重要鉱物増産法
法令番号: 法律第三十五號
公布年月日: 昭和13年3月29日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル重要鑛物增產法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月二十八日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
商工大臣 吉野信次
法律第三十五號
重要鑛物增產法
第一條 本法ニ於テ重要鑛物トハ金鑛、銀鑛、銅鑛、鉛鑛、錫鑛、安質母尼鑛、水銀鑛、亞鉛鑛、鐵鑛、硫化鐵鑛、格魯謨鐵鑛、滿俺鑛、重石鑛、水鉛鑛、ニッケル鑛、コバルト鑛、石炭、亞炭、硫黃、砂金、砂鐵、砂錫其ノ他勅令ヲ以テ指定スル鑛物ヲ謂フ
本法ニ於テ鑛業權者トハ砂鑛權者ヲ、鑛業權トハ砂鑛權ヲ、鑛區トハ砂鑛區ヲ含ム
第二條 政府重要鑛物ノ增產ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ重要鑛物ヲ目的トスル鑛業權者ヲシテ事業計畫ヲ定メ之ヲ屆出ヅベキコトヲ命ズルコトヲ得
鑛業權者前項ノ命令ニ依リ屆出デタル事業計畫ヲ變更セントスルトキハ之ヲ政府ニ屆出ヅベシ
政府必要アリト認ムルトキハ前二項ノ事業計畫ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第三條 政府重要鑛物ノ增產ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ重要鑛物ヲ目的トスル鑛業權者ニ對シ事業ニ著手シ又ハ事業ヲ繼續スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第四條 重要鑛物ノ增產ヲ圖ラントスル者ハ之ガ爲必要トスル鑛業權ノ讓渡又ハ隣接鑛區トノ間ノ鑛區ノ增減ニ付當該鑛業權者ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ協議ヲ爲スコトヲ得
前項ノ協議ヲ爲スコト能ハズ又ハ協議調ハザルトキハ重要鑛物ノ增產ヲ圖ラントスル者ハ當該事項ニ付政府ノ裁定ヲ申請スルコトヲ得
第五條 政府重要鑛物ノ增產ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ鑛業權ノ讓渡又ハ隣接鑛區トノ間ノ鑛區ノ增減ニ付當該鑛業權者ニ對シ重要鑛物ノ增產ヲ圖ラントスル者ト協議ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
鑛業權者前項ノ協議ヲ爲サズ若ハ爲スコト能ハズ又ハ協議調ハザルトキハ政府ハ當該事項ニ付必要ナル決定ヲ爲スコトヲ得
第六條 第四條第二項ノ規定ニ依ル申請アリタルトキ又ハ前條第一項ノ規定ニ依ル命令アリタルトキハ當該鑛業權者ハ其ノ申請ヲ拒否スル旨ノ裁定アル迄又ハ第十條第二項ノ規定ニ依リ裁定若ハ決定ガ其ノ效力ヲ失フ時期迄當該鑛業權ヲ讓渡シ又ハ當該鑛區ノ分合、減區若ハ增減區ノ出願ヲ爲スコトヲ得ズ
第七條 政府鑛業權ヲ讓渡シ又ハ隣接鑛區トノ間ノ鑛區ノ增減ヲ爲ス旨ノ裁定又ハ決定ヲ爲ストキハ其ノ裁定又ハ決定ニ於テ鑛業權者ニ支拂フベキ對價及其ノ支拂ノ時期ヲ定ムルコトヲ要ス
第八條 裁定又ハ決定中對價ニ付不服アル者ハ其ノ裁定又ハ決定ノ通知ヲ受ケタル日(裁定又ハ決定ノ通知ヲ受ケザル者ニ付テハ其ノ公示ノ日)ヨリ三十日以內ニ通常裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第九條 左ニ揭グル場合ニ於テハ對價ヲ支拂フベキ者ハ其ノ對價ヲ供託スルコトヲ要ス
一 對價ヲ受クベキ者ガ其ノ受領ヲ拒ミタルトキ又ハ之ヲ受領スルコト能ハザルトキ
二 裁定又ハ決定中對價ニ付前條ノ規定ニ依ル出訴アリタルトキ
三 鑛業權ニ付抵當權ノ設定アルトキ但シ抵當權者ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項第三號ノ場合ニ於テハ抵當權者ハ供託金ニ對シテモ其ノ權利ヲ行フコトヲ得
第十條 對價ヲ支拂フベキ者裁定又ハ決定ニ於テ定メタル對價支拂ノ時期迄ニ對價ノ全部ノ支拂又ハ供託ヲ爲サザルトキハ鑛業權者ハ對價ヲ支拂フベキ者ニ對シ六十日ヲ下ラザル一定ノ期間內ニ其ノ支拂又ハ供託ヲ爲スベキ旨ヲ催吿スルコトヲ得
前項ノ期間內ニ支拂又ハ供託ナキトキハ裁定又ハ決定ハ其ノ效力ヲ失フ
第十一條 裁定又ハ決定ニ依ル對價ノ全部ノ支拂又ハ供託アリタルトキハ政府ハ鑛業權ノ移轉又ハ變更ノ登錄ヲ爲ス
鑛業權者對價ノ全部又ハ一部ノ支拂ニ付延期ヲ承諾シタルトキ亦前項ニ同ジ此ノ場合ニ於テ政府ハ對價ノ支拂ヲ受クル權利ヲ有スル者ノ爲移轉又ハ變更アリタル鑛業權ニ付抵當權設定ノ登錄ヲ爲ス
第十二條 第四條乃至第十條ノ規定ハ鑛業權ノ讓渡又ハ隣接鑛區トノ間ノ鑛區ノ增減ニ伴ヒ必要ナル事業設備ノ讓渡ニ之ヲ準用ス但シ第九條中抵當權トアルハ登記シタル擔保權、抵當權者トアルハ擔保權者トス
事業設備ヲ讓渡スル旨ノ裁定又ハ決定アリタルトキハ其ノ權利ハ裁定又ハ決定ニ依ル對價ノ全部ノ支拂又ハ供託アリタル時移轉ス
第十三條 本法ニ規定スルモノノ外裁定又ハ決定ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條 第四條第二項ノ規定ニ依ル裁定又ハ第五條第二項ノ規定ニ依ル決定ニ依リ鑛業權ヲ取得シ又ハ鑛區ヲ增區セラレタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計畫ヲ定メ政府ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
政府必要アリト認ムルトキハ前項ノ事業計畫ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第十五條 鑛業權者前條第一項ノ規定ニ違反シ認可ヲ受ケザル事業計畫ヲ實施シ又ハ同條第二項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ事業計畫ヲ變更セズシテ之ヲ實施シタルトキハ政府ハ鑛業權ヲ取消スコトヲ得
第十六條 政府重要鑛物ノ增產ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ重要鑛物ヲ目的トスル鑛業權者ニ對シ事業設備ノ新設、擴張若ハ改良ヲ命ジ又ハ作業方法若ハ作業用品ノ規格ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依リ爲シタル命令ニ因リ生ジタル損失ヲ補償ス
第十七條 政府ハ重要鑛物ヲ目的トスル鑛業權者ニ對シ其ノ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ爲スコトヲ得
政府ハ重要鑛物ヲ目的トスル鑛業權者ニ對シ其ノ業務及會計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十八條 本法ニ依リ爲シタル手續其ノ他ノ行爲ハ鑛業權者ノ承繼人ニ對シテモ其ノ效力ヲ有ス
第十九條 政府第四條第二項(第十二條第一項ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル裁定、第五條第二項(第十二條第一項ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル決定、第十六條第一項ノ規定ニ依ル命令又ハ同條第二項ノ規定ニ依ル補償ヲ爲サントスルトキハ重要鑛物委員會ノ議ヲ經ベシ
重要鑛物委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第二條第一項ノ規定ニ依ル命令若ハ同條第二項ノ規定ニ違反シ事業計畫ノ屆出ヲ怠リ又ハ屆出デタル事業計畫ヲ實施セザル者
二 第二條第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ事業計畫ヲ變更セズシテ之ヲ實施シタル者
三 第三條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
四 第十四條第一項ノ規定ニ違反シ認可ヲ受ケザル事業計畫ヲ實施シタル者
五 第十四條第二項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ事業計畫ヲ變更セズシテ之ヲ實施シタル者
六 第十六條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第二十一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第十七條第一項ノ規定ニ依ル報吿ヲ怠リ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者
二 第十七條第一項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
三 第十七條第二項ノ規定ニ依ル命令又ハ處分ニ違反シタル者
第二十二條 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第二十條又ハ前條第一號若ハ第三號ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ亦前二條ノ刑ヲ科ス
第二十三條 金鑛及砂金ニ關シテハ第二條、第三條、第十六條及第十七條ノ規定ハ之ヲ適用セズ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ハ施工後五年間ヲ限リ其ノ效力ヲ有ス
本法失效ノ際ニ於テ必要ナル經過規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル重要鉱物増産法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月二十八日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
商工大臣 吉野信次
法律第三十五号
重要鉱物増産法
第一条 本法ニ於テ重要鉱物トハ金鉱、銀鉱、銅鉱、鉛鉱、錫鉱、安質母尼鉱、水銀鉱、亜鉛鉱、鉄鉱、硫化鉄鉱、格魯謨鉄鉱、満俺鉱、重石鉱、水鉛鉱、ニッケル鉱、コバルト鉱、石炭、亜炭、硫黄、砂金、砂鉄、砂錫其ノ他勅令ヲ以テ指定スル鉱物ヲ謂フ
本法ニ於テ鉱業権者トハ砂鉱権者ヲ、鉱業権トハ砂鉱権ヲ、鉱区トハ砂鉱区ヲ含ム
第二条 政府重要鉱物ノ増産ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ重要鉱物ヲ目的トスル鉱業権者ヲシテ事業計画ヲ定メ之ヲ届出ヅベキコトヲ命ズルコトヲ得
鉱業権者前項ノ命令ニ依リ届出デタル事業計画ヲ変更セントスルトキハ之ヲ政府ニ届出ヅベシ
政府必要アリト認ムルトキハ前二項ノ事業計画ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
第三条 政府重要鉱物ノ増産ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ重要鉱物ヲ目的トスル鉱業権者ニ対シ事業ニ著手シ又ハ事業ヲ継続スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第四条 重要鉱物ノ増産ヲ図ラントスル者ハ之ガ為必要トスル鉱業権ノ譲渡又ハ隣接鉱区トノ間ノ鉱区ノ増減ニ付当該鉱業権者ニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ協議ヲ為スコトヲ得
前項ノ協議ヲ為スコト能ハズ又ハ協議調ハザルトキハ重要鉱物ノ増産ヲ図ラントスル者ハ当該事項ニ付政府ノ裁定ヲ申請スルコトヲ得
第五条 政府重要鉱物ノ増産ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ鉱業権ノ譲渡又ハ隣接鉱区トノ間ノ鉱区ノ増減ニ付当該鉱業権者ニ対シ重要鉱物ノ増産ヲ図ラントスル者ト協議ヲ為スベキコトヲ命ズルコトヲ得
鉱業権者前項ノ協議ヲ為サズ若ハ為スコト能ハズ又ハ協議調ハザルトキハ政府ハ当該事項ニ付必要ナル決定ヲ為スコトヲ得
第六条 第四条第二項ノ規定ニ依ル申請アリタルトキ又ハ前条第一項ノ規定ニ依ル命令アリタルトキハ当該鉱業権者ハ其ノ申請ヲ拒否スル旨ノ裁定アル迄又ハ第十条第二項ノ規定ニ依リ裁定若ハ決定ガ其ノ効力ヲ失フ時期迄当該鉱業権ヲ譲渡シ又ハ当該鉱区ノ分合、減区若ハ増減区ノ出願ヲ為スコトヲ得ズ
第七条 政府鉱業権ヲ譲渡シ又ハ隣接鉱区トノ間ノ鉱区ノ増減ヲ為ス旨ノ裁定又ハ決定ヲ為ストキハ其ノ裁定又ハ決定ニ於テ鉱業権者ニ支払フベキ対価及其ノ支払ノ時期ヲ定ムルコトヲ要ス
第八条 裁定又ハ決定中対価ニ付不服アル者ハ其ノ裁定又ハ決定ノ通知ヲ受ケタル日(裁定又ハ決定ノ通知ヲ受ケザル者ニ付テハ其ノ公示ノ日)ヨリ三十日以内ニ通常裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第九条 左ニ掲グル場合ニ於テハ対価ヲ支払フベキ者ハ其ノ対価ヲ供託スルコトヲ要ス
一 対価ヲ受クベキ者ガ其ノ受領ヲ拒ミタルトキ又ハ之ヲ受領スルコト能ハザルトキ
二 裁定又ハ決定中対価ニ付前条ノ規定ニ依ル出訴アリタルトキ
三 鉱業権ニ付抵当権ノ設定アルトキ但シ抵当権者ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項第三号ノ場合ニ於テハ抵当権者ハ供託金ニ対シテモ其ノ権利ヲ行フコトヲ得
第十条 対価ヲ支払フベキ者裁定又ハ決定ニ於テ定メタル対価支払ノ時期迄ニ対価ノ全部ノ支払又ハ供託ヲ為サザルトキハ鉱業権者ハ対価ヲ支払フベキ者ニ対シ六十日ヲ下ラザル一定ノ期間内ニ其ノ支払又ハ供託ヲ為スベキ旨ヲ催告スルコトヲ得
前項ノ期間内ニ支払又ハ供託ナキトキハ裁定又ハ決定ハ其ノ効力ヲ失フ
第十一条 裁定又ハ決定ニ依ル対価ノ全部ノ支払又ハ供託アリタルトキハ政府ハ鉱業権ノ移転又ハ変更ノ登録ヲ為ス
鉱業権者対価ノ全部又ハ一部ノ支払ニ付延期ヲ承諾シタルトキ亦前項ニ同ジ此ノ場合ニ於テ政府ハ対価ノ支払ヲ受クル権利ヲ有スル者ノ為移転又ハ変更アリタル鉱業権ニ付抵当権設定ノ登録ヲ為ス
第十二条 第四条乃至第十条ノ規定ハ鉱業権ノ譲渡又ハ隣接鉱区トノ間ノ鉱区ノ増減ニ伴ヒ必要ナル事業設備ノ譲渡ニ之ヲ準用ス但シ第九条中抵当権トアルハ登記シタル担保権、抵当権者トアルハ担保権者トス
事業設備ヲ譲渡スル旨ノ裁定又ハ決定アリタルトキハ其ノ権利ハ裁定又ハ決定ニ依ル対価ノ全部ノ支払又ハ供託アリタル時移転ス
第十三条 本法ニ規定スルモノノ外裁定又ハ決定ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四条 第四条第二項ノ規定ニ依ル裁定又ハ第五条第二項ノ規定ニ依ル決定ニ依リ鉱業権ヲ取得シ又ハ鉱区ヲ増区セラレタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計画ヲ定メ政府ノ認可ヲ受クベシ之ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
政府必要アリト認ムルトキハ前項ノ事業計画ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
第十五条 鉱業権者前条第一項ノ規定ニ違反シ認可ヲ受ケザル事業計画ヲ実施シ又ハ同条第二項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ事業計画ヲ変更セズシテ之ヲ実施シタルトキハ政府ハ鉱業権ヲ取消スコトヲ得
第十六条 政府重要鉱物ノ増産ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ重要鉱物ヲ目的トスル鉱業権者ニ対シ事業設備ノ新設、拡張若ハ改良ヲ命ジ又ハ作業方法若ハ作業用品ノ規格ニ関シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依リ為シタル命令ニ因リ生ジタル損失ヲ補償ス
第十七条 政府ハ重要鉱物ヲ目的トスル鉱業権者ニ対シ其ノ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ為サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ検査ヲ為スコトヲ得
政府ハ重要鉱物ヲ目的トスル鉱業権者ニ対シ其ノ業務及会計ニ関シ監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第十八条 本法ニ依リ為シタル手続其ノ他ノ行為ハ鉱業権者ノ承継人ニ対シテモ其ノ効力ヲ有ス
第十九条 政府第四条第二項(第十二条第一項ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル裁定、第五条第二項(第十二条第一項ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル決定、第十六条第一項ノ規定ニ依ル命令又ハ同条第二項ノ規定ニ依ル補償ヲ為サントスルトキハ重要鉱物委員会ノ議ヲ経ベシ
重要鉱物委員会ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
一 第二条第一項ノ規定ニ依ル命令若ハ同条第二項ノ規定ニ違反シ事業計画ノ届出ヲ怠リ又ハ届出デタル事業計画ヲ実施セザル者
二 第二条第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ事業計画ヲ変更セズシテ之ヲ実施シタル者
三 第三条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
四 第十四条第一項ノ規定ニ違反シ認可ヲ受ケザル事業計画ヲ実施シタル者
五 第十四条第二項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ事業計画ヲ変更セズシテ之ヲ実施シタル者
六 第十六条第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第二十一条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
一 第十七条第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ怠リ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者
二 第十七条第一項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
三 第十七条第二項ノ規定ニ依ル命令又ハ処分ニ違反シタル者
第二十二条 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ第二十条又ハ前条第一号若ハ第三号ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ亦前二条ノ刑ヲ科ス
第二十三条 金鉱及砂金ニ関シテハ第二条、第三条、第十六条及第十七条ノ規定ハ之ヲ適用セズ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ハ施工後五年間ヲ限リ其ノ効力ヲ有ス
本法失効ノ際ニ於テ必要ナル経過規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム