(会社の目的)
第一条 石油資源開発株式会社は、石油資源の開発を急速かつ計画的に行うことを目的とする株式会社とする。
(株式)
第二条 石油資源開発株式会社(以下「会社」という。)の株式は、額面株式とする。
2 政府は、常時、会社の発行済株式の総数の二分の一以上に当る株式を保有していなければならない。
3 会社は、新株を発行しようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
(商号の使用制限)
第三条 会社以外の者は、その商号中に石油資源開発株式会社という文字を使用してはならない。
(取締役及び監査役の人数)
第四条 会社の取締役は、七人以内、監査役は、二人以内とする。
(取締役及び監査役の選任等の決議)
第五条 会社の取締役、代表取締役及び監査役の選任、選定及び解任の決議は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(取締役の兼職制限)
第六条 会社の取締役は、他の報酬のある職務又は営業に従事してはならない。ただし、通商産業大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(事業の範囲)
第七条 会社は、その目的を達成するため、次の事業を営むものとする。
二 石油の採取及びこれに伴う可燃性天然ガス(以下「ガス」という。)の採取
四 前各号に掲げるもののほか、会社の目的を達成するために必要な事業
2 会社は、前項第四号に掲げる事業を営もうとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
(事業計画等)
第八条 会社は、毎営業年度の開始前に、その営業年度の事業計画、資金計画及び収支予算を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これらを変更しようとするときも、同様とする。
(重要な財産の譲渡等)
第九条 会社は、通商産業省令で定める重要な財産(石油又はガスを目的とする鉱業権を除く。)を譲渡し、担保に供し、又は有償で取得しようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
(鉱業権の譲渡等)
第十条 会社は、石油又はガスを目的とする鉱業権を譲渡し、又は譲り受けようとするときは、その譲渡又は譲受の相手方、対価の額並びに対価の支払の時期及び方法について、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
2 会社は、石油若しくはガスを目的とする鉱業権を放棄し、又は石油若しくはガスを目的とする採掘権に抵当権を設定しようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
(社債の募集及び資金の借入)
第十一条 会社は、社債を募集し、又は弁済期限が一年をこえる資金を借り入れようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
(社債発行限度の特例)
第十二条 会社は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百九十七条の規定による制限をこえて社債を募集することができる。ただし、資本及び準備金の総額の二倍をこえてはならない。
(一般担保)
第十三条 会社の社債権者は、会社の財産について他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
(探鉱費用の繰延)
第十四条 会社は、その成立の日から成立後五年を経過する日の属する営業年度の終了の日までに支出した探鉱の費用を貸借対照表の資産の部に計上することができる。この場合には、会社は、その成立後十五年を経過する日の属する営業年度の終了の日までに、通商産業省令で定めるところにより、毎営業年度その一部を消却しなければならない。
(利益配当の制限)
第十五条 会社は、その成立の日の属する営業年度から成立後五年を経過する日の属する営業年度までは、利益の配当をすることができない。
(定款の変更等)
第十六条 会社の定款の変更、利益金の処分、合併及び解散の決議は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(財産目録等の提出)
第十七条 会社は、毎営業年度経過後三月以内に、その営業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに営業報告書を通商産業大臣に提出しなければならない。
(監督)
第十八条 会社は、通商産業大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
2 通商産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社に対し、業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(協議)
第十九条 通商産業大臣は、第二条第三項、第八条から第十一条まで又は第十六条(会社の定款の変更の決議に係るものについては、会社が発行する株式の総数を変更するものに限る。)の認可をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。
(報告及び検査)
第二十条 通商産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社からその業務若しくは経理の状況に関する報告を徴し、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、業務若しくは経理の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(罰則)
第二十一条 会社の取締役、監査役その他の職員が、その職務に関して、わいろを収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。
2 前項の場合において、収受したわいろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第二十二条 前条第一項のわいろを供与し、又はその申込若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第二十三条 第二十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項め規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、五万円以下の罰金に処する。
第二十四条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役は、三十万円以下の過料に処する。
一 第二条第三項の規定に違反して、新株を発行したとき。
二 第八条の規定に違反して、事業計画、資金計画又は収支予算の認可を受けなかつたとき。
三 第九条の規定に違反して、財産を譲渡し、担保に供し、又は有償で取得したとき。
四 第十条第一項の規定に違反して、鉱業権を譲渡し、又は譲り受けたとき。
五 第十条第二項の規定に違反して、鉱業権を放棄し、又は採掘権に抵当権を設定したとき。
六 第十一条の規定に違反して、社債を募集し、又は資金を借り入れたとき。
七 第十七条の規定に違反して、財産目録、貸借対照表、損益計算書若しくは営業報告書を提出せず、又は不実の記載をしたこれらの書類を提出したとき。
八 第十八条第二項の規定による命令に違反したとき。
第二十五条 第七条第二項の規定に違反した場合には、その違反行為をした会社の取締役は、五万円以下の過料に処する。
第二十六条 第三条の規定に違反した者は、五万円以下の過料に処する。