朕陸軍乘馬飼養條例ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年十月十四日
陸軍大臣　子爵　高島鞆之助
勅令第三百三十五號
陸軍乘馬飼養條例
第一條　陸軍現役將校同相當官中左ノ者ハ乘馬本分トス
一　在職ノ將官
二　在職ノ將官相當官
三　在職ノ上長官但聯隊區司令官及地方幼年學校長タル者ハ除ク
四　在職ノ騎兵科士官
五　在職ノ砲兵科士官但要塞砲兵隊附及警備隊砲兵隊附タル者ハ除ク
六　在職ノ輜重兵科士官
七　陸軍省課員タル各兵科監督部衞生部及獸醫部士官
八　東宮武官タル各兵科士官
九　皇族附武官タル各兵科士官ニシテ乘馬ヲ要スル者
十　師團監督部課長及第七師團監督部部員タル監督部士官
十一　參謀タル各兵科士官
十二　參謀本部各部出仕タル各兵科士官
十三　士官學校生徒隊中隊長
十四　敎導團步兵生徒隊中隊長
十五　敎導團工兵生徒隊在職ノ工兵科士官
十六　獸醫部長タル獸醫部士官
十七　騎兵隊附各部士官
十八　野戰砲兵隊附衞生部及獸醫部士官
十九　工兵隊及鐵道隊在職ノ工兵科士官
二十　憲兵隊在職ノ憲兵科士官
二十一　副官タル各兵科士官但聯隊區司令部地方幼年學校ノ副官及警備隊徵募事務專任ノ副官ハ除ク
第二條　乘馬本分ノ將校同相當官ノ飼養スヘキ乘馬ノ定數ハ左ノ如シ
一　大中將　四頭
二　少將同相當官　三頭
三　大中佐同相當官　二頭
四　少佐同相當官　本條中第六乃至第十ニ揭クル者ハ除ク　一頭
五　大中少尉同相當官　本條中第十一及第十二ニ揭クル者ハ除ク　同
六　參謀タル少佐　二頭
七　乘馬學校及野戰砲兵射擊學校敎官タル少佐　同
八　騎兵聯隊附少佐　同
九　憲兵隊長タル少佐　同
十　步兵野戰砲兵工兵輜重兵及鐵道大隊長タル少佐　同
十一　乘馬學校敎官タル大中尉　同
十二　騎兵聯隊在職ノ大中少尉　同
第三條　上長官以上ノ乘馬ハ自馬トシ士官ノ乘馬ハ所管ヨリ支給ス但士官ト雖請願ニ依リ自馬ヲ飼養スルコトヲ得
第四條　上級ノ職務心得ヲ命セラレタル者ハ其ノ上級ノ者ニ同シ
第五條　所管長官ハ在職將校同相當官ヲ以テ左ノ委員ヲ編成シ本條例ニ據リ飼養スル乘馬ノ檢査其ノ他一切ノ事務ヲ取扱ハシムヘシ此ノ委員ヲ乘馬委員ト名ク
委員長　各兵科上長官　一人
委員　上長官士官　若干人
第六條　人員僅少ノ場合若クハ部隊ノ遠隔地方ニ分在スル場合ニ於テハ其ノ所管長官ハ他ノ所管ト合併シテ乘馬委員ヲ編成シ又ハ該委員ノ事務ヲ他ノ所管ニ分囑スルコトヲ得
第七條　陸軍大臣ハ必要ニ應シ一時第一條ニ揭クル者ノ乘馬飼養ヲ停メ若クハ第二條ノ定數ヲ減スルコトヲ得
第八條　臺灣ニ在ル者ニハ第三條士官ノ乘馬ニ關スル事項竝ニ第五條及第六條ヲ適用セス
第九條　外國ニ在ル者ニハ本條例ヲ適用セス但淸國及朝鮮國ニ駐箚ノ軍隊ニ屬スル者ニハ第三條士官ノ乘馬ニ關スル事項竝ニ第五條及第六條ヲ除ク外本條例ヲ適用ス
朕陸軍乗馬飼養条例ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年十月十四日
陸軍大臣　子爵　高島鞆之助
勅令第三百三十五号
陸軍乗馬飼養条例
第一条　陸軍現役将校同相当官中左ノ者ハ乗馬本分トス
一　在職ノ将官
二　在職ノ将官相当官
三　在職ノ上長官但連隊区司令官及地方幼年学校長タル者ハ除ク
四　在職ノ騎兵科士官
五　在職ノ砲兵科士官但要塞砲兵隊附及警備隊砲兵隊附タル者ハ除ク
六　在職ノ輜重兵科士官
七　陸軍省課員タル各兵科監督部衛生部及獣医部士官
八　東宮武官タル各兵科士官
九　皇族附武官タル各兵科士官ニシテ乗馬ヲ要スル者
十　師団監督部課長及第七師団監督部部員タル監督部士官
十一　参謀タル各兵科士官
十二　参謀本部各部出仕タル各兵科士官
十三　士官学校生徒隊中隊長
十四　教導団歩兵生徒隊中隊長
十五　教導団工兵生徒隊在職ノ工兵科士官
十六　獣医部長タル獣医部士官
十七　騎兵隊附各部士官
十八　野戦砲兵隊附衛生部及獣医部士官
十九　工兵隊及鉄道隊在職ノ工兵科士官
二十　憲兵隊在職ノ憲兵科士官
二十一　副官タル各兵科士官但連隊区司令部地方幼年学校ノ副官及警備隊徴募事務専任ノ副官ハ除ク
第二条　乗馬本分ノ将校同相当官ノ飼養スヘキ乗馬ノ定数ハ左ノ如シ
一　大中将　四頭
二　少将同相当官　三頭
三　大中佐同相当官　二頭
四　少佐同相当官　本条中第六乃至第十ニ掲クル者ハ除ク　一頭
五　大中少尉同相当官　本条中第十一及第十二ニ掲クル者ハ除ク　同
六　参謀タル少佐　二頭
七　乗馬学校及野戦砲兵射撃学校教官タル少佐　同
八　騎兵連隊附少佐　同
九　憲兵隊長タル少佐　同
十　歩兵野戦砲兵工兵輜重兵及鉄道大隊長タル少佐　同
十一　乗馬学校教官タル大中尉　同
十二　騎兵連隊在職ノ大中少尉　同
第三条　上長官以上ノ乗馬ハ自馬トシ士官ノ乗馬ハ所管ヨリ支給ス但士官ト雖請願ニ依リ自馬ヲ飼養スルコトヲ得
第四条　上級ノ職務心得ヲ命セラレタル者ハ其ノ上級ノ者ニ同シ
第五条　所管長官ハ在職将校同相当官ヲ以テ左ノ委員ヲ編成シ本条例ニ拠リ飼養スル乗馬ノ検査其ノ他一切ノ事務ヲ取扱ハシムヘシ此ノ委員ヲ乗馬委員ト名ク
委員長　各兵科上長官　一人
委員　上長官士官　若干人
第六条　人員僅少ノ場合若クハ部隊ノ遠隔地方ニ分在スル場合ニ於テハ其ノ所管長官ハ他ノ所管ト合併シテ乗馬委員ヲ編成シ又ハ該委員ノ事務ヲ他ノ所管ニ分嘱スルコトヲ得
第七条　陸軍大臣ハ必要ニ応シ一時第一条ニ掲クル者ノ乗馬飼養ヲ停メ若クハ第二条ノ定数ヲ減スルコトヲ得
第八条　台湾ニ在ル者ニハ第三条士官ノ乗馬ニ関スル事項並ニ第五条及第六条ヲ適用セス
第九条　外国ニ在ル者ニハ本条例ヲ適用セス但清国及朝鮮国ニ駐箚ノ軍隊ニ属スル者ニハ第三条士官ノ乗馬ニ関スル事項並ニ第五条及第六条ヲ除ク外本条例ヲ適用ス