少割合ガ五割以上七割未満ナルトキ 田畑地租額ノ三割
同七割以上ナルトキ 田畑地租額ノ五割
前項ノ軽減額ハ自作ノ田畑ニ対スル其ノ年分ノ地租額ニ付之ヲ計算ス
第四条 平常所得ハ昭和十一年以前三年ノ田畑自作ノ平均所得ニ依ル但シ昭和十二年一月一日ヨリ新ニ田畑自作ヲ開始シタル者ニ付テハ昭和十二年ノ所得ニ依ル
前項ニ規定スルモノヲ除クノ外平常所得ノ算定ニ関シ必要ナル事項ハ満洲国駐箚特命全権大使之ヲ定ム
第五条 田畑地租ノ軽減ヲ受ケントスル者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ申請スベシ
第六条 田畑地租ノ軽減ヲ申請シタル者ノ田畑自作ノ所得ハ政府ノ調査ニ依リ其ノ年第三種ノ所得金額ヲ決定スル時期ニ於テ政府之ヲ確定ス
第七条 関東州所得税令第十三条第一項第六号ノ規定及同条第三項中相続シタル資産ノ所得計算ニ関スル規定ハ本令ニ依ル田畑自作ノ所得ノ計算ニ付之ヲ準用ス
第八条 田畑自作ノ所得ニ付当初確定額ニ比シ減損アル場合ニ於テハ政府ハ申請ニ依リ第二条乃至第四条ノ規定ニ準ジ田畑地租ヲ軽減シ又ハ軽減税額ヲ変更スルコトヲ得
前項ノ規定ハ田畑自作ノ所得ガ所得確定後相続又ハ贈与ニ因リ減損シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第一項ノ申請ハ翌年一月三十一日迄ニ之ヲ為スコトヲ要ス
第九条 前条第一項ノ申請アリタルトキハ政府ハ其ノ処分ノ確定スルニ至ル迄地租ノ徴収ヲ猶予スルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十三年分田畑地租ヨリ之ヲ適用ス
本令ハ支那事変終了後其ノ年ノ翌年十二月三十一日迄ニ之ヲ廃止スルモノトス
昭和十二年勅令第五百七十二号第一条中「第三種所得税」ノ下ニ「及同十三年以降ノ分ノ地租」ヲ加フ