海上公安局法
法令番号: 法律第二百六十七号
公布年月日: 昭和27年7月31日
法令の形式: 法律
海上公安局法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百六十七号
海上公安局法
(所掌事務)
第一條 海上公安局は、左に掲げる事務を行う機関とする。
一 海上(別に法律で定める港の区域を含む。以下同じ。)における法令の違反の防止
二 海難の際の人命、積荷及び船舶の救助に関すること(運輸省の所掌に属するものを除く。)。
三 天災事変その他救済を必要とする場合における船舶又は航空機による人命及び財産の保護
四 港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)の施行に関すること(運輸省の所掌に属するものを除く。)。
五 海上の航路障害物及び危険物の除去及び処理に関すること(機雷その他の爆発性の危険物の除去及び処理を除く。)。
六 前二号に掲げるものの外、船舶交通の安全に関すること(運輸省の所掌に属するものを除く。)。
七 海上における犯罪を捜査し、及びこれに係る犯人又は被疑者を逮捕すること並びに海上において犯人又は被疑者を逮捕すること。
八 前各号に掲げるものの外、海上における公共の秩序の維持
(位置及び内部組織)
第二條 海上公安局は、東京都に置く。
2 海上公安局の内部組織は、総理府令で定める。
(海上公安局の長)
第三條 海上公安局の長は、第七條第一項の海上保安官のうちから、保安庁長官が命ずる。
2 海上公安局の長は、保安庁長官の指揮監督を受け、部務を掌理する。但し、第一條第一号の事務については、その事務を管理する主任の大臣の指揮監督を受ける。
(海上公安大学校等)
第四條 海上公安局に、海上公安大学校、海上公安学校及び海上公安訓練所を置く。
2 海上公安大学校、海上公安学校及び海上公安訓練所は、海上公安局の職員の訓練を行うための機関とする。
3 海上公安大学校、海上公安学校及び海上公安訓練所の名称、位置及び内部組織は、総理府令で定める。
(海上公安審議会)
第五條 海上公安局の長の諮問に応じ、第一條各号に掲げる事務に関する重要事項を調査審議するため、海上公安局に、海上公安審議会を置く。
2 海上公安審議会の組織及び運営の方法は、政令で定める。
(地方機関)
第六條 海上公安局に、その事務を分掌させるため、地方海上公安局、地方海上公安部、港長事務所その他の事務所を置く。
2 地方海上公安局の名称及び位置は、別表の通りとする。
3 地方海上公安局の所掌事務の範囲及び内部組織は、総理府令で定める。
4 地方海上公安部、港長事務所その他の事務所の名称、位置、所掌事務の範囲及び内部組織は、総理府令で定める。
(海上公安局に置かれる職員)
第七條 海上公安局に、海上公安官、海上公安官補その他の職員を置く。
2 海上公安官及び海上公安官補は、第一條各号に掲げる事務を行う。
3 海上公安局の職員(海上公安局の長を除く。)の任用、免職その他の人事に関する事項は、海上公安局の長が行う。
(海上公安官及び海上公安官補の階級)
第八條 海上公安官の階級は、左の通りとする。
海上公安監
海上公安監補
一等海上公安正
二等海上公安正
三等海上公安正
一等海上公安士
二等海上公安士
三等海上公安士
一等海上公安士補
二等海上公安士補
三等海上公安士補
2 海上公安官補の階級は、左の通りとする。
海上公安員長
一等海上公安員
二等海上公安員
三等海上公安員
(船舶)
第九條 海上公安局の船舶は、海上公安局の事務を遂行するために必要な限度内において、武器を装備することができる。
(共助)
第十條 海上公安局と国家地方警察、自治体警察、税関、水産庁その他の関係行政庁とは、情報の交換その他の方法により、緊密な連絡を保たなければならず、また、犯罪の予防、鎮圧若しくは捜査又は犯人若しくは被疑者の逮捕並びに人命又は財産の保護のため必要があると認めるときは、相互に、関係職員の派遣その他必要な協力を求めることができる。
2 前項の規定により協力を求められた海上公安局その他の関係行政庁は、できるだけその求めに応じなければならない。
3 第一項の規定により派遣された職員は、その派遣を求めた行政庁の指揮を受けなければならない。
(協力の請求)
第十一條 海上公安官は、人命又は財産の保護のための措置をとるに際し緊急の必要があるときは、現場の附近にある人又は船舶に対し、労務の提供その他必要な協力を求めることができる。
(立入等)
第十二條 海上公安官は、法令の違反を防止し、又は人命若しくは財産を保護するため特に必要があるときは、船舶に立ち入り、船舶、書類、積荷その他の物件を検査し、且つ、乗組員に対し、その業務に関し必要な質問をすることができる。
2 海上公安官は、前項の場合において真にやむを得ないときは、船長又は船長に代つてその職務を行う者に対し、一時、船舶の進行を停止し、又はその出発を中止すべきことを命ずることができる。
3 海上公安官は、船内にある者であつて、異常な挙動その他の事情から判断して、犯罪を犯し若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当の理由のあるもの又は犯罪について知つていると認められるものに対し、必要な質問をすることができる。
4 海上公安官は、前三項に規定する権限を行おうとするときは、その身分を示す証票を携帯し、関係人の要求があるときは、これを呈示しなければならず、且つ、なるべく制服を着用しなければならない。
5 海上公安官の服制は、総理府令で定める。
(停船命令等)
第十三條 海上公安官は、海上において犯罪を捜査し、又は犯人若しくは被疑者を逮捕するため真にやむを得ないときは、必要な限度内において、左に掲げる処分をすることができる。
一 船長又は船長に代つてその職務を行う者に対し、一時、船舶の進行を停止し、又はその出発を中止すべきことを命ずること。
二 船長又は船長に代つてその職務を行う者に対し、指定する場所に船舶を回航すべきことを命ずること。
三 乗組員その他の者の下船又は乗船を制限すること。
四 船長又は船長に代つてその職務を行う者に対し、積荷の陸揚を命じ、又は積荷の陸揚を制限すること。
(司法警察権)
第十四條 海上公安官及び海上公安官補は、海上において、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)に規定する司法警察職員として職務を行う。
2 海上公安官及び海上公安官補は、陸上においても、海上における犯罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察職員として職務を行う。
3 前項の権限は、海上において捜査(刑事訴訟法第二百十二條に規定する犯人の追跡を含む。)に着手した犯罪に限り行使することができる。
4 前項の場合において、令状による逮捕、差押、捜索及び検証は、できるだけ、警察官又は警察吏員に嘱託して行わなければならない。但し、これらの令状の請求は、この限りでない。
5 前四項の規定により司法警察職員として職務を行う者のうち、海上公安局の長が指定する海上公安官は、司法警察員とし、その他の海上公安官及び海上公安官補は、司法巡査とする。
(武器の所持)
第十五條 海上公安官及び海上公安官補は、その職務を行うために必要な武器を所持することができる。
(武器の使用)
第十六條 海上公安官及び海上公安官補の第九條及び前條の武器の使用については、警察官等職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)第七條を準用する。
(国家公務員共済組合法の適用)
第十七條 海上公安局の職員についての国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)の適用については、同法第二條第二項の規定にかかわらず、海上公安局に属する職員を単位として、総理府に一組合を設ける。
(解釈規定)
第十八條 この法律の規定は、警察官又は警察吏員が海上において、犯罪の予防、鎮圧及び捜査並びに犯人又は被疑者の逮捕の権限を行使することを排除するものと解釈してはならない。
附 則
1 この法律は、別に法律で定める日から施行する。
2 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)は、廃止する。
3 関税法(明治三十二年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
第百一條の三中「海上保安官」を「海上公安官」に、「海上保安庁法」を「海上公安局法」に改める。
4 航海の制限等に関する件(昭和二十年運輸省令第四十号)の一部を次のように改正する。
第四條の三中「海上保安庁長官」を「海上公安局ノ長」に改め、同條第一項中「部分品(以下爆発物件等ト謂フ)ハ」の下に「保安庁ノ行フモノヲ除クノ外」を加える。
5 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
第九十八條第四項中「海上保安庁」を「海上公安局」に改める。
6 港則法の一部を次のように改正する。
第二十五條中「海上保安監部その他の管区海上保安本部の事務所」を「地方海上公安局その他の海上公安局の事務所」に改める。
第三十七條の二中「当該港の所在地を管轄する海上保安監部又は運輸省令で定めるその他の管区海上保安本部の事務所」を「総理府令で定める海上公安局の事務所」に改める。
7 港域法(昭和二十三年法律第百七十五号)の一部を次のように改正する。
第二項中「海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)第一條第二項の港と河川との境界」を「海上公安局法(昭和二十七年法律第二百六十七号)第一條第一号の港の区域」に改める。
8 たばこ専売法(昭和二十四年法律第百十一号)の一部を次のように改正する。
第七十九條第三項第二号を次のように改める。
二 海上公安官
9 一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
第六條第二項第二号及び別表第三中「海上保安庁職員」を「海上公安局職員」に改める。
10 火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。
第四十三條第二項及び第四十六條第一項中「海上保安官」を「海上公安官」に改める。
第五十條第一項及び第五十二條第一項中「海上保安庁長官」を「海上公安局長官」に改める。
11 検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)の一部を次のように改正する。
第二十三條の見出し及び同條第一項中「海上保安庁」を「保安庁」に改める。
12 出入国管理令(昭和二十六年政令第三百十九号)の一部を次のように改正する。
第十八條第二項、第二十三條第二項並びに第五十二條第二項及び第三項中「海上保安官」を「海上公安官」に改める。
13 外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。
第十三條第二項中「海上保安官」を「海上公安官」に改める。
14 気象業務法(昭和二十七年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第十五條中「海上保安庁」を「海上公安局」に改める。
15 海上保安庁の職員は、別に辞令を発せられない限り、この法律の施行の日において、同一俸給をもつて、総理府令で定めるところにより海上公安局の相当の職員になるものとする。
別表
名称
位置
第一地方海上公安局
小樽市
第二地方海上公安局
塩釜市
第三地方海上公安局
横浜市
第四地方海上公安局
名古屋市
第五地方海上公安局
神戸市
第六地方海上公安局
広島市
第七地方海上公安局
門司市
第八地方海上公安局
舞鶴市
第九地方海上公安局
新潟市
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 木村篤太郎
外務大臣 岡崎勝男
大蔵大臣 池田勇人
厚生大臣 吉武恵市
農林大臣 広川弘禪
通商産業大臣 高橋龍太郎
運輸大臣 村上義一
海上公安局法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百六十七号
海上公安局法
(所掌事務)
第一条 海上公安局は、左に掲げる事務を行う機関とする。
一 海上(別に法律で定める港の区域を含む。以下同じ。)における法令の違反の防止
二 海難の際の人命、積荷及び船舶の救助に関すること(運輸省の所掌に属するものを除く。)。
三 天災事変その他救済を必要とする場合における船舶又は航空機による人命及び財産の保護
四 港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)の施行に関すること(運輸省の所掌に属するものを除く。)。
五 海上の航路障害物及び危険物の除去及び処理に関すること(機雷その他の爆発性の危険物の除去及び処理を除く。)。
六 前二号に掲げるものの外、船舶交通の安全に関すること(運輸省の所掌に属するものを除く。)。
七 海上における犯罪を捜査し、及びこれに係る犯人又は被疑者を逮捕すること並びに海上において犯人又は被疑者を逮捕すること。
八 前各号に掲げるものの外、海上における公共の秩序の維持
(位置及び内部組織)
第二条 海上公安局は、東京都に置く。
2 海上公安局の内部組織は、総理府令で定める。
(海上公安局の長)
第三条 海上公安局の長は、第七条第一項の海上保安官のうちから、保安庁長官が命ずる。
2 海上公安局の長は、保安庁長官の指揮監督を受け、部務を掌理する。但し、第一条第一号の事務については、その事務を管理する主任の大臣の指揮監督を受ける。
(海上公安大学校等)
第四条 海上公安局に、海上公安大学校、海上公安学校及び海上公安訓練所を置く。
2 海上公安大学校、海上公安学校及び海上公安訓練所は、海上公安局の職員の訓練を行うための機関とする。
3 海上公安大学校、海上公安学校及び海上公安訓練所の名称、位置及び内部組織は、総理府令で定める。
(海上公安審議会)
第五条 海上公安局の長の諮問に応じ、第一条各号に掲げる事務に関する重要事項を調査審議するため、海上公安局に、海上公安審議会を置く。
2 海上公安審議会の組織及び運営の方法は、政令で定める。
(地方機関)
第六条 海上公安局に、その事務を分掌させるため、地方海上公安局、地方海上公安部、港長事務所その他の事務所を置く。
2 地方海上公安局の名称及び位置は、別表の通りとする。
3 地方海上公安局の所掌事務の範囲及び内部組織は、総理府令で定める。
4 地方海上公安部、港長事務所その他の事務所の名称、位置、所掌事務の範囲及び内部組織は、総理府令で定める。
(海上公安局に置かれる職員)
第七条 海上公安局に、海上公安官、海上公安官補その他の職員を置く。
2 海上公安官及び海上公安官補は、第一条各号に掲げる事務を行う。
3 海上公安局の職員(海上公安局の長を除く。)の任用、免職その他の人事に関する事項は、海上公安局の長が行う。
(海上公安官及び海上公安官補の階級)
第八条 海上公安官の階級は、左の通りとする。
海上公安監
海上公安監補
一等海上公安正
二等海上公安正
三等海上公安正
一等海上公安士
二等海上公安士
三等海上公安士
一等海上公安士補
二等海上公安士補
三等海上公安士補
2 海上公安官補の階級は、左の通りとする。
海上公安員長
一等海上公安員
二等海上公安員
三等海上公安員
(船舶)
第九条 海上公安局の船舶は、海上公安局の事務を遂行するために必要な限度内において、武器を装備することができる。
(共助)
第十条 海上公安局と国家地方警察、自治体警察、税関、水産庁その他の関係行政庁とは、情報の交換その他の方法により、緊密な連絡を保たなければならず、また、犯罪の予防、鎮圧若しくは捜査又は犯人若しくは被疑者の逮捕並びに人命又は財産の保護のため必要があると認めるときは、相互に、関係職員の派遣その他必要な協力を求めることができる。
2 前項の規定により協力を求められた海上公安局その他の関係行政庁は、できるだけその求めに応じなければならない。
3 第一項の規定により派遣された職員は、その派遣を求めた行政庁の指揮を受けなければならない。
(協力の請求)
第十一条 海上公安官は、人命又は財産の保護のための措置をとるに際し緊急の必要があるときは、現場の附近にある人又は船舶に対し、労務の提供その他必要な協力を求めることができる。
(立入等)
第十二条 海上公安官は、法令の違反を防止し、又は人命若しくは財産を保護するため特に必要があるときは、船舶に立ち入り、船舶、書類、積荷その他の物件を検査し、且つ、乗組員に対し、その業務に関し必要な質問をすることができる。
2 海上公安官は、前項の場合において真にやむを得ないときは、船長又は船長に代つてその職務を行う者に対し、一時、船舶の進行を停止し、又はその出発を中止すべきことを命ずることができる。
3 海上公安官は、船内にある者であつて、異常な挙動その他の事情から判断して、犯罪を犯し若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当の理由のあるもの又は犯罪について知つていると認められるものに対し、必要な質問をすることができる。
4 海上公安官は、前三項に規定する権限を行おうとするときは、その身分を示す証票を携帯し、関係人の要求があるときは、これを呈示しなければならず、且つ、なるべく制服を着用しなければならない。
5 海上公安官の服制は、総理府令で定める。
(停船命令等)
第十三条 海上公安官は、海上において犯罪を捜査し、又は犯人若しくは被疑者を逮捕するため真にやむを得ないときは、必要な限度内において、左に掲げる処分をすることができる。
一 船長又は船長に代つてその職務を行う者に対し、一時、船舶の進行を停止し、又はその出発を中止すべきことを命ずること。
二 船長又は船長に代つてその職務を行う者に対し、指定する場所に船舶を回航すべきことを命ずること。
三 乗組員その他の者の下船又は乗船を制限すること。
四 船長又は船長に代つてその職務を行う者に対し、積荷の陸揚を命じ、又は積荷の陸揚を制限すること。
(司法警察権)
第十四条 海上公安官及び海上公安官補は、海上において、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)に規定する司法警察職員として職務を行う。
2 海上公安官及び海上公安官補は、陸上においても、海上における犯罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察職員として職務を行う。
3 前項の権限は、海上において捜査(刑事訴訟法第二百十二条に規定する犯人の追跡を含む。)に着手した犯罪に限り行使することができる。
4 前項の場合において、令状による逮捕、差押、捜索及び検証は、できるだけ、警察官又は警察吏員に嘱託して行わなければならない。但し、これらの令状の請求は、この限りでない。
5 前四項の規定により司法警察職員として職務を行う者のうち、海上公安局の長が指定する海上公安官は、司法警察員とし、その他の海上公安官及び海上公安官補は、司法巡査とする。
(武器の所持)
第十五条 海上公安官及び海上公安官補は、その職務を行うために必要な武器を所持することができる。
(武器の使用)
第十六条 海上公安官及び海上公安官補の第九条及び前条の武器の使用については、警察官等職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)第七条を準用する。
(国家公務員共済組合法の適用)
第十七条 海上公安局の職員についての国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)の適用については、同法第二条第二項の規定にかかわらず、海上公安局に属する職員を単位として、総理府に一組合を設ける。
(解釈規定)
第十八条 この法律の規定は、警察官又は警察吏員が海上において、犯罪の予防、鎮圧及び捜査並びに犯人又は被疑者の逮捕の権限を行使することを排除するものと解釈してはならない。
附 則
1 この法律は、別に法律で定める日から施行する。
2 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)は、廃止する。
3 関税法(明治三十二年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
第百一条の三中「海上保安官」を「海上公安官」に、「海上保安庁法」を「海上公安局法」に改める。
4 航海の制限等に関する件(昭和二十年運輸省令第四十号)の一部を次のように改正する。
第四条の三中「海上保安庁長官」を「海上公安局ノ長」に改め、同条第一項中「部分品(以下爆発物件等ト謂フ)ハ」の下に「保安庁ノ行フモノヲ除クノ外」を加える。
5 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
第九十八条第四項中「海上保安庁」を「海上公安局」に改める。
6 港則法の一部を次のように改正する。
第二十五条中「海上保安監部その他の管区海上保安本部の事務所」を「地方海上公安局その他の海上公安局の事務所」に改める。
第三十七条の二中「当該港の所在地を管轄する海上保安監部又は運輸省令で定めるその他の管区海上保安本部の事務所」を「総理府令で定める海上公安局の事務所」に改める。
7 港域法(昭和二十三年法律第百七十五号)の一部を次のように改正する。
第二項中「海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)第一条第二項の港と河川との境界」を「海上公安局法(昭和二十七年法律第二百六十七号)第一条第一号の港の区域」に改める。
8 たばこ専売法(昭和二十四年法律第百十一号)の一部を次のように改正する。
第七十九条第三項第二号を次のように改める。
二 海上公安官
9 一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
第六条第二項第二号及び別表第三中「海上保安庁職員」を「海上公安局職員」に改める。
10 火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。
第四十三条第二項及び第四十六条第一項中「海上保安官」を「海上公安官」に改める。
第五十条第一項及び第五十二条第一項中「海上保安庁長官」を「海上公安局長官」に改める。
11 検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)の一部を次のように改正する。
第二十三条の見出し及び同条第一項中「海上保安庁」を「保安庁」に改める。
12 出入国管理令(昭和二十六年政令第三百十九号)の一部を次のように改正する。
第十八条第二項、第二十三条第二項並びに第五十二条第二項及び第三項中「海上保安官」を「海上公安官」に改める。
13 外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。
第十三条第二項中「海上保安官」を「海上公安官」に改める。
14 気象業務法(昭和二十七年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第十五条中「海上保安庁」を「海上公安局」に改める。
15 海上保安庁の職員は、別に辞令を発せられない限り、この法律の施行の日において、同一俸給をもつて、総理府令で定めるところにより海上公安局の相当の職員になるものとする。
別表
名称
位置
第一地方海上公安局
小樽市
第二地方海上公安局
塩釜市
第三地方海上公安局
横浜市
第四地方海上公安局
名古屋市
第五地方海上公安局
神戸市
第六地方海上公安局
広島市
第七地方海上公安局
門司市
第八地方海上公安局
舞鶴市
第九地方海上公安局
新潟市
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 木村篤太郎
外務大臣 岡崎勝男
大蔵大臣 池田勇人
厚生大臣 吉武恵市
農林大臣 広川弘禅
通商産業大臣 高橋龍太郎
運輸大臣 村上義一