第十五条の二 第九条第一項甲類に掲げる事項についての審判又は次条第一項若しくは第二項の規定による審判(同条第五項の裁判を含む。)若しくはこれを取り消す裁判で最高裁判所の定めるものが効力を生じた場合には、裁判所書記官は、最高裁判所の定めるところにより、遅滞なく、戸籍事務を管掌する者に対し、戸籍の記載を嘱託しなければならない。
第十五条の三 第九条の審判の申立てがあつた場合においては、家庭裁判所は、最高裁判所の定めるところにより、仮差押え、仮処分、財産の管理者の選任その他の必要な保全処分を命ずることができる。
前項の規定による審判(以下「審判前の保全処分」という。)が確定した後に、その理由が消滅し、その他事情が変更したときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。
前項の審判は、これを受ける者に告知することによつてその効力を生ずる。
第九条に規定する審判事件が高等裁判所に係属する場合には、当該高等裁判所が、第三項の審判に代わる裁判を行う。
審判前の保全処分の執行は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)その他の仮差押え及び仮処分の執行に関する法令の規定に従つてする。
民事訴訟法第五百十三条、第七百三十七条、第七百四十一条第二項から第四項まで、第七百四十三条、第七百五十五条、第七百五十八条及び第七百六十条の規定は、審判前の保全処分について準用する。
第十五条の四 家庭裁判所は、遺産の分割の審判をするため必要があると認めるときは、相続人に対して、遺産の全部又は一部について競売し、その他最高裁判所の定めるところにより換価することを命ずることができる。
前条第二項の規定は、前項の規定による審判について準用する。
前二項の規定は、民法第九百五十八条の三第一項の規定による相続財産の処分の審判について準用する。この場合において、第一項中「相続人」とあるのは、「相続財産の管理人」と読み替えるものとする。