朕臺灣總督府地方官官制ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十一年六月十八日
內閣總理大臣 侯爵 伊藤博文
內務大臣 子爵 芳川顯正
勅令第百八號
臺灣總督府地方官官制
第一條 臺灣ニ臺北縣、臺中縣、臺南縣、宜蘭廳、臺東廳及澎湖廳ヲ置ク其ノ位置及管轄區域ハ臺灣總督之ヲ定ム
第二條 各縣ニ左ノ職員ヲ置ク
知事
書記官
警部長
稅務官
技師
典獄
技手
警部
看守長
監獄書記
通譯
第三條 各廳ニ左ノ職員ヲ置ク但シ臺東廳ニハ書記官、技師、看守長及監獄書記、澎湖廳ニハ書記官及技師ヲ置カス
廳長
書記官
警部長
技師
技手
警部
看守長
監獄書記
通譯
第四條 知事ハ一人勅任トス
第五條 廳長ハ一人奏任トス
第六條 書記官、警部長、稅務官、技師及典獄ハ各一人奏任トス
第七條 技師ハ前條定員ノ外縣、廳ノ須要ニ依リ俸給豫算定額內ニ於テ適宜之ヲ置クコトヲ得
第八條 屬、技手、警部、看守長、監獄書記及通譯ハ判任トス各縣各廳ヲ通シテ七百二十人ヲ以テ定員トス其ノ各縣各廳ノ定員ハ臺灣總督之ヲ定メ其ノ各官ノ定員ハ臺灣總督ノ認可ヲ經テ知事、廳長之ヲ定ム
第九條 知事、廳長ハ臺灣總督ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部內ノ行政事務ヲ管理ス
第十條 知事、廳長ハ部內ノ行政事務ニ付其ノ職權若ハ特別ノ委任ニ依リ管內一般又ハ其ノ一部ニ縣令、廳令ヲ發シ之ニ禁錮二十五日以下又ハ罰金二十五圓以內ノ罰則ヲ附スルコトヲ得
第十一條 知事、廳長ハ辨務署長ノ處分若ハ命令ノ成規ニ違ヒ公益ヲ害シ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ處分若ハ命令ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得
第十二條 知事、廳長ハ管內ノ靜謐ヲ維持スルカ爲メ兵力ヲ要スルトキハ之ヲ臺灣總督ニ具狀スヘシ但シ其ノ非常急變ノ場合ニ際シテハ直ニ其ノ附近地ノ旅團長若ハ守備隊長ニ出兵ヲ要求スルコトヲ得
第十三條 知事、廳長ハ所部ノ官吏ヲ監督シ奏任官ノ功過ハ臺灣總督ニ具狀シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ專行ス
第十四條 知事、廳長ハ所部ノ奏任官ノ懲戒ヲ臺灣總督ニ具狀シ判任官以下ハ之ヲ專行ス
第十五條 知事、廳長ハ廳中處務ノ細則ヲ設クルコトヲ得
第十六條 知事、廳長事故アルトキハ上席高等官其ノ職務ヲ代理ス
知事、廳長ハ縣、廳ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得
第十七條 知事、廳長ハ臺灣總督ノ認可ヲ經テ其ノ職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ辨務署長ニ委任スルコトヲ得
第十八條 各縣ニ知事官房、內務部、稅務部、警察部及監獄署ヲ置キ宜蘭廳ニ內務課、財務課、警察課及監獄署ヲ、臺東廳ニ總務課及警察課ヲ、澎湖廳ニ總務課、警察課及監獄署ヲ置ク其ノ事務ノ分掌ハ臺灣總督ノ認可ヲ經テ知事、廳長之ヲ定ム
第十九條 縣ニ在テハ書記官ハ內務部長、稅務官ハ稅務部長、警部長ハ警察部長、典獄ハ監獄署長ト爲リ知事ノ命ヲ承ケ所部ノ事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
宜蘭廳ニ在テハ廳長ハ內務課長、書記官ハ財務課長、警部長ハ警察課長ト爲リ臺東廳及澎湖廳ニ在テハ廳長ハ總務課長、警部長ハ警察課長トナリ廳長ノ命ヲ承ケ所部ノ事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
第二十條 各部長、課長又ハ監獄署長事故アルトキハ知事、廳長ニ於テ縣、廳官吏ノ一人ヲシテ其ノ事務ヲ代理セシム
第二十一條 技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ニ關スル事ヲ掌ル
第二十二條 屬ハ縣ニ在テハ知事官房、內務部又ハ稅務部ニ屬シ廳ニ在テハ總務課、內務課又ハ財務課ニ屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第二十三條 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス
第二十四條 警部ハ警察部、警察課又ハ辨務署、辨務支署ニ分屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ警察ニ關スル事務ヲ分掌シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス
第二十五條 看守長ハ監獄署又ハ監獄支署ニ屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ監獄ノ戒護ヲ掌リ看守ヲ指揮監督ス
廳ニ在テハ看守長ヲ以テ監獄署長ニ充ツ
第二十六條 監獄書記ハ監獄署又ハ監獄支署ニ屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第二十七條 通譯ハ縣、廳ノ各部、課及其ノ他ノ官署ニ分屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ通譯ニ從事ス
第二十八條 知事、廳長ハ必要ト認ムルトキハ臺灣總督ノ認可ヲ經テ監獄署ノ下ニ監獄支署ヲ置クコトヲ得
監獄支署長ハ看守長ヲ以テ之ニ充ツ
監獄支署長ハ上官ノ指揮ヲ承ケ其ノ署主管ノ事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
第二十九條 巡査及看守ニ關スル規程ハ別ニ之ヲ定ム
第三十條 縣、廳職員ノ外警察醫及監獄醫ヲ置キ判任官ノ待遇トス
第三十一條 縣、廳ニ參事ヲ置クコトヲ得
參事ハ各縣各廳五人以內トシ奏任官ノ待遇トス
參事ハ縣、廳管轄內ニ居住シ學識、名望アル者ニ就キ內務大臣ヲ經テ臺灣總督之ヲ奏薦宣行ス
第三十二條 參事ハ地方ノ行政事務ニ關シ知事、廳長ノ諮問ニ對シ意見ヲ述フルモノトス
參事ハ知事、廳長ノ命ヲ承ケ事務ニ從事スルコトアルヘシ
第三十三條 縣、廳ノ管內須要ノ地ニ辨務署ヲ置ク其ノ位置、名稱及管轄區域ハ臺灣總督之ヲ定ム臺東廳及澎湖廳ノ管內ニハ辨務署ヲ置カス廳ニ於テ其ノ事務ヲ掌理ス
前項事務ノ爲メ廳ノ管內ニ其ノ出張所ヲ置クコトヲ得出張所ノ名稱、位置及管轄區域ハ臺灣總督之ヲ定ム
第三十四條 各辨務署ニ警部ノ外左ノ職員ヲ置ク
署長
主記
技手
第三十五條 署長ハ各署一人奏任又ハ判任トス
第三十六條 主記、技手ハ判任トス各署ヲ通シテ五百五十人ヲ以テ定員トス其ノ各縣各廳下ノ定員ハ臺灣總督之ヲ定メ其ノ各官ノ定員竝ニ各辨務署ノ定員ハ知事、廳長之ヲ定ム
第三十七條 各辨務署ニ左ノ三課ヲ置キ事務ヲ分掌セシム
第一課 他課ノ主務ニ屬セサル一切ノ事務ヲ掌ル
第二課 警察ニ關スル事務ヲ掌ル
第三課 蕃人蕃地ニ關スル事務ヲ掌ル
知事、廳長ハ各辨務署ノ須要ニ應シ臺灣總督ノ認可ヲ經テ前項分課中ノ一課若ハ二課ヲ置カサルコトヲ得
第三十八條 知事、廳長ハ辨務署ノ或ル一部ノ事務ヲ掌理セシムル爲メ臺灣總督ノ認可ヲ經テ辨務署ノ下ニ辨務支署ヲ置クコトヲ得
辨務支署長ハ主記、警部又ハ技手ヲ以テ之ニ充ツ
第三十九條 署長ハ知事又ハ廳長、支署長ハ署長ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部內ノ行政事務ヲ掌理ス
第四十條 署長ハ部下ノ官吏ヲ監督シ其ノ進退、功過ヲ知事、廳長ニ具狀ス
第四十一條 署長ハ部內ノ街、庄、社等ノ長ヲ監督シ其ノ進退及成績ヲ知事、廳長ニ具狀ス
第四十二條 署長、支署長事故アルトキハ各其ノ上席主記、警部又ハ技手其ノ職務ヲ代理ス
署長、支署長ハ部下ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得
第四十三條 主記、警部、技手ハ署長又ハ支署長ノ命ヲ承ケ各其ノ主務ニ從事ス
第四十四條 辨務署ニ參事ヲ置クコトヲ得
參事ハ各署五人以內トシ判任官ノ待遇トス
參事ハ辨務署管轄內ニ居住シ學識、名望アル者ニ就キ知事、廳長之ヲ命ス
第四十五條 參事ハ部內ノ行政事務ニ關シ署長ノ諮問ニ對シ意見ヲ述フルモノトス
參事ハ署長ノ指揮ヲ承ケ事務ニ從事スルコトアルヘシ
附 則
本令ハ明治三十一年六月二十日ヨリ施行ス
明治三十年勅令第百六十三號臺灣總督府撫墾署官制ハ本令施行ノ日ヨリ廢止ス
朕台湾総督府地方官官制ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十一年六月十八日
内閣総理大臣 侯爵 伊藤博文
内務大臣 子爵 芳川顕正
勅令第百八号
台湾総督府地方官官制
第一条 台湾ニ台北県、台中県、台南県、宜蘭庁、台東庁及澎湖庁ヲ置ク其ノ位置及管轄区域ハ台湾総督之ヲ定ム
第二条 各県ニ左ノ職員ヲ置ク
知事
書記官
警部長
税務官
技師
典獄
技手
警部
看守長
監獄書記
通訳
第三条 各庁ニ左ノ職員ヲ置ク但シ台東庁ニハ書記官、技師、看守長及監獄書記、澎湖庁ニハ書記官及技師ヲ置カス
庁長
書記官
警部長
技師
技手
警部
看守長
監獄書記
通訳
第四条 知事ハ一人勅任トス
第五条 庁長ハ一人奏任トス
第六条 書記官、警部長、税務官、技師及典獄ハ各一人奏任トス
第七条 技師ハ前条定員ノ外県、庁ノ須要ニ依リ俸給予算定額内ニ於テ適宜之ヲ置クコトヲ得
第八条 属、技手、警部、看守長、監獄書記及通訳ハ判任トス各県各庁ヲ通シテ七百二十人ヲ以テ定員トス其ノ各県各庁ノ定員ハ台湾総督之ヲ定メ其ノ各官ノ定員ハ台湾総督ノ認可ヲ経テ知事、庁長之ヲ定ム
第九条 知事、庁長ハ台湾総督ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部内ノ行政事務ヲ管理ス
第十条 知事、庁長ハ部内ノ行政事務ニ付其ノ職権若ハ特別ノ委任ニ依リ管内一般又ハ其ノ一部ニ県令、庁令ヲ発シ之ニ禁錮二十五日以下又ハ罰金二十五円以内ノ罰則ヲ附スルコトヲ得
第十一条 知事、庁長ハ弁務署長ノ処分若ハ命令ノ成規ニ違ヒ公益ヲ害シ又ハ権限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ処分若ハ命令ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得
第十二条 知事、庁長ハ管内ノ静謐ヲ維持スルカ為メ兵力ヲ要スルトキハ之ヲ台湾総督ニ具状スヘシ但シ其ノ非常急変ノ場合ニ際シテハ直ニ其ノ附近地ノ旅団長若ハ守備隊長ニ出兵ヲ要求スルコトヲ得
第十三条 知事、庁長ハ所部ノ官吏ヲ監督シ奏任官ノ功過ハ台湾総督ニ具状シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ専行ス
第十四条 知事、庁長ハ所部ノ奏任官ノ懲戒ヲ台湾総督ニ具状シ判任官以下ハ之ヲ専行ス
第十五条 知事、庁長ハ庁中処務ノ細則ヲ設クルコトヲ得
第十六条 知事、庁長事故アルトキハ上席高等官其ノ職務ヲ代理ス
知事、庁長ハ県、庁ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得
第十七条 知事、庁長ハ台湾総督ノ認可ヲ経テ其ノ職権ニ属スル事務ノ一部ヲ弁務署長ニ委任スルコトヲ得
第十八条 各県ニ知事官房、内務部、税務部、警察部及監獄署ヲ置キ宜蘭庁ニ内務課、財務課、警察課及監獄署ヲ、台東庁ニ総務課及警察課ヲ、澎湖庁ニ総務課、警察課及監獄署ヲ置ク其ノ事務ノ分掌ハ台湾総督ノ認可ヲ経テ知事、庁長之ヲ定ム
第十九条 県ニ在テハ書記官ハ内務部長、税務官ハ税務部長、警部長ハ警察部長、典獄ハ監獄署長ト為リ知事ノ命ヲ承ケ所部ノ事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
宜蘭庁ニ在テハ庁長ハ内務課長、書記官ハ財務課長、警部長ハ警察課長ト為リ台東庁及澎湖庁ニ在テハ庁長ハ総務課長、警部長ハ警察課長トナリ庁長ノ命ヲ承ケ所部ノ事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
第二十条 各部長、課長又ハ監獄署長事故アルトキハ知事、庁長ニ於テ県、庁官吏ノ一人ヲシテ其ノ事務ヲ代理セシム
第二十一条 技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ニ関スル事ヲ掌ル
第二十二条 属ハ県ニ在テハ知事官房、内務部又ハ税務部ニ属シ庁ニ在テハ総務課、内務課又ハ財務課ニ属シ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第二十三条 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス
第二十四条 警部ハ警察部、警察課又ハ弁務署、弁務支署ニ分属シ上官ノ指揮ヲ承ケ警察ニ関スル事務ヲ分掌シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス
第二十五条 看守長ハ監獄署又ハ監獄支署ニ属シ上官ノ指揮ヲ承ケ監獄ノ戒護ヲ掌リ看守ヲ指揮監督ス
庁ニ在テハ看守長ヲ以テ監獄署長ニ充ツ
第二十六条 監獄書記ハ監獄署又ハ監獄支署ニ属シ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第二十七条 通訳ハ県、庁ノ各部、課及其ノ他ノ官署ニ分属シ上官ノ指揮ヲ承ケ通訳ニ従事ス
第二十八条 知事、庁長ハ必要ト認ムルトキハ台湾総督ノ認可ヲ経テ監獄署ノ下ニ監獄支署ヲ置クコトヲ得
監獄支署長ハ看守長ヲ以テ之ニ充ツ
監獄支署長ハ上官ノ指揮ヲ承ケ其ノ署主管ノ事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
第二十九条 巡査及看守ニ関スル規程ハ別ニ之ヲ定ム
第三十条 県、庁職員ノ外警察医及監獄医ヲ置キ判任官ノ待遇トス
第三十一条 県、庁ニ参事ヲ置クコトヲ得
参事ハ各県各庁五人以内トシ奏任官ノ待遇トス
参事ハ県、庁管轄内ニ居住シ学識、名望アル者ニ就キ内務大臣ヲ経テ台湾総督之ヲ奏薦宣行ス
第三十二条 参事ハ地方ノ行政事務ニ関シ知事、庁長ノ諮問ニ対シ意見ヲ述フルモノトス
参事ハ知事、庁長ノ命ヲ承ケ事務ニ従事スルコトアルヘシ
第三十三条 県、庁ノ管内須要ノ地ニ弁務署ヲ置ク其ノ位置、名称及管轄区域ハ台湾総督之ヲ定ム台東庁及澎湖庁ノ管内ニハ弁務署ヲ置カス庁ニ於テ其ノ事務ヲ掌理ス
前項事務ノ為メ庁ノ管内ニ其ノ出張所ヲ置クコトヲ得出張所ノ名称、位置及管轄区域ハ台湾総督之ヲ定ム
第三十四条 各弁務署ニ警部ノ外左ノ職員ヲ置ク
署長
主記
技手
第三十五条 署長ハ各署一人奏任又ハ判任トス
第三十六条 主記、技手ハ判任トス各署ヲ通シテ五百五十人ヲ以テ定員トス其ノ各県各庁下ノ定員ハ台湾総督之ヲ定メ其ノ各官ノ定員並ニ各弁務署ノ定員ハ知事、庁長之ヲ定ム
第三十七条 各弁務署ニ左ノ三課ヲ置キ事務ヲ分掌セシム
第一課 他課ノ主務ニ属セサル一切ノ事務ヲ掌ル
第二課 警察ニ関スル事務ヲ掌ル
第三課 蕃人蕃地ニ関スル事務ヲ掌ル
知事、庁長ハ各弁務署ノ須要ニ応シ台湾総督ノ認可ヲ経テ前項分課中ノ一課若ハ二課ヲ置カサルコトヲ得
第三十八条 知事、庁長ハ弁務署ノ或ル一部ノ事務ヲ掌理セシムル為メ台湾総督ノ認可ヲ経テ弁務署ノ下ニ弁務支署ヲ置クコトヲ得
弁務支署長ハ主記、警部又ハ技手ヲ以テ之ニ充ツ
第三十九条 署長ハ知事又ハ庁長、支署長ハ署長ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部内ノ行政事務ヲ掌理ス
第四十条 署長ハ部下ノ官吏ヲ監督シ其ノ進退、功過ヲ知事、庁長ニ具状ス
第四十一条 署長ハ部内ノ街、庄、社等ノ長ヲ監督シ其ノ進退及成績ヲ知事、庁長ニ具状ス
第四十二条 署長、支署長事故アルトキハ各其ノ上席主記、警部又ハ技手其ノ職務ヲ代理ス
署長、支署長ハ部下ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得
第四十三条 主記、警部、技手ハ署長又ハ支署長ノ命ヲ承ケ各其ノ主務ニ従事ス
第四十四条 弁務署ニ参事ヲ置クコトヲ得
参事ハ各署五人以内トシ判任官ノ待遇トス
参事ハ弁務署管轄内ニ居住シ学識、名望アル者ニ就キ知事、庁長之ヲ命ス
第四十五条 参事ハ部内ノ行政事務ニ関シ署長ノ諮問ニ対シ意見ヲ述フルモノトス
参事ハ署長ノ指揮ヲ承ケ事務ニ従事スルコトアルヘシ
附 則
本令ハ明治三十一年六月二十日ヨリ施行ス
明治三十年勅令第百六十三号台湾総督府撫墾署官制ハ本令施行ノ日ヨリ廃止ス