朕海軍機關學校條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年九月三日
海軍大臣 侯爵 西鄕從道
勅令第三百二十三號
海軍機關學校條例
第一條 海軍機關學校ハ海軍機關官ト爲スヘキ生徒ヲ敎育スル所トス
第二條 海軍機關學校ニ於テ敎授スヘキ學科ハ機關術水雷術及普通學トス
第三條 海軍機關學校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
副官
敎頭
敎官
監事長
監事
軍醫長
主計長
前項ノ外海軍少軍醫及少主計ヲ置ク
第四條 校長ハ海軍大臣ニ隸シ軍紀風紀ヲ維持シ校務ヲ總理ス
第五條 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌理ス
第六條 敎頭ハ校長ノ命ヲ承ケ敎務ヲ監督ス
第七條 敎官ハ敎頭ノ命ヲ承ケ各學科ノ敎授ヲ擔任ス
第八條 監事長ハ校長ノ命ヲ承ケ生徒ヲ監督シ紀律ヲ維持シ又體育ニ關スル事ヲ掌ル
第九條 監事ハ監事長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十條 軍醫長ハ校長ノ命ヲ承ケ醫務衞生ニ關スル事ヲ掌ル
第十一條 第三條第二項ニ揭クル少軍醫ハ軍醫長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十二條 主計長ハ校長ノ命ヲ承ケ會計給與ニ關スル事ヲ掌ル
第十三條 第三條第二項ニ揭クル少主計ハ主計長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十四條 海軍機關學校ニハ第三條ニ揭クル職員ノ外海軍准士官下士卒及判任文官ヲ置キ各上官ノ命ヲ承ケ服務セシム
第十五條 生徒ハ年齡滿十六年以上滿二十一年以下ニシテ海軍機關官タランコトヲ志願スル者ニ就キ身體檢査及學術試驗ヲ行ヒ合格シタル者ヨリ其ノ成績順序ニ從ヒ所要ノ人員ヲ採用ス
第十六條 左ノ諸項ノ一ニ該ル者ハ生徒ニ採用セス
一 有妻ノ者
二 禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者若ハ賭博犯ノ處分ヲ受ケタル者
三 復權ヲ得サル家資分散者破產者若ハ其ノ相續人
四 身代限ノ處分ヲ受ケ負債ノ辨償ヲ終ヘサル者若ハ其ノ相續人
第十七條 生徒ノ召募及檢査格例ハ每年海軍大臣之ヲ吿示ス
第十八條 生徒ハ入校ノ日ヨリ海軍兵籍ニ編入ス
第十九條 生徒ノ學年ハ三年四箇月トス但シ戰時若ハ事變ニ際シテハ之ヲ短縮スルコトヲ得
第二十條 卒業試驗ニ及第シタル生徒ニハ卒業證書ヲ授與ス
第二十一條 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ス
第二十二條 生徒ハ左ノ諸項ノ一ニ該ルトキハ之ヲ退校セシム
一 品行不良或ハ怠惰ニシテ訓戒ヲ加フルモ改悛セサル者
二 試驗ノ成績不良ニシテ卒業ノ目的ナキ者
三 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ先途役務ニ堪ヘ難シト認ムル者
第二十三條 海軍機關學校ノ定員ハ別表定ムル所ニ依ル
附 則
第二十四條 本令ハ明治三十年十月八日ヨリ施行ス
第二十五條 本令施行ノ際三年四箇月以上在學ノ生徒ハ本令施行ノ日ヲ以テ卒業セシム
(別表)
海軍機關學校定員表
校長
海軍機關總監若ハ機關大監  一
海軍上等機關兵曹  二
海軍下士  十
書記  四
海軍卒  十五
副官
海軍大機關士  一
教頭
海軍機關大監若ハ機關少監  一
教官{
海軍機關少監  一
海軍大機關士  五
海軍教授  六
監事長
海軍機關少監  一敎官ヲ以テ兼補ス
監事
海軍大機關士  六內五人ハ敎官ヲ以テ兼補ス
軍醫長
海軍大軍醫  一
海軍少軍醫  一
主計長
海軍大主計  一
海軍少主計  一
小計  二十六人
三十一人
合計 五十七人
備考
本表定員ノ外本職アル者ヲシテ教官ヲ兼務セシムルコトヲ得
朕海軍機関学校条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年九月三日
海軍大臣 侯爵 西郷従道
勅令第三百二十三号
海軍機関学校条例
第一条 海軍機関学校ハ海軍機関官ト為スヘキ生徒ヲ教育スル所トス
第二条 海軍機関学校ニ於テ教授スヘキ学科ハ機関術水雷術及普通学トス
第三条 海軍機関学校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
副官
教頭
教官
監事長
監事
軍医長
主計長
前項ノ外海軍少軍医及少主計ヲ置ク
第四条 校長ハ海軍大臣ニ隷シ軍紀風紀ヲ維持シ校務ヲ総理ス
第五条 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌理ス
第六条 教頭ハ校長ノ命ヲ承ケ教務ヲ監督ス
第七条 教官ハ教頭ノ命ヲ承ケ各学科ノ教授ヲ担任ス
第八条 監事長ハ校長ノ命ヲ承ケ生徒ヲ監督シ紀律ヲ維持シ又体育ニ関スル事ヲ掌ル
第九条 監事ハ監事長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十条 軍医長ハ校長ノ命ヲ承ケ医務衛生ニ関スル事ヲ掌ル
第十一条 第三条第二項ニ掲クル少軍医ハ軍医長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十二条 主計長ハ校長ノ命ヲ承ケ会計給与ニ関スル事ヲ掌ル
第十三条 第三条第二項ニ掲クル少主計ハ主計長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十四条 海軍機関学校ニハ第三条ニ掲クル職員ノ外海軍准士官下士卒及判任文官ヲ置キ各上官ノ命ヲ承ケ服務セシム
第十五条 生徒ハ年齢満十六年以上満二十一年以下ニシテ海軍機関官タランコトヲ志願スル者ニ就キ身体検査及学術試験ヲ行ヒ合格シタル者ヨリ其ノ成績順序ニ従ヒ所要ノ人員ヲ採用ス
第十六条 左ノ諸項ノ一ニ該ル者ハ生徒ニ採用セス
一 有妻ノ者
二 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者若ハ賭博犯ノ処分ヲ受ケタル者
三 復権ヲ得サル家資分散者破産者若ハ其ノ相続人
四 身代限ノ処分ヲ受ケ負債ノ弁償ヲ終ヘサル者若ハ其ノ相続人
第十七条 生徒ノ召募及検査格例ハ毎年海軍大臣之ヲ告示ス
第十八条 生徒ハ入校ノ日ヨリ海軍兵籍ニ編入ス
第十九条 生徒ノ学年ハ三年四箇月トス但シ戦時若ハ事変ニ際シテハ之ヲ短縮スルコトヲ得
第二十条 卒業試験ニ及第シタル生徒ニハ卒業証書ヲ授与ス
第二十一条 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ス
第二十二条 生徒ハ左ノ諸項ノ一ニ該ルトキハ之ヲ退校セシム
一 品行不良或ハ怠惰ニシテ訓戒ヲ加フルモ改悛セサル者
二 試験ノ成績不良ニシテ卒業ノ目的ナキ者
三 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ先途役務ニ堪ヘ難シト認ムル者
第二十三条 海軍機関学校ノ定員ハ別表定ムル所ニ依ル
附 則
第二十四条 本令ハ明治三十年十月八日ヨリ施行ス
第二十五条 本令施行ノ際三年四箇月以上在学ノ生徒ハ本令施行ノ日ヲ以テ卒業セシム
(別表)
海軍機関学校定員表
校長
海軍機関総監若ハ機関大監  一
海軍上等機関兵曹  二
海軍下士  十
書記  四
海軍卒  十五
副官
海軍大機関士  一
教頭
海軍機関大監若ハ機関少監  一
教官{
海軍機関少監  一
海軍大機関士  五
海軍教授  六
監事長
海軍機関少監  一教官ヲ以テ兼補ス
監事
海軍大機関士  六内五人ハ教官ヲ以テ兼補ス
軍医長
海軍大軍医  一
海軍少軍医  一
主計長
海軍大主計  一
海軍少主計  一
小計  二十六人
三十一人
合計 五十七人
備考
本表定員ノ外本職アル者ヲシテ教官ヲ兼務セシムルコトヲ得