第一條 癈兵院ハ所在地所管ノ師團長之ヲ管理シ陸軍大臣ノ監督ニ屬ス
第一項ノ職員ハ豫備役後備役ノ者ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得
第四條 主事、主計、軍醫ハ院長ノ命ヲ承ケ院務ニ從事ス
第六條 癈兵院ニ於テハ戰鬪其ノ他公務ニ基因スル傷痍疾病ノ爲退役ト爲リ其ノ他服役ヲ免セラレタル者ヲ事務員ト爲シ主事以下職員ノ事務ヲ執ラシムルコトヲ得
第七條 癈兵院ニ收容スル者ハ入院志願者中自己ノ資產又ハ勞役ニ依リ自活スルコト能ハサル者ニ限ル
軍人恩給法第九條第一項第二號以上ノ不具癈疾者ニシテ救護ヲ要スヘキ特別ノ事情アル者ハ前項ノ規定ニ拘ラス之ヲ收容スルコトヲ得
第八條 癈兵院ニ收容スル順序ハ左ノ各號ヲ參酌シ救護ノ必要多キ者ヲ先ニス
第九條 癈兵院ニ收容シタル者ニハ入院及退院ニ要スル旅費ヲ給ス其ノ金額及支給ノ方法ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第十條 癈兵院ニ收容シタル者ニハ入院ノ日ヨリ退院ノ日迄本人ノ受クヘキ恩給月割額五分ノ一ニ相當スル金額ヲ每月手當トシテ支給ス但シ死亡ノ場合ニ在リテハ其ノ月ノ全額ヲ支給ス
第十一條 癈兵院ニ收容シタル者ノ糧食ハ現人員ニ應シ定額ヲ交付シ院長ニ其ノ經理ヲ委任ス其ノ定額ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第十二條 癈兵院ニ收容シタル者ニハ所要ノ被服ヲ支給シ又ハ貸與ス
前項被服ハ初度現品ヲ備附ケ爾後新調補修料トシテ現人員ニ應シ定額ヲ交付シ院長ニ其ノ經理ヲ委任ス
備附被服ノ種類、員數及新調補修料ノ定額ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第十三條 癈兵院ニ收容シタル者傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ病院ニ於テ治療ヲ要スルトキハ所在地衞戍病院ニ收療ス
第十四條 癈兵院ニ收容シタル者ハ服役ヲ免セラレタル當時ノ官等級ニ應シ現役陸軍軍人ト看做シ陸軍懲罰令ノ規定ヲ適用ス但シ下士兵卒タリシ者ハ營內居住者ノ例ニ依ル
第十五條 癈兵院ニ收容シタル者入院中死亡シタルトキハ士官以上ニ在リテハ三十圓以內、准士官ニ在リテハ二十圓以內、其ノ他ノ者ニ在リテハ十五圓以內ノ費用ヲ以テ官ニ於テ埋葬ス但シ遺族又ハ故舊ヨリ遺骸ノ引渡ヲ請フ者アルトキハ埋葬料トシテ本條ノ金額ヲ支給ス
第十六條 癈兵院ハ圖書器物等ノ寄附ヲ受ケ各其ノ目的ニ使用スルコトヲ得