退職積立金及退職手当法施行令
法令番号: 勅令第四百十四號
公布年月日: 昭和11年11月30日
法令の形式: 勅令
朕退職積立金及退職手當法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年十一月二十八日
內閣總理大臣 廣田弘毅
大藏大臣 馬場鍈一
內務大臣 潮惠之輔
遞信大臣 賴母木桂吉
商工大臣 小川鄕太郞
勅令第四百十四號
退職積立金及退職手當法施行令
第一章 總則
第一條 退職積立金及退職手當法ノ賃金ノ範圍ハ常時又ハ定期ニ受クル給與其ノ他ノ利益トス但シ左ニ揭グルモノヲ除ク
一 三月ヲ超ユル期間每ニ支給スル賞與又ハ手當
二 通勤手當
三 住居ニ關スル利益又ハ住宅料ニシテ賃金ノ額ノ決定ニ影響ナキモノ
四 其ノ他內務大臣ノ指定スルモノ
賃金ノ全部又ハ一部ガ金錢以外ノ給與其ノ他ノ利益ナル場合ニ於テハ其ノ價額ハ健康保險法施行令第二條第一項及第二項ノ規定ニ依リ定ムル標準價格ニ依リ之ヲ算定ス但シ同條第三項ノ規定ニ依リ別段ノ定ヲ爲シタル健康保險組合ノ被保險者タル勞働者ニ付テハ其ノ定ニ依リ之ヲ算定ス
第二條 退職積立金及退職手當法又ハ同法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ依リ一定ノ期間中ノ賃金ノ計算ヲ爲ス場合ニ於テハ其ノ期間中ニ支拂ハルベキ賃金ニ依リ之ヲ爲スモノトス
事業主行政官廳ノ許可ヲ受ケタルトキハ勞働者ノ各一月ノ賃金ハ前項ノ規定ニ拘ラズ健康保險法施行令第三條乃至第五條ノ規定ニ依リ被保險者ノ標準報酬日額ヲ定ムル方法ニ依リ當該勞働者ニ付算定シタル金額ノ三十倍ト爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テ一月中當該勞働者ニ支拂ハルベキ賃金ナキトキハ其ノ一月ニ於ケル其ノ者ノ賃金ハ之ヲナキモノト爲スコトヲ得
行政官廳必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第三條 退職積立金及退職手當法ノ標準賃金ハ健康保險法施行令第三條乃至第五條ノ規定ニ依リ被保險者ノ標準報酬日額ヲ定ムル方法ニ依リ算定シタル金額トス
前項ノ規定ニ依ル金額ガ負傷、疾病、老衰其ノ他ノ事由ニ因リ從前ニ比シ著シク低額ナルトキハ前項ノ規定ニ拘ラズ從前ノ標準報酬日額其ノ他ヲ斟酌シテ事業主適當ナル金額ヲ定ムベシ
第四條 退職積立金及退職手當法第八條ノ賃金ハ左ノ各號ノ金額ノ合算額トス
一 退職積立金及退職手當法第八條ノ期間ノ末日ニ於ケル勞働者ノ其ノ期間中ノ賃金
二 退職積立金及退職手當法第八條ノ期間中ニ退職(解雇及死亡ヲ含ム以下之ニ同ジ)其ノ他ノ事由ニ因リ同法ノ適用ヲ受ケザルニ至リタル勞働者ノ賃金ニシテ退職手當積立金及準備積立金ノ積立ノ基準ト爲シタル金額
第五條 道府縣又ハ道府縣ト勞働者トノ出捐ニ係ル組合ガ退職積立金及退職手當法ニ準ズル退職積立金又ハ退職手當ニ關スル規程ヲ有スル場合ニ於テハ道府縣ハ同法第十一條ニ規定スル退職積立金若ハ同法第十六條及第十七條ニ規定スル退職手當積立金ノ積立ヲ爲サズ又ハ同法第十一條若ハ第十六條及第十七條ニ規定スル率ト異ナル率ノ積立ヲ爲スコトヲ得
市町村其ノ他之ニ準ズベキモノ又ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノト勞働者トノ出捐ニ係ル組合ガ退職積立金及退職手當法ニ準ズル退職積立金又ハ退職手當ニ關スル規程ヲ有スル場合ニ於テ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノ行政官廳ノ許可ヲ受ケタルトキ亦前項ニ同ジ
行政官廳必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第六條 事業主ハ退職積立金、退職手當積立金及準備積立金竝ニ退職手當ニ關シ計算ヲ爲ス場合ニ於テ一錢未滿ノ端數アルトキハ之ヲ切捨ツルモノトス
第七條 本令中行政官廳トアルハ工場法ノ適用ヲ受クル工場ニ在リテハ地方長官(東京府ニ在リテハ警視總監以下之ニ同ジ)、鑛業法ノ適用ヲ受クル事業ニ在リテハ鑛山監督局長トス
第二章 退職積立金
第八條 退職積立金トシテ積立ツベキ金額ノ計算ハ豫メ事業主ノ定メタル一月以內ノ一定ノ期間中ノ賃金ニ依リ之ヲ爲スモノトス
事業主ハ退職積立金トシテ積立ツベキ金額ヲ前項ノ期間每ニ其ノ期間中ノ賃金ヨリ控除スベシ但シ其ノ期間中ノ賃金ヨリ控除スルコト能ハザルトキハ其ノ次ノ期間中ノ賃金ヨリ控除スルコトヲ得
第九條 退職積立金ノ積立ハ前條第二項ノ規定ニ依ル控除ノ都度遲滯ナク之ヲ爲スベシ但シ行政官廳ノ許可ヲ受ケタルトキハ一定ノ時期ニ取纏メ積立ヲ爲スコトヲ得
行政官廳必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第十條 退職積立金ノ積立ハ事業主行政官廳ノ許可ヲ受ケ勞働者ノ他ノ財產ト分別シテ郵便貯金、銀行ヘノ預金、金錢信託、登錄國債其ノ他確實ナル方法ニ依リ之ヲ爲スベシ
行政官廳必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ヲ取消シ又ハ積立ノ方法ヲ指定スルコトヲ得
郵便貯金、銀行ヘノ預金又ハ金錢信託ノ方法ニ依リ退職積立金ノ積立ヲ爲ス場合ニ於テハ其ノ支拂ニ付事業主ノ證明ヲ必要トスル方法ニ依リ之ヲ爲シ通帳又ハ證書ハ事業主之ヲ保管スベシ
登錄國債ノ方法ニ依リ退職積立金ノ積立ヲ爲ス場合ニ於テハ登錄ノ變更又ハ除却等其ノ登錄國債ニ關スル請求ハ事業主之ヲ爲シ其ノ登錄國債ノ元利金ノ支拂又ハ登錄除却ノ場合ニ於ケル證券ノ引渡ハ日本銀行之ヲ事業主ニ爲スベシ
第十一條 退職積立金ノ積立ハ郵便貯金、銀行ヘノ預金又ハ金錢信託ノ方法ニ依ル場合ニ在リテハ通帳又ハ證書ニ退職積立金タルコトノ表示ヲ爲スコトヲ以テ、登錄國債ノ方法ニ依ル場合ニ在リテハ甲種國債登錄簿ニ退職積立金タル旨ノ記載ヲ爲スコトヲ以テ之ヲ爲ス
郵便貯金、銀行ヘノ預金又ハ金錢信託ノ方法ニ依ル退職積立金ノ積立ニ付テハ郵便官署、銀行又ハ信託會社其ノ受入又ハ引受ヲ爲シタルトキハ事業主ノ請求ニ依リ通帳又ハ證書ニ退職積立金タルコトノ表示ヲ爲シ尙貯金原簿又ハ之ニ準ズベキ帳簿ニ退職積立金タル旨ノ記載ヲ爲スベシ
登錄國債ノ方法ニ依ル退職積立金ノ積立ニ付テハ日本銀行ハ事業主ノ請求ニ依リ甲種國債登錄簿ニ退職積立金タル旨ノ記載ヲ爲スベシ
第十二條 勞働者退職其ノ他ノ事由ニ因リ退職積立金及退職手當法ノ適用ヲ受ケザルニ至リタル場合ニ於テハ事業主ハ勞働者ガ退職積立金ノ支拂ヲ受クルニ必要ナル事業主ノ爲スベキ手續ヲ遲滯ナク完了スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ事業主ハ退職積立金ニ關スル表示又ハ記載ノ抹消ヲ請求スベシ
第十三條 事業主ハ勞働者退職其ノ他ノ事由ニ因リ退職積立金及退職手當法ノ適用ヲ受ケザルニ至リタル場合ニ於テ其ノ勞働者ノ賃金ヨリ控除シタル金額ニシテ積立ヲ爲サザルモノアルトキハ之ヲ支拂フベシ
第三章 退職手當
第十四條 事業主ハ退職積立金及退職手當法第十六條ノ規定ニ依ル退職手當積立金ノ積立ニ關スル計算ノ期間ヲ定メ豫メ行政官廳ニ屆出ヅベシ
行政官廳必要アリト認ムルトキハ前項ノ計算ノ期間ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第十五條 退職積立金及退職手當法第十六條及第十七條ノ規定ニ依リ積立ツベキ退職手當積立金ノ計算ハ其ノ計算ノ期間中ニ於ケル退職積立金ノ計算ノ期間每ニ勞働者別ニ之ヲ爲スコトヲ得
第十六條 退職積立金及退職手當法第十七條ノ規定ニ依ル退職手當積立金ノ積立ニ關スル計算ノ期間ハ法人タル事業主ニ在リテハ事業年度、個人タル事業主ニ在リテハ曆年トス
第十七條 退職積立金及退職手當法第十七條ノ規定ニ依リ積立ツベキ退職手當積立金ノ額ハ左ノ各號ヲ標準トスルモノトス
一 法人タル事業主ニ在リテハ事業年度ニ於ケル利益配當金額ヲ拂込株金額又ハ出資金額ニ依リ除シタル割合ガ年百分ノ五ヲ超エ年百分ノ七・五以內ナルトキハ賃金ノ百分ノ一、年百分ノ七・五ヲ超エ年百分ノ十以內ナルトキハ賃金ノ百分ノ二、年百分ノ十ヲ超ユルトキハ賃金ノ百分ノ三ニ相當スル金額但シ利益配當金額ガ拂込株金額又ハ出資金額ノ年百分ノ五ノ割合ヲ超ユル金額ノ十分ノ一ヲ限度トスルコトヲ得
二 個人タル事業主ニ在リテハ曆年ニ於ケル事業ノ純益金額ガ一萬圓ヲ超エ二萬圓以內ナルトキハ賃金ノ百分ノ一、二萬圓ヲ超エ三萬圓以內ナルトキハ賃金ノ百分ノ二、三萬圓ヲ超ユルトキハ賃金ノ百分ノ三ニ相當スル金額但シ純益金額ノ百分ノ六十ガ六千圓ヲ超ユル金額ノ十分ノ一ヲ限度トスルコトヲ得
前項ノ事業年度ハ當該事業年度又ハ直前ノ事業年度、曆年ハ當該曆年又ハ直前ノ曆年トシ事業主ノ選擇スル所ニ依ル但シ選擇シタル事業年度又ハ曆年ハ勞働者ノ不利益ニ之ヲ變更スルコトヲ得ズ
行政官廳事業主ノ爲シタル利益配當金額、純益金額又ハ積立ノ金額ノ算定不當ナリト認ムルトキハ積立ノ金額ヲ更正シテ認可スルコトヲ得
詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ因リ認可ヲ受ケタル者ニ對シテハ行政官廳ハ其ノ認可シタル金額ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第十八條 第十一條ノ規定ハ退職手當積立金及準備積立金ニ之ヲ準用ス
第十九條 郵便貯金、銀行ヘノ預金、金錢信託又ハ登錄國債ノ方法ニ依リ積立ヲ爲シタル退職手當積立金又ハ準備積立金ガ退職手當積立金又ハ準備積立金タラザルニ至リタルトキハ事業主ハ退職手當積立金又ハ準備積立金ニ關スル表示又ハ記載ノ抹消ヲ請求スベシ
第二十條 法人タル事業主ニ在リテハ事業年度、個人タル事業主ニ在リテハ曆年終了後其ノ期間中ニ於ケル賃金、退職手當積立金及準備積立金ノ積立額竝ニ賃金ニ對スル積立額ノ比率ヲ記シタル計算書ヲ所得稅又ハ營業收益稅ニ關スル申吿ノ際稅務署ニ提出スベシ
第四條ノ規定ハ前項ノ賃金ニ之ヲ準用ス
第二十一條 退職積立金及退職手當法第二十四條第四項又ハ第三十條第四項ノ規定ニ依リ退職手當ヲ受クベキ者ハ勞働者ノ配偶者トス
配偶者ナキ場合ニ於テ退職手當ヲ受クベキ者ハ勞働者死亡當時之ト同一ノ家ニ在リタル勞働者ノ直系卑屬又ハ直系尊屬トシ其ノ順位ハ親等ノ近キモノヲ先ニシ卑屬ト尊屬ト親等相同ジキトキハ卑屬ヲ先ニス
第二十二條 前條第二項ニ定メタル同順位者ノ間ニ在リテハ其ノ順位ハ左ノ規定ニ依ル
一 勞働者ノ家督相續人又ハ戶主ハ之ヲ他ノ者ヨリ先ニス
二 男ハ之ヲ女ヨリ先ニス
三 直系卑屬ニ付テハ男又ハ女ノ間ニ在リテハ嫡出子ヲ先ニシ嫡出子、庶子及私生子ノ間ニ在リテハ嫡出子及庶子ハ女ト雖モ之ヲ私生子ヨリ先ニス
四 前二號ニ揭グル事項ニ付相同ジキ者ノ間ニ在リテハ年長者ヲ先ニス
第二十三條 第二十一條ノ規定ニ該當スル者ナキ場合ニ於テハ左ニ揭グル者ノ中一人ニ退職手當ヲ支給スベシ但シ勞働者ノ遺言又ハ事業主ニ對シテ爲シタル豫吿ニ依リ左ニ揭グル者ノ中一人ヲ特ニ指定シタルトキハ之ニ從フベシ
一 勞働者ノ家督相續人又ハ戶主
二 勞働者ノ兄弟姉妹ニシテ勞働者ノ死亡當時之ト同一ノ家ニ在リタル者
三 勞働者ノ死亡當時其ノ收入ニ依リ生計ヲ維持シタル者
第四章 退職金審査會
第二十四條 退職金審査會ハ內務大臣ノ監督ニ屬シ退職積立金ノ支拂又ハ退職手當ノ支給ニ關スル事項ヲ審査ス
第二十五條 退職金審査會ノ管轄區域ハ道府縣ノ區域トシ其ノ名稱及位置ハ內務大臣之ヲ定ム
第二十六條 退職金審査會ハ會長一人及委員九人以內ヲ以テ之ヲ組織ス
第二十七條 會長ハ地方長官ヲ以テ之ニ充ツ
委員ハ關係各廳高等官又ハ學識經驗アル者ノ中ヨリ內務大臣之ヲ命ズ
學識經驗アル者ノ中ヨリ命ゼラレタル委員ノ任期ハ三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第二十八條 會長ハ會務ヲ總理シ會議ノ議長ト爲ル
會長事故アルトキハ地方長官ノ指名シタル委員其ノ職務ヲ代理ス
第二十九條 退職金審査會ニ幹事及書記ヲ置ク關係各廳ノ官吏中ヨリ地方長官之ヲ命ズ
幹事ハ會長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
書記ハ會長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第三十條 審査ハ勞働者退職其ノ他ノ事由ニ因リ退職積立金及退職手當法ノ適用ヲ受ケザルニ至リタル際其ノ使用セラレタル事業ノ所在地ヲ管轄スル退職金審査會ニ於テ之ヲ爲ス
前項ノ事業ノ所在地數府縣ニ亙ル場合ニ於テハ之ヲ管轄スル退職金審査會ハ內務大臣之ヲ指定ス
第三十一條 審查ノ請求ハ請求ノ趣旨ヲ明ニシテ之ヲ爲スベシ
前項ノ請求ハ文書又ハ口頭ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ得
第三十二條 審查ハ委員半數以上出席スルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再囘ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十三條 審查ハ出席委員ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第三十四條 審查ハ之ヲ公開セズ
第三十五條 工場監督官、鑛務監督官其ノ他ノ關係官吏ハ退職金審査會ノ請求ニ依リ又ハ其ノ承認ヲ受ケ會議ニ出席シ意見ヲ述ブルコトヲ得
第三十六條 審査請求人又ハ關係人ハ退職金審査會ノ請求ニ依リ又ハ其ノ承認ヲ受ケ事件ニ關スル說明ヲ爲スコトヲ得
第三十七條 退職金審査會審査ノ請求ヲ受ケタル場合ニ於テ其ノ事件ガ管轄違ナルトキハ會長ハ之ヲ所轄退職金審査會ニ移送スベシ
第三十八條 審査ノ決定ハ理由ヲ附シ文書ヲ以テ之ヲ爲スベシ
第三十九條 退職金審査會ハ前條ノ決定書ノ謄本ヲ作成シ遲滯ナク之ヲ審査請求人ニ交付スベシ
審査請求人ニ對シ決定書ノ謄本ヲ交付スルコト能ハザルトキハ退職金審査會ハ其ノ決定書ノ謄本ヲ揭示板ニ揭示スベシ
第四十條 審査請求人審査ノ決定前ニ死亡シタルトキハ其ノ承繼人ニ於テ審査請求手續ヲ受繼グモノトス
附 則
本令ハ退職積立金及退職手當法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
退職積立金及退職手當法適用後初テ第八條第二項ノ規定ニ依リ賃金ヨリ控除スベキ額ハ同法適用後ノ勤務ニ對スル賃金ニ依リ之ヲ計算スルコトヲ得
退職積立金及退職手當法適用後初テ同法第十六條及第十七條ノ規定ニ依リ積立ツベキ退職手當積立金ノ額ハ同法適用後ノ勤務ニ對スル賃金ニ依リ之ヲ計算スルコトヲ得
朕退職積立金及退職手当法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年十一月二十八日
内閣総理大臣 広田弘毅
大蔵大臣 馬場鍈一
内務大臣 潮恵之輔
逓信大臣 頼母木桂吉
商工大臣 小川郷太郎
勅令第四百十四号
退職積立金及退職手当法施行令
第一章 総則
第一条 退職積立金及退職手当法ノ賃金ノ範囲ハ常時又ハ定期ニ受クル給与其ノ他ノ利益トス但シ左ニ掲グルモノヲ除ク
一 三月ヲ超ユル期間毎ニ支給スル賞与又ハ手当
二 通勤手当
三 住居ニ関スル利益又ハ住宅料ニシテ賃金ノ額ノ決定ニ影響ナキモノ
四 其ノ他内務大臣ノ指定スルモノ
賃金ノ全部又ハ一部ガ金銭以外ノ給与其ノ他ノ利益ナル場合ニ於テハ其ノ価額ハ健康保険法施行令第二条第一項及第二項ノ規定ニ依リ定ムル標準価格ニ依リ之ヲ算定ス但シ同条第三項ノ規定ニ依リ別段ノ定ヲ為シタル健康保険組合ノ被保険者タル労働者ニ付テハ其ノ定ニ依リ之ヲ算定ス
第二条 退職積立金及退職手当法又ハ同法ニ基キテ発スル命令ノ規定ニ依リ一定ノ期間中ノ賃金ノ計算ヲ為ス場合ニ於テハ其ノ期間中ニ支払ハルベキ賃金ニ依リ之ヲ為スモノトス
事業主行政官庁ノ許可ヲ受ケタルトキハ労働者ノ各一月ノ賃金ハ前項ノ規定ニ拘ラズ健康保険法施行令第三条乃至第五条ノ規定ニ依リ被保険者ノ標準報酬日額ヲ定ムル方法ニ依リ当該労働者ニ付算定シタル金額ノ三十倍ト為スコトヲ得此ノ場合ニ於テ一月中当該労働者ニ支払ハルベキ賃金ナキトキハ其ノ一月ニ於ケル其ノ者ノ賃金ハ之ヲナキモノト為スコトヲ得
行政官庁必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第三条 退職積立金及退職手当法ノ標準賃金ハ健康保険法施行令第三条乃至第五条ノ規定ニ依リ被保険者ノ標準報酬日額ヲ定ムル方法ニ依リ算定シタル金額トス
前項ノ規定ニ依ル金額ガ負傷、疾病、老衰其ノ他ノ事由ニ因リ従前ニ比シ著シク低額ナルトキハ前項ノ規定ニ拘ラズ従前ノ標準報酬日額其ノ他ヲ斟酌シテ事業主適当ナル金額ヲ定ムベシ
第四条 退職積立金及退職手当法第八条ノ賃金ハ左ノ各号ノ金額ノ合算額トス
一 退職積立金及退職手当法第八条ノ期間ノ末日ニ於ケル労働者ノ其ノ期間中ノ賃金
二 退職積立金及退職手当法第八条ノ期間中ニ退職(解雇及死亡ヲ含ム以下之ニ同ジ)其ノ他ノ事由ニ因リ同法ノ適用ヲ受ケザルニ至リタル労働者ノ賃金ニシテ退職手当積立金及準備積立金ノ積立ノ基準ト為シタル金額
第五条 道府県又ハ道府県ト労働者トノ出捐ニ係ル組合ガ退職積立金及退職手当法ニ準ズル退職積立金又ハ退職手当ニ関スル規程ヲ有スル場合ニ於テハ道府県ハ同法第十一条ニ規定スル退職積立金若ハ同法第十六条及第十七条ニ規定スル退職手当積立金ノ積立ヲ為サズ又ハ同法第十一条若ハ第十六条及第十七条ニ規定スル率ト異ナル率ノ積立ヲ為スコトヲ得
市町村其ノ他之ニ準ズベキモノ又ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノト労働者トノ出捐ニ係ル組合ガ退職積立金及退職手当法ニ準ズル退職積立金又ハ退職手当ニ関スル規程ヲ有スル場合ニ於テ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノ行政官庁ノ許可ヲ受ケタルトキ亦前項ニ同ジ
行政官庁必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第六条 事業主ハ退職積立金、退職手当積立金及準備積立金並ニ退職手当ニ関シ計算ヲ為ス場合ニ於テ一銭未満ノ端数アルトキハ之ヲ切捨ツルモノトス
第七条 本令中行政官庁トアルハ工場法ノ適用ヲ受クル工場ニ在リテハ地方長官(東京府ニ在リテハ警視総監以下之ニ同ジ)、鉱業法ノ適用ヲ受クル事業ニ在リテハ鉱山監督局長トス
第二章 退職積立金
第八条 退職積立金トシテ積立ツベキ金額ノ計算ハ予メ事業主ノ定メタル一月以内ノ一定ノ期間中ノ賃金ニ依リ之ヲ為スモノトス
事業主ハ退職積立金トシテ積立ツベキ金額ヲ前項ノ期間毎ニ其ノ期間中ノ賃金ヨリ控除スベシ但シ其ノ期間中ノ賃金ヨリ控除スルコト能ハザルトキハ其ノ次ノ期間中ノ賃金ヨリ控除スルコトヲ得
第九条 退職積立金ノ積立ハ前条第二項ノ規定ニ依ル控除ノ都度遅滞ナク之ヲ為スベシ但シ行政官庁ノ許可ヲ受ケタルトキハ一定ノ時期ニ取纏メ積立ヲ為スコトヲ得
行政官庁必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第十条 退職積立金ノ積立ハ事業主行政官庁ノ許可ヲ受ケ労働者ノ他ノ財産ト分別シテ郵便貯金、銀行ヘノ預金、金銭信託、登録国債其ノ他確実ナル方法ニ依リ之ヲ為スベシ
行政官庁必要アリト認ムルトキハ前項ノ許可ヲ取消シ又ハ積立ノ方法ヲ指定スルコトヲ得
郵便貯金、銀行ヘノ預金又ハ金銭信託ノ方法ニ依リ退職積立金ノ積立ヲ為ス場合ニ於テハ其ノ支払ニ付事業主ノ証明ヲ必要トスル方法ニ依リ之ヲ為シ通帳又ハ証書ハ事業主之ヲ保管スベシ
登録国債ノ方法ニ依リ退職積立金ノ積立ヲ為ス場合ニ於テハ登録ノ変更又ハ除却等其ノ登録国債ニ関スル請求ハ事業主之ヲ為シ其ノ登録国債ノ元利金ノ支払又ハ登録除却ノ場合ニ於ケル証券ノ引渡ハ日本銀行之ヲ事業主ニ為スベシ
第十一条 退職積立金ノ積立ハ郵便貯金、銀行ヘノ預金又ハ金銭信託ノ方法ニ依ル場合ニ在リテハ通帳又ハ証書ニ退職積立金タルコトノ表示ヲ為スコトヲ以テ、登録国債ノ方法ニ依ル場合ニ在リテハ甲種国債登録簿ニ退職積立金タル旨ノ記載ヲ為スコトヲ以テ之ヲ為ス
郵便貯金、銀行ヘノ預金又ハ金銭信託ノ方法ニ依ル退職積立金ノ積立ニ付テハ郵便官署、銀行又ハ信託会社其ノ受入又ハ引受ヲ為シタルトキハ事業主ノ請求ニ依リ通帳又ハ証書ニ退職積立金タルコトノ表示ヲ為シ尚貯金原簿又ハ之ニ準ズベキ帳簿ニ退職積立金タル旨ノ記載ヲ為スベシ
登録国債ノ方法ニ依ル退職積立金ノ積立ニ付テハ日本銀行ハ事業主ノ請求ニ依リ甲種国債登録簿ニ退職積立金タル旨ノ記載ヲ為スベシ
第十二条 労働者退職其ノ他ノ事由ニ因リ退職積立金及退職手当法ノ適用ヲ受ケザルニ至リタル場合ニ於テハ事業主ハ労働者ガ退職積立金ノ支払ヲ受クルニ必要ナル事業主ノ為スベキ手続ヲ遅滞ナク完了スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ事業主ハ退職積立金ニ関スル表示又ハ記載ノ抹消ヲ請求スベシ
第十三条 事業主ハ労働者退職其ノ他ノ事由ニ因リ退職積立金及退職手当法ノ適用ヲ受ケザルニ至リタル場合ニ於テ其ノ労働者ノ賃金ヨリ控除シタル金額ニシテ積立ヲ為サザルモノアルトキハ之ヲ支払フベシ
第三章 退職手当
第十四条 事業主ハ退職積立金及退職手当法第十六条ノ規定ニ依ル退職手当積立金ノ積立ニ関スル計算ノ期間ヲ定メ予メ行政官庁ニ届出ヅベシ
行政官庁必要アリト認ムルトキハ前項ノ計算ノ期間ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
第十五条 退職積立金及退職手当法第十六条及第十七条ノ規定ニ依リ積立ツベキ退職手当積立金ノ計算ハ其ノ計算ノ期間中ニ於ケル退職積立金ノ計算ノ期間毎ニ労働者別ニ之ヲ為スコトヲ得
第十六条 退職積立金及退職手当法第十七条ノ規定ニ依ル退職手当積立金ノ積立ニ関スル計算ノ期間ハ法人タル事業主ニ在リテハ事業年度、個人タル事業主ニ在リテハ暦年トス
第十七条 退職積立金及退職手当法第十七条ノ規定ニ依リ積立ツベキ退職手当積立金ノ額ハ左ノ各号ヲ標準トスルモノトス
一 法人タル事業主ニ在リテハ事業年度ニ於ケル利益配当金額ヲ払込株金額又ハ出資金額ニ依リ除シタル割合ガ年百分ノ五ヲ超エ年百分ノ七・五以内ナルトキハ賃金ノ百分ノ一、年百分ノ七・五ヲ超エ年百分ノ十以内ナルトキハ賃金ノ百分ノ二、年百分ノ十ヲ超ユルトキハ賃金ノ百分ノ三ニ相当スル金額但シ利益配当金額ガ払込株金額又ハ出資金額ノ年百分ノ五ノ割合ヲ超ユル金額ノ十分ノ一ヲ限度トスルコトヲ得
二 個人タル事業主ニ在リテハ暦年ニ於ケル事業ノ純益金額ガ一万円ヲ超エ二万円以内ナルトキハ賃金ノ百分ノ一、二万円ヲ超エ三万円以内ナルトキハ賃金ノ百分ノ二、三万円ヲ超ユルトキハ賃金ノ百分ノ三ニ相当スル金額但シ純益金額ノ百分ノ六十ガ六千円ヲ超ユル金額ノ十分ノ一ヲ限度トスルコトヲ得
前項ノ事業年度ハ当該事業年度又ハ直前ノ事業年度、暦年ハ当該暦年又ハ直前ノ暦年トシ事業主ノ選択スル所ニ依ル但シ選択シタル事業年度又ハ暦年ハ労働者ノ不利益ニ之ヲ変更スルコトヲ得ズ
行政官庁事業主ノ為シタル利益配当金額、純益金額又ハ積立ノ金額ノ算定不当ナリト認ムルトキハ積立ノ金額ヲ更正シテ認可スルコトヲ得
詐偽其ノ他不正ノ行為ニ因リ認可ヲ受ケタル者ニ対シテハ行政官庁ハ其ノ認可シタル金額ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
第十八条 第十一条ノ規定ハ退職手当積立金及準備積立金ニ之ヲ準用ス
第十九条 郵便貯金、銀行ヘノ預金、金銭信託又ハ登録国債ノ方法ニ依リ積立ヲ為シタル退職手当積立金又ハ準備積立金ガ退職手当積立金又ハ準備積立金タラザルニ至リタルトキハ事業主ハ退職手当積立金又ハ準備積立金ニ関スル表示又ハ記載ノ抹消ヲ請求スベシ
第二十条 法人タル事業主ニ在リテハ事業年度、個人タル事業主ニ在リテハ暦年終了後其ノ期間中ニ於ケル賃金、退職手当積立金及準備積立金ノ積立額並ニ賃金ニ対スル積立額ノ比率ヲ記シタル計算書ヲ所得税又ハ営業収益税ニ関スル申告ノ際税務署ニ提出スベシ
第四条ノ規定ハ前項ノ賃金ニ之ヲ準用ス
第二十一条 退職積立金及退職手当法第二十四条第四項又ハ第三十条第四項ノ規定ニ依リ退職手当ヲ受クベキ者ハ労働者ノ配偶者トス
配偶者ナキ場合ニ於テ退職手当ヲ受クベキ者ハ労働者死亡当時之ト同一ノ家ニ在リタル労働者ノ直系卑属又ハ直系尊属トシ其ノ順位ハ親等ノ近キモノヲ先ニシ卑属ト尊属ト親等相同ジキトキハ卑属ヲ先ニス
第二十二条 前条第二項ニ定メタル同順位者ノ間ニ在リテハ其ノ順位ハ左ノ規定ニ依ル
一 労働者ノ家督相続人又ハ戸主ハ之ヲ他ノ者ヨリ先ニス
二 男ハ之ヲ女ヨリ先ニス
三 直系卑属ニ付テハ男又ハ女ノ間ニ在リテハ嫡出子ヲ先ニシ嫡出子、庶子及私生子ノ間ニ在リテハ嫡出子及庶子ハ女ト雖モ之ヲ私生子ヨリ先ニス
四 前二号ニ掲グル事項ニ付相同ジキ者ノ間ニ在リテハ年長者ヲ先ニス
第二十三条 第二十一条ノ規定ニ該当スル者ナキ場合ニ於テハ左ニ掲グル者ノ中一人ニ退職手当ヲ支給スベシ但シ労働者ノ遺言又ハ事業主ニ対シテ為シタル予告ニ依リ左ニ掲グル者ノ中一人ヲ特ニ指定シタルトキハ之ニ従フベシ
一 労働者ノ家督相続人又ハ戸主
二 労働者ノ兄弟姉妹ニシテ労働者ノ死亡当時之ト同一ノ家ニ在リタル者
三 労働者ノ死亡当時其ノ収入ニ依リ生計ヲ維持シタル者
第四章 退職金審査会
第二十四条 退職金審査会ハ内務大臣ノ監督ニ属シ退職積立金ノ支払又ハ退職手当ノ支給ニ関スル事項ヲ審査ス
第二十五条 退職金審査会ノ管轄区域ハ道府県ノ区域トシ其ノ名称及位置ハ内務大臣之ヲ定ム
第二十六条 退職金審査会ハ会長一人及委員九人以内ヲ以テ之ヲ組織ス
第二十七条 会長ハ地方長官ヲ以テ之ニ充ツ
委員ハ関係各庁高等官又ハ学識経験アル者ノ中ヨリ内務大臣之ヲ命ズ
学識経験アル者ノ中ヨリ命ゼラレタル委員ノ任期ハ三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第二十八条 会長ハ会務ヲ総理シ会議ノ議長ト為ル
会長事故アルトキハ地方長官ノ指名シタル委員其ノ職務ヲ代理ス
第二十九条 退職金審査会ニ幹事及書記ヲ置ク関係各庁ノ官吏中ヨリ地方長官之ヲ命ズ
幹事ハ会長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
書記ハ会長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第三十条 審査ハ労働者退職其ノ他ノ事由ニ因リ退職積立金及退職手当法ノ適用ヲ受ケザルニ至リタル際其ノ使用セラレタル事業ノ所在地ヲ管轄スル退職金審査会ニ於テ之ヲ為ス
前項ノ事業ノ所在地数府県ニ亘ル場合ニ於テハ之ヲ管轄スル退職金審査会ハ内務大臣之ヲ指定ス
第三十一条 審査ノ請求ハ請求ノ趣旨ヲ明ニシテ之ヲ為スベシ
前項ノ請求ハ文書又ハ口頭ヲ以テ之ヲ為スコトヲ得
第三十二条 審査ハ委員半数以上出席スルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再回ニ及ブ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十三条 審査ハ出席委員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第三十四条 審査ハ之ヲ公開セズ
第三十五条 工場監督官、鉱務監督官其ノ他ノ関係官吏ハ退職金審査会ノ請求ニ依リ又ハ其ノ承認ヲ受ケ会議ニ出席シ意見ヲ述ブルコトヲ得
第三十六条 審査請求人又ハ関係人ハ退職金審査会ノ請求ニ依リ又ハ其ノ承認ヲ受ケ事件ニ関スル説明ヲ為スコトヲ得
第三十七条 退職金審査会審査ノ請求ヲ受ケタル場合ニ於テ其ノ事件ガ管轄違ナルトキハ会長ハ之ヲ所轄退職金審査会ニ移送スベシ
第三十八条 審査ノ決定ハ理由ヲ附シ文書ヲ以テ之ヲ為スベシ
第三十九条 退職金審査会ハ前条ノ決定書ノ謄本ヲ作成シ遅滞ナク之ヲ審査請求人ニ交付スベシ
審査請求人ニ対シ決定書ノ謄本ヲ交付スルコト能ハザルトキハ退職金審査会ハ其ノ決定書ノ謄本ヲ掲示板ニ掲示スベシ
第四十条 審査請求人審査ノ決定前ニ死亡シタルトキハ其ノ承継人ニ於テ審査請求手続ヲ受継グモノトス
附 則
本令ハ退職積立金及退職手当法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
退職積立金及退職手当法適用後初テ第八条第二項ノ規定ニ依リ賃金ヨリ控除スベキ額ハ同法適用後ノ勤務ニ対スル賃金ニ依リ之ヲ計算スルコトヲ得
退職積立金及退職手当法適用後初テ同法第十六条及第十七条ノ規定ニ依リ積立ツベキ退職手当積立金ノ額ハ同法適用後ノ勤務ニ対スル賃金ニ依リ之ヲ計算スルコトヲ得