第三十九條 適法ノ時期ニ呈示シタル小切手ノ支拂ナキ場合ニ於テ左ノ何レカニ依リ支拂拒絕ヲ證明スルトキハ所持人ハ裏書人、振出人其ノ他ノ債務者ニ對シ其ノ遡求權ヲ行フコトヲ得
二 小切手ニ呈示ノ日ヲ表示シテ記載シ且日附ヲ附シタル支拂人ノ宣言
三 適法ノ時期ニ小切手ヲ呈示シタルモ其ノ支拂ナカリシ旨ヲ證明シ且日附ヲ附シタル手形交換所ノ宣言
第四十條 拒絕證書又ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ハ呈示期間經過前ニ之ヲ作ラシムルコトヲ要ス
期間ノ末日ニ呈示アリタルトキハ拒絕證書又ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ハ之ニ次グ第一ノ取引日ニ之ヲ作ラシムルコトヲ得
第四十一條 所持人ハ拒絕證書又ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ノ作成ノ日ニ次グ又ハ無費用償還文句アル場合ニ於テハ呈示ノ日ニ次グ四取引日內ニ自己ノ裏書人及振出人ニ對シ支拂拒絕アリタルコトヲ通知スルコトヲ要ス各裏書人ハ通知ヲ受ケタル日ニ次グ二取引日內ニ前ノ通知者全員ノ名稱及宛所ヲ示シテ自己ノ受ケタル通知ヲ自己ノ裏書人ニ通知シ順次振出人ニ及ブモノトス此ノ期間ハ各其ノ通知ヲ受ケタル時ヨリ進行ス
前項ノ規定ニ從ヒ小切手ノ署名者ニ通知ヲ爲ストキハ同一期間內ニ其ノ保證人ニ同一ノ通知ヲ爲スコトヲ要ス
裏書人ガ其ノ宛所ヲ記載セズ又ハ其ノ記載ガ讀ミ難キ場合ニ於テハ其ノ裏書人ノ直接ノ前者ニ通知スルヲ以テ足ル
通知ヲ爲スベキ者ハ如何ナル方法ニ依リテモ之ヲ爲スコトヲ得單ニ小切手ヲ返付スルニ依リテモ亦之ヲ爲スコトヲ得
通知ヲ爲スベキ者ハ適法ノ期間內ニ通知ヲ爲シタルコトヲ證明スルコトヲ要ス此ノ期間內ニ通知ヲ爲ス書面ヲ郵便ニ付シタル場合ニ於テハ其ノ期間ヲ遵守シタルモノト看做ス
前項ノ期間內ニ通知ヲ爲サザル者ハ其ノ權利ヲ失フコトナシ但シ過失ニ因リテ生ジタル損害アルトキハ小切手ノ金額ヲ超エザル範圍內ニ於テ其ノ賠償ノ責ニ任ズ
第四十二條 振出人、裏書人又ハ保證人ハ證券ニ記載シ且署名シタル「無費用償還」、「拒絕證書不要」ノ文句其ノ他之ト同一ノ意義ヲ有スル文言ニ依リ所持人ニ對シ其ノ遡求權ヲ行フ爲ノ拒絕證書又ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ノ作成ヲ免除スルコトヲ得
前項ノ文言ハ所持人ニ對シ法定期間內ニ於ケル小切手ノ呈示及通知ノ義務ヲ免除スルコトナシ期間ノ不遵守ハ所持人ニ對シ之ヲ援用スル者ニ於テ其ノ證明ヲ爲スコトヲ要ス
振出人ガ第一項ノ文言ヲ記載シタルトキハ一切ノ署名者ニ對シ其ノ效力ヲ生ズ裏書人又ハ保證人ガ之ヲ記載シタルトキハ其ノ裏書人又ハ保證人ニ對シテノミ其ノ效力ヲ生ズ振出人ガ此ノ文言ヲ記載シタルニ拘ラズ所持人ガ拒絕證書又ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ヲ作ラシメタルトキハ其ノ費用ハ所持人之ヲ負擔ス裏書人又ハ保證人ガ此ノ文言ヲ記載シタル場合ニ於テ拒絕證書又ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ノ作成アリタルトキハ一切ノ署名者ヲシテ其ノ費用ヲ償還セシムルコトヲ得
第四十三條 小切手上ノ各債務者ハ所持人ニ對シ合同シテ其ノ責ニ任ズ
所持人ハ前項ノ債務者ニ對シ其ノ債務ヲ負ヒタル順序ニ拘ラズ各別又ハ共同ニ請求ヲ爲スコトヲ得
小切手ノ署名者ニシテ之ヲ受戾シタルモノモ同一ノ權利ヲ有ス
債務者ノ一人ニ對スル請求ハ他ノ債務者ニ對スル請求ヲ妨ゲズ旣ニ請求ヲ受ケタル者ノ後者ニ對シテモ亦同ジ
第四十四條 所持人ハ遡求ヲ受クル者ニ對シ左ノ金額ヲ請求スルコトヲ得
三 拒絕證書又ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ノ費用、通知ノ費用及其ノ他ノ費用
第四十五條 小切手ヲ受戾シタル者ハ其ノ前者ニ對シ左ノ金額ヲ請求スルコトヲ得
二 前號ノ金額ニ對シ年六分ノ率ニ依リ計算シタル支拂ノ日以後ノ利息
第四十六條 遡求ヲ受ケタル又ハ受クベキ債務者ハ支拂ト引換ニ拒絕證書又ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言、受取ヲ證スル記載ヲ爲シタル計算書及小切手ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
小切手ヲ受戾シタル裏書人ハ自己及後者ノ裏書ヲ抹消スルコトヲ得
第四十七條 法定ノ期間內ニ於ケル小切手ノ呈示又ハ拒絕證書若ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ノ作成ガ避クベカラザル障碍(國ノ法令ニ依ル禁制其ノ他ノ不可抗力)ニ因リテ妨ゲラレタルトキハ其ノ期間ヲ伸長ス
所持人ハ自己ノ裏書人ニ對シ遲滯ナク其ノ不可抗力ヲ通知シ且小切手又ハ補箋ニ其ノ通知ヲ記載シ日附ヲ附シテ之ニ署名スルコトヲ要ス其ノ他ニ付テハ第四十一條ノ規定ヲ準用ス
不可抗力ガ止ミタルトキハ所持人ハ遲滯ナク支拂ノ爲小切手ヲ呈示シ且必要アルトキハ拒絕證書又ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ヲ作ラシムルコトヲ要ス
不可抗力ガ所持人ニ於テ其ノ裏書人ニ不可抗力ノ通知ヲ爲シタル日ヨリ十五日ヲ超エテ繼續スルトキハ呈示期間經過前ニ其ノ通知ヲ爲シタル場合ト雖モ呈示又ハ拒絕證書若ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ヲ要セズシテ遡求權ヲ行フコトヲ得
所持人又ハ所持人ガ小切手ノ呈示又ハ拒絕證書若ハ之ト同一ノ效力ヲ有スル宣言ノ作成ヲ委任シタル者ニ付テノ單純ナル人的事由ハ不可抗力ヲ構成スルモノト認メズ