(重要鉱物増産法中改正法律)
法令番号: 法律第三十四號
公布年月日: 昭和18年3月9日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル重要鑛物增產法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月八日
內閣總理大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
商工大臣 岸信介
內務大臣 湯澤三千男
法律第三十四號
重要鑛物增產法中左ノ通改正ス
第一條ノ二 政府ノ指定スル地域(以下指定地域ト稱ス)ニ於ケル政府ノ指定スル鑛物(以下指定鑛物ト稱ス)ヲ目的トスル鑛業權者事業ニ著手シ又ハ休業シタル事業ヲ繼續セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ但シ第三條ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
政府必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ニ條件ヲ附スルコトヲ得
第一條ノ三 指定地域ニ於ケル指定鑛物ヲ目的トスル鑛業權者休業シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ屆出ヅベシ
第一條ノ四 指定地域ニ於ケル指定鑛物ヲ目的トスル鑛業權者第一條ノ二第一項ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ事業ニ著手シ若ハ休業シタル事業ヲ繼續シ又ハ同條第二項ノ條件ニ違反シタルトキハ政府ハ鑛業權ヲ取消スコトヲ得
第一條ノ五 指定地域ニ於ケル指定鑛物ヲ目的トスル試掘權ノ存續期間ハ進行ヲ停止スルモノトス
第一條ノ六 政府ハ期間、鑛物又ハ地域ヲ指定シテ鑛業又ハ砂鑛業ノ出願ヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得
第十二條第一項中「鑛業權ノ讓渡又ハ隣接鑛區トノ間ノ鑛區ノ增減ニ伴ヒ必要ナル」ヲ「重要鑛物ノ增產ヲ圖ル爲必要トスル」ニ改ム
第十七條ノ二 鑛業權ハ本法ノ定ムル所ニ從ヒ之ニ使用權ヲ設定スルコトヲ得
第十七條ノ三 使用權者ハ使用鑛區ニ於テ鑛物ヲ掘採シ及之ヲ取得スル權利ヲ有ス
第十七條ノ四 本法ニ規定シタル使用權者ノ權利義務ハ使用權ト共ニ移轉ス
鑛業法若ハ砂鑛法ノ規定ニシテ使用權者ノ鑛業若ハ砂鑛業ニ關シ適用若ハ準用スベキモノニ依ル鑛業權者ノ權利義務又ハ當該規定ヲ使用權者ノ鑛業若ハ砂鑛業ニ關シ適用若ハ準用シタル場合ニ於ケル當該規定ニ依ル使用權者ノ權利義務ハ使用權ノ設定又ハ消滅ト共ニ使用權者又ハ鑛業權者ニ移轉ス但シ鑛業權ノ消滅ニ因ル使用權ノ消滅ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條ノ五 本法ニ於テ使用鑛區トハ使用權ノ登錄ヲ得タル鑛區ノ區域ヲ謂フ
使用權ハ特定ノ鑛床ヲ目的トシテ之ヲ設定スルコトヲ得
同一ノ鑛區中同一ノ區域ニ於テハ二以上ノ使用權ヲ設定スルコトヲ得ズ但シ前項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條ノ六 使用權ハ相續、讓渡、强制執行及滯納處分ノ目的タルノ外權利ノ目的タルコトヲ得ズ
第十七條ノ七 使用權ノ存續ハ一定期間ヲ限ルモノトス
前項ノ期間ハ之ヲ更新スルコトヲ得
第十七條ノ八 左ニ揭グル事項ハ之ヲ鑛業原簿ニ登錄ス
一 使用權ノ設定、變更、移轉、消滅及處分ノ制限
二 第十七條ノ十一第二項(第十七條ノ十四第二項及第十七條ノ十五第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第十七條ノ十六第二項(第十七條ノ十七第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ條件中命令ヲ以テ定ムルモノ及其ノ消滅
前項ノ登錄ハ登記ニ代ルモノトス
登錄ニ關スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條ノ九 前條第一項ニ揭グル事項ハ相續及鑛業權消滅又ハ存續期間滿了ニ因ル使用權ノ消滅ノ場合ヲ除クノ外登錄ヲ爲スニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十七條ノ十 使用權ハ其ノ登錄前當該鑛業權ニ付登錄ヲ爲シ又ハ當該鑛業權ノ屬スル鑛業財團ニ付登記ヲ爲シタル抵當權者ニ對シテモ其ノ效力ヲ生ズ
前項ノ抵當權アルトキハ使用權者ハ鑛業權者ニ對シ支拂フベキ使用料ヲ供託スルコトヲ要ス但シ抵當權者ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ場合ニ於テハ抵當權者ハ供託金ニ對シテモ其ノ權利ヲ行フコトヲ得
第十七條ノ十一 使用權ヲ設定セントスル場合ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ場合ニ於テ政府必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ニ條件ヲ附スルコトヲ得
第十七條ノ十二 鑛業權者使用鑛區ニ該當スル部分ニ付鑛區ノ分合、減區又ハ增減區ヲ出願セントスルトキハ使用權者ノ承諾ヲ受クベシ
第十七條ノ十三 使用料ガ鑛產物ノ價格ノ變動其ノ他ノ事由ニ因リ著シク不相當ト爲リタルトキハ當事者ハ將來ニ向テ其ノ增減ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ相手方ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十七條ノ十四 使用鑛區ハ之ヲ增減スルコトヲ得
第十七條ノ十一ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第十七條ノ十五 使用權ノ移轉(相續ニ因ル場合ヲ除ク)又ハ存續期間滿了前ノ使用權消滅ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
第十七條ノ十一第二項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル使用權ノ移轉ノ許可ニ之ヲ準用ス
第十七條ノ十六 第四條、第五條、第七條及第十三條乃至第十五條ノ規定ハ使用權ノ設定、使用鑛區ノ增減及使用權ノ行使ニ伴ヒ必要ナル事業設備ノ使用ニ之ヲ準用ス但シ第七條中對價トアルハ使用料トス
政府必要アリト認ムルトキハ前項ニ於テ準用スル第四條第二項ノ規定ニ依ル裁定又ハ第五條第二項ノ規定ニ依ル決定ニ條件ヲ附スルコトヲ得
政府第一項ニ於テ準用スル第四條第二項ノ規定ニ依リ裁定ヲ爲シタルトキ又ハ第一項ニ於テ準用スル第五條第二項ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シタルトキハ使用權ノ設定又ハ變更ノ登錄ヲ爲ス
第一項ニ於テ準用スル第四條第二項ノ規定ニ依ル申請アリタルトキ又ハ第一項ニ於テ準用スル第五條第一項ノ規定ニ依ル命令アリタルトキハ當該鑛業權者ハ其ノ申請ヲ拒否スル旨ノ裁定、前項ノ規定ニ依ル登錄又ハ當該事業設備ノ引渡アル迄當該鑛業權ヲ讓渡シ、當該鑛區ノ分合、減區若ハ增減區ノ出願ヲ爲シ又ハ當該事業設備ニ付讓渡其ノ他ノ處分ヲ爲シ若ハ其ノ形質ヲ變更スルコトヲ得ズ但シ政府ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第一項ノ規定ニ依ル事業設備ノ使用ハ其ノ引渡アリタルトキハ爾後其ノ事業設備ニ付物權ヲ取得シタル者ニ對シ其ノ效力ヲ生ズ
第十七條ノ十七 第四條、第五條、第七條、第九條第一項第一號、第十條、第十一條第一項及第二項前段、第十三條乃至第十五條竝ニ前條第二項ノ規定ハ使用權ノ讓渡ニ之ヲ準用ス
前項ニ於テ準用スル第四條第二項ノ規定ニ依ル申請アリタルトキ又ハ前項ニ於テ準用スル第五條第一項ノ規定ニ依ル命令アリタルトキハ當該鑛業權者又ハ當該使用權者ハ其ノ申請ヲ拒否スル旨ノ裁定アル迄、前項ニ於テ準用スル第十條第二項ノ規定ニ依リ裁定若ハ決定ガ其ノ效力ヲ失フ時期迄又ハ使用權ノ移轉ノ登錄アル迄當該鑛業權若ハ當該使用權ヲ讓渡シ又ハ當該鑛區若ハ當該使用鑛區ノ分合、減區若ハ增減區ノ出願ヲ爲スコトヲ得ズ
第十七條ノ十八 使用權者使用權ノ存續期間ヲ超エテ存續スベキ事業設備ヲ設置セントスルトキハ其ノ費用ノ負擔方法ニ付鑛業權者ト協議スルコトヲ得
前項ノ協議調ハズ又ハ協議ヲ爲スコト能ハザルトキハ使用權者ハ政府ノ裁定ヲ申請スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル裁定ニ於テ費用ノ全部又ハ一部ヲ鑛業權者ガ負擔スベキモノト定メタル場合ニ於テハ鑛業權者ハ使用權者ニ對シ當該鑛區ガ當該使用鑛區ニ該當スル區域(當該鑛區ガ砂鑛區ニ非ザル場合ニ於テ當該使用鑛區ガ石炭ニ在リテハ五萬坪、其ノ他ノ鑛物ニ在リテハ五千坪ニ滿タザルトキハ其ノ面積ニ達スル區域ニシテ當該使用鑛區ヲ含ムモノトス以下同ジ)ト其ノ他ノ區域ニ分割シ得ルトキハ分割ニ因リ設定シタル鑛業權ニシテ當該使用鑛區ニ該當スル區域ニ設定シタルモノヲ、分割ヲ爲シ得ザルトキハ當該鑛業權ヲ買取ルベキコトヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル裁定ハ其ノ效力ヲ失フ
前項ノ場合ニ於テ買取ノ條件ニ付協議調ハズ又ハ協議ヲ爲スコト能ハザルトキハ鑛業權者又ハ使用權者若ハ使用權者タリシ者ハ政府ノ裁定ヲ申請スルコトヲ得
第八條乃至第十一條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス但シ第十條第二項中裁定又ハ決定トアルハ第三項ノ規定ニ依ル買取請求及前項ノ規定ニ依ル裁定トス
第十七條ノ十九 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ政府ハ使用權ヲ取消スコトヲ得
一 使用權者第十七條ノ十一第二項(第十七條ノ十四第二項及第十七條ノ十五第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第十七條ノ十六第二項(第十七條ノ十七第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ條件ニ違反シタルトキ
二 使用權者登錄ノ日ヨリ六月以內ニ事業ニ著手セズ若ハ引續キ六月以上休業シタルトキ又ハ施業案ニ依ラズシテ採掘ヲ爲シタルトキ
三 使用權者第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル鑛業法第四十三條ノ三、第七十二條又ハ第七十四條ノ四第三項ノ命令ニ從ハザルトキ
四 使用權者他人ヲシテ使用權ヲ使用セシメタルトキ
五 第十七條ノ十六第一項ノ規定ニ依リ使用權ヲ取得シ若ハ使用鑛區ヲ增加シ又ハ第十七條ノ十七第一項ノ規定ニ依リ使用權ヲ讓受ケタル使用權者使用料ノ支拂ヲ一月以上遲滯シタル場合ニ於テ鑛業權者使用權ノ取消ヲ申請シタルトキ
六 政府重要鑛物ノ增產上使用權ノ存續ヲ適當ナラズト認ムルトキ
第十七條ノ二十 使用權消滅シタルトキハ鑛業權者ハ使用權者タリシ者ニ對シ其ノ者ガ使用權ノ行使ニ伴ヒ設置シタル事業設備ヲ時價ヲ以テ賣渡スベキコトヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ使用權者タリシ者ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十七條ノ二十一 第十七條ノ十三又ハ前條ノ承諾ヲ拒マレタル者又ハ其ノ承諾ヲ得ルコト能ハザル者ハ政府ノ裁定ヲ申請スルコトヲ得
前條ノ承諾ヲ拒マレタル者又ハ其ノ承諾ヲ得ルコト能ハザル者前項ノ規定ニ依ル裁定ヲ申請シタルトキハ使用權者タリシ者ハ其ノ申請ヲ拒否スル旨ノ裁定アル迄當該事業設備ニ付讓渡其ノ他ノ處分ヲ爲シ又ハ其ノ形質ヲ變更スルコトヲ得ズ但シ政府ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條ノ二十二 第二條、第三條及第十七條第二項、鑛業法第五條、第十二條、第十五條、第十六條、第三十八條、第三十九條、第四十九條、第七十二條乃至第七十四條ノ三、第七十四條ノ八乃至第七十四條ノ十五、第七十六條乃至第七十八條、第九十二條第一項乃至第三項及第九十三條竝ニ砂鑛法第五條ノ規定ハ使用權者ノ鑛業又ハ砂鑛業ニ關シ之ヲ準用ス但シ鑛業法第三十八條中主務大臣トアルハ政府トシ第七十四條第一項及第七十四條ノ二第一項中鑛業權消滅トアルハ鑛業權消滅ニ因リ使用權消滅トシ第七十四條ノ二第一項中鑛業權消滅ノ時トアルハ鑛業權消滅ニ因ル使用權消滅ノ時トシ第七十四條ノ二第二項中二以上ノ鑛區ノ鑛業權者トアルハ二以上ノ使用鑛區又ハ二以上ノ鑛區及使用鑛區ノ使用權者又ハ鑛業權者及使用權者トシ第七十四條ノ二第三項中鑛業權者其ノ鑛業權ヲ讓渡シタルトキハ損害發生ノ時ノ鑛業權者及其ノ後ノ鑛業權者トアルハ使用權ノ讓渡、設定又ハ消滅アリタルトキハ損害發生ノ時ノ使用權者又ハ鑛業權者及其ノ後ニ於ケル使用權者又ハ鑛業權者トシ第七十四條ノ三第二項中鑛業權ヲ讓受ケタル者トアルハ使用權讓渡ノ場合ニ在リテハ使用權ノ讓受人、使用權設定ノ場合ニ在リテハ使用權者、使用權消滅ノ場合ニ在リテハ鑛業權者トシ鑛業權者トアルハ鑛業權者又ハ使用權者トス
鑛業法第九條第二項本文前段、第十二條ノ二、第四十三條ノ三乃至第四十七條、第五十條乃至第七十條、第七十四條ノ四乃至第七十四條ノ七、第七十五條及第八十條乃至第八十條ノ四竝ニ砂鑛法第六條ノ規定ハ使用權者ノ鑛業ニ關シ之ヲ準用ス但シ第七十四條ノ六中鑛業權者其ノ鑛業權ヲ讓渡シトアルハ使用權者其ノ使用權ヲ讓渡シ又ハ消滅セシメトシ讓受人トアルハ讓受人又ハ鑛業權者トス
砂鑛法第十二條乃至第十八條及第二十三條第二項ノ規定ハ使用權者ノ砂鑛業ニ關シ之ヲ準用ス
使用權ノ設定アル場合ニ於テハ第二條及第三條、鑛業法第四十三條ノ三乃至第四十七條、第五十條乃至第七十條、第七十二條乃至第七十八條、第八十條乃至第八十條ノ四、第九十二條第一項乃至第三項及第九十三條竝ニ砂鑛法第五條、第六條、第十二條乃至第十七條及第二十三條第二項ノ規定ハ當該規定ガ使用權者ノ鑛業又ハ砂鑛業ニ關シ準用セラルル限度ニ於テ鑛業權者ノ鑛業又ハ砂鑛業ニ關シ之ヲ適用セズ
第十七條ノ二十三 工業勞働者最低年齡法、石油資源開發法及國民勞務手帳法中鑛業權者トアルハ使用權者ノ鑛業ニ關シテハ使用權者トス
第十七條ノ二十四 本法ニ規定スルモノノ外使用權ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條ノ二十五 鑛業權者使用權者ニ非ザル者ヲシテ鑛業權ヲ使用セシメタルトキハ政府ハ鑛業權ヲ取消スコトヲ得
第十八條中「鑛業權者」ノ下ニ「、使用權者、土地所有者又ハ關係人」ヲ加ヘ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
鑛業法若ハ砂鑛法ノ規定ニシテ使用權者ノ鑛業若ハ砂鑛業ニ關シ適用若ハ準用スベキモノニ依リ鑛業權者ノ鑛業若ハ砂鑛業ニ關シ爲シタル手續其ノ他ノ行爲又ハ當該規定ヲ使用權者ノ鑛業若ハ砂鑛業ニ關シ適用若ハ準用シタル場合ニ於テ當該規定ニ依リ爲シタル手續其ノ他ノ行爲ハ使用權ノ設定又ハ消滅ト共ニ使用權者又ハ鑛業權者ニ對シテモ其ノ效力ヲ有ス但シ鑛業權ノ消滅ニ因ル使用權ノ消滅ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十八條ノ二 主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法ニ依リ準用シタル鑛業法ニ依ル職權ノ一部ヲ鑛山監督局長ニ委任スルコトヲ得
第十九條ノ二 詐僞ノ行爲ヲ以テ使用權ヲ得タル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
過失ニ因リ使用鑛區外ニ侵掘シタル者ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
前二項ノ場合ニ於テハ其ノ掘採シタル鑛物ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第十九條ノ三 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第一條ノ二第一項ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ事業ニ著手シ又ハ休業シタル事業ヲ繼續シタル者
二 第一條ノ二第二項ノ條件ニ違反シタル者
三 第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル鑛業法第四十三條ノ三、第四十五條、第七十二條、第七十三條第一項若ハ第七十四條第一項又ハ砂鑛法第十六條ノ三第一項若ハ第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
四 第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル鑛業法第四十四條又ハ砂鑛法第十六條ノ三第二項若ハ第四項ノ規定ニ違反シタル者
五 第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル鑛業法第七十三條第二項ノ規定ニ基キテ管理者ノ職務ニ關シ發スル命令ニ違反シタル者
第二十條第一號中「第二條第一項」及「同條第二項」ノ下ニ「(第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同號ヲ第二號トシ同條第二號中「第二條第三項」ノ下ニ「(第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同號ヲ第三號トシ同條第三號中「第三條」ノ下ニ「(第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同號ヲ第四號トシ同條第四號中「第十四條第一項」ノ下ニ「(第十七條ノ十六及第十七條ノ十七ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同號ヲ第五號トシ同條第五號中「第十四條第二項」ノ下ニ「(第十七條ノ十六及第十七條ノ十七ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同號ヲ第六號トシ同條第六號ヲ第七號トシ同條第一號トシテ左ノ如ク加フ
一 第一條ノ三ノ規定ニ違反シ屆出ヲ怠リ又ハ虛僞ノ屆出ヲ爲シタル者
同條ニ左ノ一號ヲ加フ
八 第十七條ノ十六第四項又ハ第十七條ノ二十一第二項ノ規定ニ違反シ事業設備ノ形質ヲ變更シタル者
第二十條ノ二 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル鑛業法第四十六條、第四十七條又ハ第七十五條乃至第七十八條ノ規定ニ違反シタル者
二 第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル鑛業法第七十四條ノ四第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
三 第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル鑛業法第八十條ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル者
第二十一條第一號中「第十七條第一項」ノ下ニ「又ハ第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル鑛業法第十二條ノ二第一項若ハ砂鑛法第十八條第一項」ヲ、同條第二號中「第十七條第一項」ノ下ニ「又ハ第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル鑛業法第十二條ノ二第一項若ハ砂鑛法第十八條」ヲ、「檢査」ノ下ニ「、搜索又ハ差押」ヲ、同條第三號中「第十七條第二項」ノ下ニ「(第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同條ニ左ノ一號ヲ加フ
四 第十七條ノ二十二ニ於テ準用スル鑛業法第五十三條第一項ノ許可ヲ受ケズシテ障碍物ヲ除却シタル者
第二十二條中「第二十條又ハ前條第一號若ハ第三號」ヲ「第十九條ノ二乃至第二十條ノ二又ハ前條第一號、第三號若ハ第四號」ニ、「前二條ノ刑」ヲ「前五條ノ罰金刑」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ本法施行ノ爲ニ發スル命令ニ規定スル罰則ニ之ヲ準用ス
附則第二項中「五年間」ヲ「十年間」ニ改ム
附則第三項ヲ左ノ如ク改ム
本法中使用權ニ關スル規定(第十七條ノ七第二項ノ規定ヲ除ク)ハ前項ノ規定ニ拘ラズ同項ノ期間滿了ノ際現ニ存スル使用權ノ消滅スル時迄當該使用權ニ關シ仍其ノ效力ヲ有ス
前二項ノ規定ニ依ル本法ノ規定失效ノ際ニ於テ必要ナル經過規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ事業ヲ爲ス指定地域ニ於ケル指定鑛物ヲ目的トスル鑛業權者ニシテ昭和十七年十二月一日以後事業ニ著手シ若ハ休業シタル事業ヲ繼續シタルモノ若ハ其ノ承繼人タルモノ又ハ此等ノ者ノ承繼人本法施行後引續キ其ノ事業ヲ爲サントスルトキハ本法施行後三月以內ニ第一條ノ二第一項本文ノ規定ニ準ジ其ノ事業ノ繼續ニ付許可ヲ受クベシ
前項ノ規定ニ依リ許可ヲ受クベキ者ハ同項ノ規定ニ依ル許可ノ申請ヲ爲サザリシトキハ同項ノ期間滿了ノ日以後、同項ノ規定ニ依ル許可ノ申請ヲ爲シタル場合ニ於テ不許可ノ指令アリタルトキハ其ノ指令ノ日以後引續キ其ノ事業ヲ爲スコトヲ得ズ
第一條ノ二第一項但書及同條第二項ノ規定ハ第二項ノ場合ニ、第一條ノ四ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
本法施行ノ際現ニ事業ヲ爲ス指定地域ニ於ケル指定鑛物ヲ目的トスル鑛業權者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ屆出ヅベシ
第三項ノ規定ニ違反シ引續キ事業ヲ爲シタル者又ハ第四項ニ於テ準用スル第一條ノ二第二項ノ條件ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五項ノ規定ニ違反シ屆出ヲ怠リ又ハ虛僞ノ屆出ヲ爲シタル者ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十二條第一項ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル重要鉱物増産法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月八日
内閣総理大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
商工大臣 岸信介
内務大臣 湯沢三千男
法律第三十四号
重要鉱物増産法中左ノ通改正ス
第一条ノ二 政府ノ指定スル地域(以下指定地域ト称ス)ニ於ケル政府ノ指定スル鉱物(以下指定鉱物ト称ス)ヲ目的トスル鉱業権者事業ニ著手シ又ハ休業シタル事業ヲ継続セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ但シ第三条ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
政府必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ニ条件ヲ附スルコトヲ得
第一条ノ三 指定地域ニ於ケル指定鉱物ヲ目的トスル鉱業権者休業シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ届出ヅベシ
第一条ノ四 指定地域ニ於ケル指定鉱物ヲ目的トスル鉱業権者第一条ノ二第一項ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ事業ニ著手シ若ハ休業シタル事業ヲ継続シ又ハ同条第二項ノ条件ニ違反シタルトキハ政府ハ鉱業権ヲ取消スコトヲ得
第一条ノ五 指定地域ニ於ケル指定鉱物ヲ目的トスル試掘権ノ存続期間ハ進行ヲ停止スルモノトス
第一条ノ六 政府ハ期間、鉱物又ハ地域ヲ指定シテ鉱業又ハ砂鉱業ノ出願ヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得
第十二条第一項中「鉱業権ノ譲渡又ハ隣接鉱区トノ間ノ鉱区ノ増減ニ伴ヒ必要ナル」ヲ「重要鉱物ノ増産ヲ図ル為必要トスル」ニ改ム
第十七条ノ二 鉱業権ハ本法ノ定ムル所ニ従ヒ之ニ使用権ヲ設定スルコトヲ得
第十七条ノ三 使用権者ハ使用鉱区ニ於テ鉱物ヲ掘採シ及之ヲ取得スル権利ヲ有ス
第十七条ノ四 本法ニ規定シタル使用権者ノ権利義務ハ使用権ト共ニ移転ス
鉱業法若ハ砂鉱法ノ規定ニシテ使用権者ノ鉱業若ハ砂鉱業ニ関シ適用若ハ準用スベキモノニ依ル鉱業権者ノ権利義務又ハ当該規定ヲ使用権者ノ鉱業若ハ砂鉱業ニ関シ適用若ハ準用シタル場合ニ於ケル当該規定ニ依ル使用権者ノ権利義務ハ使用権ノ設定又ハ消滅ト共ニ使用権者又ハ鉱業権者ニ移転ス但シ鉱業権ノ消滅ニ因ル使用権ノ消滅ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七条ノ五 本法ニ於テ使用鉱区トハ使用権ノ登録ヲ得タル鉱区ノ区域ヲ謂フ
使用権ハ特定ノ鉱床ヲ目的トシテ之ヲ設定スルコトヲ得
同一ノ鉱区中同一ノ区域ニ於テハ二以上ノ使用権ヲ設定スルコトヲ得ズ但シ前項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七条ノ六 使用権ハ相続、譲渡、強制執行及滞納処分ノ目的タルノ外権利ノ目的タルコトヲ得ズ
第十七条ノ七 使用権ノ存続ハ一定期間ヲ限ルモノトス
前項ノ期間ハ之ヲ更新スルコトヲ得
第十七条ノ八 左ニ掲グル事項ハ之ヲ鉱業原簿ニ登録ス
一 使用権ノ設定、変更、移転、消滅及処分ノ制限
二 第十七条ノ十一第二項(第十七条ノ十四第二項及第十七条ノ十五第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第十七条ノ十六第二項(第十七条ノ十七第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ条件中命令ヲ以テ定ムルモノ及其ノ消滅
前項ノ登録ハ登記ニ代ルモノトス
登録ニ関スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七条ノ九 前条第一項ニ掲グル事項ハ相続及鉱業権消滅又ハ存続期間満了ニ因ル使用権ノ消滅ノ場合ヲ除クノ外登録ヲ為スニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第十七条ノ十 使用権ハ其ノ登録前当該鉱業権ニ付登録ヲ為シ又ハ当該鉱業権ノ属スル鉱業財団ニ付登記ヲ為シタル抵当権者ニ対シテモ其ノ効力ヲ生ズ
前項ノ抵当権アルトキハ使用権者ハ鉱業権者ニ対シ支払フベキ使用料ヲ供託スルコトヲ要ス但シ抵当権者ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ場合ニ於テハ抵当権者ハ供託金ニ対シテモ其ノ権利ヲ行フコトヲ得
第十七条ノ十一 使用権ヲ設定セントスル場合ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ場合ニ於テ政府必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ニ条件ヲ附スルコトヲ得
第十七条ノ十二 鉱業権者使用鉱区ニ該当スル部分ニ付鉱区ノ分合、減区又ハ増減区ヲ出願セントスルトキハ使用権者ノ承諾ヲ受クベシ
第十七条ノ十三 使用料ガ鉱産物ノ価格ノ変動其ノ他ノ事由ニ因リ著シク不相当ト為リタルトキハ当事者ハ将来ニ向テ其ノ増減ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ相手方ハ正当ノ理由ナクシテ其ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十七条ノ十四 使用鉱区ハ之ヲ増減スルコトヲ得
第十七条ノ十一ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第十七条ノ十五 使用権ノ移転(相続ニ因ル場合ヲ除ク)又ハ存続期間満了前ノ使用権消滅ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
第十七条ノ十一第二項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル使用権ノ移転ノ許可ニ之ヲ準用ス
第十七条ノ十六 第四条、第五条、第七条及第十三条乃至第十五条ノ規定ハ使用権ノ設定、使用鉱区ノ増減及使用権ノ行使ニ伴ヒ必要ナル事業設備ノ使用ニ之ヲ準用ス但シ第七条中対価トアルハ使用料トス
政府必要アリト認ムルトキハ前項ニ於テ準用スル第四条第二項ノ規定ニ依ル裁定又ハ第五条第二項ノ規定ニ依ル決定ニ条件ヲ附スルコトヲ得
政府第一項ニ於テ準用スル第四条第二項ノ規定ニ依リ裁定ヲ為シタルトキ又ハ第一項ニ於テ準用スル第五条第二項ノ規定ニ依リ決定ヲ為シタルトキハ使用権ノ設定又ハ変更ノ登録ヲ為ス
第一項ニ於テ準用スル第四条第二項ノ規定ニ依ル申請アリタルトキ又ハ第一項ニ於テ準用スル第五条第一項ノ規定ニ依ル命令アリタルトキハ当該鉱業権者ハ其ノ申請ヲ拒否スル旨ノ裁定、前項ノ規定ニ依ル登録又ハ当該事業設備ノ引渡アル迄当該鉱業権ヲ譲渡シ、当該鉱区ノ分合、減区若ハ増減区ノ出願ヲ為シ又ハ当該事業設備ニ付譲渡其ノ他ノ処分ヲ為シ若ハ其ノ形質ヲ変更スルコトヲ得ズ但シ政府ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第一項ノ規定ニ依ル事業設備ノ使用ハ其ノ引渡アリタルトキハ爾後其ノ事業設備ニ付物権ヲ取得シタル者ニ対シ其ノ効力ヲ生ズ
第十七条ノ十七 第四条、第五条、第七条、第九条第一項第一号、第十条、第十一条第一項及第二項前段、第十三条乃至第十五条並ニ前条第二項ノ規定ハ使用権ノ譲渡ニ之ヲ準用ス
前項ニ於テ準用スル第四条第二項ノ規定ニ依ル申請アリタルトキ又ハ前項ニ於テ準用スル第五条第一項ノ規定ニ依ル命令アリタルトキハ当該鉱業権者又ハ当該使用権者ハ其ノ申請ヲ拒否スル旨ノ裁定アル迄、前項ニ於テ準用スル第十条第二項ノ規定ニ依リ裁定若ハ決定ガ其ノ効力ヲ失フ時期迄又ハ使用権ノ移転ノ登録アル迄当該鉱業権若ハ当該使用権ヲ譲渡シ又ハ当該鉱区若ハ当該使用鉱区ノ分合、減区若ハ増減区ノ出願ヲ為スコトヲ得ズ
第十七条ノ十八 使用権者使用権ノ存続期間ヲ超エテ存続スベキ事業設備ヲ設置セントスルトキハ其ノ費用ノ負担方法ニ付鉱業権者ト協議スルコトヲ得
前項ノ協議調ハズ又ハ協議ヲ為スコト能ハザルトキハ使用権者ハ政府ノ裁定ヲ申請スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル裁定ニ於テ費用ノ全部又ハ一部ヲ鉱業権者ガ負担スベキモノト定メタル場合ニ於テハ鉱業権者ハ使用権者ニ対シ当該鉱区ガ当該使用鉱区ニ該当スル区域(当該鉱区ガ砂鉱区ニ非ザル場合ニ於テ当該使用鉱区ガ石炭ニ在リテハ五万坪、其ノ他ノ鉱物ニ在リテハ五千坪ニ満タザルトキハ其ノ面積ニ達スル区域ニシテ当該使用鉱区ヲ含ムモノトス以下同ジ)ト其ノ他ノ区域ニ分割シ得ルトキハ分割ニ因リ設定シタル鉱業権ニシテ当該使用鉱区ニ該当スル区域ニ設定シタルモノヲ、分割ヲ為シ得ザルトキハ当該鉱業権ヲ買取ルベキコトヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル裁定ハ其ノ効力ヲ失フ
前項ノ場合ニ於テ買取ノ条件ニ付協議調ハズ又ハ協議ヲ為スコト能ハザルトキハ鉱業権者又ハ使用権者若ハ使用権者タリシ者ハ政府ノ裁定ヲ申請スルコトヲ得
第八条乃至第十一条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス但シ第十条第二項中裁定又ハ決定トアルハ第三項ノ規定ニ依ル買取請求及前項ノ規定ニ依ル裁定トス
第十七条ノ十九 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ政府ハ使用権ヲ取消スコトヲ得
一 使用権者第十七条ノ十一第二項(第十七条ノ十四第二項及第十七条ノ十五第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第十七条ノ十六第二項(第十七条ノ十七第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ条件ニ違反シタルトキ
二 使用権者登録ノ日ヨリ六月以内ニ事業ニ著手セズ若ハ引続キ六月以上休業シタルトキ又ハ施業案ニ依ラズシテ採掘ヲ為シタルトキ
三 使用権者第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル鉱業法第四十三条ノ三、第七十二条又ハ第七十四条ノ四第三項ノ命令ニ従ハザルトキ
四 使用権者他人ヲシテ使用権ヲ使用セシメタルトキ
五 第十七条ノ十六第一項ノ規定ニ依リ使用権ヲ取得シ若ハ使用鉱区ヲ増加シ又ハ第十七条ノ十七第一項ノ規定ニ依リ使用権ヲ譲受ケタル使用権者使用料ノ支払ヲ一月以上遅滞シタル場合ニ於テ鉱業権者使用権ノ取消ヲ申請シタルトキ
六 政府重要鉱物ノ増産上使用権ノ存続ヲ適当ナラズト認ムルトキ
第十七条ノ二十 使用権消滅シタルトキハ鉱業権者ハ使用権者タリシ者ニ対シ其ノ者ガ使用権ノ行使ニ伴ヒ設置シタル事業設備ヲ時価ヲ以テ売渡スベキコトヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ使用権者タリシ者ハ正当ノ理由ナクシテ其ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十七条ノ二十一 第十七条ノ十三又ハ前条ノ承諾ヲ拒マレタル者又ハ其ノ承諾ヲ得ルコト能ハザル者ハ政府ノ裁定ヲ申請スルコトヲ得
前条ノ承諾ヲ拒マレタル者又ハ其ノ承諾ヲ得ルコト能ハザル者前項ノ規定ニ依ル裁定ヲ申請シタルトキハ使用権者タリシ者ハ其ノ申請ヲ拒否スル旨ノ裁定アル迄当該事業設備ニ付譲渡其ノ他ノ処分ヲ為シ又ハ其ノ形質ヲ変更スルコトヲ得ズ但シ政府ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七条ノ二十二 第二条、第三条及第十七条第二項、鉱業法第五条、第十二条、第十五条、第十六条、第三十八条、第三十九条、第四十九条、第七十二条乃至第七十四条ノ三、第七十四条ノ八乃至第七十四条ノ十五、第七十六条乃至第七十八条、第九十二条第一項乃至第三項及第九十三条並ニ砂鉱法第五条ノ規定ハ使用権者ノ鉱業又ハ砂鉱業ニ関シ之ヲ準用ス但シ鉱業法第三十八条中主務大臣トアルハ政府トシ第七十四条第一項及第七十四条ノ二第一項中鉱業権消滅トアルハ鉱業権消滅ニ因リ使用権消滅トシ第七十四条ノ二第一項中鉱業権消滅ノ時トアルハ鉱業権消滅ニ因ル使用権消滅ノ時トシ第七十四条ノ二第二項中二以上ノ鉱区ノ鉱業権者トアルハ二以上ノ使用鉱区又ハ二以上ノ鉱区及使用鉱区ノ使用権者又ハ鉱業権者及使用権者トシ第七十四条ノ二第三項中鉱業権者其ノ鉱業権ヲ譲渡シタルトキハ損害発生ノ時ノ鉱業権者及其ノ後ノ鉱業権者トアルハ使用権ノ譲渡、設定又ハ消滅アリタルトキハ損害発生ノ時ノ使用権者又ハ鉱業権者及其ノ後ニ於ケル使用権者又ハ鉱業権者トシ第七十四条ノ三第二項中鉱業権ヲ譲受ケタル者トアルハ使用権譲渡ノ場合ニ在リテハ使用権ノ譲受人、使用権設定ノ場合ニ在リテハ使用権者、使用権消滅ノ場合ニ在リテハ鉱業権者トシ鉱業権者トアルハ鉱業権者又ハ使用権者トス
鉱業法第九条第二項本文前段、第十二条ノ二、第四十三条ノ三乃至第四十七条、第五十条乃至第七十条、第七十四条ノ四乃至第七十四条ノ七、第七十五条及第八十条乃至第八十条ノ四並ニ砂鉱法第六条ノ規定ハ使用権者ノ鉱業ニ関シ之ヲ準用ス但シ第七十四条ノ六中鉱業権者其ノ鉱業権ヲ譲渡シトアルハ使用権者其ノ使用権ヲ譲渡シ又ハ消滅セシメトシ譲受人トアルハ譲受人又ハ鉱業権者トス
砂鉱法第十二条乃至第十八条及第二十三条第二項ノ規定ハ使用権者ノ砂鉱業ニ関シ之ヲ準用ス
使用権ノ設定アル場合ニ於テハ第二条及第三条、鉱業法第四十三条ノ三乃至第四十七条、第五十条乃至第七十条、第七十二条乃至第七十八条、第八十条乃至第八十条ノ四、第九十二条第一項乃至第三項及第九十三条並ニ砂鉱法第五条、第六条、第十二条乃至第十七条及第二十三条第二項ノ規定ハ当該規定ガ使用権者ノ鉱業又ハ砂鉱業ニ関シ準用セラルル限度ニ於テ鉱業権者ノ鉱業又ハ砂鉱業ニ関シ之ヲ適用セズ
第十七条ノ二十三 工業労働者最低年齢法、石油資源開発法及国民労務手帳法中鉱業権者トアルハ使用権者ノ鉱業ニ関シテハ使用権者トス
第十七条ノ二十四 本法ニ規定スルモノノ外使用権ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七条ノ二十五 鉱業権者使用権者ニ非ザル者ヲシテ鉱業権ヲ使用セシメタルトキハ政府ハ鉱業権ヲ取消スコトヲ得
第十八条中「鉱業権者」ノ下ニ「、使用権者、土地所有者又ハ関係人」ヲ加ヘ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
鉱業法若ハ砂鉱法ノ規定ニシテ使用権者ノ鉱業若ハ砂鉱業ニ関シ適用若ハ準用スベキモノニ依リ鉱業権者ノ鉱業若ハ砂鉱業ニ関シ為シタル手続其ノ他ノ行為又ハ当該規定ヲ使用権者ノ鉱業若ハ砂鉱業ニ関シ適用若ハ準用シタル場合ニ於テ当該規定ニ依リ為シタル手続其ノ他ノ行為ハ使用権ノ設定又ハ消滅ト共ニ使用権者又ハ鉱業権者ニ対シテモ其ノ効力ヲ有ス但シ鉱業権ノ消滅ニ因ル使用権ノ消滅ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十八条ノ二 主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法ニ依リ準用シタル鉱業法ニ依ル職権ノ一部ヲ鉱山監督局長ニ委任スルコトヲ得
第十九条ノ二 詐偽ノ行為ヲ以テ使用権ヲ得タル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
過失ニ因リ使用鉱区外ニ侵掘シタル者ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
前二項ノ場合ニ於テハ其ノ掘採シタル鉱物ヲ没収ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス
第十九条ノ三 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
一 第一条ノ二第一項ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ事業ニ著手シ又ハ休業シタル事業ヲ継続シタル者
二 第一条ノ二第二項ノ条件ニ違反シタル者
三 第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル鉱業法第四十三条ノ三、第四十五条、第七十二条、第七十三条第一項若ハ第七十四条第一項又ハ砂鉱法第十六条ノ三第一項若ハ第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
四 第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル鉱業法第四十四条又ハ砂鉱法第十六条ノ三第二項若ハ第四項ノ規定ニ違反シタル者
五 第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル鉱業法第七十三条第二項ノ規定ニ基キテ管理者ノ職務ニ関シ発スル命令ニ違反シタル者
第二十条第一号中「第二条第一項」及「同条第二項」ノ下ニ「(第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同号ヲ第二号トシ同条第二号中「第二条第三項」ノ下ニ「(第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同号ヲ第三号トシ同条第三号中「第三条」ノ下ニ「(第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同号ヲ第四号トシ同条第四号中「第十四条第一項」ノ下ニ「(第十七条ノ十六及第十七条ノ十七ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同号ヲ第五号トシ同条第五号中「第十四条第二項」ノ下ニ「(第十七条ノ十六及第十七条ノ十七ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同号ヲ第六号トシ同条第六号ヲ第七号トシ同条第一号トシテ左ノ如ク加フ
一 第一条ノ三ノ規定ニ違反シ届出ヲ怠リ又ハ虚偽ノ届出ヲ為シタル者
同条ニ左ノ一号ヲ加フ
八 第十七条ノ十六第四項又ハ第十七条ノ二十一第二項ノ規定ニ違反シ事業設備ノ形質ヲ変更シタル者
第二十条ノ二 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
一 第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル鉱業法第四十六条、第四十七条又ハ第七十五条乃至第七十八条ノ規定ニ違反シタル者
二 第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル鉱業法第七十四条ノ四第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
三 第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル鉱業法第八十条ノ規定ニ基キテ発スル命令ニ違反シタル者
第二十一条第一号中「第十七条第一項」ノ下ニ「又ハ第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル鉱業法第十二条ノ二第一項若ハ砂鉱法第十八条第一項」ヲ、同条第二号中「第十七条第一項」ノ下ニ「又ハ第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル鉱業法第十二条ノ二第一項若ハ砂鉱法第十八条」ヲ、「検査」ノ下ニ「、捜索又ハ差押」ヲ、同条第三号中「第十七条第二項」ノ下ニ「(第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加ヘ同条ニ左ノ一号ヲ加フ
四 第十七条ノ二十二ニ於テ準用スル鉱業法第五十三条第一項ノ許可ヲ受ケズシテ障碍物ヲ除却シタル者
第二十二条中「第二十条又ハ前条第一号若ハ第三号」ヲ「第十九条ノ二乃至第二十条ノ二又ハ前条第一号、第三号若ハ第四号」ニ、「前二条ノ刑」ヲ「前五条ノ罰金刑」ニ改メ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ本法ニ基キテ発スル命令又ハ本法施行ノ為ニ発スル命令ニ規定スル罰則ニ之ヲ準用ス
附則第二項中「五年間」ヲ「十年間」ニ改ム
附則第三項ヲ左ノ如ク改ム
本法中使用権ニ関スル規定(第十七条ノ七第二項ノ規定ヲ除ク)ハ前項ノ規定ニ拘ラズ同項ノ期間満了ノ際現ニ存スル使用権ノ消滅スル時迄当該使用権ニ関シ仍其ノ効力ヲ有ス
前二項ノ規定ニ依ル本法ノ規定失効ノ際ニ於テ必要ナル経過規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ事業ヲ為ス指定地域ニ於ケル指定鉱物ヲ目的トスル鉱業権者ニシテ昭和十七年十二月一日以後事業ニ著手シ若ハ休業シタル事業ヲ継続シタルモノ若ハ其ノ承継人タルモノ又ハ此等ノ者ノ承継人本法施行後引続キ其ノ事業ヲ為サントスルトキハ本法施行後三月以内ニ第一条ノ二第一項本文ノ規定ニ準ジ其ノ事業ノ継続ニ付許可ヲ受クベシ
前項ノ規定ニ依リ許可ヲ受クベキ者ハ同項ノ規定ニ依ル許可ノ申請ヲ為サザリシトキハ同項ノ期間満了ノ日以後、同項ノ規定ニ依ル許可ノ申請ヲ為シタル場合ニ於テ不許可ノ指令アリタルトキハ其ノ指令ノ日以後引続キ其ノ事業ヲ為スコトヲ得ズ
第一条ノ二第一項但書及同条第二項ノ規定ハ第二項ノ場合ニ、第一条ノ四ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
本法施行ノ際現ニ事業ヲ為ス指定地域ニ於ケル指定鉱物ヲ目的トスル鉱業権者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ届出ヅベシ
第三項ノ規定ニ違反シ引続キ事業ヲ為シタル者又ハ第四項ニ於テ準用スル第一条ノ二第二項ノ条件ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
第五項ノ規定ニ違反シ届出ヲ怠リ又ハ虚偽ノ届出ヲ為シタル者ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
第二十二条第一項ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス