(検疫港以外の港における検疫)
第二十一条 次の各号に掲げる要件を具備している船舶の長は、第四条の規定にかかわらず、検疫を受けるため、当該船舶を検疫港以外の港に入れることができる。ただし、あらかじめその港のもよりの検疫所の長の許可を受けた場合に限る。
一 検疫伝染病が現に流行し、又は流行するおそれのある地域として厚生省令で指定する外国の地域を発航し、又はその地域に寄航して来航したものでないこと。
二 航行中に、前号に規定する外国の地域を発航し又はその地域に寄航した他の船舶又は航空機(検疫済証又は仮検疫済証の交付を受けている船舶又は航空機を除く。)から人を乗り移らせ、又は物を運び込んだものでないこと。
四 医師又は外国の法令によりこれに相当する資格を有する者が船医として乗り組んでいること。
五 ねずみ族の駆除が十分に行われた旨又はねずみ族の駆除を行う必要がない状態にあることを確認した旨を証する証明書(検疫所長又は外国のこれに相当する機関が六箇月内に発行したものに限る。)を有すること。
2 船舶の長は、前項ただし書の許可を受けようとするときは、厚生省令で定めるところにより、同項各号に掲げる事項その他厚生省令で定める事項を通報して申請しなければならない。
3 検疫所長は、第一項ただし書の許可の申請を受けたときは、すみやかに、許可するかどうかを決定し、これを当該船舶の長に通知しなければならない。
4 第一項の船舶の長は、当該船舶を検疫港以外の港に入れたときは、直ちに、当該船舶をその港の区域内の検疫所長が指示する場所に入れなければならない。
5 第九条及び第十条の規定は、第一項の船舶が前項の規定により指示された場所に入つた場合に準用する。
6 検疫所長は、第一項の船舶が検疫伝染病の病原体に汚染し、若しくは汚染したおそれがあると認めるとき、又は当該船舶を検疫港に回航させた上さらに第十三条に規定する診察若しくは検査を行う必要があると認めるときは、当該船舶の長に対し、その理由を示して、その港における検疫を打ち切ることができる。
7 前項の規定により検疫港以外の港における検疫が打ち切られたときは、当該船舶の長は、直ちに、当該船舶を港外に退去させなければならない。
8 第二十条の規定は、検疫所長が第六項の規定により検疫を打ち切つた場合に準用する。
(第四条第二号に該当する船舶等に関する特例)
第二十二条 第四条第二号に該当する船舶又は航空機(同時に同条第一号にも該当する船舶又は航空機を除く。)の長は、当該船舶又は航空機の性能が長距離の航行に堪えないため、又はその他の理由により、検疫港又は検疫飛行場に至ることが困難であるときは、第四条の規定にかかわらず、検疫を受けるため、当該船舶を検疫港以外の港に入れ、又は当該航空機を検疫飛行場以外の国内の場所(港の水面を含む。)に着陸させ、若しくは着水させることができる。
2 前項の船舶又は航空機の長は、当該船舶を検疫港以外の港に入れ、又は当該航空機を検疫飛行場以外の国内の場所(港の水面を含む。)に着陸させ、若しくは着水させたときは、直ちに、もよりの保健所長に、検疫伝染病患者の有無、第四条第二号に該当するに至つた日時及び場所その他厚生省令で定める事項を通報しなければならない。
3 前項の通報を受けた保健所長は、当該船舶又は航空機について、検査、消毒その他検疫伝染病の予防上必要な措置をとることができる。
4 第一項の船舶又は航空機については、第五条ただし書に規定する許可は、保健所長もすることができる。
5 第一項の船舶又は航空機であつて、当該船舶又は航空機を介して検疫伝染病の病原体が国内に侵入するおそれがない旨の保健所長の確認を受けたものについては、第四条及び第五条の規定を適用しない。