(関東州臨時租税措置令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第二百五十六號
公布年月日: 昭和17年3月28日
法令の形式: 勅令
朕關東州臨時租稅措置令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年三月二十七日
內閣總理大臣 東條英機
勅令第二百五十六號
關東州臨時租稅措置令中左ノ通改正ス
第一條中「所得稅、」ノ下ニ「法人資本稅、」ヲ加ヘ「又ハ免除ス」ヲ「若ハ免除シ又ハ其ノ課稅標準ノ計算ニ關スル特例ヲ設ク」ニ改ム
第一條ノ二第一項中「十分ノ三」ヲ「十分ノ一」ニ、「百分ノ一・七」ヲ「百分ノ四・五」ニ改ム
第一條ノ四ニ左ノ一號ヲ加フ
四 大使ノ指定スル價格平衡資金ヘノ繰入金
第一條ノ六 大使ノ定ムル預金又ハ公債若ハ社債ノ利子ニシテ個人ノ受クルモノニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ利子金額ノ百分ノ一乃至百分ノ五ニ相當スル第二種ノ所得ニ對スル所得稅ヲ輕減ス
第一條ノ七 元本ノ償還及利息ノ支拂ニ付政府ノ保證アル社債ノ利子ニ付テハ關東州大東亞戰爭特別稅令第四條ニ規定スル稅率百分ノ六ヲ百分ノ五、百分ノ七ヲ百分ノ六トシタル場合ノ差減額ニ相當スル第二種ノ所得ニ對スル所得稅ヲ輕減ス
第一條ノ八 甲法人ガ關東州國家總動員令其ノ他ノ法令ニ依リ當該法令ニ基キテ設立セラレタル乙法人ト爲リ又ハ之ニ吸收セラレタルトキハ關東州所得稅令、關東州法人資本稅令及關東州臨時利得稅令ノ適用ニ關シテハ甲法人ハ合併ニ因リテ消滅シタル法人ト看做シ乙法人ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ト看做ス
第一條ノ九 法人ノ爲シタル寄附金(大使ノ定ムルモノヲ除ク)中大使ノ定ムル所ニ依リ計算シタル金額ヲ超過スル部分ノ金額ニ付テハ關東州所得稅令ニ依ル所得及關東州臨時利得稅令ニ依ル利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ
政府ニ於テ必要アリト認ムルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ前項ノ超過金額ニ對シテ課セラルベキ所得ニ對スル所得稅ヲ免除スルコトヲ得
第一條ノ十 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル拂込資本金額百萬圓以下ノ法人ニシテ大使ノ定ムルモノノ淸算所得ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ關東州大東亞戰爭特別稅令第二條第二項ニ規定スル稅率百分ノ十五ヲ百分ノ九トシタル場合ノ差減額ニ相當スル所得稅ヲ輕減ス
法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル拂込資本金額百萬圓ヲ超ユル法人ニシテ大使ノ定ムルモノノ淸算所得ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ關東州大東亞戰爭特別稅令第二條第二項ニ規定スル稅率百分ノ十五ヲ百分ノ十二トシタル場合ノ差減額ニ相當スル所得稅ヲ輕減ス
第一條ノ十一 大使ノ定ムル法人ガ法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ其ノ事業ニ屬スル設備又ハ權利其ノ他ヲ事業ノ統制ノ必要上設立セラルル法人ニ出資又ハ讓渡ヲ爲シタルトキハ其ノ出資又ハ讓渡ニ對シ與ヘラレタル有價證券ノ價額ニ關シ出資又ハ讓渡ヲ爲シタル事業年度ニ於ケル關東州所得稅令ニ依ル所得及關東州臨時利得稅令ニ依ル利益ノ計算ニ付大使ハ命令ヲ以テ特例ヲ設クルコトヲ得
第一條ノ十二 大使ノ定ムル法人ガ法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年四月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル場合ニ於テ其ノ株主又ハ社員ノ受クル關東州所得稅令第十二條ノ二ニ規定スル利益ノ配當ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ同令第十三條第一項第四號ニ規定スル控除割合十分ノ二ヲ十分ノ四トス
大使ノ定ムル法人ガ法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年四月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル場合ニ於テ其ノ株主又ハ社員ノ受クル關東州所得稅令第十二條ノ二ニ規定スル利益ノ配當ニシテ第二種所得稅ヲ課セラルルモノニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ關東州大東亞戰爭特別稅令第四條ニ規定スル稅率百分ノ十ヲ百分ノ七・七トシタル場合ノ差減額ニ相當スル稅額ヲ輕減ス
第一條ノ十三 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年一月一日以後昭和十七年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上營業ノ全部又ハ大部分ヲ廢止シタル個人ノ當該營業ヨリ生ズル所得ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ昭和十七年分又ハ昭和十八年分ノ第三種ノ所得ニ對スル所得稅ニ限リ左ノ區分ニ依リ之ヲ輕減又ハ免除ス
所得金額五千圓以下ナルトキ 當該所得稅額ノ全部
同一萬圓以下ナルトキ 當該所得稅額ノ十分ノ五
同一萬圓ヲ超ユルトキ 當該所得稅額ノ十分ノ二
第一條ノ十四 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年一月一日以後昭和十七年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併若ハ解散シタル法人又ハ營業ノ全部若ハ大部分ヲ廢止シタル個人ノ使用人ニシテ退職シタル者ノ當該法人又ハ個人ヨリ受クル俸給、給料、賞與又ハ此等ノ性質ヲ有スル給與ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ昭和十七年分又ハ昭和十八年分ノ第三種ノ所得ニ對スル所得稅ニ限リ左ノ區分ニ依リ之ヲ輕減又ハ免除ス
所得金額五千圓以下ナルトキ 當該所得稅額ノ全部
同一萬圓以下ナルトキ 當該所得稅額ノ十分ノ五
同一萬圓ヲ超ユルトキ 當該所得稅額ノ十分ノ二
第七條中「第三項」ヲ「第五項」ニ改ム
附則第二項中「支那事變」ヲ「大東亞戰爭」ニ改ム
附 則
本令ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
法人ノ各事業年度ノ所得ニ對スル所得稅、法人ノ各事業年度ノ資本ニ對スル法人資本稅及法人ノ各事業年度ノ利得ニ對スル臨時利得稅ニ付テハ昭和十七年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、法人ノ淸算所得ニ對スル所得稅ニ付テハ同日以後ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル分ヨリ本令ヲ適用ス
昭和十七年一月一日前ニ支出シタル寄附金及同日以後ニ支出スル寄附金ニシテ同日前ノ約束ニ係ルモノニ付テハ第一條ノ九第一項ノ規定ニ拘ラズ大使ノ定ムル所ニ依リ關東州所得稅令ニ依ル所得及關東州臨時利得稅令ニ依ル利益ノ計算上其ノ全部又ハ一部ヲ損金ニ算入スルコトヲ得
朕関東州臨時租税措置令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年三月二十七日
内閣総理大臣 東条英機
勅令第二百五十六号
関東州臨時租税措置令中左ノ通改正ス
第一条中「所得税、」ノ下ニ「法人資本税、」ヲ加ヘ「又ハ免除ス」ヲ「若ハ免除シ又ハ其ノ課税標準ノ計算ニ関スル特例ヲ設ク」ニ改ム
第一条ノ二第一項中「十分ノ三」ヲ「十分ノ一」ニ、「百分ノ一・七」ヲ「百分ノ四・五」ニ改ム
第一条ノ四ニ左ノ一号ヲ加フ
四 大使ノ指定スル価格平衡資金ヘノ繰入金
第一条ノ六 大使ノ定ムル預金又ハ公債若ハ社債ノ利子ニシテ個人ノ受クルモノニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ利子金額ノ百分ノ一乃至百分ノ五ニ相当スル第二種ノ所得ニ対スル所得税ヲ軽減ス
第一条ノ七 元本ノ償還及利息ノ支払ニ付政府ノ保証アル社債ノ利子ニ付テハ関東州大東亜戦争特別税令第四条ニ規定スル税率百分ノ六ヲ百分ノ五、百分ノ七ヲ百分ノ六トシタル場合ノ差減額ニ相当スル第二種ノ所得ニ対スル所得税ヲ軽減ス
第一条ノ八 甲法人ガ関東州国家総動員令其ノ他ノ法令ニ依リ当該法令ニ基キテ設立セラレタル乙法人ト為リ又ハ之ニ吸収セラレタルトキハ関東州所得税令、関東州法人資本税令及関東州臨時利得税令ノ適用ニ関シテハ甲法人ハ合併ニ因リテ消滅シタル法人ト看做シ乙法人ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ト看做ス
第一条ノ九 法人ノ為シタル寄附金(大使ノ定ムルモノヲ除ク)中大使ノ定ムル所ニ依リ計算シタル金額ヲ超過スル部分ノ金額ニ付テハ関東州所得税令ニ依ル所得及関東州臨時利得税令ニ依ル利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ
政府ニ於テ必要アリト認ムルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ前項ノ超過金額ニ対シテ課セラルベキ所得ニ対スル所得税ヲ免除スルコトヲ得
第一条ノ十 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル払込資本金額百万円以下ノ法人ニシテ大使ノ定ムルモノノ清算所得ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ関東州大東亜戦争特別税令第二条第二項ニ規定スル税率百分ノ十五ヲ百分ノ九トシタル場合ノ差減額ニ相当スル所得税ヲ軽減ス
法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル払込資本金額百万円ヲ超ユル法人ニシテ大使ノ定ムルモノノ清算所得ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ関東州大東亜戦争特別税令第二条第二項ニ規定スル税率百分ノ十五ヲ百分ノ十二トシタル場合ノ差減額ニ相当スル所得税ヲ軽減ス
第一条ノ十一 大使ノ定ムル法人ガ法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年一月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ其ノ事業ニ属スル設備又ハ権利其ノ他ヲ事業ノ統制ノ必要上設立セラルル法人ニ出資又ハ譲渡ヲ為シタルトキハ其ノ出資又ハ譲渡ニ対シ与ヘラレタル有価証券ノ価額ニ関シ出資又ハ譲渡ヲ為シタル事業年度ニ於ケル関東州所得税令ニ依ル所得及関東州臨時利得税令ニ依ル利益ノ計算ニ付大使ハ命令ヲ以テ特例ヲ設クルコトヲ得
第一条ノ十二 大使ノ定ムル法人ガ法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年四月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル場合ニ於テ其ノ株主又ハ社員ノ受クル関東州所得税令第十二条ノ二ニ規定スル利益ノ配当ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ同令第十三条第一項第四号ニ規定スル控除割合十分ノ二ヲ十分ノ四トス
大使ノ定ムル法人ガ法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十七年四月一日以後昭和十八年三月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併又ハ解散シタル場合ニ於テ其ノ株主又ハ社員ノ受クル関東州所得税令第十二条ノ二ニ規定スル利益ノ配当ニシテ第二種所得税ヲ課セラルルモノニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ関東州大東亜戦争特別税令第四条ニ規定スル税率百分ノ十ヲ百分ノ七・七トシタル場合ノ差減額ニ相当スル税額ヲ軽減ス
第一条ノ十三 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年一月一日以後昭和十七年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上営業ノ全部又ハ大部分ヲ廃止シタル個人ノ当該営業ヨリ生ズル所得ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ昭和十七年分又ハ昭和十八年分ノ第三種ノ所得ニ対スル所得税ニ限リ左ノ区分ニ依リ之ヲ軽減又ハ免除ス
所得金額五千円以下ナルトキ 当該所得税額ノ全部
同一万円以下ナルトキ 当該所得税額ノ十分ノ五
同一万円ヲ超ユルトキ 当該所得税額ノ十分ノ二
第一条ノ十四 法令、法令ニ基ク命令又ハ行政官庁ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭和十六年一月一日以後昭和十七年十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上合併若ハ解散シタル法人又ハ営業ノ全部若ハ大部分ヲ廃止シタル個人ノ使用人ニシテ退職シタル者ノ当該法人又ハ個人ヨリ受クル俸給、給料、賞与又ハ此等ノ性質ヲ有スル給与ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ昭和十七年分又ハ昭和十八年分ノ第三種ノ所得ニ対スル所得税ニ限リ左ノ区分ニ依リ之ヲ軽減又ハ免除ス
所得金額五千円以下ナルトキ 当該所得税額ノ全部
同一万円以下ナルトキ 当該所得税額ノ十分ノ五
同一万円ヲ超ユルトキ 当該所得税額ノ十分ノ二
第七条中「第三項」ヲ「第五項」ニ改ム
附則第二項中「支那事変」ヲ「大東亜戦争」ニ改ム
附 則
本令ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
法人ノ各事業年度ノ所得ニ対スル所得税、法人ノ各事業年度ノ資本ニ対スル法人資本税及法人ノ各事業年度ノ利得ニ対スル臨時利得税ニ付テハ昭和十七年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、法人ノ清算所得ニ対スル所得税ニ付テハ同日以後ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル分ヨリ本令ヲ適用ス
昭和十七年一月一日前ニ支出シタル寄附金及同日以後ニ支出スル寄附金ニシテ同日前ノ約束ニ係ルモノニ付テハ第一条ノ九第一項ノ規定ニ拘ラズ大使ノ定ムル所ニ依リ関東州所得税令ニ依ル所得及関東州臨時利得税令ニ依ル利益ノ計算上其ノ全部又ハ一部ヲ損金ニ算入スルコトヲ得