辯護士會ハ辯護士ノ品位ノ保持及辯護士事務ノ改善進步ヲ圖ルヲ以テ目的トス
第三十條 辯護士會ハ地方裁判所ノ管轄區域每ニ之ヲ設立スベシ但シ辯護士會ニ屬スル辯護士三百名以上アル場合ニ於テ其ノ中百名以上ノ者ハ同一地方裁判所ノ管轄區域內ニ別ニ辯護士會ヲ設立スルコトヲ得
第三十一條 辯護士會ヲ設立セントスルトキハ會員ト爲ルベキ辯護士ハ會則ヲ定メ司法大臣ノ認可ヲ受クベシ
辯護士會ノ設立アリタルトキハ前項ノ辯護士ハ當然舊所屬辯護士會ヲ退會シ其ノ會員ト爲ルモノトス
辯護士會會則ヲ變更セントスルトキハ司法大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十二條 司法大臣辯護士會ノ設立ヲ認可シタルトキハ辯護士會ノ名稱、事務所ノ所在地及設立ノ年月日ヲ吿示スベシ
司法大臣辯護士會ノ名稱又ハ事務所ノ所在地ノ變更ヲ認可シタルトキハ變更ノ吿示ヲ爲スベシ
第三十三條 辯護士會ノ代表者ハ一人トス但シ代表者差支アル場合ニ於テ之ニ代リテ辯護士會ヲ代表スベキ者ヲ置クコトヲ妨ゲズ
第三十五條 第三十一條ニ規定スル場合ヲ除クノ外辯護士名簿ニ登錄又ハ登錄換ヲ受ケタル者ハ當然其ノ入會セントスル辯護士會ノ會員ト爲リ登錄換ヲ爲ス場合ニハ舊所屬辯護士會ヲ退會スルモノトス
第三十六條 辯護士第十一條ノ規定ニ依ル請求ニ因リテ登錄ヲ取消サレタルトキハ當然所屬辯護士會ヲ退會シタルモノトス
第三十七條 辯護士會ハ辯護士試補ノ實務修習ヲ擔當ス但シ司法大臣別段ノ規定ヲ設ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三十八條 辯護士會ハ官廳ヨリ諮問ヲ受ケタル事項ニ付答申ヲ爲スベシ
辯護士會ハ司法事務ニ關シ官廳ニ建議ヲ爲スコトヲ得辯護士ノ利害ニ關スル事項ニ付亦同ジ
辯護士會ハ必要アル場合ニ於テ臨時總會ヲ開クコトヲ得
第四十一條 辯護士會ハ總會ノ日時、場所及議題竝ニ役員選擧ノ日時及場所ヲ豫メ司法大臣ニ申吿スベシ
第四十二條 司法大臣ハ辯護士會ノ總會又ハ役員選擧ノ場所ニ臨席シ又ハ所部ノ官吏ヲシテ臨席セシムルコトヲ得
第四十三條 辯護士會ハ遲滯ナク總會ノ決議竝ニ役員ノ就任及退任ヲ司法大臣ニ申吿スベシ
第四十五條 辯護士會ノ會議法令若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害スルトキハ司法大臣ハ其ノ決議ヲ取消シ、其ノ議事ヲ停止スルコトヲ得
第四十六條 辯護士會ハ辯護士ト委囑者トノ間ニ紛議ヲ生ジタルトキハ當事者ノ請求ニ因リ其ノ調停ヲ爲スコトヲ得
第四十七條 辯護士會ハ司法大臣ノ認可ヲ受ケ同一地方裁判所ノ管轄區域內ニ於ケル他ノ辯護士會ト合併スルコトヲ得
辯護士會合併シタルトキハ合併ニ因リテ解散シタル辯護士會所屬ノ辯護士ハ當然舊所屬辯護士會ヲ退會シ合併後存續シ又ハ合併ニ因リテ設立シタル辯護士會ノ會員ト爲ルモノトス
第四十八條 司法大臣辯護士會ノ合併ヲ認可シタルトキハ合併後存續スル辯護士會ニ付テハ變更ノ吿示ヲ爲シ、合併ニ因リテ解散シタル辯護士會ニ付テハ解散ノ吿示ヲ爲シ、合併ニ因リテ設立シタル辯護士會ニ付テハ第三十二條第一項ニ規定スル吿示ヲ爲スベシ
第四十九條 辯護士會合併ヲ爲サントスルトキハ其ノ債權者ニ對シ異議アラバ一月ヲ下ラザル期間內ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ催吿スベシ
債權者ガ前項ノ期間內ニ異議ヲ述ベタルトキハ辯護士會ハ之ニ辨濟ヲ爲シ又ハ相當ノ擔保ヲ供スルニ非ザレバ合併ヲ爲スコトヲ得ズ
合併ニ因リテ解散シタル辯護士會ニ屬スル權利義務ハ合併後存續シ又ハ合併ニ因リテ設立シタル辯護士會之ヲ承繼ス
民法第七十三條乃至第七十六條、第七十八條乃至第八十條、第八十二條及第八十三條竝ニ民法施行法第二十六條及第二十七條ノ規定ハ辯護士會ノ淸算ニ關シ之ヲ準用ス
第五十一條 司法大臣ハ辯護士會ノ解散ノ決議ヲ認可シタルトキハ解散ノ吿示ヲ爲スベシ
第五十二條 辯護士會ハ共同シテ特定ノ事項ヲ行フ爲規約ヲ定メ司法大臣ノ認可ヲ受ケ聯合會ヲ設立スルコトヲ得