(関東州臨時租税措置令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第三百三十七號
公布年月日: 昭和18年3月31日
法令の形式: 勅令
朕關東州臨時租稅措置令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月三十日
內閣總理大臣 東條英機
大東亞大臣 靑木一男
勅令第三百三十七號
關東州臨時租稅措置令中左ノ通改正ス
第一條ノ四ニ左ノ一號ヲ加フ
五 法人ガ額面以上ノ價額ヲ以テ株式ヲ發行シタル場合ニ於ケル其ノ額面ヲ超ユル金額
第一條ノ七中「關東州大東亞戰爭特別稅令第四條」ヲ「關東州所得稅令第二十七條」ニ改ム
第一條ノ十中「昭和十八年」ヲ「昭和十九年」ニ、「關東州大東亞戰爭特別稅令第二條第二項」ヲ「關東州所得稅令第二十五條第一項」ニ改ム
第一條ノ十一中「昭和十八年」ヲ「昭和十九年」ニ、「事業ノ統制ノ必要上設立セラルル法人」ヲ「事業ノ統制ノ必要上大使ノ定ムル者」ニ改ム
第一條ノ十二中「昭和十八年」ヲ「昭和十九年」ニ、「關東州大東亞戰爭特別稅令第四條」ヲ「同令第二十七條」ニ改ム
第一條ノ十三及第一條ノ十四中「昭和十七年十二月三十一日」ヲ「昭和十八年十二月三十一日」ニ、「昭和十七年分又ハ昭和十八年分」ヲ「昭和十七年分乃至昭和十九年分」ニ改ム
第一條ノ十五 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十八年一月一日以後同年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上船舶(製造中ノ船舶ヲ含ム)又ハ鑛業若ハ砂鑛業ニ關スル權利若ハ設備ヲ讓渡シタル個人ニハ大使ノ定ムル所ニ依リ當該讓渡ニ因リ生ズル利得金額ヨリ其ノ十分ノ二ニ相當スル金額ヲ控除シタル金額ニ依リ臨時利得稅ヲ賦課ス
第一條ノ十六 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年一月一日以後昭和十八年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上營業ノ全部又ハ一部ヲ廢止シタル個人ノ當該營業ノ廢止ニ因リ受クル補償金其ノ他之ニ準ズベキモノニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ總額ガ三萬圓以下ナルトキハ其ノ十分ノ五、三萬圓ヲ超ユルトキハ其ノ十分ノ二ニ相當スル金額ヲ控除シタル金額ニ依リ所得稅ヲ賦課ス
前項ノ場合ニ於テ補償金其ノ他之ニ準ズベキモノノ總額ガ一萬圓以下ナルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ當該所得ニ對スル所得稅ヲ免除ス
第一條ノ十七 法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ木材又ハ薪炭ノ增產ノ必要上大使ノ定ムル所ニ依リ立木ノ伐採又ハ讓渡ヲ爲シタル個人ニハ大使ノ定ムル所ニ依リ關東州所得稅令第十三條第一項第二號ノ所得ヨリ當該立木ノ伐採又ハ讓渡ニ因リ生ズル所得ノ十分ノ二ニ相當スル金額ヲ控除シタル金額ニ依リ所得稅ヲ賦課ス
第一條ノ十八 個人ノ其ノ年中ノ營業ノ所得又ハ利益金額ガ其ノ年分及前二年分ノ營業ノ所得ノ決定金額又ハ利得ノ決定金額計算ノ基礎タル利益金額ノ平均額ニ對シ五割以上減少シタルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ年分ノ當該營業所得ニ對スル所得稅及營業利得ニ對スル臨時利得稅ヲ左ノ區分ニ依リ輕減ス
減少割合ガ七割以下ナルトキ 稅額ノ十分ノ二
同七割ヲ超ユルトキ 稅額ノ十分ノ四
前項ノ規定ハ個人ノ其ノ年中ノ營業ノ所得金額ガ三萬圓以上ノ者又ハ其ノ年中ノ營業ノ所得金額ガ其ノ年分ノ營業ノ所得ノ決定金額以上ノ者ニ付テハ之ヲ適用セズ
前二項ノ營業ノ所得ノ決定金額ハ關東州所得稅令第十三條第三項ノ規定ニ依ル臨時利得稅額ノ控除前ノ金額ニ依ル
第一條ノ十九 前條ノ規定ニ依リ所得稅及臨時利得稅ノ輕減ヲ受ケントスル者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ申請スベシ
前項ノ申請アリタルトキハ政府ハ輕減處分ノ確定スルニ至ル迄稅金ノ徵收ヲ猶豫スルコトヲ得
第一條ノ二十 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十八年一月一日以後ニ於テ其ノ事業ニ屬スル設備又ハ權利其ノ他ヲ事業ノ統制ノ必要上大使ノ定ムル者ニ讓渡シタル法人ニシテ行政官廳ノ指導又ハ斡旋ニ依リ解散ヲ爲サザルモノニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ讓渡ノ日以後ニ於テ納付スベキ所得稅及臨時利得稅ヲ輕減スルコトヲ得
第一條ノ二十一 同一人ニ付第一條ノ十三及第一條ノ十八ノ規定ニ該當スル事由アルトキハ當該各規定中輕減又ハ免除額ノ多額ト爲ルベキ一ノ規定ヲ適用ス
附 則
本令ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第一條ノ四ノ改正規定ハ法人ノ昭和十八年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ノ所得稅及臨時利得稅ヨリ之ヲ適用ス
第一條ノ十五ノ改正規定ハ昭和十八年一月一日以後ノ讓渡ニ因ル利得ニ對スル臨時利得稅ヨリ之ヲ適用ス
第一條ノ十六、第一條ノ十八、第一條ノ十九及第一條ノ二十一ノ改正規定ハ個人ノ昭和十八年分所得稅及臨時利得稅ヨリ之ヲ適用ス
第一條ノ十七ノ改正規定ハ個人ノ昭和十九年分所得稅ヨリ之ヲ適用ス
朕関東州臨時租税措置令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月三十日
内閣総理大臣 東条英機
大東亜大臣 青木一男
勅令第三百三十七号
関東州臨時租税措置令中左ノ通改正ス
第一条ノ四ニ左ノ一号ヲ加フ
五 法人ガ額面以上ノ価額ヲ以テ株式ヲ発行シタル場合ニ於ケル其ノ額面ヲ超ユル金額
第一条ノ七中「関東州大東亜戦争特別税令第四条」ヲ「関東州所得税令第二十七条」ニ改ム
第一条ノ十中「昭和十八年」ヲ「昭和十九年」ニ、「関東州大東亜戦争特別税令第二条第二項」ヲ「関東州所得税令第二十五条第一項」ニ改ム
第一条ノ十一中「昭和十八年」ヲ「昭和十九年」ニ、「事業ノ統制ノ必要上設立セラルル法人」ヲ「事業ノ統制ノ必要上大使ノ定ムル者」ニ改ム
第一条ノ十二中「昭和十八年」ヲ「昭和十九年」ニ、「関東州大東亜戦争特別税令第四条」ヲ「同令第二十七条」ニ改ム
第一条ノ十三及第一条ノ十四中「昭和十七年十二月三十一日」ヲ「昭和十八年十二月三十一日」ニ、「昭和十七年分又ハ昭和十八年分」ヲ「昭和十七年分乃至昭和十九年分」ニ改ム
第一条ノ十五 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十八年一月一日以後同年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上船舶(製造中ノ船舶ヲ含ム)又ハ鉱業若ハ砂鉱業ニ関スル権利若ハ設備ヲ譲渡シタル個人ニハ大使ノ定ムル所ニ依リ当該譲渡ニ因リ生ズル利得金額ヨリ其ノ十分ノ二ニ相当スル金額ヲ控除シタル金額ニ依リ臨時利得税ヲ賦課ス
第一条ノ十六 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年一月一日以後昭和十八年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上営業ノ全部又ハ一部ヲ廃止シタル個人ノ当該営業ノ廃止ニ因リ受クル補償金其ノ他之ニ準ズベキモノニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ総額ガ三万円以下ナルトキハ其ノ十分ノ五、三万円ヲ超ユルトキハ其ノ十分ノ二ニ相当スル金額ヲ控除シタル金額ニ依リ所得税ヲ賦課ス
前項ノ場合ニ於テ補償金其ノ他之ニ準ズベキモノノ総額ガ一万円以下ナルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ当該所得ニ対スル所得税ヲ免除ス
第一条ノ十七 法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ木材又ハ薪炭ノ増産ノ必要上大使ノ定ムル所ニ依リ立木ノ伐採又ハ譲渡ヲ為シタル個人ニハ大使ノ定ムル所ニ依リ関東州所得税令第十三条第一項第二号ノ所得ヨリ当該立木ノ伐採又ハ譲渡ニ因リ生ズル所得ノ十分ノ二ニ相当スル金額ヲ控除シタル金額ニ依リ所得税ヲ賦課ス
第一条ノ十八 個人ノ其ノ年中ノ営業ノ所得又ハ利益金額ガ其ノ年分及前二年分ノ営業ノ所得ノ決定金額又ハ利得ノ決定金額計算ノ基礎タル利益金額ノ平均額ニ対シ五割以上減少シタルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ年分ノ当該営業所得ニ対スル所得税及営業利得ニ対スル臨時利得税ヲ左ノ区分ニ依リ軽減ス
減少割合ガ七割以下ナルトキ 税額ノ十分ノ二
同七割ヲ超ユルトキ 税額ノ十分ノ四
前項ノ規定ハ個人ノ其ノ年中ノ営業ノ所得金額ガ三万円以上ノ者又ハ其ノ年中ノ営業ノ所得金額ガ其ノ年分ノ営業ノ所得ノ決定金額以上ノ者ニ付テハ之ヲ適用セズ
前二項ノ営業ノ所得ノ決定金額ハ関東州所得税令第十三条第三項ノ規定ニ依ル臨時利得税額ノ控除前ノ金額ニ依ル
第一条ノ十九 前条ノ規定ニ依リ所得税及臨時利得税ノ軽減ヲ受ケントスル者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ申請スベシ
前項ノ申請アリタルトキハ政府ハ軽減処分ノ確定スルニ至ル迄税金ノ徴収ヲ猶予スルコトヲ得
第一条ノ二十 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十八年一月一日以後ニ於テ其ノ事業ニ属スル設備又ハ権利其ノ他ヲ事業ノ統制ノ必要上大使ノ定ムル者ニ譲渡シタル法人ニシテ行政官庁ノ指導又ハ斡旋ニ依リ解散ヲ為サザルモノニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ譲渡ノ日以後ニ於テ納付スベキ所得税及臨時利得税ヲ軽減スルコトヲ得
第一条ノ二十一 同一人ニ付第一条ノ十三及第一条ノ十八ノ規定ニ該当スル事由アルトキハ当該各規定中軽減又ハ免除額ノ多額ト為ルベキ一ノ規定ヲ適用ス
附 則
本令ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第一条ノ四ノ改正規定ハ法人ノ昭和十八年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ノ所得税及臨時利得税ヨリ之ヲ適用ス
第一条ノ十五ノ改正規定ハ昭和十八年一月一日以後ノ譲渡ニ因ル利得ニ対スル臨時利得税ヨリ之ヲ適用ス
第一条ノ十六、第一条ノ十八、第一条ノ十九及第一条ノ二十一ノ改正規定ハ個人ノ昭和十八年分所得税及臨時利得税ヨリ之ヲ適用ス
第一条ノ十七ノ改正規定ハ個人ノ昭和十九年分所得税ヨリ之ヲ適用ス