第十四條 登錄ハ法令ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外申請又ハ囑託ニ依ルニ非サレハ之ヲ爲スコトヲ得ス
囑託ニ依ル登錄ノ手續ニ付テハ法令ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外申請ニ依ル登錄ニ關スル規定ヲ準用ス
第十五條 左ニ揭クル事項ノ登錄ハ職權ヲ以テ之ヲ爲ス
一 特許權ノ設定、特許ノ無效、抛棄ニ依ラサル特許權ノ消滅又ハ訴願ノ裁決若ハ再審ノ確定審決若ハ判決ニ依ル特許權ノ囘復
二 特許權ノ存續期間ノ延長、特許法第四十條ノ制限又ハ特許法第六十條ノ規定ニ依ル特許權ノ變更
三 特許法第五十三條ノ許可又ハ其ノ許可ノ無效若ハ囘復
四 特許ノ效力、特許法第五十三條ノ許可ノ效力又ハ特許權ノ範圍ニ關スル確定審決又ハ判決
五 特許法第四十一條ノ規定ニ依ル實施權許與、其ノ許與ノ取消、訴願ノ裁決ニ依ル實施權ノ囘復又ハ確定審決若ハ判決ニ依ル實施權ノ設定若ハ消滅
第十六條 登錄ノ申請ハ登錄權利者及登錄義務者之ヲ爲スヘシ但シ申請書ニ登錄義務者ノ承諾書ヲ添附シタルトキハ登錄權利者ノミニテ之ヲ爲スコトヲ得
第十七條 判決又ハ相續其ノ他ノ一般承繼ニ依ル登錄ノ申請ハ登錄權利者ノミニテ之ヲ爲スコトヲ得
第十八條 登錄名義人ノ表示ノ變更又ハ更正ノ登錄ノ申請ハ登錄名義人ノミニテ之ヲ爲スコトヲ得
第十九條 特許法第十六條第三項ニ規定スル登錄ノ申請ハ本人又ハ受任者ノミニテ之ヲ爲スコトヲ得代理人ノ表示ノ變更又ハ代理人ノ表示若ハ代理權ノ更正ノ登錄ノ申請ニ付亦同シ
第二十條 假登錄ハ第十六條ノ場合ヲ除クノ外假登錄權利者ノ申請ニ依リ假登錄義務者ノ住所若ハ居所又ハ特許法第二十二條ノ規定ニ依ル財產所在地ヲ管轄スル區裁判所ヨリ遲滯ナク囑託書ニ假處分命令ノ正本ヲ添附シテ特許局ニ之ヲ囑託スヘシ
前項ノ假處分命令ハ假登錄權利者カ假登錄原因ヲ疏明シタルトキハ區裁判所之ヲ發スヘシ
第一項ノ申請ヲ却下シタル決定ニ對シテハ卽時抗吿ヲ爲スコトヲ得
前項ノ卽時抗吿ニ付テハ非訟事件手續法ノ規定ヲ準用ス
第二十一條 處分ノ制限ノ登錄又ハ其ノ抹消登錄ハ當該官廳又ハ公署ヨリ遲滯ナク特許局ニ之ヲ囑託スヘシ公賣其ノ他法令ノ規定ニ依ル處分ニ基ク權利移轉ノ登錄ニ付亦同シ
前項ノ場合ニ於テ必要アルトキハ當該官廳又ハ公署ハ登錄名義人ノ表示ノ變更若ハ更正又ハ相續其ノ他ノ一般承繼ニ依ル權利移轉ノ登錄ヲ特許局ニ囑託スヘシ
第二十二條 特許法第四十條ノ規定ニ依リ政府ニ於テ特許權ヲ收用シ又ハ特許發明ヲ實施スル場合ニ於テハ主務官廳ハ特許權移轉ノ登錄又ハ實施權設定ノ登錄ヲ特許局ニ囑託スヘシ
第二十三條 第三條第一號ニ揭クル訴ヲ受理シタル裁判所ハ遲滯ナク囑託書ニ訴狀ノ謄本又ハ抄本ヲ添附シテ其ノ豫吿登錄ヲ特許局ニ囑託スヘシ
第三條第二號ニ揭クル請求アリタルトキハ職權ヲ以テ其ノ豫吿登錄ヲ爲ス
第二十四條 登錄ノ申請書ハ一件每ニ一通ヲ作リ之ニ左ニ揭クル事項ヲ記載シ申請人記名捺印スヘシ
一 特許番號及發明ノ名稱竝登錄ノ目的カ特許權以外ノ權利ニ關スル場合ニ於テハ尙其ノ權利ノ表示
二 申請人ノ氏名名稱及住所又ハ居所竝代理人ニ依リテ申請スル場合ニ於テハ尙其ノ氏名名稱及住所又ハ居所
三 申請人カ外國人ナル場合ニ在リテハ其ノ國籍及萬國工業所有權保護同盟條約國又ハ帝國ト特許ニ關シ相互保護ヲ約セシ國以外ノ國ノ臣民又ハ人民ナル場合ニ在リテハ尙同盟國中ノ一國ノ版圖內ニ於ケル住所又ハ現實且眞誠ナル工業的若ハ商業的營業所
第二十五條 數箇ノ特許權、實用新案權若ハ意匠權又ハ之ニ關スル權利ヲ目的トスル質權ノ設定ノ登錄ヲ申請スル場合ニ於テ登錄原因カ同一ナルトキハ同一ノ申請書ヲ以テ登錄ヲ申請スルコトヲ得
前項ノ規定ハ處分ノ制限ノ登錄ヲ囑託スル場合ニ之ヲ準用ス
第二十六條 登錄ノ申請書ニハ左ノ書面ヲ添附スヘシ
三 登錄原因ニ付第三者ノ許可、同意又ハ承諾ヲ要スルトキハ之ヲ證スル書面
四 申請人カ外國人ナル場合ニ在リテハ其ノ國籍ヲ證スル書面及萬國工業所有權保護同盟條約國又ハ帝國ト特許ニ關シ相互保護ヲ約セシ國以外ノ國ノ臣民又ハ人民ナル場合ニ在リテハ尙同盟國中ノ一國ノ版圖內ニ住所又ハ現實且眞誠ナル工業的若ハ商業的營業所ヲ有スルコトヲ證スル書面
五 申請人カ外國法人ナル場合ニ在リテハ其ノ法人タルコトヲ證スル書面
六 代理人又ハ代表者ニ依リテ登錄ヲ申請スルトキハ其ノ權限ヲ證スル書面
第十九條ノ規定ニ依リ登錄ヲ申請スル場合ニ於テハ前項第二號ノ書面ヲ添附スルコトヲ要セス
特許法第十六條第三項ノ規定ニ依リ登錄ヲ受ケタル代理人又ハ同法第十七條若ハ第二十一條第一項但書ノ規定ニ依リ屆出テタル代理人若ハ代表者カ其ノ權限內ニ於テ登錄ヲ申請スル場合ニ於テハ第一項第六號ノ書面ヲ添附スルコトヲ要セス
登錄原因ヲ證スル書面カ執行力アル判決ナルトキハ第一項第二號乃至第五號ノ書面ヲ添附スルコトヲ要セス
第二十七條 債權者カ民法第四百二十三條ノ規定ニ依リ債務者ニ代位シテ登錄ヲ申請スル場合ニ於テハ申請書ニ第二十四條ニ揭クル事項ノ外債權者ノ氏名名稱及住所又ハ居所竝代位原因ヲ記載シ債權者之ニ記名捺印シ且前條第一項各號ニ揭クル書面ノ外代位原因ヲ證スル書面ヲ之ニ添附スヘシ但シ登錄上代位原因明ナル場合ニ於テハ之ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要セス
第二十八條 登錄原因ニ登錄ノ目的タル權利ノ消滅ニ關スル事項ノ定アルトキハ申請書ニ之ヲ記載スヘシ
第二十九條 登錄權利者カ多數ナル場合ニ於テ登錄原因ニ持分ノ定アルトキハ申請書ニ之ヲ記載スヘシ特許權又ハ之ニ關スル權利ノ一部移轉ノ登錄ヲ申請スル場合亦同シ
前項ノ場合ニ於テ特許法第四十四條第二項ノ同意、同法第四十七條ノ契約又ハ民法第二百五十六條第一項但書ノ契約アルトキハ申請書ニ之ヲ記載スヘシ
第三十條 抹消シタル登錄ノ囘復ヲ申請スル場合ニ於テ登錄上利害關係ヲ有スル第三者アルトキハ申請書ニ其ノ承諾書又ハ其ノ者ニ對抗スルコトヲ得ヘキ裁判ノ謄本ヲ添附スヘシ
第三十一條 左ノ場合ニ於テハ其ノ事實ヲ證スル戶籍若ハ登記簿ノ謄本若ハ抄本又ハ之ニ準スヘキ書面ヲ申請書ニ添附スヘシ
二 申請人カ登錄權利者又ハ登錄義務者ノ相續人其ノ他ノ一般承繼人ナルトキ
三 登錄名義人ノ表示ノ變更又ハ更正ノ登錄ヲ申請スルトキ
第三十二條 數箇ノ申請書ニ依リ登錄ヲ申請スル場合ニ於テ第二十六條第一項第一號乃至第五號又ハ前條ノ書面カ一通ナルトキハ一ノ申請書ニ之ヲ添附シ他ノ申請書ニハ其ノ旨ヲ記載スヘシ
他ノ事件ニ付特許局ニ對シ既ニ第二十六條第一項第三號乃至第五號又ハ前條ノ書面ヲ差出シタル者ハ其ノ事項ニ變更ナキトキハ申請書ニ其ノ旨ヲ記載シ更ニ其ノ書面ヲ申請書ニ添附セサルコトヲ得但シ特許局長官必要ト認ムルトキハ其ノ提出ヲ命スルコトヲ得
第三十三條 申請書ニ第三者ノ許可、同意又ハ承諾ヲ證スル書面ヲ添附スヘキ場合ニ於テハ其ノ第三者ヲシテ申請書ニ記名捺印セシメ其ノ書面ノ添附ニ代フルコトヲ得
第三十四條 登錄原因ヲ證スル書面カ初ヨリ存在セス又ハ之ヲ添附スルコト能ハサルトキハ申請書ノ副本ヲ添附スヘシ
第三十五條 申請書ニ登錄義務者ノ權利ニ關スル登錄濟證ヲ添附スヘキ場合ニ於テ其ノ登錄濟證カ滅失シタルトキハ其ノ登錄義務者ノ本人ナルコトヲ證スル市町村長又ハ之ニ準スヘキ者ノ證明書ヲ添附スヘシ
第三十六條 左ノ場合ニ於テハ登錄ノ申請ハ之ヲ却下ス
三 第二十四條第一號ノ事項カ特許原簿ト符合セサルトキ
四 第三十一條第二號ニ規定スル書面ヲ添附スル場合ヲ除クノ外申請書ニ揭クル登錄義務者ノ表示カ特許原簿ト符合セサルトキ
五 申請人カ登錄名義人ナル場合ニ於テ其ノ表示カ特許原簿ト符合セサルトキ
六 代理人又ハ代表者ノ表示カ特許原簿又ハ屆出ト符合セサルトキ
七 申請書ニ揭クル事項カ登錄原因ヲ證スル書面ト符合セサルトキ
第三十七條 行政區劃又ハ其ノ名稱ニ變更アリタルトキハ特許原簿ニ記載シタル行政區劃又ハ其ノ名稱ハ之ヲ變更シタルモノト看做ス大字若ハ字又ハ其ノ名稱ニ變更アリタルトキ亦同シ
第三十八條 登錄ヲ完了シタル後其ノ登錄ニ付錯誤又ハ遺漏アルコトヲ發見シタルトキハ遲滯ナク其ノ旨ヲ登錄權利者及登錄義務者ニ通知スヘシ
前項ノ通知ハ第二十七條ノ場合ニ於テハ債權者ニ對シテモ亦之ヲ爲スヘシ
前二項ノ規定ニ依ル通知ハ登錄權利者、登錄義務者又ハ債權者カ多數ナル場合ニ於テ其ノ代表者ナキトキハ其ノ一人ニ對スル通知ヲ以テ之ニ代フルコトヲ得
第三十九條 前條ノ場合ニ於テ登錄ノ錯誤又ハ遺漏カ特許局ノミノ過誤ニ出テタルトキハ登錄上利害關係ヲ有スル第三者アル場合ヲ除クノ外遲滯ナク其ノ登錄ノ更正ヲ爲シ其ノ旨ヲ登錄權利者及登錄義務者ニ通知スヘシ
第四十條 特許權又ハ之ニ關スル權利ニシテ工場財團又ハ之ニ準スヘキモノニ屬スルコトノ登錄アルモノニ付變更、制限又ハ消滅アリタルトキハ特許局ハ遲滯ナク其ノ旨ヲ管轄登記所又ハ之ニ準スヘキモノニ通知スヘシ