最高裁判所裁判官退職手当特例法
法令番号: 法律第五十二号
公布年月日: 昭和41年4月18日
法令の形式: 法律
最高裁判所裁判官退職手当特例法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十一年四月十八日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第五十二号
最高裁判所裁判官退職手当特例法
(趣旨)
第一条 この法律は、最高裁判所の裁判官が退職した場合に支給する退職手当に関して、国家公務員等退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号。以下「退職手当法」という。)の特例を定めるものとする。
(最高裁判所の裁判官が退職した場合の退職手当の特例)
第二条 最高裁判所の裁判官が退職した場合に支給する退職手当の額は、退職手当法第三条から第五条までの規定にかかわらず、退職の日におけるその者の報酬月額に、その者の勤続期間一年につき百分の六百五十を乗じて得た額とする。
2 前項の規定により計算した退職手当の額が、最高裁判所の裁判官の退職の日における報酬月額に六十を乗じて得た額をこえるときは、同項の規定にかかわらず、その乗じて得た額をその者の退職手当の額とする。
第三条 前条の退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算は、退職手当法第七条第一項の規定にかかわらず、最高裁判所の裁判官としての引き続いた在職期間による。
2 退職手当法第七条第二項から第四項まで及び第六項から第八項までの規定は、前項の規定による在職期間の計算について準用する。この場合において、同条第六項ただし書中「六月以上一年未満(第三条第一項(傷病又は死亡による退職に係る部分に限る。)、第四条又は第五条第一項の規定による退職手当を計算する場合にあつては、一年未満)」とあるのは、「一年未満」と読み替えるものとする。
第四条 第二条の退職手当は、退職手当法第八条第一項、第十条第三項及び第十二条第一項の規定の適用については、同法第八条第一項に規定する一般の退職手当とみなす。
(最高裁判所の裁判官が一般職員等となつた場合の取扱い)
第五条 最高裁判所の裁判官が退職した場合において、その者が退職の日又はその翌日に一般職員(退職手当法の適用を受ける者のうち、最高裁判所の裁判官以外の者をいう。以下同じ。)となつたときは、その退職については、同法第七条第三項及び第八条第二項の規定は、適用しない。
2 最高裁判所の裁判官が引き続いて一般職員又は地方公務員となつた場合には、退職手当に関する法令の規定の適用については、一般職員又は地方公務員となつた日の前日に最高裁判所の裁判官を退職したものとみなす。
(一般職員等が最高裁判所の裁判官となつた場合の取扱い)
第六条 一般職員が退職した場合において、その者が退職の日又はその翌日に最高裁判所の裁判官となつたときは、その退職については、退職手当法第七条第三項及び第八条第二項の規定は、適用しない。
2 一般職員又は地方公務員が引き続いて最高裁判所の裁判官となつた場合には、退職手当に関する法令の規定の適用については、最高裁判所の裁判官となつた日の前日に一般職員又は地方公務員を退職したものとみなす。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律の施行の際現に在職する最高裁判所の裁判官のうち、この法律の施行前に一般職員から引き続いて最高裁判所の裁判官となつた者に対しては、第六条の規定の例により退職手当を支給する。ただし、その退職手当の計算の基礎となる俸給月額は、その者が退職したとみなされる日に占めていた官職と同一の官職につきこの法律の施行の日に支給されるべき俸給月額とする。
3 前項に規定する者が最高裁判所の裁判官を退職した場合において、同項の退職手当及び第二条の退職手当の合計額が、この法律の規定を適用しないものとしたならば支給されることとなるべき退職手当の額に達しないときは、その差額に相当する金額を同条の退職手当の額に加算するものとする。
内閣総理大臣 佐藤栄作
法務大臣 石井光次郎
外務大臣 椎名悦三郎
大蔵大臣 福田赳夫
文部大臣 中村梅吉
厚生大臣 鈴木善幸
農林大臣 坂田英一
通商産業大臣 三木武夫
運輸大臣 中村寅太
郵政大臣 郡祐一
労働大臣 小平久雄
建設大臣 瀬戸山三男
自治大臣 永山忠則