衞戍病院ハ其ノ所在地陸軍部隊ノ患者ヲ收容治療シ衞生材料ヲ保管供給シ衞生部下士以下ノ敎育ヲ掌ル
前項ノ外內地ノ衞戍病院ニ於テハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ海外臺灣及樺太ヲ含ムヨリ送還スル患者ヲ收容治療スルコトヲ得
第二條 東京衞戍地ニハ衞戍病院二箇ヲ置ク其ノ各病院ニ收容治療スヘキ部隊ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第三條 衞戍地ノ狀況ニ依リ衞戍病院ニ分院ヲ設クルコトヲ得其ノ設置及位置ハ陸軍大臣之ヲ定ム但シ臺灣、樺太、韓國又ハ滿洲ニ在リテハ臺灣總督、樺太守備隊司令官、韓國駐箚軍司令官又ハ關東都督之ヲ定ム
第四條 衞戍病院臺灣、樺太、韓國及滿洲所在ノモノヲ除クハ之ヲ四等ニ區分ス
前項職員中軍醫正、藥劑正、藥劑官又ハ主計ハ之ヲ置カサルコトヲ得
第六條 衞戍病院所在地部隊附衞生部員ハ之ヲシテ病院ノ勤務ニ服セシムルコトヲ得
第七條 病院長ハ所在地高級團隊長東京ニ在リテハ第一師團長、習志野ニ在リテハ騎兵第二旅團長、要塞所在地ニ在リテハ要塞司令官、樺太ニ在リテハ樺太守備隊司令官、韓國ニ在リテハ韓國駐箚軍司令官、滿洲ニ在リテハ關東都督ニ隸シテ院務ヲ掌理シ院內ノ衞生、治療、軍紀、風紀、敎育、經理及衞生材料整理ノ責ニ任ス尙其ノ衞生勤務ニ關シテハ所管軍醫部長樺太ニ在リテハ樺太守備隊司令部附軍醫正、韓國ニ在リテハ韓國駐箚軍軍醫部長、滿洲ニ在リテハ關東都督府陸軍軍醫部長ノ監督ヲ受ク
第八條 軍醫正、軍醫、藥劑正、藥劑官及主計ハ病院長ノ命ヲ承ケ各其ノ擔任ノ事務ヲ掌ル第六條ニ依リ病院勤務ニ服スル者亦同シ
第十條 軍人、軍屬旅行途上發病シタルトキ其ノ他患者ノ治療上必要アルトキハ第一條ノ規定ニ拘ラス便宜ノ衞戍病院ニ於テ之ヲ收容治療スルコトヲ得現職若ハ現役ヲ離レ又ハ候補生、諸生徒ヲ免セラレタル者ニシテ一時治療ヲ要スルトキ亦同シ