衛戍病院令
法令番号: 勅令第五十八號
公布年月日: 大正11年3月29日
法令の形式: 勅令
朕衞戍病院條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十一年三月二十八日
內閣總理大臣 子爵 高橋是淸
陸軍大臣 山梨半造
勅令第五十八號
衞戍病院令
第一條 衞戍病院ハ之ヲ衞戍地ニ置ク
衞戍病院ハ其ノ衞戍地名ヲ冠稱ス
第二條 衞戍病院ハ其ノ所在地ノ陸軍部隊ノ患者ヲ收容治療シ衞生材料ヲ保管供給シ衞生試驗ヲ爲シ衞生部下士以下ノ敎育ヲ掌ル
第三條 衞戍病院ハ前條ノ外陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ特ニ必要ト認ムル患者ヲ收容治療スルコトヲ得
第四條 東京衞戍地ニハ衞戍病院二箇ヲ置キ東京第一衞戍病院、東京第二衞戍病院ト稱ス其ノ各病院ノ患者收容區分ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第五條 衞戍地ノ狀況及治療上ノ必要ニ依リ衞戍病院ニ分院又ハ轉地療養所ヲ設クルコトヲ得其ノ設置、位置、名稱及患者收容區分ハ陸軍大臣之ヲ定ム但シ朝鮮、臺灣又ハ滿洲ニ在リテハ朝鮮軍司令官、臺灣軍司令官又ハ關東軍司令官之ヲ定ム
第六條 衞戍病院朝鮮、臺灣及滿洲所在ノモノヲ除クハ之ヲ三等ニ區分ス
第七條 衞戍病院ニ左ノ職員ヲ置ク
病院長
軍醫正、軍醫
藥劑正、藥劑官
看護官
主計
准士官、下士
前項ノ職員中軍醫正、藥劑正、藥劑官、看護官、主計又ハ准士官ハ之ヲ置カサルコトヲ得
衞戍病院ニ看護卒、補助看護卒及磨工卒ヲ置ク
第八條 衞戍病院所在地ノ部隊附衞生部員ハ之ヲシテ病院ノ勤務ニ服セシムルコトヲ得
第九條 病院長ハ衞戍病院所在地高級團隊長東京ニ在リテハ第一師團長、習志野ニ在リテハ騎兵第二旅團長、要塞所在地ニ在リテハ要塞司令官、龍山ニ在リテハ第二十師團長、滿洲ニ在リテハ關東軍司令官ニ隸シテ院務ヲ掌理シ院內ノ診斷、治療、衞生、軍紀、風紀、敎育、經理竝所在地各部隊ノ衞生材料ノ整理及衞生試驗ノ責ニ任ス但シ衞生勤務ニ關シテハ所管軍醫部長ノ監督ヲ受ク
第十條 軍醫正、軍醫、藥劑正、藥劑官、看護官及主計ハ病院長ノ命ヲ承ケ各其ノ擔任ノ業務ヲ掌ル第八條ノ規定ニ依リ病院勤務ニ服スル者亦同シ
第十一條 准士官及下士ハ上官ノ命ヲ承ケ服務ス
附 則
本令ハ大正十一年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕衛戍病院条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十一年三月二十八日
内閣総理大臣 子爵 高橋是清
陸軍大臣 山梨半造
勅令第五十八号
衛戍病院令
第一条 衛戍病院ハ之ヲ衛戍地ニ置ク
衛戍病院ハ其ノ衛戍地名ヲ冠称ス
第二条 衛戍病院ハ其ノ所在地ノ陸軍部隊ノ患者ヲ収容治療シ衛生材料ヲ保管供給シ衛生試験ヲ為シ衛生部下士以下ノ教育ヲ掌ル
第三条 衛戍病院ハ前条ノ外陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ特ニ必要ト認ムル患者ヲ収容治療スルコトヲ得
第四条 東京衛戍地ニハ衛戍病院二箇ヲ置キ東京第一衛戍病院、東京第二衛戍病院ト称ス其ノ各病院ノ患者収容区分ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第五条 衛戍地ノ状況及治療上ノ必要ニ依リ衛戍病院ニ分院又ハ転地療養所ヲ設クルコトヲ得其ノ設置、位置、名称及患者収容区分ハ陸軍大臣之ヲ定ム但シ朝鮮、台湾又ハ満洲ニ在リテハ朝鮮軍司令官、台湾軍司令官又ハ関東軍司令官之ヲ定ム
第六条 衛戍病院朝鮮、台湾及満洲所在ノモノヲ除クハ之ヲ三等ニ区分ス
第七条 衛戍病院ニ左ノ職員ヲ置ク
病院長
軍医正、軍医
薬剤正、薬剤官
看護官
主計
准士官、下士
前項ノ職員中軍医正、薬剤正、薬剤官、看護官、主計又ハ准士官ハ之ヲ置カサルコトヲ得
衛戍病院ニ看護卒、補助看護卒及磨工卒ヲ置ク
第八条 衛戍病院所在地ノ部隊附衛生部員ハ之ヲシテ病院ノ勤務ニ服セシムルコトヲ得
第九条 病院長ハ衛戍病院所在地高級団隊長東京ニ在リテハ第一師団長、習志野ニ在リテハ騎兵第二旅団長、要塞所在地ニ在リテハ要塞司令官、龍山ニ在リテハ第二十師団長、満洲ニ在リテハ関東軍司令官ニ隷シテ院務ヲ掌理シ院内ノ診断、治療、衛生、軍紀、風紀、教育、経理並所在地各部隊ノ衛生材料ノ整理及衛生試験ノ責ニ任ス但シ衛生勤務ニ関シテハ所管軍医部長ノ監督ヲ受ク
第十条 軍医正、軍医、薬剤正、薬剤官、看護官及主計ハ病院長ノ命ヲ承ケ各其ノ担任ノ業務ヲ掌ル第八条ノ規定ニ依リ病院勤務ニ服スル者亦同シ
第十一条 准士官及下士ハ上官ノ命ヲ承ケ服務ス
附 則
本令ハ大正十一年四月一日ヨリ之ヲ施行ス