第二條 商業會議所ノ地區ハ市ノ區域ニ依ル但シ特別ノ事情アル場合ニ於テハ市ト市町村又ハ町ト町村ヲ合シテ一地區ト爲スコトヲ得
第三條 商業會議所ヲ設立セムトスルトキハ議員ノ被選擧權ヲ有スヘキ者三十人以上發起人ト爲リ發起ノ認可ヲ農商務大臣ニ申請スヘシ
第四條 發起人前條ノ認可ヲ受ケタルトキハ定款ヲ作リ議員ノ選擧權ヲ有スヘキ者三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ設立ノ認可ヲ農商務大臣ニ申請スヘシ
第五條 商業會議所ハ設立ノ認可ヲ受ケタル日ニ於テ成立ス
商業會議所成立ノ後役員ノ認可アル迄ノ間必要ナル事務ハ發起人之ヲ行フ
第八條 農商務大臣又ハ地方長官ハ商工業ニ關スル事項ノ調査ヲ商業會議所ニ命スルコトヲ得
第九條 帝國臣民又ハ帝國法律ニ依リ設立シタル法人ニシテ商業會議所ノ地區內ニ主タル營業所又ハ事務所ヲ有シ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ議員ノ選擧權ヲ有ス但シ合名會社ニ在リテハ社員ノ半數以上、合資會社及株式合資會社ニ在リテハ無限責任社員ノ半數以上、株式會社ニ在リテハ取締役ノ半數以上帝國臣民タルコトヲ要ス
一 自己ノ名ヲ以テ商法第二百六十三條、第二百六十四條第一號、第三號乃至第六號及第八號乃至第十二號ニ揭ケタル行爲ヲ爲スコトヲ業トシ營業稅ヲ納ムル者
二 自己ノ名ヲ以テ製造及加工ニ關スル行爲ヲ爲スコトヲ業トシ營業稅ヲ納ムル者
前項納稅ノ額ニ關スル制限ハ地方ノ狀況ニ依リ命令ヲ以テ之ヲ定ム
帝國法律ニ依リ設立シタル法人ニシテ商業會議所ノ地區內ニ營業所又ハ事務所ヲ有シ第一項各號ノ一ニ該當スルモノノ業務ヲ執行スル社員、取締役、理事長、理事又ハ登記シタル支配人ニシテ所得稅ヲ納ムル帝國臣民ハ其ノ主トシテ職務ニ從事スル營業所又ハ事務所ノ所在地ニ於テ議員ノ選擧權ヲ有ス
前項納稅ノ額及法人ノ資本額又ハ財產ヲ目的トスル出資額ニ關スル制限ハ地方ノ狀況ニ依リ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一條 一人ニシテ同一商業會議所ノ議員ノ選擧ニ關シ二以上ノ選擧權ヲ有スルコトヲ得ス
第十二條 法人及年齡三十歲以上ノ男子ニシテ二箇年以來議員ノ選擧權ニ關スル要件ヲ具備スル者ハ議員ノ被選擧權ヲ有ス但シ合名會社ニ在リテハ社員ノ全員、合資會社及株式合資會社ニ在リテハ無限責任社員ノ全員、株式會社ニ在リテハ取締役ノ全員帝國臣民タルコトヲ要ス
第十三條 第十條各號ノ一ニ該當スル者竝禁治產者及準禁治產者ハ被選擧權ヲ有セス
第十五條 商業會議所ハ定款ノ定ムル所ニ依リ議員定數ノ五分ノ一ヲ超エサル特別議員ヲ置クコトヲ得
地方長官ハ議員定數ノ五分ノ一ヲ超エサル特別議員ヲ命スルコトヲ得
特別議員ハ決議ニ加ハルコトヲ得但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラス
特別議員ハ年齡三十歲以上ノ帝國臣民タル男子ニシテ商工業ニ關スル學術、技藝又ハ經驗アル者タルコトヲ要ス
第十六條 議員ノ選擧ニ關シテハ複選擧、階級選擧其ノ他ノ方法ニ依ルコトヲ得
議員選擧人ノ選擧ニ關シテハ議員ノ選擧ニ關スル規定ヲ準用ス
第十七條 議員ノ選擧事務ハ地方長官ノ命シタル選擧委員之ヲ行フ其ノ費用ハ商業會議所ノ負擔トス
第十八條 議員ノ選擧ハ選擧人自ラ之ヲ行フヘシ但シ法人女子及無能力者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ代人ヲ以テ之ヲ行フ
第十九條 議員及議員選擧人選擧ノ方法、手續及取締ニ關スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十條 議員當選者ハ地方長官、議員ハ會頭ニ於テ正當ノ事由アリト認メタル場合ヲ除クノ外商業會議所ノ決議ヲ經ルニ非サレハ當選ヲ辭シ又ハ其ノ職ヲ辭スルコトヲ得ス
代表者ハ業務ヲ執行スル社員、取締役、理事長又ハ理事ニシテ年齡三十歲以上ノ男子タルコトヲ要ス
第二十二條 一人ニシテ同一商業會議所ニ於テ二以上ノ法人ノ代表者ト爲リ又ハ議員ト代表者トヲ兼ヌルコトヲ得ス
第二十四條 議員ノ任期ハ四箇年トシ二箇年每ニ其ノ半數ヲ改選ス若シ二分シ難キトキハ初囘ニ於テ多數ノ一半ヲ改選ス
初囘ノ改選期及減員ノ場合ニ於テ解任者ヲ定ムル方法ハ定款ヲ以テ之ヲ定ム
議員增減ノ爲必要ナル任期ノ異動ハ定款ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七條 議員ニシテ被選擧權ヲ有セサル者ハ其ノ職ヲ失フ
會頭ハ商業會議所ヲ統轄シ其ノ事務ヲ擔任シ會議ノ議長ト爲リ商業會議所ヲ代表ス
商業會議所ニハ定款ノ定ムル所ニ依リ會頭副會頭ノ外必要ナル役員及事務員ヲ置クコトヲ得
役員ハ議員中ヨリ之ヲ互選シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
役員ニシテ議員ノ職ヲ失ヒタルトキハ解任ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ後任者ノ認可アル迄其ノ職務ヲ行フコトヲ得
第二十九條 商業會議所ハ商工業ノ狀況及統計ノ調査ノ爲必要ナル材料ノ提出ヲ商工業者ニ請求スルコトヲ得
第三十條 商業會議所ノ經費ハ議員ノ選擧權ヲ有スル者ニ於テ之ヲ負擔ス
第三十一條 商業會議所ハ定款ノ定ムル所ニ依リ使用料若ハ手數料ヲ徵收シ又ハ實費ノ辨償ヲ受クルコトヲ得
第三十二條 商業會議所ハ其ノ決議ヲ以テ職務ヲ怠リ其ノ他不正ノ行爲アリタル議員ニ二百圓以下ノ過怠金ヲ課シ又ハ之ヲ除名スルコトヲ得
第三十三條 經費又ハ過怠金ヲ滯納シ督促ヲ受クルモ尙之ヲ完納セサルトキハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ徵收金ハ市町村其ノ他之ニ準スヘキモノノ徵收金ニ次テ先取特權ヲ有シ其ノ追徵還付時效ニ關シテハ國稅ノ例ニ依ル
第三十四條 商業會議所ハ滯納又ハ除名ノ處分ヲ受ケタル者ニ對シ其ノ決議ヲ以テ四箇年以內選擧權及被選擧權ヲ停止スルコトヲ得
第三十五條 左ノ決議ハ議員三分ノ二以上出席シ其ノ三分ノ二以上ノ同意アルニ非サレハ之ヲ爲スコトヲ得ス
二 第三十二條、第三十四條及第四十二條第一項ノ決議
前項ノ決議及經費ノ豫算、賦課徵收方法ノ決議ハ農商務大臣ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ效力ヲ生セス
第三十六條 商業會議所ハ經費ノ決算ヲ農商務大臣ニ報吿スヘシ
商業會議所ハ每年少クトモ一囘其ノ事業成蹟ヲ農商務大臣ニ報吿スヘシ
第三十七條 商業會議所解散ノ決議ハ議員總數ノ三分ノ二以上ノ同意アルニ非サレハ之ヲ爲スコトヲ得ス
前項ノ決議ハ農商務大臣ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ效力ヲ生セス
第三十八條 商業會議所ハ解散ノ後ト雖淸算ノ目的ノ範圍內ニ於テハ尙存續スルモノト看做ス
第三十九條 商業會議所解散シタルトキハ其ノ決議ヲ以テ淸算人ヲ選任スヘシ淸算人缺ケタルトキ亦同シ
第四十條 前條ノ規定ニ依リ淸算人タル者ナキトキハ地方長官淸算人ヲ選任ス
第四十一條 淸算人ハ商業會議所ヲ代表シ淸算ヲ爲スニ必要ナル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
第四十二條 淸算人ハ淸算及財產處分ノ方法ヲ定メ商業會議所ノ決議ヲ經ヘシ
商業會議所前項ノ決議ヲ爲サス又ハ爲スコト能ハサルトキハ淸算人ハ農商務大臣ノ認可ヲ受ケ淸算及財產處分ノ方法ヲ定ムヘシ
第四十三條 商業會議所ハ解散ノ後ト雖其ノ債務ヲ完濟スルニ必要ナル金額ヲ賦課徵收スルコトヲ得
前項ノ賦課徵收ニ關シテハ第三十條及第三十三條ノ規定ヲ準用ス
第四十四條 農商務大臣ハ必要ト認ムルトキハ定款、經費ノ豫算及賦課徵收方法、淸算及財產處分方法ノ變更ヲ命シ其ノ他必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第四十五條 議員ノ選擧、商業會議所ノ決議、行爲又ハ役員、淸算人ノ行爲ニシテ法令若ハ定款ニ違背シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ農商務大臣ハ選擧若ハ當選ノ取消、役員、淸算人、議員若ハ特別議員ノ停職若ハ解任、商業會議所ノ決議、行爲若ハ役員、淸算人ノ行爲ノ停止若ハ取消又ハ商業會議所ノ解散ヲ命スルコトヲ得
農商務大臣ハ前項ニ依リ解任セラレタル議員又ハ役員及不正ノ行爲ニ因リ當選ヲ取消サレタル者ニ對シ四箇年以內選擧權及被選擧權ヲ停止スルコトヲ得
第四十六條 選擧權及被選擧權ヲ停止セラレタル者ハ其ノ停止中議員、特別議員又ハ法人ノ代表者タルコトヲ得ス
第四十七條 農商務大臣ハ本法ニ規定シタル職權ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第四十八條 本法中市町村、市參事會、町村長ニ關スル規定ハ市制町村制ヲ施行セサル地ニ於テハ之ニ準スヘキモノニ之ヲ準用ス