朕玆ニ公使館領事館費用條例ヲ裁可ス
御名御璽
明治二十四年三月三十一日
外務大臣 子爵 靑木周藏
勅令第三十三號
公使館領事館費用條例
第一章 俸給
第一條 外交官、領事官、公使館書記生及領事館書記生ノ俸給ハ分テ本俸在勤俸及加俸ノ三種トス
第二條 外交官及領事官ノ本俸ハ明治十九年勅令第六號及明治二十三年勅令第三十六號高等官官等俸給令ニ依ル但左ノ場合ニ於テハ其半額ヲ給スルモノトス
一 賜暇歸朝ヲ許サレタル者ニシテ歸後六箇月ヲ過キタルトキ
二 養痾ノ爲メ歸朝ヲ許サレタル者ニシテ歸朝後三箇月ヲ過キタルトキ
三 前兩項ノ期限內ニ於テ外國在勤ヲ免セラレタルトキ
四 無任所外交官又ハ無任所領事官ニシテ特ニ省務ニ從事スヘキコトヲ命セラレサルトキ
第三條 公使館書記生及領事館書記生ノ本俸ハ明治十九年勅令第三十六號及明治二十三年勅令第三十七號判任官官等俸給令ニ依ル
書記生ニシテ賜暇歸朝ヲ許サレタル者ニハ歸朝後六箇月間又養痾ノ爲メ歸朝ヲ許サレタル者ニハ歸朝後三箇月間ハ各本俸ノ全額ヲ給ス但此期限ヲ過キタル後ハ本俸ノ半額ヲ給ス
第四條 在勤俸ハ海外在勤ノ場合ニ於テ本俸ノ外任所到著ノ翌日ヨリ任所出發ノ前日マテ給スルモノトス
外交官及公使館書記生ノ在勤俸ハ別表第一號ニ依ル
領事官及領事館書記生ノ在勤俸ハ別表第二號第三號ニ依ル
在勤俸ハ年額ヲ十二分シ其一分ヲ以テ一箇月分ト爲シ每月末之ヲ給ス但端日數ニ係ルモノハ日割計算ス
第五條 新ニ在勤ヲ命セラレタル者ニハ左ノ割合ニ依リ加俸ヲ給ス
一 公使、總領事、領事赴任スルトキハ在勤俸年額十分ノ三ヲ給ス但其妻ヲ同伴スルトキハ更ニ在勤俸年額十分ノ一ヲ給ス赴任後其妻ヲ任地ヘ呼寄スルトキモ亦同シ
二 公使館參事官、公使館書記官、交際官試補、副領事赴任スルトキハ在勤俸年額十分ノ二ヲ給ス但其妻ヲ同伴スルトキハ更ニ在勤俸年額十分ノ一ヲ給ス赴任後其妻ヲ任地ヘ呼寄スルトキモ亦同シ
三 公使館書記生、領事館書記生赴任スルトキハ在勤俸年額十分ノ二ヲ給ス
四 傭員ニハ百圓ヲ給ス但淸國及朝鮮國ヘ在勤ヲ命セラレタル者ニハ其半額ヲ給ス
第六條 任所替若クハ官用歸朝ヲ命セラレタル者又ハ賜暇歸朝ヲ許サレタル者ニハ出發前加俸トシテ其在勤俸年額十分ノ一ヲ給ス但其妻ヲ同伴シタル者ニハ十分ノ二ヲ給ス
第七條 官用歸朝ヲ命セラレタル者歸任スルトキハ前條ニ依リ出發前加俸ヲ給ス
第八條 外國在勤ヲ命セラレタル者ニシテ本邦出發前在勤ヲ免セラレタルトキハ出發前加俸ノ半額ヲ給ス
本邦出發前死去シタル者ニハ全額ヲ給ス
自己ノ情願ニ依リ在勤ヲ免セラレタル者ニハ之ヲ支給セス
第九條 外國ニ於テ任官、轉官若クハ官等ヲ陞降セラレタル者ノ俸給ハ辭令ニ對スル受書ニ載セタル月日ノ當日ヨリ起算ス
外國ニ於テ非職ヲ命セラレタル者及退官シタル者ニハ其辭令ニ對スル受書ニ載セタル月日ノ當日マテ在勤年俸ヲ給ス
第十條 歐米各國濠洲及布哇國ニ在勤スル者ノ俸給ハ金貨ヲ以テ支給ス但本邦滯在中又ハ旅中ノ本俸ハ銀貨ヲ以テ支給ス
東洋諸國ニ在勤スル者ノ俸給ハ銀貨ヲ以テ支給ス
第十一條 任所替若クハ歸朝ヲ命セラレタル者其辭令到達ノ日ヨリ四週間ヲ過キ尙出發セサルトキハ在勤俸ヲ給セス但病ニ罹リ外務大臣ノ許可ヲ得テ滯留スル者ニハ更ニ四週間ヲ限リ在勤俸十分ノ四ヲ給ス
第十二條 公使、總領事、領事其任所ニ於テ交代ノ場合ニ於テハ前任者ノ在勤俸ハ後任者著任ノ翌日ヨリ其十分ノ三ヲ減ス
第十三條 公使、總領事、領事、領事ヲ代理スル副領事、公使館參事官及公使館書記官ニシテ其妻ヲ任所ニ同伴シ若クハ呼寄セタル者ニハ其妻任所ニ到著ノ翌日ヨリ出發ノ前日マテ其在勤俸十分ノ三ヲ增給ス
第十四條 公使館參事官又ハ公使館書記官ニシテ公使ノ代理ヲ命セラレタル者ニハ在勤俸十分ノ四ヲ加給ス
第二章 補助員傭給
第十五條 公使館又ハ領事館ニ置ク補助員ノ傭給ハ歐米各國濠洲及布哇ニ於テハ一箇月金貨四百圓東洋諸國及其他ニ於テハ銀貨貳百圓ヲ超過スルコトヲ得ス
第三章 退官賜金、非職給及死亡賜金
第十六條 外交官、領事官、公使館書記生及領事館書記生ノ退官賜金及非職給ハ其本俸ニ依リ之ヲ算出ス
第十七條 外交官、領事官、公使館書記生及領事館書記生外國在勤中死亡シタルトキハ明治二十三年法律第四十四號遺族扶助法及明治十九年勅令第六號第二十一條及同年勅令第三十六號第七條ニ依リ給スルモノヽ外別ニ其在勤俸十分ノ二ヲ其遺族ニ給ス
第四章 旅費
第一節 總則
第十八條 旅費トハ船車料日當ノ二種ヲ合稱ス
第十九條 旅費ハ外交官、領事官、公使館書記生及領事館書記生ノ赴任、官用歸朝、賜暇歸朝、任所替其他官務旅行ノ場合ニ限リ給スルモノトス
第二十條 任所ニ於テ非職ヲ命セラレ又ハ免官セラレタル者其辭令到達ノ日ヨリ四週間以內ニ出發歸朝スルトキハ本官若クハ前官相當ノ旅費ヲ給ス
第二十一條 公使館又ハ領事館所在地ニ於テ傭入ラレタル本邦人滿四年以上勤續ノ後解傭セラレ其當日ヨリ四週間以內ニ出發歸朝スルトキハ旅費ヲ給ス
第二十二條 公使館又ハ領事館ニ置ク補助員ニハ任所替若クハ官務旅行ヲ命シタルトキニ限リ旅費ヲ給ス但其傭給額一箇月銀貨貳百五拾圓以上ナルトキハ奏任官四等相當ノ旅費ヲ給ス其他ニハ判任官相當ノ旅費ヲ給ス
第二節 船車料
第二十三條 外交官、領事官、公使館書記生、領事館書記生及補助員ニハ一等船車料ヲ傭員及從者ニハ二等船車料ヲ別表第四號ニ依リ給ス但表中規定セサルモノハ實費ヲ給ス
官船若クハ官ノ雇船ニテ旅行スル者現ニ船料ヲ要セサルトキハ之ヲ給セス
汽船汽車ノ便ナキ處ヲ旅行スル場合ニ於テハ人馬舟車ノ雇賃實費ヲ給ス
往返ノ路程十二哩ニ滿タサルトキハ船車料及前項ノ實費ヲ給セス
第二十四條 左ノ場合ニ於テハ外交官、領事官、公使館書記生及領事館書記生ノ妻ニハ別表第四號ニ依リ一等船車料ヲ給ス
一 夫ノ赴任、官用歸朝、賜暇歸朝及任所替ノ際夫ト同行スルトキ
二 夫ト同行セサルトキト雖モ本邦ヨリ夫ノ任所ヘ一囘限リ往復スルトキ
三 公使官務ヲ帶ヒテ兼任國ヘ旅行スル場合ニ於テ其妻ヲ同伴スルトキ
前條第二項以下ノ規定ハ本條ニモ亦之ヲ適用ス
第二十五條 公使赴任、官用歸朝、賜暇歸朝、任所替又ハ官務ヲ帶ヒテ兼任國ヘ旅行スル場合ニ於テ現ニ其妻ヲ同伴シ從者二人ヲ隨伴セシムルトキハ從者二人分若シ現ニ從者一人ナルトキハ一人分ノ二等船車料ヲ給ス
前項ノ場合ニ於テ公使其妻ヲ同伴セサルトキハ現ニ從者二人ヲ隨伴セシムルト雖モ一人分ノ二等船車料ヲ給ス
公使以外ノ外交官及領事官ニシテ赴任、官用歸朝、賜暇歸朝又ハ任所替ノ際現ニ妻ヲ同伴シ從者ヲ隨伴セシムルトキハ一人分ノ二等船車料ヲ給ス但從者ヲ隨伴スルモ妻ヲ同伴セサルモノハ支給ノ限リニアラス
第二十六條 外交官及領事官其妻ヲ任所ニ呼寄スル際現ニ從者ヲ隨伴セシムルトキハ一人分ノ二等船車料ヲ給ス
第二十七條 外交官、領事官、書記生ノ妻任所ニ於テ死亡シ其遺骸ヲ本邦ヘ囘送スル場合ニ於テハ第四號表ニ依リ本邦迄ノ一等船車料ヲ手當トシテ給ス
第三節 日當
第二十八條 陸行中及出張地滯在中ハ左ノ割合ニ依リ日當ヲ給ス但往返一日ヲ出テサルトキハ之ヲ給セス又出張地到著ノ翌日ヨリ起算シ滿三週間ヲ過クルトキハ其滯在中日當ヲ半額ニ減ス
【表】
第二十九條 航行中ハ前條日當ノ半額ヲ給ス但船料ヲ給セサル場合ニ於テハ日當十分ノ七ヲ給ス
第三十條 公使兼任國ニ出張スル場合ニ於テハ到著ノ翌日ヨリ起算シ其滯在日數滿四週間マテハ第二十八條ノ日當ノ外更ニ其十分ノ五ヲ給ス
第五章 經費
第三十一條 公使館領事館經費ハ實費精算ヲ要スルモノト精算ヲ問ハス渡切ルモノトノ二種ニ區分シ其區分ニ屬スル費目ハ外務大臣大藏大臣ニ協議シテ之ヲ定ムヘシ
第三十二條 外務大臣ハ特ニ事務所費ヲ名譽領事ニ給スルコトヲ得但一箇年貳千五百圓ヲ超過スルコトヲ得ス
第六章 補則
第三十三條 本條例ニ揭クル領事官ニ關スル條項ハ貿易事務官ニモ適用ス
第三十四條 本條例ハ明治二十四年四月一日ヨリ施行ス
本條例ノ施行ニ關スル細則ハ外務大臣之ヲ定ム
明治十九年勅令第二十三號無任所外交官年俸及同年勅令第四十九號交際官竝領事費用條例ハ本條例施行ノ日ヨリ之ヲ廢止ス
【表】
【表】
【表】
【表】
朕茲ニ公使館領事館費用条例ヲ裁可ス
御名御璽
明治二十四年三月三十一日
外務大臣 子爵 青木周蔵
勅令第三十三号
公使館領事館費用条例
第一章 俸給
第一条 外交官、領事官、公使館書記生及領事館書記生ノ俸給ハ分テ本俸在勤俸及加俸ノ三種トス
第二条 外交官及領事官ノ本俸ハ明治十九年勅令第六号及明治二十三年勅令第三十六号高等官官等俸給令ニ依ル但左ノ場合ニ於テハ其半額ヲ給スルモノトス
一 賜暇帰朝ヲ許サレタル者ニシテ帰後六箇月ヲ過キタルトキ
二 養痾ノ為メ帰朝ヲ許サレタル者ニシテ帰朝後三箇月ヲ過キタルトキ
三 前両項ノ期限内ニ於テ外国在勤ヲ免セラレタルトキ
四 無任所外交官又ハ無任所領事官ニシテ特ニ省務ニ従事スヘキコトヲ命セラレサルトキ
第三条 公使館書記生及領事館書記生ノ本俸ハ明治十九年勅令第三十六号及明治二十三年勅令第三十七号判任官官等俸給令ニ依ル
書記生ニシテ賜暇帰朝ヲ許サレタル者ニハ帰朝後六箇月間又養痾ノ為メ帰朝ヲ許サレタル者ニハ帰朝後三箇月間ハ各本俸ノ全額ヲ給ス但此期限ヲ過キタル後ハ本俸ノ半額ヲ給ス
第四条 在勤俸ハ海外在勤ノ場合ニ於テ本俸ノ外任所到著ノ翌日ヨリ任所出発ノ前日マテ給スルモノトス
外交官及公使館書記生ノ在勤俸ハ別表第一号ニ依ル
領事官及領事館書記生ノ在勤俸ハ別表第二号第三号ニ依ル
在勤俸ハ年額ヲ十二分シ其一分ヲ以テ一箇月分ト為シ毎月末之ヲ給ス但端日数ニ係ルモノハ日割計算ス
第五条 新ニ在勤ヲ命セラレタル者ニハ左ノ割合ニ依リ加俸ヲ給ス
一 公使、総領事、領事赴任スルトキハ在勤俸年額十分ノ三ヲ給ス但其妻ヲ同伴スルトキハ更ニ在勤俸年額十分ノ一ヲ給ス赴任後其妻ヲ任地ヘ呼寄スルトキモ亦同シ
二 公使館参事官、公使館書記官、交際官試補、副領事赴任スルトキハ在勤俸年額十分ノ二ヲ給ス但其妻ヲ同伴スルトキハ更ニ在勤俸年額十分ノ一ヲ給ス赴任後其妻ヲ任地ヘ呼寄スルトキモ亦同シ
三 公使館書記生、領事館書記生赴任スルトキハ在勤俸年額十分ノ二ヲ給ス
四 傭員ニハ百円ヲ給ス但清国及朝鮮国ヘ在勤ヲ命セラレタル者ニハ其半額ヲ給ス
第六条 任所替若クハ官用帰朝ヲ命セラレタル者又ハ賜暇帰朝ヲ許サレタル者ニハ出発前加俸トシテ其在勤俸年額十分ノ一ヲ給ス但其妻ヲ同伴シタル者ニハ十分ノ二ヲ給ス
第七条 官用帰朝ヲ命セラレタル者帰任スルトキハ前条ニ依リ出発前加俸ヲ給ス
第八条 外国在勤ヲ命セラレタル者ニシテ本邦出発前在勤ヲ免セラレタルトキハ出発前加俸ノ半額ヲ給ス
本邦出発前死去シタル者ニハ全額ヲ給ス
自己ノ情願ニ依リ在勤ヲ免セラレタル者ニハ之ヲ支給セス
第九条 外国ニ於テ任官、転官若クハ官等ヲ陞降セラレタル者ノ俸給ハ辞令ニ対スル受書ニ載セタル月日ノ当日ヨリ起算ス
外国ニ於テ非職ヲ命セラレタル者及退官シタル者ニハ其辞令ニ対スル受書ニ載セタル月日ノ当日マテ在勤年俸ヲ給ス
第十条 欧米各国濠洲及布哇国ニ在勤スル者ノ俸給ハ金貨ヲ以テ支給ス但本邦滞在中又ハ旅中ノ本俸ハ銀貨ヲ以テ支給ス
東洋諸国ニ在勤スル者ノ俸給ハ銀貨ヲ以テ支給ス
第十一条 任所替若クハ帰朝ヲ命セラレタル者其辞令到達ノ日ヨリ四週間ヲ過キ尚出発セサルトキハ在勤俸ヲ給セス但病ニ罹リ外務大臣ノ許可ヲ得テ滞留スル者ニハ更ニ四週間ヲ限リ在勤俸十分ノ四ヲ給ス
第十二条 公使、総領事、領事其任所ニ於テ交代ノ場合ニ於テハ前任者ノ在勤俸ハ後任者著任ノ翌日ヨリ其十分ノ三ヲ減ス
第十三条 公使、総領事、領事、領事ヲ代理スル副領事、公使館参事官及公使館書記官ニシテ其妻ヲ任所ニ同伴シ若クハ呼寄セタル者ニハ其妻任所ニ到著ノ翌日ヨリ出発ノ前日マテ其在勤俸十分ノ三ヲ増給ス
第十四条 公使館参事官又ハ公使館書記官ニシテ公使ノ代理ヲ命セラレタル者ニハ在勤俸十分ノ四ヲ加給ス
第二章 補助員傭給
第十五条 公使館又ハ領事館ニ置ク補助員ノ傭給ハ欧米各国濠洲及布哇ニ於テハ一箇月金貨四百円東洋諸国及其他ニ於テハ銀貨弐百円ヲ超過スルコトヲ得ス
第三章 退官賜金、非職給及死亡賜金
第十六条 外交官、領事官、公使館書記生及領事館書記生ノ退官賜金及非職給ハ其本俸ニ依リ之ヲ算出ス
第十七条 外交官、領事官、公使館書記生及領事館書記生外国在勤中死亡シタルトキハ明治二十三年法律第四十四号遺族扶助法及明治十九年勅令第六号第二十一条及同年勅令第三十六号第七条ニ依リ給スルモノヽ外別ニ其在勤俸十分ノ二ヲ其遺族ニ給ス
第四章 旅費
第一節 総則
第十八条 旅費トハ船車料日当ノ二種ヲ合称ス
第十九条 旅費ハ外交官、領事官、公使館書記生及領事館書記生ノ赴任、官用帰朝、賜暇帰朝、任所替其他官務旅行ノ場合ニ限リ給スルモノトス
第二十条 任所ニ於テ非職ヲ命セラレ又ハ免官セラレタル者其辞令到達ノ日ヨリ四週間以内ニ出発帰朝スルトキハ本官若クハ前官相当ノ旅費ヲ給ス
第二十一条 公使館又ハ領事館所在地ニ於テ傭入ラレタル本邦人満四年以上勤続ノ後解傭セラレ其当日ヨリ四週間以内ニ出発帰朝スルトキハ旅費ヲ給ス
第二十二条 公使館又ハ領事館ニ置ク補助員ニハ任所替若クハ官務旅行ヲ命シタルトキニ限リ旅費ヲ給ス但其傭給額一箇月銀貨弐百五拾円以上ナルトキハ奏任官四等相当ノ旅費ヲ給ス其他ニハ判任官相当ノ旅費ヲ給ス
第二節 船車料
第二十三条 外交官、領事官、公使館書記生、領事館書記生及補助員ニハ一等船車料ヲ傭員及従者ニハ二等船車料ヲ別表第四号ニ依リ給ス但表中規定セサルモノハ実費ヲ給ス
官船若クハ官ノ雇船ニテ旅行スル者現ニ船料ヲ要セサルトキハ之ヲ給セス
汽船汽車ノ便ナキ処ヲ旅行スル場合ニ於テハ人馬舟車ノ雇賃実費ヲ給ス
往返ノ路程十二哩ニ満タサルトキハ船車料及前項ノ実費ヲ給セス
第二十四条 左ノ場合ニ於テハ外交官、領事官、公使館書記生及領事館書記生ノ妻ニハ別表第四号ニ依リ一等船車料ヲ給ス
一 夫ノ赴任、官用帰朝、賜暇帰朝及任所替ノ際夫ト同行スルトキ
二 夫ト同行セサルトキト雖モ本邦ヨリ夫ノ任所ヘ一回限リ往復スルトキ
三 公使官務ヲ帯ヒテ兼任国ヘ旅行スル場合ニ於テ其妻ヲ同伴スルトキ
前条第二項以下ノ規定ハ本条ニモ亦之ヲ適用ス
第二十五条 公使赴任、官用帰朝、賜暇帰朝、任所替又ハ官務ヲ帯ヒテ兼任国ヘ旅行スル場合ニ於テ現ニ其妻ヲ同伴シ従者二人ヲ随伴セシムルトキハ従者二人分若シ現ニ従者一人ナルトキハ一人分ノ二等船車料ヲ給ス
前項ノ場合ニ於テ公使其妻ヲ同伴セサルトキハ現ニ従者二人ヲ随伴セシムルト雖モ一人分ノ二等船車料ヲ給ス
公使以外ノ外交官及領事官ニシテ赴任、官用帰朝、賜暇帰朝又ハ任所替ノ際現ニ妻ヲ同伴シ従者ヲ随伴セシムルトキハ一人分ノ二等船車料ヲ給ス但従者ヲ随伴スルモ妻ヲ同伴セサルモノハ支給ノ限リニアラス
第二十六条 外交官及領事官其妻ヲ任所ニ呼寄スル際現ニ従者ヲ随伴セシムルトキハ一人分ノ二等船車料ヲ給ス
第二十七条 外交官、領事官、書記生ノ妻任所ニ於テ死亡シ其遺骸ヲ本邦ヘ回送スル場合ニ於テハ第四号表ニ依リ本邦迄ノ一等船車料ヲ手当トシテ給ス
第三節 日当
第二十八条 陸行中及出張地滞在中ハ左ノ割合ニ依リ日当ヲ給ス但往返一日ヲ出テサルトキハ之ヲ給セス又出張地到著ノ翌日ヨリ起算シ満三週間ヲ過クルトキハ其滞在中日当ヲ半額ニ減ス
【表】
第二十九条 航行中ハ前条日当ノ半額ヲ給ス但船料ヲ給セサル場合ニ於テハ日当十分ノ七ヲ給ス
第三十条 公使兼任国ニ出張スル場合ニ於テハ到著ノ翌日ヨリ起算シ其滞在日数満四週間マテハ第二十八条ノ日当ノ外更ニ其十分ノ五ヲ給ス
第五章 経費
第三十一条 公使館領事館経費ハ実費精算ヲ要スルモノト精算ヲ問ハス渡切ルモノトノ二種ニ区分シ其区分ニ属スル費目ハ外務大臣大蔵大臣ニ協議シテ之ヲ定ムヘシ
第三十二条 外務大臣ハ特ニ事務所費ヲ名誉領事ニ給スルコトヲ得但一箇年弐千五百円ヲ超過スルコトヲ得ス
第六章 補則
第三十三条 本条例ニ掲クル領事官ニ関スル条項ハ貿易事務官ニモ適用ス
第三十四条 本条例ハ明治二十四年四月一日ヨリ施行ス
本条例ノ施行ニ関スル細則ハ外務大臣之ヲ定ム
明治十九年勅令第二十三号無任所外交官年俸及同年勅令第四十九号交際官並領事費用条例ハ本条例施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス
【表】
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