第一條 本法ハ左ニ揭グル社會事業ニ之ヲ適用ス但シ勅令ヲ以テ指定スルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
三 施療所、產院其ノ他施藥、救療又ハ助產保護ヲ爲ス事業
六 前各號ニ揭グル事業ニ關スル指導、聯絡又ハ助成ヲ爲ス事業
第二條 社會事業ヲ經營スル者其ノ事業ヲ開始シタルトキ又ハ之ヲ廢止セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨事業經營地ノ地方長官ニ屆出ヅベシ
第三條 地方長官ハ社會事業ヲ經營スル者ニ對シ保護ヲ要スル者ノ收容ヲ委託スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル委託アリタル場合ニ於テ社會事業ヲ經營スル者ハ正當ノ事由アルニ非ザレバ之ヲ拒ムコトヲ得ズ
第四條 地方長官ハ社會事業ノ施設ニ收容セラレタル者ノ處遇上必要アリト認ムルトキハ社會事業ヲ經營スル者ニ對シ其ノ施設ニ屬スル建物又ハ設備ノ改良ヲ命ズルコトヲ得
社會事業ヲ經營スル者前項ノ規定ニ依ル處分ニ從ハザルトキハ地方長官ハ當該建物又ハ設備ノ使用ヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル處分ハ豫メ戒吿スルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ但シ急迫ノ事情アル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
第五條 社會事業ヲ經營シ又ハ經營セントスル者其ノ事業ノ經營ニ必要ナル資金ヲ得ル爲寄附金ヲ募集セントスルトキハ事業經營地ノ地方長官ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ場合ニ於テ事業經營地ガ二以上ノ道府縣ノ區域ニ涉ルトキハ主務大臣ノ許可ヲ受クベシ
第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ寄附金ヲ募集シタル者(當該事業ノ承繼者ヲ含ム)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ收支ヲ寄附金募集ノ許可ヲ受ケタル官廳ニ報吿スベシ
第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ寄附金ヲ募集シタル者(當該事業ノ承繼者ヲ含ム)ハ其ノ寄附金又ハ之ニ依リ得タル財產ノ處分ニ付寄附金募集ノ許可ヲ受ケタル官廳ノ許可ヲ受クベシ
第六條 地方長官ハ監督上必要アリト認ムルトキハ社會事業ヲ經營スル者ニ對シ其ノ事業ニ關スル報吿ヲ爲サシメ、書類帳簿ノ提出ヲ命ジ、實地ニ就キ業務若ハ會計ノ狀況ヲ調査シ又ハ事業ノ經營ニ關シ指示ヲ爲スコトヲ得
第七條 社會事業ヲ經營スル者本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキ又ハ其ノ事業ノ經營ニ關シ著シク不當ノ行爲アリタルトキハ主務大臣ハ中央社會事業委員會ノ意見ヲ聞キ其ノ者ニ對シ本法ノ適用ヲ受クル社會事業ヲ經營スルコトヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得
第八條 中央社會事業委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九條 道府縣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方社會事業ニ關スル重要事項ヲ調査審議セシムル爲地方社會事業委員會ヲ設置スルコトヲ得
第十條 社會事業ヲ經營スル者第二條ノ規定ニ依ル事業開始ノ屆出ヲ爲シタルトキハ道府縣、市町村其ノ他ノ公共團體ハ其ノ社會事業ノ用ニ供スル土地又ハ建物ニ對シテ租稅其ノ他ノ公課ヲ課スルコトヲ得ズ但シ有料ニテ之ヲ使用セシムル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十一條 政府ハ社會事業ヲ經營スル者ニ對シ豫算ノ範圍內ニ於テ補助スルコトヲ得
第十二條 社會事業ヲ經營スル者左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ前條ノ規定ニ依ル補助ヲ取消シ又ハ旣ニ交付シタル補助金ノ全部若ハ一部ノ返還ヲ命ズルコトヲ得
三 本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキ
第十三條 主務大臣地方ノ情況ニ依リ特別ノ必要アリト認ムルトキハ中央社會事業委員會ノ意見ヲ聞キ道府縣又ハ勅令ヲ以テ指定スル市ニ對シ社會事業ノ經營ヲ命ズルコトヲ得
第十四條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第五條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル許可ヲ受ケズシテ寄附金ヲ募集シタル者
二 第五條第三項ノ規定ニ依ル許可ノ條件ニ違反シテ寄附金ヲ募集シタル者
三 第五條第五項ノ規定ニ依ル許可ヲ受ケズシテ寄附金又ハ之ニ依リ得タル財產ヲ處分シタル者
四 第七條ノ規定ニ依ル禁止又ハ制限ニ違反シテ社會事業ヲ經營シタル者
第十五條 第五條第四項ノ規定ニ依ル報吿ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十六條 社會事業ヲ經營シ又ハ經營セントスル者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ本法ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第十七條 本法ノ罰則ハ社會事業ヲ經營シ又ハ經營セントスル者ガ法人ナルトキハ理事其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス