輸出入取引法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百五十一号
公布年月日: 昭和32年6月1日
法令の形式: 法律
輸出入取引法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年六月一日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 石井光次郎
法律第百五十一号
輸出入取引法の一部を改正する法律
輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)の一部を次のように改正する。
目次中
第六章
雑則(第二十八条―第四十条)
第七章
罰則(第四十一条―第四十七条)
第六章
輸出、輸入及び輸出入調整に関する命令(第二十八条―第三十二条の二の十三)
第七章
指定機関(第三十二条の三―第三十二条の十三)
第八章
雑則(第三十三条―第四十条)
第九章
罰則(第四十一条―第四十七条)
に改める。
第七条の二第一項第一号を次のように改める。
一 輸入貨物に係る船積地の輸出取引若しくはその船積地からの他の外国の輸入取引における競争が実質的に制限され、又は輸入取引における競争が過度に行われるため、その他これに準ずる原因により、その船積地からの他の外国の輸入取引、その船積地以外の船積地からの輸入取引若しくはその船積地における国内取引の条件に比して著しく不利な輸入取引の条件が課せられ、又は課せられるおそれがあること。
第七条の二第一項に次の一号を加える。
三 外国における資源の開発により生産される貨物が継続的に輸入されることが確実でないため、その資源の開発を行うことができず、その貨物の輸入を確保することが困難となり、又は困難となるおそれがあること。
第十九条第一項中「第六十二条から第六十六条まで」を「第六十二条、第六十三条第一項、第三項及び第四項、第六十四条から第六十六条まで」に、「第三号から第十二号まで」を「第三号から第十一号まで」に、「第百五条及び第百六条」を「第百五条、第百五条の四及び第百六条第一項」に改め、「同条第三項中「十分の一」とあるのは「五分の一」と」の下に「、「千人」とあるのは「五百人」と」を加え、同条第二項中「第五十九条から第六十一条まで(剰余金の配当等)」を「第五十九条第一項及び第二項、第六十条、第六十一条(剰余金の配当等)、第六十三条第二項(合併の手続)」に、「第百十五条第十三号及び第十四号」を「第百十五条第十二号から第十四号まで」に改める。
第二十七条中「第十条」の下に「、第十二条の二」を加える。
「第六章 雑則」を「第六章 輸出、輸入及び輸出入調整に関する命令」に改める。
第二十八条第一項及び第二項中「認めるときは」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、同条第五項を次のように改める。
5 通商産業大臣は、第一項又は第二項の通商産業省令を制定する場合において、その省令の円滑な実施を図るため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その省令に係る事務の一部を輸出組合に処理させることができる。
第二十八条第六項中「規定による指定」を「規定により第一項又は第二項の通商産業省令に係る事務を輸出組合に処理させることができる場合」に、「限り行うことができるものとする」を「限る」に改め、同条第七項を削る。
第二十九条第一項中「場合に限り」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、同条第二項を次のように改める。
2 前条第三項から第六項までの規定は、前項の場合に準用する。
第三十条第一項中「場合に限り」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、同条第二項中「認めるときは」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、同条第三項を次のように改め、同条第四項を削る。
3 第二十八条第三項から第六項までの規定は、前二項の場合に準用する。
第三十一条第一項中「場合に限り」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、同条第二項中「第七項」を「第六項」に改める。
第三十二条中「第三十条第四項」を「第二十九条第二項、第三十条第三項」に、「規定による指定を受けた」を「規定により第二十八条第一項若しくは第二項(前条第二項において準用する場合を含む。)、第二十九条第一項、第三十条第一項若しくは第二項(前条第二項において準用する場合を含む。)若しくは前条第一項の通商産業省令(以下「規制命令」という。)に係る事務を処理する」に改め、「若しくは職員」の下に「であつてその事務に従事するもの」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(役員の解任の勧告等)
第三十二条の二 通商産業大臣は、第二十八条第五項(第二十九条第二項、第三十条第三項又は第三十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により規制命令に係る事務を処理する輸出組合、輸入組合又は輸出入組合の役員であつてその事務に従事するものがその事務を不当に処理し、又は役員たるに適しない非行をしたと認めるときは、当該輸出組合、輸入組合又は輸出入組合に対し、これを解任すべき旨の勧告をすることができる。
2 前項の勧告があつたときは、当該輸出組合、輸入組合又は輸出入組合は、正当な理由がない限り当該勧告に係る役員を総会の議決で解任しなければならない。
第三十二条の二の次に次の一章を加える。
第七章 指定機関
(指定機関)
第三十二条の三 輸出業者は、貨物の種類ごとに政令で定める法人(以下「指定機関」という。)から購入したものでなければ、政令で定める種類の貨物(以下「指定貨物」という。)をその種類ごとに政令で定める仕向地(以下「指定仕向地」という。)に輸出してはならない。ただし、通商産業省令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の政令は、特定の仕向地に輸出すべき特定の種類の貨物の国内取引に係る適法な共同行為において輸出業者が当該貨物を購入すべき法人又は生産業者若しくは販売業者が当該貨物を販売し若しくは販売することを委託すべき法人を一に限つて定めており、かつ、次の各号に適合する場合において、輸出取引の秩序の確立又は輸出貿易の健全な発展に対して生じている著しい支障を除去するため特に必要があり、かつ、適当であると認められるときに、当該特定の種類の貨物、当該法人及び当該特定の仕向地について定めるものとする。
一 輸出業者が当該法人から購入して当該仕向地に輸出している当該貨物の額が当該仕向地に対する当該貨物の総輸出額に対し相当の比率を占めていること。
二 当該法人が当該仕向地に輸出すべき当該貨物の購入(販売の受託を含む。以下同じ。)及び販売の業務を適確かつ円滑に行うに十分な経理的基礎を有すること。
三 当該法人が申出をしたこと。
第三十二条の四 通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣は、前条第一項の政令が制定されたときは、当該指定機関が当該指定仕向地に輸出すべき当該指定貨物の販売の業務を行う事業所の所在地を官報に公示しなければならない。これに変更があつたときも、同様とする。
(業務)
第三十二条の五 指定機関は、当該指定仕向地に輸出すべき当該指定貨物の購入及び販売並びにこれに附帯する業務(以下「指定業務」という。)以外の業務を行つてはならない。ただし、通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
2 指定機関は、指定業務を誠実かつ公正に行わなければならない。
(業務の方法)
第三十二条の六 指定機関は、指定機関となつた後遅滞なく、指定業務について業務の方法を定め、通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務の方法には、当該指定貨物の購入及び販売の価格その他の取引条件並びに購入及び販売の方法を定めておかなければならない。
(事業計画等)
第三十二条の七 指定機関は、毎事業年度開始前に(指定機関となつた日の属する事業年度にあつては、指定機関となつた後遅滞なく)、その事業年度の事業計画を作成し、通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣に提出しなければならない。
(業務の休廃止)
第三十二条の八 指定機関は、通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣の許可を受けなければ、指定業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
(定款の変更等)
第三十二条の九 指定機関の役員の選任及び解任、定款の変更、利益金の処分、合併並びに解散の決議は、通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(役員の解任)
第三十二条の十 通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣は、指定機関の業務を行う役員がこの法律若しくはこの法律に基く命令に違反したとき、又は第三十二条の六第一項の認可を受けた業務の方法によらないで指定業務を行つたときは、これを解任することができる。
(監督命令)
第三十二条の十一 通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定機関に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第三十二条の十二 通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定機関からその業務若しくは経理の状況に関する報告を徴し、又はその職員に、指定機関の事務所、事業所若しくは倉庫に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(準用)
第三十二条の十三 第三十二条の規定は、指定機関の役員又は職員であつて、指定業務に従事するものに準用する。
第三十三条の前に次の章名を加える。
第八章 雑則
第三十三条第二項中「部分以外の部分」の下に「及びこれ」を加え、同条に次の一項を加える。
3 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、指定業務に関し指定機関が行う正当な行為には、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるときは、この限りでない。
第三十四条第二項中「第五条の三第一項」の下に「又は第三十二条の六第一項」を加える。
第三十七条中「若しくは第二十一条」を「、第二十一条、第二十八条第五項(第二十九条第二項、第三十条第三項又は第三十一条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第三十二条の三第一項」に改める。
第三十八条第一項中「第六条第一項若しくは第二項又は第十八条(第二十七条において準用する場合を含む。)」を「第六条第一項(第十一条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第二項(第七条の二第三項(第十九条の四第三項において準用する場合を含む。)、第十一条第五項又は第二十三条第三項において準用する場合を含む。)又は第十八条(第十九条の六又は第二十七条において準用する場合を含む。)」に改め、同条第二項中「第六条第三項」の下に「又は第三十二条の十」を加える。
第三十九条第一項中「処分」の下に「又は第二十八条第五項(第二十九条第二項、第三十条第三項又は第三十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により規制命令に係る事務を処理する輸出組合、輸入組合若しくは輸出入組合がその事務の処理として行つた行為」を加える。
「第七章 罰則」を「第九章 罰則」に改める。
第四十一条の次に次の二条を加える。
第四十一条の二 第二十八条第五項(第二十九条第二項、第三十条第三項又は第三十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により規制命令に係る事務を処理する輸出組合、輸入組合若しくは輸出入組合の役員若しくは職員であつてその事務に従事するもの又は指定機関の役員若しくは職員であつて指定業務に従事するものが、その職務に関して、わいろを収受し、又はその要求若しくは、約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。
2 前項の場合において、収受したわいろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第四十一条の三 前条第一項に規定するわいろを供与し、又はその申込若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第四十二条中「又は第二十八条第四項」を「若しくは第二十八条第四項」に改め、「命令」の下に「又は第三十二条の三第一項の規定」を加える。
第四十三条第四号中「第三十二条」の下に「(第三十二条の十三において準用する場合を含む。)」を加える。
第四十四条の次に次の一条を加える。
第四十四条の二 次の場合には、その行為をした指定機関の役員又は職員は、五万円以下の罰金に処する。
一 第三十二条の五第一項の許可を受けないで、指定業務以外の業務を行つたとき。
二 第三十二条の六第一項又は第三十二条の七第一項の認可を受けないで、指定業務を行つたとき。
三 第三十二条の八第一項の許可を受けないで、指定業務を休止し、又は廃止したとき。
第四十五条第三号中「又は第百五条の四」を「若しくは第百五条の四又は第三十二条の十二第一項」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第四十五条の二 次の場合には、その行為をした指定機関の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。
一 第三十二条の七第二項の規定に違反して、同項に掲げる書類を提出せず、又は不実の記載をしたその書類を提出したとき。
二 第三十二条の十二第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第四十六条の次に次の一条を加える。
第四十六条の二 指定機関が第三十二条の十一の規定による命令に違反した場合には、その行為をした指定機関の役員又は職員は、一万円以下の罰金に処する。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。
2 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第五条第五十一号の二中「認可する」を「認可し、及びその物資に係る指定機関を監督する」に改める。
3 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第十六号の六中「認可する」を「認可し、及びその物資に係る指定機関を監督する」に改める。
4 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第十四号の六の二中「認可する」を「認可し、及びその物資に係る指定機関を監督する」に改める。
第二十四条第一項第五号の三の二及び第二十七条第一項第十四号の三の二中「認可」の下に「及びその物資に係る指定機関の監督」を加える。
5 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第二十四号中「認可する」を「認可し、並びに指定機関を監督する」に改める。
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 石井光次郎
法務大臣 中村梅吉
大蔵大臣 池田勇人
厚生大臣臨時代理 国務大臣 鹿島守之助
農林大臣 井出一太郎
通商産業大臣 水田三喜男
運輸大臣 宮澤胤勇
輸出入取引法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年六月一日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 石井光次郎
法律第百五十一号
輸出入取引法の一部を改正する法律
輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)の一部を次のように改正する。
目次中
第六章
雑則(第二十八条―第四十条)
第七章
罰則(第四十一条―第四十七条)
第六章
輸出、輸入及び輸出入調整に関する命令(第二十八条―第三十二条の二の十三)
第七章
指定機関(第三十二条の三―第三十二条の十三)
第八章
雑則(第三十三条―第四十条)
第九章
罰則(第四十一条―第四十七条)
に改める。
第七条の二第一項第一号を次のように改める。
一 輸入貨物に係る船積地の輸出取引若しくはその船積地からの他の外国の輸入取引における競争が実質的に制限され、又は輸入取引における競争が過度に行われるため、その他これに準ずる原因により、その船積地からの他の外国の輸入取引、その船積地以外の船積地からの輸入取引若しくはその船積地における国内取引の条件に比して著しく不利な輸入取引の条件が課せられ、又は課せられるおそれがあること。
第七条の二第一項に次の一号を加える。
三 外国における資源の開発により生産される貨物が継続的に輸入されることが確実でないため、その資源の開発を行うことができず、その貨物の輸入を確保することが困難となり、又は困難となるおそれがあること。
第十九条第一項中「第六十二条から第六十六条まで」を「第六十二条、第六十三条第一項、第三項及び第四項、第六十四条から第六十六条まで」に、「第三号から第十二号まで」を「第三号から第十一号まで」に、「第百五条及び第百六条」を「第百五条、第百五条の四及び第百六条第一項」に改め、「同条第三項中「十分の一」とあるのは「五分の一」と」の下に「、「千人」とあるのは「五百人」と」を加え、同条第二項中「第五十九条から第六十一条まで(剰余金の配当等)」を「第五十九条第一項及び第二項、第六十条、第六十一条(剰余金の配当等)、第六十三条第二項(合併の手続)」に、「第百十五条第十三号及び第十四号」を「第百十五条第十二号から第十四号まで」に改める。
第二十七条中「第十条」の下に「、第十二条の二」を加える。
「第六章 雑則」を「第六章 輸出、輸入及び輸出入調整に関する命令」に改める。
第二十八条第一項及び第二項中「認めるときは」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、同条第五項を次のように改める。
5 通商産業大臣は、第一項又は第二項の通商産業省令を制定する場合において、その省令の円滑な実施を図るため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その省令に係る事務の一部を輸出組合に処理させることができる。
第二十八条第六項中「規定による指定」を「規定により第一項又は第二項の通商産業省令に係る事務を輸出組合に処理させることができる場合」に、「限り行うことができるものとする」を「限る」に改め、同条第七項を削る。
第二十九条第一項中「場合に限り」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、同条第二項を次のように改める。
2 前条第三項から第六項までの規定は、前項の場合に準用する。
第三十条第一項中「場合に限り」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、同条第二項中「認めるときは」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、同条第三項を次のように改め、同条第四項を削る。
3 第二十八条第三項から第六項までの規定は、前二項の場合に準用する。
第三十一条第一項中「場合に限り」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、同条第二項中「第七項」を「第六項」に改める。
第三十二条中「第三十条第四項」を「第二十九条第二項、第三十条第三項」に、「規定による指定を受けた」を「規定により第二十八条第一項若しくは第二項(前条第二項において準用する場合を含む。)、第二十九条第一項、第三十条第一項若しくは第二項(前条第二項において準用する場合を含む。)若しくは前条第一項の通商産業省令(以下「規制命令」という。)に係る事務を処理する」に改め、「若しくは職員」の下に「であつてその事務に従事するもの」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(役員の解任の勧告等)
第三十二条の二 通商産業大臣は、第二十八条第五項(第二十九条第二項、第三十条第三項又は第三十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により規制命令に係る事務を処理する輸出組合、輸入組合又は輸出入組合の役員であつてその事務に従事するものがその事務を不当に処理し、又は役員たるに適しない非行をしたと認めるときは、当該輸出組合、輸入組合又は輸出入組合に対し、これを解任すべき旨の勧告をすることができる。
2 前項の勧告があつたときは、当該輸出組合、輸入組合又は輸出入組合は、正当な理由がない限り当該勧告に係る役員を総会の議決で解任しなければならない。
第三十二条の二の次に次の一章を加える。
第七章 指定機関
(指定機関)
第三十二条の三 輸出業者は、貨物の種類ごとに政令で定める法人(以下「指定機関」という。)から購入したものでなければ、政令で定める種類の貨物(以下「指定貨物」という。)をその種類ごとに政令で定める仕向地(以下「指定仕向地」という。)に輸出してはならない。ただし、通商産業省令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の政令は、特定の仕向地に輸出すべき特定の種類の貨物の国内取引に係る適法な共同行為において輸出業者が当該貨物を購入すべき法人又は生産業者若しくは販売業者が当該貨物を販売し若しくは販売することを委託すべき法人を一に限つて定めており、かつ、次の各号に適合する場合において、輸出取引の秩序の確立又は輸出貿易の健全な発展に対して生じている著しい支障を除去するため特に必要があり、かつ、適当であると認められるときに、当該特定の種類の貨物、当該法人及び当該特定の仕向地について定めるものとする。
一 輸出業者が当該法人から購入して当該仕向地に輸出している当該貨物の額が当該仕向地に対する当該貨物の総輸出額に対し相当の比率を占めていること。
二 当該法人が当該仕向地に輸出すべき当該貨物の購入(販売の受託を含む。以下同じ。)及び販売の業務を適確かつ円滑に行うに十分な経理的基礎を有すること。
三 当該法人が申出をしたこと。
第三十二条の四 通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣は、前条第一項の政令が制定されたときは、当該指定機関が当該指定仕向地に輸出すべき当該指定貨物の販売の業務を行う事業所の所在地を官報に公示しなければならない。これに変更があつたときも、同様とする。
(業務)
第三十二条の五 指定機関は、当該指定仕向地に輸出すべき当該指定貨物の購入及び販売並びにこれに附帯する業務(以下「指定業務」という。)以外の業務を行つてはならない。ただし、通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
2 指定機関は、指定業務を誠実かつ公正に行わなければならない。
(業務の方法)
第三十二条の六 指定機関は、指定機関となつた後遅滞なく、指定業務について業務の方法を定め、通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務の方法には、当該指定貨物の購入及び販売の価格その他の取引条件並びに購入及び販売の方法を定めておかなければならない。
(事業計画等)
第三十二条の七 指定機関は、毎事業年度開始前に(指定機関となつた日の属する事業年度にあつては、指定機関となつた後遅滞なく)、その事業年度の事業計画を作成し、通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣に提出しなければならない。
(業務の休廃止)
第三十二条の八 指定機関は、通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣の許可を受けなければ、指定業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
(定款の変更等)
第三十二条の九 指定機関の役員の選任及び解任、定款の変更、利益金の処分、合併並びに解散の決議は、通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(役員の解任)
第三十二条の十 通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣は、指定機関の業務を行う役員がこの法律若しくはこの法律に基く命令に違反したとき、又は第三十二条の六第一項の認可を受けた業務の方法によらないで指定業務を行つたときは、これを解任することができる。
(監督命令)
第三十二条の十一 通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定機関に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第三十二条の十二 通商産業大臣及び当該指定貨物についての主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定機関からその業務若しくは経理の状況に関する報告を徴し、又はその職員に、指定機関の事務所、事業所若しくは倉庫に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(準用)
第三十二条の十三 第三十二条の規定は、指定機関の役員又は職員であつて、指定業務に従事するものに準用する。
第三十三条の前に次の章名を加える。
第八章 雑則
第三十三条第二項中「部分以外の部分」の下に「及びこれ」を加え、同条に次の一項を加える。
3 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、指定業務に関し指定機関が行う正当な行為には、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるときは、この限りでない。
第三十四条第二項中「第五条の三第一項」の下に「又は第三十二条の六第一項」を加える。
第三十七条中「若しくは第二十一条」を「、第二十一条、第二十八条第五項(第二十九条第二項、第三十条第三項又は第三十一条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第三十二条の三第一項」に改める。
第三十八条第一項中「第六条第一項若しくは第二項又は第十八条(第二十七条において準用する場合を含む。)」を「第六条第一項(第十一条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第二項(第七条の二第三項(第十九条の四第三項において準用する場合を含む。)、第十一条第五項又は第二十三条第三項において準用する場合を含む。)又は第十八条(第十九条の六又は第二十七条において準用する場合を含む。)」に改め、同条第二項中「第六条第三項」の下に「又は第三十二条の十」を加える。
第三十九条第一項中「処分」の下に「又は第二十八条第五項(第二十九条第二項、第三十条第三項又は第三十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により規制命令に係る事務を処理する輸出組合、輸入組合若しくは輸出入組合がその事務の処理として行つた行為」を加える。
「第七章 罰則」を「第九章 罰則」に改める。
第四十一条の次に次の二条を加える。
第四十一条の二 第二十八条第五項(第二十九条第二項、第三十条第三項又は第三十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により規制命令に係る事務を処理する輸出組合、輸入組合若しくは輸出入組合の役員若しくは職員であつてその事務に従事するもの又は指定機関の役員若しくは職員であつて指定業務に従事するものが、その職務に関して、わいろを収受し、又はその要求若しくは、約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。
2 前項の場合において、収受したわいろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第四十一条の三 前条第一項に規定するわいろを供与し、又はその申込若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第四十二条中「又は第二十八条第四項」を「若しくは第二十八条第四項」に改め、「命令」の下に「又は第三十二条の三第一項の規定」を加える。
第四十三条第四号中「第三十二条」の下に「(第三十二条の十三において準用する場合を含む。)」を加える。
第四十四条の次に次の一条を加える。
第四十四条の二 次の場合には、その行為をした指定機関の役員又は職員は、五万円以下の罰金に処する。
一 第三十二条の五第一項の許可を受けないで、指定業務以外の業務を行つたとき。
二 第三十二条の六第一項又は第三十二条の七第一項の認可を受けないで、指定業務を行つたとき。
三 第三十二条の八第一項の許可を受けないで、指定業務を休止し、又は廃止したとき。
第四十五条第三号中「又は第百五条の四」を「若しくは第百五条の四又は第三十二条の十二第一項」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第四十五条の二 次の場合には、その行為をした指定機関の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。
一 第三十二条の七第二項の規定に違反して、同項に掲げる書類を提出せず、又は不実の記載をしたその書類を提出したとき。
二 第三十二条の十二第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第四十六条の次に次の一条を加える。
第四十六条の二 指定機関が第三十二条の十一の規定による命令に違反した場合には、その行為をした指定機関の役員又は職員は、一万円以下の罰金に処する。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。
2 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第五条第五十一号の二中「認可する」を「認可し、及びその物資に係る指定機関を監督する」に改める。
3 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第十六号の六中「認可する」を「認可し、及びその物資に係る指定機関を監督する」に改める。
4 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第十四号の六の二中「認可する」を「認可し、及びその物資に係る指定機関を監督する」に改める。
第二十四条第一項第五号の三の二及び第二十七条第一項第十四号の三の二中「認可」の下に「及びその物資に係る指定機関の監督」を加える。
5 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第二十四号中「認可する」を「認可し、並びに指定機関を監督する」に改める。
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 石井光次郎
法務大臣 中村梅吉
大蔵大臣 池田勇人
厚生大臣臨時代理 国務大臣 鹿島守之助
農林大臣 井出一太郎
通商産業大臣 水田三喜男
運輸大臣 宮沢胤勇