(特別修繕準備金)
第五十七条の八 青色申告書を提出する法人が、各事業年度(解散(合併による解散を除く。)の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除く。)において、その事業の用に供する次の各号に掲げる固定資産(外国法人の事業の用に供する第二号から第四号までに掲げる固定資産については、当該外国法人の国内において行う事業の用に供するものに限る。)について行う修繕(次の各号に掲げる固定資産の区分に応じ当該各号に定める修繕に限る。以下この条において「特別の修繕」という。)に要する費用の支出に備えるため、当該固定資産ごとに、積立限度額以下の金額を損金経理の方法(確定した決算において利益又は剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含む。)により特別修繕準備金として積み立てたときは、当該積み立てた金額は、当該積立てをした事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一 船舶安全法第五条第一項第一号の規定による定期検査を受けなければならない船舶(総トン数が五トン未満のものを除く。) 当該定期検査を受けるための修繕
二 銑鉄製造用の溶鉱炉及び熱風炉並びにガラス製造用の連続式溶解炉 当該炉に使用するれんがの過半を取り替えるための修繕
三 ガス事業法第二条第一項に規定する一般ガス事業の用に供される球形のガスホルダー(同条第十項に規定するガスホルダーで大蔵省令で定めるものに限る。) 当該ガスホルダーにつき定期的に行われる検査で大蔵省令で定めるものを受けるための修繕
四 石油業法第二条第一項に規定する石油の貯蔵の用に供する貯油槽 当該貯油槽につき消防法第十四条の三第一項の規定により定期的に行われる検査又は同法第十四条の三の二の規定により定期的に行われる点検(大蔵省令で定めるものに限る。)を受けるための修繕
2 前項において、積立限度額とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める金額をいう。
一 前項の法人が同項の固定資産につき当該事業年度終了の時までに特別の修繕を行つたことがある場合 最近において行つた特別の修繕のために要した費用の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額
二 前項の法人が、その事業の用に供する同項第一号に掲げる船舶(以下この号において「特定船舶」という。)につき当該事業年度終了の時までに特別の修繕を行つたことがなく、かつ、当該特定船舶と種類、構造、容積量、建造後の経過年数等について状況の類似する当該法人の事業の用に供する他の船舶(以下この号において「類似船舶」という。)につき当該事業年度終了の時までに特別の修繕を行つたことがある場合 当該類似船舶につき最近において行つた特別の修繕のために要した費用の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額
三 前二号に掲げる場合以外の場合 種類、構造、容積量、建造又は築造後の経過年数等について前項の固定資産と状況の類似する他の資産につき最近において行われた特別の修繕のために要した費用の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額
3 第一項の特別修繕準備金を積み立てている法人が、当該特別修繕準備金に係る固定資産(以下この条において「準備金設定資産」という。)について特別の修繕のために要した費用の額を支出した場合には、その支出をした日における当該準備金設定資産に係る特別修繕準備金の金額(その日までにこの項若しくは第五項の規定により益金の額に算入された、若しくは算入されるべきこととなつた金額又は前事業年度終了の日までに次項の規定により益金の額に算入された金額がある場合には、これらの金額を控除した金額。以下この条において同じ。)のうち当該支出をした金額に相当する金額は、その支出をした日を含む事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
4 第一項の特別修繕準備金を積み立てている法人の各事業年度終了の日において、前事業年度から繰り越された準備金設定資産に係る特別修繕準備金の金額のうちに当該準備金設定資産に係る特別の修繕の完了予定日として政令で定める日の属する事業年度終了の日の翌日から二年を経過したもの(以下この項において「特別修繕予定日経過準備金額」という。)がある場合には、当該特別修繕予定日経過準備金額については、当該経過した日を含む事業年度終了の日における当該準備金設定資産に係る特別修繕準備金の金額に当該各事業年度の月数を乗じてこれを六十で除して計算した金額(当該計算した金額が当該事業年度終了の日における当該準備金設定資産に係る特別修繕準備金の金額を超える場合には、当該特別修繕準備金の金額)に相当する金額を、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
5 第一項の特別修繕準備金を積み立てている法人が次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、当該各号に定める金額に相当する金額は、その該当することとなつた日を含む事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
一 準備金設定資産について特別の修繕が完了した場合 その完了した日における当該準備金設定資産に係る特別修繕準備金の金額
二 準備金設定資産について特別の修繕が行われないこととなつた場合 その行われないこととなつた日における当該準備金設定資産に係る特別修繕準備金の金額
三 解散した場合 当該解散の日における特別修繕準備金の金額(合併により解散した場合において合併法人に引き継がれたものを除く。)
四 前二項、前三号及び次項の場合以外の場合において特別修繕準備金の金額を取り崩した場合 その取り崩した日における特別修繕準備金の金額のうちその取り崩した金額に相当する金額
6 第一項の特別修繕準備金を積み立てている法人が青色申告書の提出の承認を取り消され、又は青色申告書による申告をやめる旨の届出書の提出をした場合には、その承認の取消しの基因となつた事実のあつた日又はその届出書の提出をした日(その届出書の提出をした日が青色申告書による申告をやめた事業年度終了の日後である場合には、同日)における特別修繕準備金の金額は、政令で定めるところにより、その日を含む事業年度から当該事業年度開始の日以後二年を経過した日の前日を含む事業年度までの各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。この場合において、当該特別修繕準備金の金額については、前三項及び第八項の規定は、適用しない。
7 第五十五条の四第五項の規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
8 第五十五条第九項から第十一項までの規定は、第一項の特別修繕準備金を積み立てている法人が合併した場合について準用する。この場合において、同条第十一項中「第三項」とあるのは、「第五十七条の八第四項」と読み替えるものとする。