第一條 市町村又ハ產業組合中央金庫ハ負債整理事業ヲ助成スル爲必要アリト認ムルトキハ負債整理組合又ハ農村負債整理組合法第八條ノ規定ニ依リ負債整理事業ヲ行フ法人ニ對シ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ特別融通ヲ爲スコトヲ得
產業組合中央金庫ノ爲ス前項ノ特別融通ハ所屬信用組合ガ農村負債整理組合法第八條ノ規定ニ依リ負債整理事業ヲ行フ場合又ハ所屬信用組合ガ其ノ組合員タル負債整理組合若ハ農村負債整理組合法第八條ノ規定ニ依リ負債整理事業ヲ行フ法人ニ對シ負債整理資金ヲ融通スル場合ニ於テ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ信用組合ニ對シ之ヲ爲スモノトス
日本勸業銀行、農工銀行又ハ北海道拓殖銀行(以下融資銀行ト稱ス)ハ負債整理組合ノ組合員、農村負債整理組合法第八條ノ規定ニ依リ負債整理事業ヲ行フ法人ノ組織者又ハ命令ノ定ムル所ニ依リ負債ノ整理ヲ爲ス者ニ對シ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ特別融通ヲ爲スコトヲ得
第二條 市町村、產業組合中央金庫又ハ融資銀行ガ前條ノ規定ニ依リ特別融通ヲ爲スコトヲ得ル期間ハ本法施行ノ日ヨリ十年間トシ其ノ融通ノ期限ハ本法施行ノ日ヨリ二十五年ヲ超ユルコトヲ得ズ
第三條 融資銀行ガ第一條ノ規定ニ依ル特別融通ヲ爲ス場合ニ於ケル貸付金額ハ日本勸業銀行法第十八條又ハ農工銀行法第十條ノ規定ニ拘ラズ其ノ擔保タル不動產ニ付鑑定シタル價格以內トス
第四條 產業組合中央金庫特別融通及損失補償法第三條及第四條ノ規定ハ產業組合中央金庫ガ第一條ノ規定ニ依ル特別融通ヲ爲ス場合ニ、不動產融資及損失補償法第四條及第五條ノ規定ハ融資銀行ガ第一條ノ規定ニ依ル特別融通ヲ爲ス場合ニ之ヲ準用ス
第五條 北海道府縣ハ第一條ノ規定ニ依ル特別融通ヲ爲スニ因リ市町村ガ損失ヲ受ケタルトキ之ニ對シ其ノ特別融通總額ノ十分ノ三以內ノ金額(市町村ニ對スル損失補償金)ヲ補償スルノ契約ヲ爲スコトヲ得
政府ハ前項ノ損失補償ノ契約ニ基キ北海道府縣ガ損失補償ヲ爲シタルトキ之ニ對シ其ノ市町村ニ對スル損失補償金ノ三分ノ二ニ相當スル金額ヲ補給スルノ契約ヲ爲スコトヲ得
第一項ノ規定ニ依リ北海道府縣ガ市町村ニ對シテ爲ス損失補償ノ契約ニ於テハ北海道府縣ノ市町村ニ對スル損失補償金中其ノ六分ノ一ニ相當スル金額ヲ當該市町村ニ於テ負擔スベキ旨ヲ定ムベシ但シ特別ノ事由アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ市町村ノ負擔スベキ金額ノ割合ニ付別段ノ定ヲ爲シ又ハ市町村ヲシテ負擔ヲ爲サシメザルコトヲ得
第六條 政府ハ第一條ノ規定ニ依ル特別融通ヲ爲スニ因リ產業組合中央金庫又ハ融資銀行ガ損失ヲ受ケタルトキハ產業組合中央金庫ニ對シテハ其ノ特別融通總額ノ十分ノ三以內、融資銀行ニ對シテハ其ノ特別融通總額ノ十分ノ二以內ノ金額ヲ補償スルノ契約ヲ爲スコトヲ得
第七條 第五條第一項及前條ノ損失ヲ決定スル基準ハ主務大臣大藏大臣ニ協議シテ之ヲ定ム
第八條 第五條第二項及第六條ノ規定ニ依ル政府ノ補給金及補償金ノ總額ハ一億二千萬圓ヲ超ユルコトヲ得ズ
第九條 第一條ノ規定ニ依ル特別融通ヲ爲シタルニ因リ市町村、產業組合中央金庫又ハ融資銀行ノ受ケタル損失及其ノ額ハ負債整理資金特別融通損失審查會之ヲ決定ス
負債整理資金特別融通損失審查會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十條 第五條第二項及第六條ノ契約ニ基キ政府ガ北海道府縣、產業組合中央金庫及融資銀行ニ對シ支拂フベキ補給金又ハ補償金ハ國債證券ヲ以テ之ヲ交付スルコトヲ得
第十一條 政府ハ前條ノ規定ニ依リ交付スル爲必要ナル額ヲ限度トシ公債ヲ發行スルコトヲ得
第十二條 本法ニ依リ交付スル國債證券ノ交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之ヲ定ム
第十三條 本法中町村トアルハ町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ之ニ準ズベキモノトス