国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第四号
公布年月日: 昭和60年3月30日
法令の形式: 法律
国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十年三月三十日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第四号
国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
国家公務員等退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)の一部を次のように改正する。
目次中「第一条・第二条」を「第一条―第二条の二」に改める。
第二条第二項中「(第五条中公務上の負傷若しくは病気(以下「傷病」という。)又は死亡による退職に係る部分以外の部分を除く。)」を削り、第一章中同条の次に次の一条を加える。
(退職手当の支払)
第二条の二 この法律の規定による退職手当は、他の法令に別段の定めがある場合を除き、その全額を、現金で、直接この法律の規定によりその支給を受けるべき者に支払わなければならない。ただし、政令で定める確実な方法により支払う場合は、この限りでない。
第三条第一項中「次条第一項から第三項まで」を「次条」に改め、同条第二項中「傷病」を「負傷若しくは病気(以下「傷病」という。)」に、「左の」を「次の」に改め、同項に次の一号を加える。
三 勤続期間十一年以上十九年以下の者 百分の八十
第四条第一項中「定年に達したことにより退職した者又はこれに準ずる理由その他」を「、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十一条の二第一項の規定により退職した者(同法第八十一条の三第一項の期限若しくは同条第二項の規定により延長された期限の到来又は同法第八十一条の四第一項の任期若しくは同条第二項の規定により更新された任期の終了により退職した者を含む。)若しくはこれに準ずる他の法令の規定により退職した者又は」に改め、「額は、」の下に「退職の日における」を加え、同項第四号中「百分の百三十七・五」を「百分の百二十五」に改め、同条第二項中「勤続し」を「勤続した者で、」に、「退職した者」を「退職し、又は定年に達した日以後その者の非違によることなく退職した者(前項の規定に該当する者を除く。)」に改め、同条第四項を削る。
第五条第一項中「定年に達したことにより退職した者又はこれに準ずる理由その他」を「、国家公務員法第八十一条の二第一項の規定により退職した者(同法第八十一条の三第一項の期限若しくは同条第二項の規定により延長された期限の到来又は同法第八十一条の四第一項の任期若しくは同条第二項の規定により更新された任期の終了により退職した者を含む。)若しくはこれに準ずる他の法令の規定により退職した者、」に、「並びに」を「又は」に改め、同項第四号中「百分の百六十五」を「百分の百五十」に改め、同条第二項中「勤続し」を「勤続した者で、」に改め、「(公務上の死亡を除く。)」を削り、「退職した者」を「退職し、又は定年に達した日以後その者の非違によることなく退職した者(前項の規定に該当する者を除く。)」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(定年前早期退職者に対する退職手当に係る特例)
第五条の二 前条第一項の規定に該当する者(政令で定める者を除く。)のうち、定年に達する日から政令で定める一定の期間前までに退職した者であつて、その勤続期間が二十五年以上であり、かつ、その年齢が政令で定める年齢以上であるものに対する同項の規定の適用については、同項中「俸給月額」とあるのは、「俸給月額及び当該俸給月額に退職の日において定められているその者に係る定年と退職の日におけるその者の年齢との差に相当する年数一年につき百分の二を超えない範囲内で政令で定める割合を乗じて得た額の合計額」とする。
第六条中「前三条」を「第三条から前条まで」に改める。
第七条第四項中「(昭和二十二年法律第百二十号)」を削る。
第十条第一項中「第四項又は」を「国家公務員法第八十一条の二第一項の規定により退職し、又は同法第八十一条の三の規定により勤務した後退職し、その退職の日の翌々日以後に同法第八十一条の四第一項の規定により採用された者であつたもの及びこれに準ずる者(以下この条において「再任用職員等」という。)並びに第四項又は」に改め、同項第一号中「この条において」を削り、同条第二項中「第五項」を「再任用職員等及び第五項」に改め、同条第四項中「第六項」を「再任用職員等及び第六項」に改め、同条第五項中「第七項」を「再任用職員等及び第七項」に改め、同条第六項及び第七項中「退職した職員」の下に「(再任用職員等を除く。)」を加える。
第十一条の次に次の一条を加える。
(遺族からの排除)
第十一条の二 次に掲げる者は、退職手当の支給を受けることができる遺族としない。
一 職員を故意に死亡させた者
二 職員の死亡前に、当該職員の死亡によつて退職手当の支給を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者
第十二条の見出し中「場合」を「場合等」に、「取扱」を「取扱い」に改め、同条第一項中「一般の退職手当及び第九条の規定による退職手当」を「一般の退職手当等」に、「但し、禁こ」を「ただし、禁錮」に改め、同条第二項中「前項但書」を「前項ただし書」に、「同項但書」を「同項ただし書」に改め、同条に次の一項を加える。
3 前二項の規定は、退職した者に対しまだ一般の退職手当等の額が支払われていない場合において、その者が在職期間(その退職手当の支給の基礎となる期間をいう。次条第一項において同じ。)中の行為に係る刑事事件に関し起訴されたときについて準用する。
第十二条の次に次の一条を加える。
(退職手当の返納)
第十二条の二 退職した者に対し一般の退職手当等の支給をした後において、その者が在職期間中の行為に係る刑事事件に関し禁錮以上の刑に処せられたときは、その支給をした一般の退職手当等の全部又は一部を返納させることができる。
2 前項の規定により返納させるべき退職手当の額の範囲、返納の手続その他返納に関し必要な事項は、政令で定める。
附則に次の二項を加える。
19 国家公務員法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第七十七号。以下「法律第七十七号」という。)附則第三条の規定又はこれに準ずる他の法令の規定により退職した者に対する第四条及び第五条の規定の適用については、第四条第一項中「定年に達したことにより退職した者」とあるのは「国家公務員法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第七十七号。以下「法律第七十七号」という。)附則第三条の規定又はこれに準ずる他の法令の規定により退職した者」と、第五条第一項中「定年に達したことにより退職した者」とあるのは「法律第七十七号附則第三条の規定又はこれに準ずる他の法令の規定により退職した者」とする。
20 法律第七十七号附則第四条若しくは第五条において準用する国家公務員法第八十一条の三第一項若しくは第八十一条の四第一項の規定又はこれらの規定に準ずる他の法令の規定により勤務した後退職した者に対する第四条及び第五条の規定の適用については、第四条第一項中「(同法」とあるのは「(国家公務員法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第七十七号。以下「法律第七十七号」という。)附則第四条又は第五条において準用する国家公務員法」と、第四条第二項及び第五条第二項中「定年に達した日以後」とあるのは「法律第七十七号附則第四条若しくは第五条において準用する国家公務員法第八十一条の三第一項若しくは第八十一条の四第一項の規定又はこれらの規定に準ずる他の法令の規定により引き続き勤務することとなり、又は採用され、」と、第五条第一項中「(同法」とあるのは「(法律第七十七号附則第四条又は第五条において準用する国家公務員法」とする。
附 則
(施行期日等)
1 この法律は、昭和六十年四月一日から施行する。ただし、第二条第二項の改正規定、第三条第二項の改正規定(「傷病」を「負傷若しくは病気(以下「傷病」という。)」に改める部分に限る。)及び附則に二項を加える改正規定(附則第十九項に係る部分に限る。)は、同年三月三十一日から施行する。
2 改正後の国家公務員等退職手当法第十二条第三項及び第十二条の二の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後の退職に係る退職手当について適用する。
(国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律の一部改正)
3 国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律(昭和三十四年法律第百六十四号。以下「法律第百六十四号」という。)の一部を次のように改正する。
附則第三項第一号中「又は第四条第四項」を削る。
(国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部改正)
4 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第三十号。以下「法律第三十号」という。)の一部を次のように改正する。
附則第五項中「第五条まで」を「第五条の二まで」に改める。
附則第七項中「及び第六条並びに」を「から第六条まで及び」に改める。
附則第十八項を削る。
(経過措置)
5 施行日の前日に在職する職員が施行日以後に退職した場合において、その者が施行日の前日に現に退職した理由と同一の理由により退職したものとし、かつ、その者の同日までの勤続期間及び同日における俸給月額を基礎として、改正前の国家公務員等退職手当法第三条から第六条まで、改正前の法律第百六十四号附則第三項又は改正前の法律第三十号附則第五項から第八項までの規定により計算した場合の退職手当の額が、改正後の国家公務員等退職手当法第三条から第六条まで、改正後の法律第百六十四号附則第三項又は改正後の法律第三十号附則第五項から第八項までの規定による退職手当の額よりも多いときは、これらの規定にかかわらず、その多い額をもつてその者に支給すべきこれらの規定による退職手当の額とする。
6 前項の規定は、施行日の前日に国家公務員等退職手当法第七条の二第一項に規定する公庫等職員(他の法律の規定により同条の規定の適用について公庫等職員とみなされる者を含む。以下この項において同じ。)として在職する者のうち職員から引き続いて公庫等職員となつた者又は施行日の前日に地方公務員として在職する者で、公庫等職員又は地方公務員として在職した後引き続いて職員となつたものが施行日以後に退職した場合について準用する。この場合において、前項中「退職したものとし」とあるのは「職員として退職したものとし」と、「勤続期間」とあるのは「勤続期間として取り扱われるべき期間」と、「俸給月額」とあるのは「俸給月額に相当する給与の額」と読み替えるものとする。
(防衛庁職員給与法の一部改正)
7 防衛庁職員給与法(昭和二十七年法律第二百六十六号)の一部を次のように改正する。
第二十八条の二第二項中「定年に達したこと」及び「定年に達し、かつ、」を削り、「該当したこと」を「該当し、かつ」に、「第十二条第一項」を「第十条第一項第一号」に改める。
(最高裁判所裁判官退職手当特例法の一部改正)
8 最高裁判所裁判官退職手当特例法(昭和四十一年法律第五十二号)の一部を次のように改正する。
第四条中「第十条第三項及び第十二条第一項」を「第十条第二項及び第五項、第十二条第一項及び第三項並びに第十二条の二第一項」に改める。
(一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
9 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律(昭和四十六年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。
附則第十五項中「第五条第三項」を「第五条第四項」に改める。
内閣総理大臣 中曽根康弘
法務大臣 嶋崎均