第一条 司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)の一部を次のように改正する。
第一条の前に次の目次及び章名を付する。
目次
第八章 |
日本司法書士会連合会(第六十二条─第六十七条) |
第九章 |
公共嘱託登記司法書士協会(第六十八条─第七十一条) |
附則
第一条中「手続の」の下に「適正かつ」を加え、「保全」を「保護」に改める。
第二十八条中「第十五条の三第一項」を「第五十五条第一項」に、「第十七条の四」を「第六十六条」に改め、同条を第八十一条とし、同条の次に次の一条を加える。
第八十二条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、司法書士法人の社員又は清算人は、三十万円以下の過料に処する。
一 この法律に基づく政令の規定に違反して登記をすることを怠つたとき。
二 第四十六条第二項において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して破産の宣告の請求を怠つたとき。
三 定款又は第四十六条第三項において準用する商法第三十二条第一項の会計帳簿若しくは貸借対照表に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。
四 第四十六条第七項において準用する商法第百条第一項又は第三項(第四十六条第八項において準用する同法第百十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して合併し、又は財産を処分したとき。
五 第四十六条第八項において準用する商法第百三十一条の規定に違反して財産を分配したとき。
第二十七条中「第二十一条第二項」を「第七十五条第二項若しくは第三項」に改め、「(前条第一号を除く。)」を削り、同条を第八十条とする。
第二十六条中「各号の一」を「各号のいずれか」に、「二十万円」を「百万円」に改め、同条第一号中「第十九条第三項」を「第七十三条第三項」に改め、同条第二号中「第十九条第四項」を「第七十三条第四項」に改め、同条に次の一号を加え、同条を第七十九条とする。
第二十五条第一項中「第十九条第一項」を「第七十三条第一項」に、「三十万円」を「百万円」に改め、同条第二項中「第十九条第二項」を「第七十三条第二項」に、 三十万円」を「百万円」に改め、同条を第七十八条とする。
第二十四条中「第十七条の七第二項」を「第六十九条第二項」に、「第二条第一項各号」を「第三条第一項第一号から第五号まで」に、「二十万円」を「五十万円」に改め、同条を第七十七条とする。
第二十三条第一項中「第十一条」を「第二十四条」に、「二十万円」を「五十万円」に改め、同条を第七十六条とする。
第二十一条第一項中「第八条」を「第二十一条」に、「五十万円」を「百万円」に改め、同条第二項中「第十七条の八」を「第七十条」に、「第八条」を「第二十一条」に、「五十万円」を「百万円」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加え、同条を第七十五条とする。
2 司法書士法人が第四十六条第一項において準用する第二十一条の規定に違反したときは、その違反行為をした司法書士法人の社員又は使用人は、百万円以下の罰金に処する。
第二十条の前の見出しを削り、同条中「三十万円」を「百万円」に改め、同条を第七十四条とし、同条の前に次の章名を付する。
第十九条第一項中「司法書士でない」を「司法書士又は司法書士法人でない」に、「第二条」を「第三条第一項第一号から第五号まで」に改め、同条第二項中「第二条」を「第三条第一項第一号から第五号まで」に改め、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加え、同条を第七十三条とする。
4 司法書士法人でない者は、司法書士法人又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
第十八条を第七十二条とし、同条の前に次の章名を付する。
第十七条の九中「司法書士が」を「会員が」に改め、同条を第七十一条とする。
第十七条の八中「第八条」を「第二十一条」に改め、同条を第七十条とする。
第十七条の七の見出しを「(業務)」に改め、同条第一項中「第二条第一項各号」を「第三条第一項第一号から第五号まで」に改め、同条第二項中「第二条第一項各号に掲げる」を「前項に規定する」に、「司法書士でない」を「司法書士又は司法書士法人でない」に改め、同条を第六十九条とする。
第十七条の六の見出しを「(設立及び組織)」に改め、同条第一項中「司法書士は」を「司法書士及び司法書士法人は」に改め、同条第二項中「司法書士」を「司法書士又は司法書士法人」に改め、同条第三項中「社員」を「当該協会の社員(当該協会の社員たる司法書士法人の社員を含む。)」に改め、同条第四項中「司法書士」を「司法書士又は司法書士法人」に改め、同条を第六十八条とし、同条の前に次の章名を付する。
第十七条の五第二項中「第六条の三第一項第二号」を「第十条第一項第二号」に、「第六条の九第一項」を「第十六条第一項」に改め、同条を第六十七条とする。
第十七条の四中「第十四条第三項及び第四項、第十五条の二第一項、第十五条の三並びに第十五条の四」を「第五十二条第三項及び第四項、第五十五条並びに第五十六条」に改め、同条を第六十六条とする。
第十七条の三中「司法書士の」を「司法書士又は司法書士法人の」に改め、同条を第六十五条とする。
第十七条の二の見出しを「(会則)」に改め、同条中「次の」を「次に掲げる」に改め、同条第一号中「第十五条第一号から第三号まで、第八号及び第九号」を「第五十三条第一号、第七号、第十号及び第十一号」に改め、同条中第三号を第五号とし、第二号を第三号とし、同号の次に次の一号を加える。
四 日本司法書士会連合会に関する情報の公開に関する規定
第十七条の二を第六十三条とし、同条の次に次の一条を加える。
(会則の認可)
第六十四条 日本司法書士会連合会の会則を定め、又はこれを変更するには、法務大臣の認可を受けなければならない。ただし、前条第一号及び第四号に掲げる事項に係る会則の変更については、この限りでない。
第十七条の見出しを「(設立及び目的)」に改め、同条第二項中「司法書士の品位」を「司法書士会の会員の品位」に改め、同条を第六十二条とし、同条の前に次の章名を付する。
第十六条の二中「司法書士が」を「会員が」に、「司法書士に」を「会員に」に改め、同条を第六十一条とする。
第十六条の見出しを「(法務局等の長に対する報告義務)」に改め、同条中「司法書士が」を「会員が」に改め、同条を第六十条とする。
第十五条の五の見出しを「(司法書士の入会及び退会)」に改め、同条第一項中「第六条の二第一項」を「第九条第一項」に、「第六条の六第一項」を「第十三条第一項」に改め、同条に次の一項を加える。
3 第十三条第一項の変更の登録の申請をした司法書士は、当該申請に基づく変更の登録の時に、従前所属していた司法書士会を退会する。
第十五条の五を第五十七条とし、同条の次に次の二条を加える。
(司法書士法人の入会及び退会)
第五十八条 司法書士法人は、その成立の時に、主たる事務所の所在地の司法書士会の会員となる。
2 司法書士法人は、その清算の結了の時又は破産宣告を受けた時に、所属するすべての司法書士会を退会する。
3 司法書士法人の清算人は、清算が結了したときは、清算結了の登記後速やかに、登記簿の謄本を添えて、その旨を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
4 司法書士法人は、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域外に事務所を設け、又は移転したときは、事務所の新所在地においてその旨の登記をした時に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会の会員となる。
5 司法書士法人は、その事務所の移転又は廃止により、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を有しないこととなつたときは、旧所在地においてその旨の登記をした時に、当該管轄区域内に設立された司法書士会を退会する。
6 司法書士法人は、第四項の規定により新たに司法書士会の会員となつたときは、会員となつた日から二週間以内に、登記簿の謄本及び定款の写しを添えて、その旨を、当該司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
7 司法書士法人は、第五項の規定により司法書士会を退会したときは、退会の日から二週間以内に、その旨を、当該司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
(紛議の調停)
第五十九条 司法書士会は、所属の会員の業務に関する紛議につき、当該会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。
第十五条の四を第五十六条とし、第十五条の三を第五十五条とする。
第十五条の二第一項中「、第八号及び第九号」を「及び第七号から第十一号まで」に改め、同条を第五十四条とする。
第十五条の見出しを「(会則)」に改め、同条中「次の」を「次に掲げる」に改め、同条第四号及び第五号中「司法書士」を「会員」に改め、同条第六号を削り、同条中第十号を第十二号とし、第九号を第十一号とし、第八号を第十号とし、同条第七号中「脱会」を「退会」に改め、同号を同条第六号とし、同号の次に次の三号を加え、同条を第五十三条とする。
九 司法書士会及び会員に関する情報の公開に関する規定
第十四条の見出しを「(設立及び目的等)」に改め、同条第二項中「司法書士の」を「会員の」に改め、同条第四項中「(明治二十九年法律第八十九号)」を削り、同条を第五十二条とし、同条の前に次の章名を付する。
第十三条の見出しを「(懲戒の手続)」に改め、同条第三項中「司法書士」を「司法書士又は当該司法書士法人」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項中「前条第二号又は第三号」を「前項に規定する処分又は第四十七条第三号若しくは前条第一項第三号」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項中「前条第二号」を「第四十七条第二号又は前条第一項第二号若しくは第二項第二号」に改め、同項を同条第三項とし、同項の前に次の二項を加える。
何人も、司法書士又は司法書士法人にこの法律又はこの法律に基づく命令に違反する事実があると思料するときは、当該司法書士又は当該司法書士法人の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる。
2 前項の規定による通知があつたときは、同項の法務局又は地方法務局の長は、通知された事実について必要な調査をしなければならない。
第十三条を第四十九条とし、同条の次に次の二条を加える。
(登録取消しの制限等)
第五十条 法務局又は地方法務局の長は、司法書士に対して第四十七条第二号又は第三号に掲げる処分をしようとする場合においては、行政手続法第十五条第一項の通知を発送し、又は同条第三項前段の掲示をした後直ちに日本司法書士会連合会にその旨を通知しなければならない。
2 日本司法書士会連合会は、司法書士について前項の通告を受けた場合においては、法務局又は地方法務局の長から第四十七条第二号又は第三号に掲げる処分の手続が結了した旨の通知を受けるまでは、当該司法書士について第十五条第一項第一号又は第十六条第一項各号の規定による登録の取消しをすることができない。
(懲戒処分の公告)
第五十一条 法務局又は地方法務局の長は、第四十七条又は第四十八条の規定により処分をしたときは、遅滞なく、その旨を官報をもつて公告しなければならない。
第十二条の見出しを「(司法書士に対する懲戒)」に改め、同条中「地方法務局の長は」の下に「、当該司法書士に対し」を加え、同条を第四十七条とし、同条の次に次の一条を加える。
(司法書士法人に対する懲戒)
第四十八条 司法書士法人がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長は、当該司法書士法人に対し、次に掲げる処分をすることができる。
2 司法書士法人がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは、その従たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長(前項に規定するものを除く。)は、当該司法書士法人に対し、次に掲げる処分をすることができる。ただし、当該違反が当該従たる事務所に関するものであるときに限る。
二 当該法務局又は地方法務局の管轄区域内にある当該司法書士法人の事務所についての二年以内の業務の全部又は一部の停止
第十一条中「司法書士」を「司法書士又は司法書士であつた者」に、「事実」を「秘密」に改め、同条を第二十四条とし、同条の次に次の一条、一章及び章名を加える。
(研修)
第二十五条 司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会が実施する研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない。
第五章 司法書士法人
(設立)
第二十六条 司法書士は、この章の定めるところにより、司法書士法人を設立することができる。
(名称)
第二十七条 司法書士法人は、その名称中に司法書士法人という文字を使用しなければならない。
(社員の資格)
第二十八条 司法書士法人の社員は、司法書士でなければならない。
2 次に掲げる者は、社員となることができない。
一 第四十七条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者
二 第四十八条第一項の規定により司法書士法人が解散又は業務の全部の停止の処分を受けた場合において、その処分を受けた日以前三十日内にその社員であつた者でその処分を受けた日から三年(業務の全部の停止の処分を受けた場合にあつては、当該業務の全部の停止の期間)を経過しないもの
(業務の範囲)
第二十九条 司法書士法人は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。
一 法令等に基づきすべての司法書士が行うことができるものとして法務省令で定める業務の全部又は一部
2 簡裁訴訟代理関係業務は、社員のうちに第三条第二項に規定する司法書士がある司法書士法人(司法書士会の会員であるものに限る。)に限り、行うことができる。
(簡易裁判所における訴訟等の代理事務の取扱い)
第三十条 司法書士法人は、第三条第一項第六号に掲げる事務については、依頼者からその社員又は使用人である第三条第二項に規定する司法書士(以下この条において「社員等」という。)に行わせる事務の委託を受けるものとする。この場合において、当該司法書士法人は、依頼者に、当該司法書士法人の社員等のうちからその代理人を選任させなければならない。
2 司法書士法人は、前項に規定する事務についても、社員等がその業務の執行に関し注意を怠らなかつたことを証明しなければ、依頼者に対する損害賠償の責めを免れることはできない。
(登記)
第三十一条 司法書士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(設立の手続)
第三十二条 司法書士法人を設立するには、その社員となろうとする司法書士が、共同して定款を定めなければならない。
2 商法(明治三十二年法律第四十八号)第百六十七条の規定は、司法書士法人の定款について準用する。
3 定款には、少なくとも次に掲げる事項を記載しなければならない。
四 社員の氏名、住所及び第三条第二項に規定する司法書士であるか否かの別
(成立の時期)
第三十三条 司法書士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。
(成立の届出)
第三十四条 司法書士法人は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記簿の謄本及び定款の写しを添えて、その旨を、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会(以下「主たる事務所の所在地の司法書士会」という。)及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
(定款変更の届出)
第三十五条 司法書士法人は、定款を変更したときは、変更の日から二週間以内に、変更に係る事項を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
(業務の執行)
第三十六条 司法書士法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。
2 簡裁訴訟代理関係業務を行うことを目的とする司法書士法人における簡裁訴訟代理関係業務については、前項の規定にかかわらず、第三条第二項に規定する司法書士である社員(以下「特定社員」という。)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う。
(法人の代表)
第三十七条 司法書士法人の社員は、各自司法書士法人を代表する。ただし、定款又は総社員の同意によつて、社員のうち特に司法書士法人を代表すべきものを定めることを妨げない。
2 簡裁訴訟代理関係業務を行うことを目的とする司法書士法人における簡裁訴訟代理関係業務については、前項本文の規定にかかわらず、特定社員のみが、各自司法書士法人を代表する。ただし、当該特定社員の全員の同意によつて、当該特定社員のうち特に簡裁訴訟代理関係業務について司法書士法人を代表すべきものを定めることを妨げない。
(社員の責任)
第三十八条 司法書士法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯して、その弁済の責めに任ずる。
2 司法書士法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときも、前項と同様とする。
3 前項の規定は、社員が司法書士法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、適用しない。
4 簡裁訴訟代理関係業務を行うことを目的とする司法書士法人が簡裁訴訟代理関係業務に関し依頼者に対して負担することとなつた債務を当該司法書士法人の財産をもつて完済することができないときは、第一項の規定にかかわらず、特定社員(当該司法書士法人を脱退した特定社員を含む。以下この条において同じ。)が、連帯して、その弁済の責めに任ずる。ただし、当該司法書士法人を脱退した特定社員が脱退後の事由により生じた債務であることを証明した場合は、この限りでない。
5 前項本文に規定する債務についての司法書士法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときは、第二項及び第三項の規定にかかわらず、特定社員が当該司法書士法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明した場合を除き、前項と同様とする。
6 商法第九十三条の規定は、司法書士法人の社員の脱退について準用する。ただし、同条第一項及び第二項の規定は、第四項本文に規定する債務については、準用しない。
(社員の常駐)
第三十九条 司法書士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会の会員である社員を常駐させなければならない。
(簡裁訴訟代理関係業務の取扱い)
第四十条 簡裁訴訟代理関係業務を行うことを目的とする司法書士法人は、特定社員が常駐していない事務所においては、簡裁訴訟代理関係業務を取り扱うことができない。
(特定の事件についての業務の制限)
第四十一条 司法書士法人は、次に掲げる事件については、裁判書類作成関係業務を行つてはならない。
一 相手方の依頼を受けて第三条第一項第四号に規定する業務を行つた事件
二 使用人が相手方から簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして受任している事件
三 第二十二条第一項、第二項第一号若しくは第二号又は第三項第一号から第五号までに掲げる事件として社員の半数以上の者が裁判書類作成関係業務を行つてはならないこととされる事件
2 簡裁訴訟代理関係業務を行うことを目的とする司法書士法人(過去に簡裁訴訟代理関係業務を行うことを目的としていたものを含む。)は、次に掲げる事件については、裁判書類作成関係業務を行つてはならない。ただし、第三号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一 簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二 簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
三 簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
3 簡裁訴訟代理関係業務を行うことを目的とする司法書士法人は、次に掲げる事件については、簡裁訴訟代理関係業務を行つてはならない。ただし、前項第三号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
二 第二十二条第一項に掲げる事件又は同条第四項に規定する同条第二項第一号若しくは第二号若しくは第三項第一号から第五号までに掲げる事件として特定社員の半数以上の者が簡裁訴訟代理関係業務を行つてはならないこととされる事件
(社員の競業の禁止)
第四十二条 司法書士法人の社員は、自己若しくは第三者のためにその司法書士法人の業務の範囲に属する業務を行い、又は他の司法書士法人の社員となつてはならない。
(法定脱退)
第四十三条 司法書士法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。
四 第二十八条第二項各号のいずれかに該当することとなつたこと。
(解散)
第四十四条 司法書士法人は、次に掲げる理由によつて解散する。
2 司法書士法人は、前項の規定による場合のほか、社員が一人になり、そのなつた日から引き続き六月間その社員が二人以上にならなかつた場合においても、その六月を経過した時に解散する。
3 司法書士法人は、第一項第三号の事由以外の事由により解散したときは、解散の日から二週間以内に、その旨を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
4 司法書士法人の清算人は、司法書士でなければならない。
(合併)
第四十五条 司法書士法人は、総社員の同意があるときは、他の司法書士法人と合併することができる。
2 合併は、合併後存続する司法書士法人又は合併によつて設立した司法書士法人が、その主たる事務所の所在地において登記することによつて、その効力を生ずる。
3 司法書士法人は、合併したときは、合併の日から二週間以内に、登記簿の謄本(合併によつて設立した司法書士法人にあつては、登記簿の謄本及び定款の写し)を添えて、その旨を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
(準用等)
第四十六条 第二条、第二十条、第二十一条及び第二十三条の規定は、司法書士法人について準用する。
2 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五十条、第五十五条、第八十一条及び第八十二条並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項、第三十六条、第百二十六条第一項、第百三十四条から第百三十五条ノ五まで、第百三十五条ノ八、第百三十六条ノ二、第百三十七条、第百三十八条及び第百三十八条ノ三の規定は、司法書士法人について準用する。
3 商法第三十二条から第三十六条までの規定は司法書士法人の帳簿その他の書類について、同法第五十八条、第五十九条及び第百十二条の規定は司法書士法人の解散について、それぞれ準用する。この場合において、同法第五十八条及び第五十九条第一項中「株主」とあるのは、「社員」と読み替えるものとする。
4 商法第六十八条、第六十九条、第七十二条、第七十三条及び第七十五条の規定は、司法書士法人の内部の関係について準用する。
5 商法第七十七条から第七十九条まで及び第八十一条から第八十三条までの規定は、司法書士法人の外部の関係について準用する。
6 商法第八十四条、第八十六条第一項及び第二項(除名及び代表権の喪失に関する部分に限る。)並びに第八十七条から第九十二条までの規定は、司法書士法人の社員の脱退について準用する。この場合において、同法第八十六条第一項第二号中「第七十四条第一項」とあるのは、「司法書士法第四十二条」と読み替えるものとする。
7 商法第百条、第百三条から第百六条まで及び第百九条から第百十一条までの規定は、司法書士法人の合併について準用する。
8 商法第百十六条から第百十九条まで、第百二十条から第百二十二条まで、第百二十四条第一項及び第二項、第百二十五条、第百二十六条、第百二十八条から第百三十三条まで、第百三十四条ノ二から第百三十六条まで、第百三十八条並びに第百四十三条から第百四十五条までの規定は、司法書士法人の清算について準用する。この場合において、同法第百十七条第二項及び第百二十二条中「第九十四条第四号又ハ第六号」とあるのは、「司法書士法第四十四条第一項第五号若ハ第六号又ハ第二項」と読み替えるものとする。
9 破産法(大正十一年法律第七十一号)第百二十七条の規定の適用については、司法書士法人は、合名会社とみなす。
第八条の見出し中「嘱託」を「依頼」に改め、同条中「嘱託」を「依頼(簡裁訴訟代理関係業務に関するものを除く。)」に改め、同条を第二十一条とし、同条の次に次の二条を加える。
(業務を行い得ない事件)
第二十二条 司法書士は、公務員として職務上取り扱つた事件については、その業務を行つてはならない。
2 司法書士は、次に掲げる事件については、第三条第一項第四号及び第五号(第四号に関する部分に限る。)に規定する業務(以下「裁判書類作成関係業務」という。)を行つてはならない。
一 相手方の依頼を受けて第三条第一項第四号に規定する業務を行つた事件
二 司法書士法人(第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うことを目的として、第五章の定めるところにより、司法書士が共同して設立した法人をいう。以下同じ。)の社員又は使用人である司法書士としてその業務に従事していた期間内に、当該司法書士法人が相手方の依頼を受けて前号に規定する業務を行つた事件であつて、自らこれに関与したもの
三 司法書士法人の使用人である場合に、当該司法書士法人が相手方から簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして受任している事件
3 第三条第二項に規定する司法書士は、次に掲げる事件については、裁判書類作成関係業務を行つてはならない。ただし、第三号及び第六号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一 簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二 簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
三 簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
四 司法書士法人の社員又は使用人である司法書士としてその業務に従事していた期間内に、当該司法書士法人が、簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件であつて、自らこれに関与したもの
五 司法書士法人の社員又は使用人である司法書士としてその業務に従事していた期間内に、当該司法書士法人が簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるものであつて、自らこれに関与したもの
六 司法書士法人の使用人である場合に、当該司法書士法人が簡裁訴訟代理関係業務に関するものとして受任している事件(当該司法書士が自ら関与しているものに限る。)の相手方からの依頼による他の事件
4 第三条第二項に規定する司法書士は、第二項各号及び前項各号に掲げる事件については、簡裁訴訟代理関係業務を行つてはならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
(会則の遵守義務)
第二十三条 司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会の会則を守らなければならない。
第七条を第二十条とし、同条の前に次の章名を付する。
第六条の十二を第十九条とし、第六条の十一を第十八条とする。
第六条の十中「第六条の五第一項」を「第十二条第一項」に、「第六条の八第一項」を「第十五条第一項」に改め、同条を第十七条とする。
第六条の九第一項中「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、同条第三項中「第六条の三第一項後段」を「第十条第一項後段」に改め、同条を第十六条とする。
第六条の八第一項中「次の各号の一」を「次の各号のいずれか」に改め、同項第四号中「第四条各号の一」を「第五条各号のいずれか」に改め、同条を第十五条とする。
第六条の六第三項中「第十五条の五第一項」を「第五十七条第一項」に改め、同条を第十三条とする。
第六条の五第一項中「第六条の三第一項」を「第十条第一項」に改め、同条第二項中「第六条の二第一項」を「第九条第一項」に改め、同条を第十二条とする。
第六条の四中「第六条の二第一項」を「第九条第一項」に改め、同条を第十一条とする。
第六条の三第一項中「各号の一」を「各号のいずれか」に、「第十七条の五」を「第六十七条」に改め、同項第一号中「第十五条の五第一項」を「第五十七条第一項」に改め、同条を第十条とする。
第六条の見出しを「(司法書士名簿の登録)」に改め、同条を第八条とし、同条の前に次の章名を付する。
第五条の二に見出しとして「(司法書士試験委員)」を付し、同条を第七条とする。
第五条の前の見出しを削り、同条に見出しとして「(試験の方法及び内容等)」を付し、同条第二項中「次の」を「次に掲げる」に、「の合格者」を「に合格した者」に改め、同項第一号中「民法」を「憲法、民法」に改め、同項第三号中「司法書士の」を「第三条第一項第一号から第五号までに規定する」に改め、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 筆記試験に合格した者に対しては、その申請により、次回の司法書士試験の筆記試験を免除する。
第四条第五号中「第十二条」を「第四十七条」に改め、同条を第五条とする。
第三条中「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、同条第二号中「司法書士の」を「前条第一項第一号から第五号までに規定する」に改め、同条を第四条とする。
第二条第一項中「司法書士は」の下に「、この法律の定めるところにより」を加え、「嘱託」を「依頼」に改め、同項第二号中「裁判所、検察庁又は法務局若しくは地方法務局」を「法務局又は地方法務局」に改め、同項に次の四号を加える。
四 裁判所又は検察庁に提出する書類を作成すること。
六 簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。ただし、上訴の提起、再審及び強制執行に関する事項については、代理することができない。
イ 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定による手続(ロに規定する手続及び訴えの提起前における証拠保全手続を除く。)であつて、訴訟の目的の価額が裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの
ロ 民事訴訟法第二百七十五条の規定による和解の手続又は同法第七編の規定による支払督促の手続であつて、請求の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの
ハ 民事訴訟法第二編第三章第七節の規定による訴えの提起前における証拠保全手続又は民事保全法(平成元年法律第九十一号)の規定による手続であつて、本案の訴訟の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの
ニ 民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)の規定による手続であつて、調停を求める事項の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの
七 民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限る。)であつて紛争の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は裁判外の和解について代理すること。
第二条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第八項とし、同条第一項の次に次の六項を加え、同条を第三条とする。
2 前項第六号及び第七号に規定する業務(以下「簡裁訴訟代理関係業務」という。)は、次のいずれにも該当する司法書士に限り、行うことができる。
一 簡裁訴訟代理関係業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了した者であること。
二 前号に規定する者の申請に基づき法務大臣が簡裁訴訟代理関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定した者であること。
3 法務大臣は、次のいずれにも該当するものと認められる研修についてのみ前項第一号の指定をするものとする。
一 研修の内容が、簡裁訴訟代理関係業務を行うのに必要な能力の習得に十分なものとして法務省令で定める基準を満たすものであること。
二 研修の実施に関する計画が、その適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
三 研修を実施する法人が、前号の計画を適正かつ確実に遂行するに足りる専門的能力及び経理的基礎を有するものであること。
4 法務大臣は、第二項第一号の研修の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、当該研修を実施する法人に対し、当該研修に関して、必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は必要な命令をすることができる。
5 司法書士は、第二項第二号の規定による認定を受けようとするときは、政令で定めるところにより、手数料を納めなければならない。
6 第二項に規定する司法書士は、民事訴訟法第五十四条第一項本文(民事保全法第七条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、第一項第六号イからハまでに掲げる手続における訴訟代理人となることができる。
7 第二項に規定する司法書士であつて第一項第六号イ及びロに掲げる手続において訴訟代理人になつたものは、民事訴訟法第五十五条第一項の規定にかかわらず、委任を受けた事件について、強制執行に関する訴訟行為をすることができない。