朕恩給金額分擔及國庫納金收入等取扱規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十二年十月八日
內閣總理大臣 伯爵 山本權兵衞
內務大臣 子爵 後藤新平
大藏大臣 井上準之助
勅令第四百三十九號
恩給金額分擔及國庫納金收入等取扱規則
第一條 內閣恩給局長ハ國庫ヨリ府縣其ノ他國庫以外ノ經濟ニ對シ請求スヘキ各經濟別恩給金額分擔額ヲ前年四月一日ヨリ其ノ年三月三十一日迄ノ間ニ於ケル恩給支給義務額ニ依リ調査シ各經濟每ニ仕譯書二通ヲ作成シ每年七月三十一日迄ニ分擔金額ノ請求ヲ爲スヘキ當該經濟ニ對シ仕譯書一通ヲ添附シタル恩給金額分擔請求通知書ヲ發シ同時ニ仕譯書一通ヲ大藏大臣ニ送付スヘシ
第二條 府縣其ノ他國庫以外ノ經濟前條ノ規定ニ依ル恩給金額分擔請求通知書ノ送付ヲ受ケタルトキハ翌年三月三十一日迄ニ其ノ分擔額ヲ日本銀行ニ拂込ムヘシ
第三條 府縣其ノ他國庫以外ノ經濟ハ國庫ニ對シ請求スヘキ恩給金額分擔額ヲ前年四月一日ヨリ其ノ年三月三十一日迄ノ間ニ於ケル恩給支給義務額ニ依リ調査シ仕譯書ヲ作成シ之ヲ恩給金額分擔請求書ニ添附シ每年七月三十一日迄ニ內閣恩給局長ニ送付スヘシ
內閣恩給局長前項ノ分擔請求書ヲ受ケタルトキハ之ヲ調査シ同年九月三十日迄ニ大藏大臣ニ送付スヘシ
第四條 大藏大臣前條ノ恩給金額分擔請求書ノ送付ヲ受ケタルトキハ翌年三月三十一日迄ニ其ノ分擔額ヲ當該經濟ニ交付スヘシ
第五條 府縣其ノ他國庫以外ノ經濟ハ國庫以外ノ他ノ經濟ニ對シ請求スヘキ恩給金額分擔額ヲ前年四月一日ヨリ其ノ年三月三十一日迄ノ間ニ於ケル恩給支給義務額ニ依リ調査シ仕譯書ヲ作成シ之ヲ恩給金額分擔請求書ニ添附シ每年七月三十一日迄ニ分擔金額ノ請求ヲ受クヘキ經濟ニ送付スヘシ
第六條 前條ノ恩給金額分擔請求書ノ送付ヲ受ケタル經濟ハ翌年三月三十一日迄ニ其ノ分擔額ヲ之カ請求ヲ爲シタル當該經濟ニ交付スヘシ
第七條 國庫ト府縣其ノ他國庫以外ノ經濟トノ間又ハ國庫以外ノ經濟相互間ニ於ケル分擔ノ請求ヲ爲ストキ普通恩給又ハ扶助料ノ裁定ヲ爲シタル官廳ハ裁定後直ニ普通恩給又ハ扶助料ノ分擔請求ヲ受クヘキ經濟ニ當該公務員ノ履歷書ヲ添附シ其ノ裁定ノ要項ヲ通知スヘシ
前項ノ場合ニ於テ國庫ニ對スル通知ハ內閣恩給局長ニ宛テ之ヲ爲スモノトス
第八條 內閣恩給局長以外ノ官廳カ國庫ヨリ支給スヘキ普通恩給又ハ扶助料ノ裁定ヲ爲シタルトキハ當該公務員ノ履歷書ヲ添附シ直ニ其ノ要項ヲ內閣恩給局長ニ通知スヘシ
內閣恩給局長カ國庫以外ノ經濟ヨリ支給スヘキ普通恩給又ハ扶助料ノ裁定ヲ爲シタルトキハ當該公務員ノ履歷書ヲ添附シ直ニ其ノ要項ヲ當該經濟ニ通知スヘシ
第九條 前二條ノ規定ニ依リ通知シタル裁定ノ要項ニ變更ヲ生シタル場合ニ於テハ前二條ノ規定ニ準シ之ヲ通知スヘシ
普通恩給權又ハ扶助料權ノ消滅シタル場合亦前項ニ同シ此ノ場合ニ於テハ履歷書ノ添附ヲ要セス
第十條 文官、敎育職員又ハ待遇職員ニシテ國庫ヨリ俸給ノ支給ヲ受クル者ノ恩給法第五十九條規定ニ依リ國庫ニ納付スヘキ金額ハ俸給ノ支拂ヲ爲ス際支出官之ヲ控除スヘシ但シ出納官吏俸給ノ支拂ヲ爲ス場合ニ於テハ當該出納官吏之ヲ控除スヘシ
前項ノ規定ニ依リ控除シタル金額ヲ歲入ニ組入レムトスル場合ニ於テハ當該支出官之カ歲入徵收官トシテ徵收ノ手續ヲ爲スヘシ
第十一條 文官又ハ敎育職員ニシテ國庫ヨリ俸給ノ支給ヲ受ケサル者ノ恩給法第五十九條ノ規定ニ依リ國庫ニ納付スヘキ金額ハ俸給ノ支拂ヲ爲ス際其ノ支拂ヲ爲ス當該官吏又ハ吏員之ヲ控除スヘシ
前項ノ規定ニ依リ國庫納金ヲ控除シタルトキハ之ニ其ノ計算ヲ明ニシタル仕譯書ヲ添附シ每翌月十日迄ニ之ヲ歲入徵收官ノ定ムル出納官吏ニ納付スヘシ
第十二條 待遇職員ニシテ國庫ヨリ俸給ノ支給ヲ受ケサル者ノ恩給法第五十九條ノ規定ニ依リ府縣其ノ他國庫以外ノ經濟ニ納付スヘキ金額ハ俸給ノ支拂ヲ爲ス際其ノ支拂ヲ爲ス當該官吏又ハ吏員之ヲ控除スヘシ
前項ノ規定ニ依リテ控除シタル納金ハ當該經濟ノ定ムル所ニ依リ收入ノ手續ヲ爲スヘシ
第十三條 轉任、轉職、休職又ハ死亡等ニ因リ過渡俸給ノ返納ヲ要スルトキハ其ノ百分ノ一ヲ返納者ニ於テ控除スヘシ
第十四條 國庫ヨリ恩給ヲ給スルモ俸給ヲ給セサル公務員ニ俸給ヲ給スル經濟カ恩給法第十八條第一項ノ規定ニ依リ國庫ニ納付スヘキ金額ハ每年四月十日及十月十日迄ニ其ノ前六月分ヲ日本銀行ニ拂込ムヘシ
第十五條 府縣其ノ他國庫以外ノ經濟ヨリ恩給ヲ給スルモ俸給ヲ給セサル公務員ニ俸給ヲ給スル經濟カ恩給法第十八條第二項ノ規定ニ依リ國庫以外ノ經濟ニ納付スヘキ金額ハ每年四月十日及十月十日迄ニ其ノ前六月分ヲ當該經濟ニ交付スヘシ
第十六條 府縣其ノ他國庫以外ノ經濟ヨリ恩給ヲ給スルモ俸給ヲ給セサル公務員ニ恩給ヲ給スル經濟ニ對シ恩給法第十八條第三項ノ規定ニ依リ國庫ヨリ交付スル金額ハ當該經濟カ恩給法第十八條第二項ノ規定ニ依リ納金ヲ收入シタル年度ノ翌翌年度ニ於テ之ヲ交付スルモノトス
第十七條 本令施行ニ關シ必要ナル規定ハ其ノ收入支出ニ關スルモノニ付テハ大藏大臣、其ノ他ノ事項ニ關スルモノニ付テハ內閣總理大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
左ノ勅令ハ之ヲ廢止ス
一 官吏遺族扶助法納金收入規則
一 府縣立師範學校長俸給竝公立學校職員退隱料及遺族扶助料法納金收入規則
一 明治四十五年勅令第七十一號
本令施行前內閣總理大臣以外ノ官廳カ裁定シタル國庫支辨ノ年金タル恩給、退隱料、遺族扶助料其ノ他之ニ準スヘキモノニシテ本令施行ノ際現ニ其ノ權利ノ存續スルモノニ付テハ當該裁定官廳ハ遲滯ナク裁定ノ要項ヲ內閣恩給局長ニ通知スヘシ
第九條ノ規定ハ前項ノ恩給、退隱料、遺族扶助料其ノ他之ニ準スヘキモノニ付之ヲ準用ス
朕恩給金額分担及国庫納金収入等取扱規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十二年十月八日
内閣総理大臣 伯爵 山本権兵衛
内務大臣 子爵 後藤新平
大蔵大臣 井上準之助
勅令第四百三十九号
恩給金額分担及国庫納金収入等取扱規則
第一条 内閣恩給局長ハ国庫ヨリ府県其ノ他国庫以外ノ経済ニ対シ請求スヘキ各経済別恩給金額分担額ヲ前年四月一日ヨリ其ノ年三月三十一日迄ノ間ニ於ケル恩給支給義務額ニ依リ調査シ各経済毎ニ仕訳書二通ヲ作成シ毎年七月三十一日迄ニ分担金額ノ請求ヲ為スヘキ当該経済ニ対シ仕訳書一通ヲ添附シタル恩給金額分担請求通知書ヲ発シ同時ニ仕訳書一通ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ
第二条 府県其ノ他国庫以外ノ経済前条ノ規定ニ依ル恩給金額分担請求通知書ノ送付ヲ受ケタルトキハ翌年三月三十一日迄ニ其ノ分担額ヲ日本銀行ニ払込ムヘシ
第三条 府県其ノ他国庫以外ノ経済ハ国庫ニ対シ請求スヘキ恩給金額分担額ヲ前年四月一日ヨリ其ノ年三月三十一日迄ノ間ニ於ケル恩給支給義務額ニ依リ調査シ仕訳書ヲ作成シ之ヲ恩給金額分担請求書ニ添附シ毎年七月三十一日迄ニ内閣恩給局長ニ送付スヘシ
内閣恩給局長前項ノ分担請求書ヲ受ケタルトキハ之ヲ調査シ同年九月三十日迄ニ大蔵大臣ニ送付スヘシ
第四条 大蔵大臣前条ノ恩給金額分担請求書ノ送付ヲ受ケタルトキハ翌年三月三十一日迄ニ其ノ分担額ヲ当該経済ニ交付スヘシ
第五条 府県其ノ他国庫以外ノ経済ハ国庫以外ノ他ノ経済ニ対シ請求スヘキ恩給金額分担額ヲ前年四月一日ヨリ其ノ年三月三十一日迄ノ間ニ於ケル恩給支給義務額ニ依リ調査シ仕訳書ヲ作成シ之ヲ恩給金額分担請求書ニ添附シ毎年七月三十一日迄ニ分担金額ノ請求ヲ受クヘキ経済ニ送付スヘシ
第六条 前条ノ恩給金額分担請求書ノ送付ヲ受ケタル経済ハ翌年三月三十一日迄ニ其ノ分担額ヲ之カ請求ヲ為シタル当該経済ニ交付スヘシ
第七条 国庫ト府県其ノ他国庫以外ノ経済トノ間又ハ国庫以外ノ経済相互間ニ於ケル分担ノ請求ヲ為ストキ普通恩給又ハ扶助料ノ裁定ヲ為シタル官庁ハ裁定後直ニ普通恩給又ハ扶助料ノ分担請求ヲ受クヘキ経済ニ当該公務員ノ履歴書ヲ添附シ其ノ裁定ノ要項ヲ通知スヘシ
前項ノ場合ニ於テ国庫ニ対スル通知ハ内閣恩給局長ニ宛テ之ヲ為スモノトス
第八条 内閣恩給局長以外ノ官庁カ国庫ヨリ支給スヘキ普通恩給又ハ扶助料ノ裁定ヲ為シタルトキハ当該公務員ノ履歴書ヲ添附シ直ニ其ノ要項ヲ内閣恩給局長ニ通知スヘシ
内閣恩給局長カ国庫以外ノ経済ヨリ支給スヘキ普通恩給又ハ扶助料ノ裁定ヲ為シタルトキハ当該公務員ノ履歴書ヲ添附シ直ニ其ノ要項ヲ当該経済ニ通知スヘシ
第九条 前二条ノ規定ニ依リ通知シタル裁定ノ要項ニ変更ヲ生シタル場合ニ於テハ前二条ノ規定ニ準シ之ヲ通知スヘシ
普通恩給権又ハ扶助料権ノ消滅シタル場合亦前項ニ同シ此ノ場合ニ於テハ履歴書ノ添附ヲ要セス
第十条 文官、教育職員又ハ待遇職員ニシテ国庫ヨリ俸給ノ支給ヲ受クル者ノ恩給法第五十九条規定ニ依リ国庫ニ納付スヘキ金額ハ俸給ノ支払ヲ為ス際支出官之ヲ控除スヘシ但シ出納官吏俸給ノ支払ヲ為ス場合ニ於テハ当該出納官吏之ヲ控除スヘシ
前項ノ規定ニ依リ控除シタル金額ヲ歳入ニ組入レムトスル場合ニ於テハ当該支出官之カ歳入徴収官トシテ徴収ノ手続ヲ為スヘシ
第十一条 文官又ハ教育職員ニシテ国庫ヨリ俸給ノ支給ヲ受ケサル者ノ恩給法第五十九条ノ規定ニ依リ国庫ニ納付スヘキ金額ハ俸給ノ支払ヲ為ス際其ノ支払ヲ為ス当該官吏又ハ吏員之ヲ控除スヘシ
前項ノ規定ニ依リ国庫納金ヲ控除シタルトキハ之ニ其ノ計算ヲ明ニシタル仕訳書ヲ添附シ毎翌月十日迄ニ之ヲ歳入徴収官ノ定ムル出納官吏ニ納付スヘシ
第十二条 待遇職員ニシテ国庫ヨリ俸給ノ支給ヲ受ケサル者ノ恩給法第五十九条ノ規定ニ依リ府県其ノ他国庫以外ノ経済ニ納付スヘキ金額ハ俸給ノ支払ヲ為ス際其ノ支払ヲ為ス当該官吏又ハ吏員之ヲ控除スヘシ
前項ノ規定ニ依リテ控除シタル納金ハ当該経済ノ定ムル所ニ依リ収入ノ手続ヲ為スヘシ
第十三条 転任、転職、休職又ハ死亡等ニ因リ過渡俸給ノ返納ヲ要スルトキハ其ノ百分ノ一ヲ返納者ニ於テ控除スヘシ
第十四条 国庫ヨリ恩給ヲ給スルモ俸給ヲ給セサル公務員ニ俸給ヲ給スル経済カ恩給法第十八条第一項ノ規定ニ依リ国庫ニ納付スヘキ金額ハ毎年四月十日及十月十日迄ニ其ノ前六月分ヲ日本銀行ニ払込ムヘシ
第十五条 府県其ノ他国庫以外ノ経済ヨリ恩給ヲ給スルモ俸給ヲ給セサル公務員ニ俸給ヲ給スル経済カ恩給法第十八条第二項ノ規定ニ依リ国庫以外ノ経済ニ納付スヘキ金額ハ毎年四月十日及十月十日迄ニ其ノ前六月分ヲ当該経済ニ交付スヘシ
第十六条 府県其ノ他国庫以外ノ経済ヨリ恩給ヲ給スルモ俸給ヲ給セサル公務員ニ恩給ヲ給スル経済ニ対シ恩給法第十八条第三項ノ規定ニ依リ国庫ヨリ交付スル金額ハ当該経済カ恩給法第十八条第二項ノ規定ニ依リ納金ヲ収入シタル年度ノ翌翌年度ニ於テ之ヲ交付スルモノトス
第十七条 本令施行ニ関シ必要ナル規定ハ其ノ収入支出ニ関スルモノニ付テハ大蔵大臣、其ノ他ノ事項ニ関スルモノニ付テハ内閣総理大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
左ノ勅令ハ之ヲ廃止ス
一 官吏遺族扶助法納金収入規則
一 府県立師範学校長俸給並公立学校職員退隠料及遺族扶助料法納金収入規則
一 明治四十五年勅令第七十一号
本令施行前内閣総理大臣以外ノ官庁カ裁定シタル国庫支弁ノ年金タル恩給、退隠料、遺族扶助料其ノ他之ニ準スヘキモノニシテ本令施行ノ際現ニ其ノ権利ノ存続スルモノニ付テハ当該裁定官庁ハ遅滞ナク裁定ノ要項ヲ内閣恩給局長ニ通知スヘシ
第九条ノ規定ハ前項ノ恩給、退隠料、遺族扶助料其ノ他之ニ準スヘキモノニ付之ヲ準用ス