都市緑地保全法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第四十号
公布年月日: 平成6年6月24日
法令の形式: 法律
都市緑地保全法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
国事行為臨時代行名
平成六年六月二十四日
内閣総理大臣 羽田孜
法律第四十号
都市緑地保全法の一部を改正する法律
都市緑地保全法(昭和四十八年法律第七十二号)の一部を次のように改正する。
目次中「第一章 総則(第一条・第二条)」を
第一章
総則(第一条・第二条)
第一章の二
緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画(第二条の二)
に改める。
第一条中「定めることにより」の下に「、都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)その他の都市における自然的環境の整備を目的とする法律と相まつて」を加える。
第一章の次に次の一章を加える。
第一章の二 緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画
(緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画)
第二条の二 市町村は、都市における緑地(樹林地、草地、水辺地、岩石地若しくはその状況がこれらに類する土地が、単独で、若しくは一体となつて、又はこれらに隣接している土地が、これらと一体となつて、良好な自然的環境を形成しているものをいう。以下同じ。)の適正な保全及び緑化の推進に関する措置で主として都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第五条の規定により指定された都市計画区域内において講じられるものを総合的かつ計画的に実施するため、当該市町村の緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を定めることができる。
2 基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 緑地の保全及び緑化の目標
二 緑地の保全及び緑化の推進のための施策に関する事項
三 次に掲げる事項のうち必要なもの
イ 緑地の配置の方針に関する事項
ロ 緑地保全地区内の緑地の保全に関する事項で次に掲げるもの
(1) 緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項
(2) 第八条の規定による土地の買入れ及び買い入れた土地の管理に関する事項
(3) その他緑地保全地区内の緑地の保全に関し必要な事項
ハ 緑化の推進を重点的に図るべき地区及び当該地区における緑化の推進に関する事項
3 基本計画は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即し、かつ、都市計画法第十八条の二第一項の市町村の都市計画に関する基本的な方針に適合するとともに、首都圏近郊緑地保全法(昭和四十一年法律第百一号)第三条第一項の規定による近郊緑地保全区域をその区域とする市町村にあつては同法第四条第一項の規定による近郊緑地保全計画に、近畿圏の保全区域の整備に関する法律(昭和四十二年法律第百三号)第五条第一項の規定による近郊緑地保全区域をその区域とする市町村にあつては同法第三条第一項の規定による保全区域整備計画に、それぞれ適合したものでなければならない。
4 市町村は、基本計画に第二項第三号ロに掲げる事項を定めようとする場合においては、当該事項について、あらかじめ、都道府県知事と協議しなければならない。ただし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(第十二条において「指定都市」という。)にあつては、この限りでない。
5 市町村は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事に通知しなければならない。
6 前二項の規定は、基本計画の変更について準用する。
第三条第一項中「都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第五条の規定により指定された」を削り、「において、樹林地、草地、水辺地、岩石地若しくはその状況がこれらに類する土地が、単独で、若しくは一体となつて、又はこれらに隣接している土地が、これらと一体となつて、良好な自然的環境を形成しているもの(以下「緑地」という。)で、」を「の緑地で」に改め、同項第一号中「遮断地帯」を「遮断地帯」に改め、同項第三号中「風致又は景観がすぐれており」を「次のいずれかに該当し」に改め、同号に次のように加える。
イ 風致又は景観が優れていること。
ロ 動植物の生息地又は生育地として適正に保全する必要があること。
第三条第二項中「(昭和四十一年法律第百一号)」及び「(昭和四十二年法律第百三号)」を削る。
第五条第九項第一号中「行なう」を「行う」に改め、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 基本計画において定められた当該緑地保全地区内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為
第八条第一項中「きたす」を「来す」に改め、「都道府県において」を削り、「場合においては」の下に「、第三項の規定による買入れが行われる場合を除き」を加え、同条第二項中「前項」を「第一項又は前項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。
2 都道府県知事は、前項の規定による申出があつたときは、当該土地の買入れを希望する市町村を当該土地の買入れの相手方として定めることができる。
3 前項の場合においては、土地の買入れの相手方として定められた市町村が、当該土地を買い入れるものとする。
第九条中「都道府県」の下に「又は市町村」を、「前条第一項」の下に「又は第三項」を、「適合するように」の下に「、かつ、第二条の二第二項第三号ロに掲げる事項を定める基本計画が定められた場合にあつては、当該事項に従つて」を加える。
第十条中「国は、」の下に「都道府県が行う」を、「買入れ」の下に「並びに市町村が行う同条第三項の規定による土地の買入れ」を加える。
第十二条中「地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)」を「指定都市」に、「行なう」を「行う」に改める。
第十四条第一項中「を有する者(」を「(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。以下「借地権等」という。)を有する者(土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)第九十八条第一項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)第八十三条において準用する場合を含む。以下この項、第十七条の二第一項及び第二項並びに第十八条の二第一項、第二項及び第五項において同じ。)の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地の所有者及び借地権等を有する者。」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、当該土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)の区域内に借地権等の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権等の目的となつている土地の所有者以外の土地所有者等の全員の合意があれば足りる。
第十四条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 緑化協定においては、前項各号に掲げるもののほか、都市計画区域内の土地のうち、緑化協定区域に隣接した土地であつて、緑化協定区域の一部とすることにより市街地の良好な環境の確保に資するものとして緑化協定区域の土地となることを当該緑化協定区域内の土地所有者等が希望するもの(以下「緑化協定区域隣接地」という。)を定めることができる。
第十五条第一項中「前条第三項」を「前条第四項」に改める。
第十六条第一項中「第十四条第三項」を「第十四条第四項」に改め、同項に次の一号を加える。
四 緑化協定において緑化協定区域隣接地を定める場合には、その区域の境界が明確に定められていることその他の緑化協定区域隣接地について建設省令で定める基準に適合するものであること。
第十七条第一項中「土地所有者等」の下に「(当該緑化協定の効力が及ばない者を除く。)」を加え、同条の次に次の一条を加える。
第十七条の二 緑化協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)で当該緑化協定の効力が及ばない者の所有するものの全部又は一部について借地権等が消滅した場合においては、その借地権等の目的となつていた土地(同項の規定により仮換地として指定された土地に対応する従前の土地にあつては、当該土地についての仮換地として指定された土地)は、当該緑化協定区域から除かれるものとする。
2 緑化協定区域内の土地で土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定されたものが、同法第八十六条第一項の換地計画又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第七十二条第一項の換地計画において当該土地に対応する従前の土地についての換地として定められず、かつ、土地区画整理法第九十一条第三項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十二条において準用する場合を含む。)の規定により当該土地に対応する従前の土地の所有者に対してその共有持分を与えるように定められた土地としても定められなかつたときは、当該土地は、土地区画整理法第百三条第四項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十三条において準用する場合を含む。)の公告があつた日が終了した時において当該緑化協定区域から除かれるものとする。
3 前二項の規定により緑化協定区域内の土地が当該緑化協定区域から除かれた場合においては、当該借地権等を有していた者又は当該仮換地として指定されていた土地に対応する従前の土地に係る土地所有者等(当該緑化協定の効力が及ばない者を除く。)は、遅滞なく、その旨を市町村長に届け出なければならない。
4 第十六条第二項の規定は、前項の規定による届出があつた場合その他市町村長が第一項又は第二項の規定により緑化協定区域内の土地が当該緑化協定区域から除かれたことを知つた場合について準用する。
第十八条中「前条第二項」を「第十七条第二項」に改め、「なつた者」の下に「(当該緑化協定について第十四条第一項又は第十七条第一項の規定による合意をしなかつた者の有する土地の所有権を承継した者を除く。)」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(緑化協定の認可の公告のあつた後緑化協定に加わる手続等)
第十八条の二 緑化協定区域内の土地の所有者(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地の所有者)で当該緑化協定の効力が及ばないものは、第十六条第二項(第十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による認可の公告のあつた後いつでも、市町村長に対して書面でその意思を表示することによつて、当該緑化協定に加わることができる。
2 緑化協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地所有者等は、第十六条第二項(第十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による認可の公告のあつた後いつでも、当該土地に係る土地所有者等の全員の合意により、市町村長に対して書面でその意思を表示することによつて、緑化協定に加わることができる。ただし、当該土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)の区域内に借地権等の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権等の目的となつている土地の所有者以外の土地所有者等の全員の合意があれば足りる。
3 緑化協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地所有者等で前項の意思を表示したものに係る土地の区域は、その意思の表示のあつた時以後、緑化協定区域の一部となるものとする。
4 第十六条第二項の規定は、第一項又は第二項の規定による意思の表示があつた場合について準用する。
5 緑化協定は、第一項又は第二項の規定により当該緑化協定に加わつた者がその時において所有し、又は借地権等を有していた当該緑化協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)について、前項において準用する第十六条第二項の規定による公告のあつた後において土地所有者等となつた者(当該緑化協定について第二項の規定による合意をしなかつた者の有する土地の所有権を承継した者及び前条の規定の適用がある者を除く。)に対しても、その効力があるものとする。
第十九条第一項中「は、第十四条第三項」を「(当該緑化協定の効力が及ばない者を除く。)は、第十四条第四項」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(土地の共有者等の取扱い)
第十九条の二 土地又は借地権等が数人の共有に属するときは、第十四条第一項、第十七条第一項、第十八条の二第一項及び第二項並びに前条第一項の規定の適用については、合わせて一の所有者又は借地権等を有する者とみなす。
第二十条第四項中「一年」を「三年」に改める。
第二十一条中「二十万円」を「五十万円」に改める。
第二十二条中「十万円」を「三十万円」に改める。
第二十三条中「三万円」を「二十万円」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(一人緑化協定に関する経過措置)
2 この法律の施行前に都市緑地保全法第二十条第三項において準用する同法第十六条第二項の規定による認可の公告のあった緑化協定についての改正後の同法第二十条第四項の規定の適用については、同項中「三年」とあるのは、「一年」とする。
(首都圏近郊緑地保全法の一部改正)
3 首都圏近郊緑地保全法の一部を次のように改正する。
第十四条第二項中「国は、」の下に「都県が行う」を、「買入れ」の下に「並びに市町村が行う同条第三項の規定による土地の買入れ」を加える。
(近畿圏の保全区域の整備に関する法律の一部改正)
4 近畿圏の保全区域の整備に関する法律の一部を次のように改正する。
第十五条第二項中「国は、」の下に「府県が行う」を、「買入れ」の下に「並びに市町村が行う同条第三項の規定による土地の買入れ」を加える。
(租税特別措置法の一部改正)
5 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第三十四条第二項第二号中「(昭和四十八年法律第七十二号)第八条第一項」の下に「若しくは第三項」を加える。
第六十五条の三第一項第二号中「都市緑地保全法第八条第一項」の下に「若しくは第三項」を加える。
内閣総理大臣 羽田孜
大蔵大臣 藤井裕久
建設大臣 森本晃司