(公営住宅建替事業の施行)
第二十三条の三 地方公共団体は、公営住宅の建設を促進し、及び公営住宅の居住環境を整備するため必要があるときは、公営住宅建替事業を施行するように努めなければならない。
(公営住宅建替事業の施行の要件)
第二十三条の四 公営住宅建替事業は、次の各号に掲げる要件に該当する場合に施行することができる。
一 公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅が市街地の区域又は市街化が予想される区域内の政令で定める規模以上の一団の土地に集団的に存していること。
二 公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅の大部分が第二十四条第一項の耐用年限の二分の一を経過していること又はその大部分につき公営住宅としての機能が災害その他の理由により相当程度低下していること。
三 公営住宅建替事業により新たに建設すべき公営住宅の戸数が当該事業により除却すべき公営住宅の戸数の二倍以上であること。ただし、当該土地の区域において道路、公園その他の都市施設に関する都市計画が定められている場合その他特別の事情がある場合には、当該除却すべき公営住宅の戸数をこえれば足りる。
四 公営住宅建替事業により新たに建設すべき公営住宅が高層又は中層の耐火性能を有する構造の公営住宅であること。
(建替計画)
第二十三条の五 事業主体の長は、公営住宅建替事業を施行しようとするときは、あらかじめ、公営住宅建替事業に関する計画(以下「建替計画」という。)を作成して、建設大臣の承認を得なければならない。
2 建替計画においては、次の各号に掲げる事項を定めなければならない。
二 公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅及び当該事業により新たに建設すべき公営住宅の戸数
三 公営住宅建替事業により新たに建設すべき公営住宅の構造
3 建替計画は、土地の合理的な高度利用について適切な考慮が払われたものでなければならない。
4 建設大臣は、建替計画に係る公営住宅建替事業が前条各号に掲げる要件に適合すると認める場合でなければ、第一項の承認をしてはならない。
5 第一項の規定により、市町村長が建設大臣の承認を求めるときは、都道府県知事を経由してしなければならない。
6 事業主体の長は、第一項の規定による建設大臣の承認を得たときは、建設省令で定めるところにより、当該建替計画に係る公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅の入居者(その承認があつた日における入居者に限る。)に対して、その旨を通知しなければならない。
7 前各項の規定は、建替計画の変更(建設省令で定める軽微な変更を除く。)について準用する。この場合において、当該変更に係る前項の規定による通知は、当該変更により新たに除却すべき公営住宅となつたものの入居者及び除却すべき公営住宅でなくなつたものの入居者にすれば足りる。
(公営住宅の明渡しの請求)
第二十三条の六 事業主体の長は、公営住宅建替事業の施行に伴い、現に存する公営住宅を除却するため必要があると認めるときは、前条第六項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による通知をした後、当該公営住宅の入居者に対し、期限を定めて、その明渡しを請求することができる。
2 前項の期限は、同項の規定による請求をする日の翌日から起算して三月を経過した日以後の日でなければならない。
3 第一項の規定による請求を受けた者は、同項の期限が到来したときは、すみやかに、当該公営住宅を明け渡さなければならない。
(仮住居の提供)
第二十三条の七 事業主体は、前条第一項の規定による請求に係る公営住宅の入居者に対して、必要な仮住居を提供しなければならない。
(新たに建設される公営住宅への入居)
第二十三条の八 事業主体は、公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅の除却前の最終の入居者(当該事業に係る建替計画について第二十三条の五第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による建設大臣の承認があつた日における入居者で、当該事業の施行に伴い当該公営住宅の明渡しをするものに限る。以下同じ。)で、三十日を下らない範囲内で当該入居者ごとに事業主体の長の定める期間内に当該事業により新たに建設される公営住宅への入居を希望する旨を申し出たものを、当該公営住宅に入居させなければならない。この場合においては、その者については、第十七条の規定は、適用しない。
2 事業主体の長は、前項の期間を定めたときは、当該入居者に対して、これを通知しなければならない。
3 事業主体の長は、第一項の規定による申出をした者に対して、相当の猶予期間を置いてその者が公営住宅に入居することができる期間を定め、その期間内に当該公営住宅に入居すべき旨を通知しなければならない。
4 事業主体は、正当な理由がないのに前項の規定による通知に係る入居することができる期間内に当該公営住宅に入居しなかつた者については、第一項の規定にかかわらず、当該公営住宅に入居させないことができる。
5 事業主体が、第一項の規定により、同項の規定による申出をした者を当該公営住宅建替事業により新たに建設された公営住宅に入居させた場合における第二十一条の二、第二十一条の三第一項及び第二十一条の四の規定の適用については、その者が当該事業により除却すべき公営住宅に入居していた期間は、その者が当該新たに建設された公営住宅に入居している期間に通算する。
(説明会の開催等)
第二十三条の九 事業主体の長は、公営住宅建替事業の施行に関し、説明会を開催する等の措置を講ずることにより、当該事業により除却すべき公営住宅の入居者の協力が得られるように努めなければならない。
(移転料の支払)
第二十三条の十 事業主体は、公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅の除却前の最終の入居者が、当該事業の施行に伴い住居を移転した場合においては、その者に対して、建設省令で定めるところにより、通常必要な移転料を支払わなければならない。