関税定率法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第五号
公布年月日: 平成20年3月31日
法令の形式: 法律
関税定率法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十年三月三十一日
内閣総理大臣 福田康夫
法律第五号
関税定率法等の一部を改正する法律
(関税定率法の一部改正)
第一条 関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第十条第四項中「この項、第十九条第六項、第十九条の二第四項並びに第二十条第四項及び第五項において」を削り、「同法第七条の二第一項」を「同条第一項」に改める。
第十四条第六号の二中「はりつける」を「張り付ける」に改め、同条第十号ただし書中「第十九条の三第一項」の下に「若しくは第三項」を加え、同条第十三号中「ぎ装品」を「ぎ装品」に改め、同条第十四号中「積みもどされた」を「積み戻された」に改める。
第十九条の三の見出しを「(輸入時と同一状態で再輸出される場合の戻し税等)」に改め、同条第一項中「政令で定めるところにより輸入された貨物で」を「輸入された貨物のうち、その輸入の際にこの項の規定の適用を受けようとする旨を政令で定めるところにより税関長に届け出たものであつて」に改め、同条第二項中「又は第二項」を「から第三項まで」に改め、同条に次の一項を加える。
3 特例申告貨物のうち、その輸入の際にこの項の規定の適用を受けようとする旨を政令で定めるところにより税関長に届け出たものであつて、その輸入の時の性質及び形状が変わつていないものを当該特例申告貨物に係る特例申告書の提出前に本邦から輸出したときは、当該特例申告書がその提出期限内に提出される場合に限り、政令で定めるところにより、その関税に相当する額を当該特例申告貨物に課されるべき関税の額から控除することができる。
別表第七二〇二・四一号中「七・二%」を「無税」に改める。
(関税法の一部改正)
第二条 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
目次中「第七章 収容及び留置(第七十九条―第八十八条)」を
第六章の二
認定通関業者(第七十九条―第七十九条の四)
第七章
収容及び留置(第八十条―第八十八条)
に改める。
第四条第一項第四号中「次号」の下に「、第五号の二」を加え、同項第五号の二中「第三号の二」の下に「、第五号」を加え、同号を同項第五号の三とし、同項第五号の次に次の一号を加える。
五の二 第六十三条の二第一項(保税運送の特例)に規定する特定保税運送に係る外国貨物で、第六十五条第二項(運送の期間の経過による関税の徴収)に規定する期間内に運送先に到着しないもの(第一号、第二号、第三号の二、第七号及び第八号に掲げるものを除く。) 当該外国貨物が発送された時
第七条の二第一項中「者で」を「者であつて、」に、「は、当該承認を受けた日の属する月の翌月以後」を「又は当該貨物の輸入に係る通関手続(通関業法(昭和四十二年法律第百二十二号)第二条第一号イ(1)(定義)に規定する通関手続をいう。以下同じ。)を認定通関業者(第七十九条の二(規則等に関する改善措置)に規定する認定通関業者をいう。第六十三条の二第一項、第六十三条の七第一項第二号イ及び第六十七条の三第一項において同じ。)に委託した者(以下「特例委託輸入者」という。)は」に改め、同条中第五項を削り、第六項を第五項とし、第七項を第六項とする。
第七条の三及び第七条の四第一項中「特例輸入者」の下に「又は特例委託輸入者」を加える。
第七条の五中「第七条の二第六項」を「第七条の二第五項」に改め、同条第一号ヘ中「若しくはニ」を「、ニ若しくはヘ」に改める。
第七条の六中「又は」を「若しくは」に、「遂行に関し、その」を「遂行の」に改め、「講ずること」の下に「又は同号に規定する規則を新たに定めること」を加える。
第七条の八を次のように改める。
(担保の提供)
第七条の八 税関長は、関税、内国消費税及び地方消費税(以下この項及び第七条の十一第二項において「関税等」という。)の保全のために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、特例輸入者又は特例委託輸入者に対し、金額及び期間を指定して、関税等につき担保の提供を命ずることができる。
2 税関長は、必要があると認めるときは、前項の金額又は期間を変更することができる。
第七条の十二第一項第一号ニ中「第七条の八第二項」を「第七条の八第一項」に改める。
第九条の二第三項中「特例輸入者」の下に「又は特例委託輸入者」を加える。
第十三条の三中「又は承認」を「若しくは承認」に、「申し立て」を「申し立てた場合であつて」に改め、「(昭和四十二年法律第百二十二号)」を削り、「受けた者」を「した者」に改める。
第十六条第一項ただし書中「(執務時間外の貨物の積卸し)」、「(船舶又は航空機と陸地との交通等)」及び「(保税運送)」を削る。
第十九条の見出しを「(開庁時間外の貨物の積卸し)」に改め、同条中「行政機関の休日又はこれ以外の日の税関の執務時間外」を「税関官署の開庁時間(税関官署において事務を取り扱う時間として当該税関官署における事務の種類その他の事情を勘案して税関長が定めて公示した時間をいう。第九十八条第一項において同じ。)以外の時間」に、「税関に」を「税関長に」に改める。
第三十条第二項中「及び第六号」を「、第六号及び第八号から第十号まで」に、「限る」を「限り、同項第九号に掲げる貨物にあつては、回路配置利用権のみを侵害するものを除く」に改める。
第三十四条の二中「(外国貨物を置くことができる期間)」、「(外国貨物を置くことの承認)」、「(記帳義務)」、「(保税蔵置場及び保税工場についての規定の準用)」、「(保税展示場に入れる外国貨物に係る手続)」及び「(外国貨物を置くこと等の承認)」を削り、「第七十九条第一項(貨物の収容)」を「第八十条第一項」に改める。
第五十二条中「又は」を「若しくは」に、「遂行に関し、その」を「遂行の」に改め、「講ずること」の下に「又は同号に規定する規則を新たに定めること」を加える。
第五十八条の二中「特例輸入者」の下に「又は特例委託輸入者」を加える。
第六十三条第一項中「(許可を受けて保税地域外に置く外国貨物)」を「(外国貨物を置く場所の制限)」に改め、「相互間」の下に「(次条第一項において「特定区間」という。)」を加え、同条の次に次の七条を加える。
(保税運送の特例)
第六十三条の二 認定通関業者又は国際運送貨物取扱業者(第五十条第一項(保税蔵置場の許可の特例)又は第六十一条の五第一項(保税工場の許可の特例)の承認を受けた者その他の国際運送貨物の運送又は管理に関する業務を行う者として政令で定める要件に該当する者をいう。第六十三条の四第一号ロ及び第六十三条の七第一項第二号ロにおいて同じ。)であつて、あらかじめいずれかの税関長の承認を受けた者(以下「特定保税運送者」という。)が特定区間であつて政令で定める区間において行う外国貨物の運送(以下「特定保税運送」という。)については、前条第一項の規定による承認を受けることを要しない。
2 特定保税運送に際しては、運送目録を税関に提示し、その確認を受けなければならない。
3 特定保税運送に係る外国貨物が運送先に到着したときは、特定保税運送者は、前項の確認を受けた運送目録を、遅滞なく到着地の税関に提示し、その確認を受けなければならない。
4 特定保税運送者は、前項の確認を受けた運送目録を第二項の確認をした税関の税関長に提出しなければならない。
5 第二項の運送目録の提示その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(承認の手続等)
第六十三条の三 前条第一項の承認を受けようとする者は、その住所又は居所及び氏名又は名称その他必要な事項を記載した申請書を税関長に提出しなければならない。
2 税関長は、前項の規定による申請書の提出があつた場合において、前条第一項の承認をしたときは、直ちにその旨を公告しなければならない。
3 第一項の申請書の提出その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(承認の要件)
第六十三条の四 税関長は、第六十三条の二第一項(保税運送の特例)の承認をしようとするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 承認を受けようとする者が次のいずれにも該当しないこと。
イ この法律若しくは関税定率法その他関税に関する法律又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反して刑に処せられ、又は通告処分を受け、その刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日又はその通告の旨を履行した日から三年を経過していない者であること。
ロ 政令で定める国際運送貨物取扱業者の区分に応じ、政令で定める法律又はその法律に基づく命令の規定に違反して刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から三年を経過していない者であること。
ハ イ及びロに規定する法令以外の法令の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であること。
ニ その業務についてイからハまでに該当する者を役員とする法人であること、又はその者を代理人、使用人その他の従業者として使用する者であること。
ホ 第六十三条の八第一項第一号ロ又は第二号(承認の取消し)の規定により第六十三条の二第一項の承認を取り消された日から三年を経過していない者であること。
二 承認を受けようとする者が、特定保税運送に関する業務を電子情報処理組織を使用して行うことその他当該業務を適正かつ確実に遂行することができる能力を有していること。
三 承認を受けようとする者が、特定保税運送に関する業務について、その者(その者が法人である場合においては、その役員を含む。)又はその代理人、支配人その他の従業者がこの法律その他の法令の規定を遵守するための事項として財務省令で定める事項を規定した規則を定めていること。
(規則等に関する改善措置)
第六十三条の五 税関長は、特定保税運送者がこの法律の規定に従つて特定保税運送を行わなかつたことその他の事由により、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、前条第三号に規定する規則若しくは当該規則に定められた事項に係る業務の遂行の改善に必要な措置を講ずること又は同号に規定する規則を新たに定めることを求めることができる。
(保税運送の特例の適用を受ける必要がなくなつた旨の届出)
第六十三条の六 特定保税運送者は、第六十三条の二第一項(保税運送の特例)の規定の適用を受ける必要がなくなつたときは、政令で定めるところにより、その旨を同項の承認をした税関長に届け出ることができる。
(承認の失効)
第六十三条の七 第六十三条の二第一項(保税運送の特例)の承認は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その効力を失う。
一 前条の規定による届出があつたとき。
二 次に掲げる者の区分に応じ、それぞれ次に定める場合に該当するとき。
イ 認定通関業者(ロに掲げる者であるものを除く。) 第七十九条第一項(通関業者の認定)の認定が失効した場合
ロ 国際運送貨物取扱業者 第六十三条の二第一項に規定する要件を欠くに至つた場合
三 税関長が承認を取り消したとき。
2 第六十三条の二第一項の承認が失効したときは、税関長は、直ちにその旨を公告しなければならない。
3 第六十三条の二第一項の承認が失効した場合において、当該承認を受けていた者又はその相続人(承認を受けていた法人が合併により消滅した場合においては、合併後存続する法人又は合併により設立された法人)は、その失効前に発送された外国貨物についてこの法律その他の関税に関する法律の規定により課される義務を免れることができない。
(承認の取消し)
第六十三条の八 税関長は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、第六十三条の二第一項(保税運送の特例)の承認を取り消すことができる。
一 特定保税運送者が次のいずれかに該当するとき。
イ 第六十三条の四第一号イからニまで(承認の要件)に該当することとなつたとき又は同条第二号に適合しないこととなつたとき。
ロ 第六十三条の五(規則等に関する改善措置)の規定による税関長の求めに応じなかつたとき。
二 特定保税運送に際し、第六十三条の二第二項若しくは第三項の規定による運送目録の提示をせず、若しくはこれらの規定による確認を受けず、又は同条第四項の規定による運送目録の提出をしなかつたとき。
2 前項の規定による承認の取消しの手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第六十四条第一項中「左の各号に」を「次に」に、「前条第一項前段」を「第六十三条第一項前段(保税運送)」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同項第三号中「陸揚された」を「陸揚げされた」に改め、同条第二項中「前条第四項」を「第六十三条第四項」に改める。
第六十五条第一項中「除く」の下に「。次項において同じ」を加え、同条第三項中「又は」を「若しくは」に改め、「外国貨物」の下に「又は特定保税運送に係る外国貨物」を、「受けた者」の下に「又は特定保税運送者」を、「当該承認」の下に「又は第六十三条の二第一項(保税運送の特例)の承認」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項中「(保税蔵置場の許可を受けた者の関税の納付義務の免除)」を「(許可を受けた者の関税の納付義務等)」に、「前項ただし書」を「第一項ただし書(前項において準用する場合を含む。)」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 特定保税運送に係る外国貨物が発送の日の翌日から起算して七日以内に運送先に到着しないときは、特定保税運送者から、直ちにその関税を徴収する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
第六十五条の二中「(保税運送)」の下に「、第六十三条の二第一項(保税運送の特例)」を加え、「及び第六号」を「、第六号及び第八号から第十号まで」に、「限る」を「限り、同項第九号に掲げる貨物にあつては、回路配置利用権のみを侵害するものを除く」に、「(輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪)」を「及び第二項」に改める。
第六十七条中「を除く」を「にあつては、関税暫定措置法第八条の二第一項第二号(特恵関税等)に規定する特定鉱工業産品等であつて同項の規定の適用を受けるものその他政令で定める規定の適用を受けるものに限る」に改める。
第六十七条の二第一項第二号中「当該貨物」の下に「(関税暫定措置法第八条の二第一項第二号(特恵関税等)に規定する特定鉱工業産品等であつて同項の規定の適用を受けるものその他政令で定める規定の適用を受けるものを除く。)」を、「特例輸入者」の下に「又は特例委託輸入者」を加える。
第六十七条の三第一項中「者で」を「者であつて、」に改め、「という。)」の下に「又は当該貨物の輸出に係る通関手続を認定通関業者に委託した者(次項において「特定委託輸出者」という。)」を加え、同条第二項中「前項の規定により前条第一項の規定を適用しない輸出申告(以下「特定輸出申告」という。)」を「特定輸出申告(前項の規定により特定輸出者が行う前条第一項の規定を適用しない輸出申告をいう。以下同じ。)及び特定委託輸出申告(前項の規定により特定委託輸出者が行う同条第一項の規定を適用しない輸出申告をいう。第五項及び第七十九条の三第三項において同じ。)」に改め、同項に後段として次のように加える。
この場合において、特定委託輸出者は、その申告に係る貨物が置かれている場所から当該貨物を外国貿易船等に積み込もうとする開港、税関空港又は不開港までの運送を特定保税運送者に委託しなければならない。
第六十七条の三第四項を削り、同条第五項を同条第四項とし、同条第六項中「特定輸出申告」の下に「及び特定委託輸出申告」を加え、同項を同条第五項とする。
第六十七条の五中「又は」を「若しくは」に、「遂行に関し、その」を「遂行の」に改め、「講ずること」の下に「又は同号に規定する規則を新たに定めること」を加える。
第六十九条の四第一項中「、税関長」を「、いずれかの税関長」に改め、「当該貨物について」の下に「当該税関長(以下この条及び次条において「申立先税関長」という。)又は他の税関長が」を加え、「を税関長」を「を申立先税関長」に改め、同条第二項及び第三項中「税関長は」を「申立先税関長は」に改め、同条第四項中「場合」の下に「又は当該申立てが他の税関長により受理された場合」を加える。
第六十九条の五中「税関長」を「申立先税関長」に改める。
第六十九条の六第一項中「場合」の下に「又は当該申立てが他の税関長により受理された場合」を加える。
第六十九条の十三第一項中「、税関長」を「、いずれかの税関長」に改め、「当該貨物について」の下に「当該税関長(以下この条及び次条において「申立先税関長」という。)又は他の税関長が」を加え、「を税関長」を「を申立先税関長」に改め、同条第二項及び第三項中「税関長は」を「申立先税関長は」に改め、同条第四項中「場合」の下に「又は当該申立てが他の税関長により受理された場合」を加える。
第六十九条の十四中「税関長」を「申立先税関長」に改める。
第六十九条の十五第一項中「場合」の下に「又は当該申立てが他の税関長により受理された場合」を加える。
第七十二条中「による担保が提供されていない場合」を「により担保の提供を命ぜられた場合において当該担保が提供されていないとき」に改める。
第八十条第三項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条を第八十条の二とする。
第七十九条第一項第七号中「第八十条第三項ただし書(収容された貨物の保管)」を「次条第三項ただし書」に、「引取」を「引取り」に改め、同条を第八十条とする。
第六章の次に次の一章を加える。
第六章の二 認定通関業者
(通関業者の認定)
第七十九条 通関業者は、申請により、通関業務その他の輸出及び輸入に関する業務を適正かつ確実に遂行することができるものと認められる旨の税関長の認定を受けることができる。
2 前項の認定を受けようとする者は、その住所又は居所及び氏名又は名称その他必要な事項を記載した申請書を税関長に提出しなければならない。
3 税関長は、第一項の規定による認定の申請が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
一 認定を受けようとする者が次のいずれにも該当しないこと。
イ 第七十九条の四第一項(認定の取消し)の規定により第一項の認定を取り消された日から三年を経過していない者であること。
ロ 現に受けている通関業法第三条第一項(通関業の許可)の許可について、その許可の日(二以上の許可を受けている場合にあつては、これらのうち最初に受けた許可の日)から三年を経過していない者であること。
ハ 通関業法第五条第一号、第二号又は第四号(許可の基準)に掲げる基準に適合していない者であること。
ニ 通関業法第六条第一号、第三号から第五号まで又は第八号(欠格事由)のいずれかに該当している者であること。
二 認定を受けようとする者が、通関手続を電子情報処理組織を使用して行うことその他輸出及び輸入に関する業務を財務省令で定める基準に従つて遂行することができる能力を有していること。
三 認定を受けようとする者が、輸出及び輸入に関する業務について、その者(その者が法人である場合においては、その役員を含む。)又はその代理人、支配人その他の従業者がこの法律その他の法令の規定を遵守するための事項として財務省令で定める事項を規定した規則を定めていること。
4 税関長は、第一項の認定をしたときは、直ちにその旨を公告しなければならない。
5 第二項の申請書の提出その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(規則等に関する改善措置)
第七十九条の二 税関長は、前条第一項の認定を受けた者(第七十九条の四第一項において「認定通関業者」という。)がこの法律の規定に従つて輸出及び輸入に関する業務を行わなかつたことその他の事由により、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、前条第三項第三号に規定する規則若しくは当該規則に定められた事項に係る業務の遂行の改善に必要な措置を講ずること又は同号に規定する規則を新たに定めることを求めることができる。
(認定の失効)
第七十九条の三 第七十九条第一項(通関業者の認定)の認定は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その効力を失う。
一 通関業法第十条第一項(許可の消滅)の規定により通関業の許可(二以上の許可を受けている場合にあつては、そのすべての許可。次号において同じ。)が消滅したとき。
二 通関業法第十一条第一項(許可の取消し)の規定により通関業の許可が取り消されたとき。
三 税関長が認定を取り消したとき。
2 第七十九条第一項の認定が失効したときは、税関長は、直ちにその旨を公告しなければならない。
3 第七十九条第一項の認定が失効した場合において、現に進行中の通関手続(特例申告(特例委託輸入者に係るものに限る。)又は特定委託輸出申告に係るものに限る。以下この項において同じ。)があるときは、当該通関手続については、当該認定を受けていた者又はその相続人(認定を受けていた法人が合併により消滅した場合においては、合併後存続する法人又は合併により設立された法人)が引き続き当該認定を受けているものとみなす。
(認定の取消し)
第七十九条の四 税関長は、認定通関業者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、第七十九条第一項(通関業者の認定)の認定を取り消すことができる。
一 第七十九条第三項第一号ハ若しくはニに該当することとなつたとき又は同項第二号に適合しないこととなつたとき。
二 第七十九条の二(規則等に関する改善措置)の規定による税関長の求めに応じなかつたとき。
2 前項の規定による認定の取消しの手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第八十四条第一項中「第二項」を「次項」に、「第七十九条第三項後段(収容の通知)」を「第八十条第三項後段(貨物の収容)」に改める。
第八十八条中「第七十九条第一項後段(収容貨物についての危険の負担)、第八十条」を「第八十条第一項後段(貨物の収容)、第八十条の二」に改める。
第九十四条第一項中「貨物(」の下に「特例輸入者の」を加える。
第九十八条を次のように改める。
(開庁時間外の事務の執行の求め)
第九十八条 税関官署の開庁時間以外の時間において、税関の事務のうち政令で定めるものの執行を求めようとする者は、あらかじめその旨を税関長に届け出なければならない。
2 前項の場合において、税関長は、税関の事務の執行上支障がないと認めるときは、同項の届出に係る事務を執行するものとする。
第百条中「又は承認」を削り、同条第二号中「(保税蔵置場)」を「(保税蔵置場の許可)」に、「(保税工場)」を「(保税工場の許可)」に、「(保税展示場)」を「(保税展示場の許可)」に、「(総合保税地域)」を「(総合保税地域の許可)」に改め、同条第三号中「(指定地外検査)」を「(貨物の検査場所)」に改め、「(外国貨物の積戻し)」を削り、同条第四号を削る。
第百一条第五項を削る。
第百二条の二第一項中「(指定地外検査)」を「(貨物の検査場所)」に改め、「(外国貨物の積戻し)」を削り、「場合を含む」の下に「。次項において同じ」を加え、「又は第九十八条第一項(臨時開庁)の承認(次項において「許可等」という。)」及び「又は第四号」を削り、同項第一号中「(慈善又は救じゆつのために寄贈された給与品等の免税)」を「(特定用途免税)」に改め、同項第二号中「(許可を受けて保税地域外に置く外国貨物)」を「(外国貨物を置く場所の制限)」に改め、同条第二項中「係る許可等」を「係る第六十九条第二項の許可」に改め、「又は第四号(手数料)」を削り、「当該許可等」を「当該許可」に改める。
第百九条の二第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に、「同項」を「これらの項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 第六十九条の十一第一項第八号から第十号までに掲げる貨物(輸入の目的以外の目的で本邦に到着したものに限り、同項第九号に掲げる貨物にあつては、回路配置利用権のみを侵害するものを除く。)を第三十条第二項の規定に違反して保税地域に置き、又は第六十五条の二の規定に違反して外国貨物のまま運送した者は、七年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第百九条の二に次の一項を加える。
5 第二項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第百十二条第一項中「第百九条の二第一項」の下に「若しくは第二項」を加える。
第百十四条の二第五号中「又は」を「若しくは」に改め、「(保税運送)」の下に「又は第六十三条の二第一項若しくは第二項(保税運送の特例)」を加え、同条第六号中「第六十三条第五項本文」の下に「又は第六十三条の二第三項」を加える。
第百十五条の二第二号中「(執務時間外の貨物の積卸し)」を「(開庁時間外の貨物の積卸し)」に改める。
第百十九条の見出しを「(質問、検査又は領置等)」に改め、同条に次の一項を加える。
2 税関職員は、犯則事件の調査について、官公署又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
第百二十一条第三項中「以下」の下に「この条から第百二十五条までにおいて」を加える。
第百三十二条の次に次の一条を加える。
(鑑定の嘱託)
第百三十二条の二 税関職員は、犯則事件を調査するため特に必要があるときは、学識経験を有する者に差押物件又は領置物件についての鑑定を嘱託することができる。
2 前項の規定による鑑定の嘱託を受けた者(第四項及び第五項において「鑑定人」という。)は、前項の税関職員の所属官署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官の許可を受けて、当該鑑定に係る物件を破壊することができる。
3 前項の許可の請求は、税関職員からこれをしなければならない。
4 前項の請求があつた場合において、裁判官は、当該請求を相当と認めるときは、破壊すべき物件及び鑑定人の氏名並びに請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を税関職員に交付しなければならない。この場合においては、第百二十一条第四項後段(臨検、捜索又は差押)の規定を準用する。
5 鑑定人は、第二項の処分を受ける者に前項の許可状を示さなければならない。
(関税暫定措置法の一部改正)
第三条 関税暫定措置法(昭和三十五年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。
第二条中「平成二十年三月三十一日」を「平成二十一年三月三十一日」に改める。
第四条中「平成二十年三月三十一日」を「平成二十三年三月三十一日」に改める。
第七条の三第一項、第七条の四第一項、第七条の五第一項並びに第七条の六第一項、第二項及び第七項中「平成十九年度」を「平成二十年度」に改める。
第八条第一項中「平成二十年三月三十一日」を「平成二十三年三月三十一日」に改める。
別表第一第二七・一〇項の次に次の一項を加える。
二九・〇九
エーテル、エーテルアルコール、エーテルフェノール、エーテルアルコールフェノール、アルコールペルオキシド、エーテルペルオキシド及びケトンペルオキシド(化学的に単一であるかないかを問わない。)並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
 非環式エーテル並びにそのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体
 二九〇九・一九
  その他のもののうち
   エチル-ターシャリ-ブチルエーテルのうちバイオマス(動植物に由来する有機物(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除く。)をいう。)から製造したエタノールを原料として製造したものである旨が政令で定めるところにより証明されたもの
       無税
別表第一の三、別表第一の三の二、別表第一の六及び別表第一の八中「平成二〇年三月三一日」を「平成二一年三月三一日」に改める。
別表第三第六七項中「第七二〇二・四一号又は」を削る。
第四条 関税暫定措置法の一部を次のように改正する。
第七条の三第二項第四号を削り、同項第三号の二を同項第四号とする。
別表第一第五〇〇一・〇〇号を次のように改める。
 五〇〇一・〇〇
繭(繰糸に適するものに限る。)のうち
 この号に掲げる繭の数量(政令で定めるところにより生糸に換算した数量とする。)及び第五〇〇二・〇〇号の二に掲げる生糸の数量を合計した数量について、七九八トンを基準とし、当該年度における国内需要見込数量から国内生産見込数量を控除した数量、国際市況その他の条件を勘案して政令で定める数量(第五〇〇二・〇〇号において「共通の限度数量」という。)以内のもの
         無税
別表第一第五〇〇二・〇〇号を次のように改める。
 五〇〇二・〇〇
生糸(よつてないものに限る。)
 二 その他のもののうち
    共通の限度数量以内のもの
  無税
別表第一の三第五〇・〇二項を削る。
別表第四第六項を次のように改める。
  六
関税率表第五〇〇七・二〇号又は第五〇〇七・九〇号に掲げる物品
関税率表第五〇〇一・〇〇号又は第五〇〇二・〇〇号の二に掲げる物品のうち
 第八条の五第二項において準用する関税定率法第九条の二第一項の規定により割当てを受けた者がその受けた数量の範囲内で輸入するもの以外のもの
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第二条中関税法第三十条の改正規定、同法第六十五条の二の改正規定(「(保税運送)」の下に「、第六十三条の二第一項(保税運送の特例)」を加える部分を除く。)、同法第百九条の二の改正規定及び同法第百十二条の改正規定 平成二十年六月一日
二 第二条中関税法第百二十一条の改正規定及び同法第百三十二条の次に一条を加える改正規定 平成二十年七月一日
三 第四条の規定 生糸の輸入に係る調整等に関する法律を廃止する法律(平成二十年法律第十二号)の施行の日
(罰則に関する経過措置)
第二条 この法律(前条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第三条 前条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律の一部改正)
第四条 輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)の一部を次のように改正する。
第十一条第一項中「を受け、又は同項ただし書の規定による届出をして」を「(同項ただし書の規定による警察官への届出を含む。)を受けて」に改め、「除く」の下に「。以下この項において「保税地域等」という」を、「場合」の下に「又は同法第六十三条の二第一項(保税運送の特例)に規定する特定保税運送者が保税地域等から引き取る場合」を加え、同条第五項中「、同法第六十三条第四項(同法第六十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により指定された運送の期間内に運送先に到着しないときは、税関長は、第一項に規定する承認を受けた者から」を「次の各号に掲げる場合に該当することとなつたときは、税関長は、当該各号に定める者から」に改め、同項に次の各号を加える。
一 第一項に規定する承認を受けた課税物品が関税法第六十三条第四項(同法第六十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により指定された期間内に運送先に到着しない場合 当該承認を受けた者
二 第一項に規定する特定保税運送者が関税法第六十三条の二第一項に規定する特定保税運送をした課税物品が同法第六十五条第二項(運送の期間の経過による関税の徴収)に規定する期間内に運送先に到着しない場合 当該特定保税運送者
第十六条の三の見出しを「(輸入時と同一状態で再輸出される場合の還付等)」に改め、同条第一項中「政令で定めるところにより輸入された課税物品で」を「輸入された課税物品のうち、その輸入の際にこの項の規定の適用を受けようとする旨を政令で定めるところにより税関長に届け出たものであつて」に改め、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 特例申告に係る課税物品のうち、その輸入の際にこの項の規定の適用を受けようとする旨を政令で定めるところにより税関長に届け出たものであつて、その輸入の時の性質及び形状が変わつていないものを当該課税物品に係る特例納税申告書の提出前に本邦から輸出したとき(たばこ税法第十五条第一項の規定の適用を受ける場合を除く。)は、当該特例納税申告書がその提出期限内に提出される場合に限り、政令で定めるところにより、その内国消費税額に相当する金額を当該課税物品に課されるべき内国消費税額から控除することができる。
(武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律の一部改正)
第五条 武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律(平成十六年法律第百十七号)の一部を次のように改正する。
第百七十七条中「又は同法第九十八条第一項の承認」及び「又は第四号」を削る。
(関税定率法等の一部を改正する法律の一部改正)
第六条 関税定率法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第二十号)の一部を次のように改正する。
第三条中関税法第四条第一項第五号及び第六号の改正規定を次のように改める。
第四条第一項第五号の二中「外国貨物で」を「外国貨物又は第六十三条の九第一項(郵便物の保税運送)の規定により届け出て運送された郵便物で」に改め、「徴収)」の下に「又は第六十五条の二第一項(運送先に到着しない郵便物に係る関税の徴収)」を加え、「外国貨物が」を「外国貨物又は第六十三条の九第一項の規定による運送に係る郵便物が」に改め、同項第六号を次のように改める。
六 第七十六条第三項(郵便物の輸出入の簡易手続)の規定による提示がされた郵便物(その課税標準となるべき価格が二十万円を超えるもの(寄贈物品であるものその他の政令で定めるものを除く。)並びに第一号、第五号の二及び次号に掲げるものを除く。) 当該提示がされた時
第三条のうち、関税法第三十条第一項の改正規定中「第六十三条の二第一項」を「第六十三条の九第一項」に改め、同法第六十三条第一項の改正規定及び同条の次に一条を加える改正規定を次のように改める。
第六十三条第一項中「除く。」の下に「第六十三条の九第一項及び第六十五条の三を除き、」を、「次条第一項」の下に「及び第六十三条の九第一項」を加える。
第六十三条の八の次に次の一条を加える。
(郵便物の保税運送)
第六十三条の九 郵便物(特定郵便物を除く。)は、税関長に届け出て、特定区間に限り、外国貨物のまま運送することができる。
2 前項の運送に際しては、運送目録を税関に提示し、その確認を受けなければならない。
3 第一項の規定による届出に係る郵便物が運送先に到着したときは、その届出をした者は、前項の確認を受けた運送目録を、遅滞なく到着地の税関に提示し、その確認を受けなければならない。
4 第一項の規定による届出をした者は、前項の確認を受けた運送目録をその届出をした税関長に提出しなければならない。
5 第一項の届出の手続その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三条のうち、関税法第六十四条の改正規定を削り、同法第六十五条の二の改正規定中「(保税運送)」を「の特例)」に、「第六十三条の二第一項」を「第六十三条の九第一項」に改め、同法第六十五条の次に一条を加える改正規定中「第六十三条の二第一項」を「第六十三条の九第一項」に改め、同法第百九条の二第一項の改正規定中「第百九条の二第一項」の下に「及び第二項」を加え、同法第百十四条の二の改正規定を次のように改める。
第百十四条の二第五号中「(保税運送)又は」を「(保税運送)、」に改め、「(保税運送の特例)」の下に「又は第六十三条の九第一項若しくは第二項(郵便物の保税運送)」を加え、同条第六号中「又は第六十三条の二第三項」を「、第六十三条の二第三項又は第六十三条の九第三項」に改める。
附則第六条のうち日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十七年法律第百十二号)第九条に一項を加える改正規定中「第六十三条の二」を「第六十三条の九」に改める。
附則第八条中輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第十一条の改正規定を次のように改める。
第十一条第一項中「受けて」の下に「若しくは同法第六十三条の九第一項(郵便物の保税運送)の規定により税関長への届出をして」を加え、同条第五項に次の一号を加える。
三 第一項に規定する税関長への届出をした課税物品が関税法第六十五条の二第一項(運送先に到着しない郵便物に係る関税の徴収)に規定する期間内に運送先に到着しない場合 当該届出をした者
(検討)
第七条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第二条の規定による改正後の関税法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、同法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
財務大臣 額賀福志郎
防衛大臣 石破茂
内閣総理大臣 福田康夫