(設置)
第一條 農林漁業資金融通法(昭和二十六年法律第百五号。以下「法」という。)による貸付に関する政府の経理を明確にするため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。
(管理)
第二條 この会計は、農林大臣が、法令の定めるところに従い、管理する。
(資本)
第三條 この会計においては、第四條第一項に規定する一般会計及び米国対日援助見返資金特別会計からの繰入金に相当する金額をもつて資本とする。
(歳入及び歳出)
第四條 この会計においては、貸付金の償還金及び利子、一般会計及び米国対日援助見返資金特別会計からの繰入金、第十二條の規定による借入金並びに附属雑收入をもつてその歳入とし、貸付金、同條の規定による借入金の償還金及び利子、事務取扱費その他の諸費をもつてその歳出とする。
2 前項に規定する一般会計及び米国対日援助見返資金特別会計からの繰入金は、この会計の資本に充てるため、予算の定めるところにより、この会計に繰り入れるものとする。
(歳入歳出予定計算書の作製及び送付)
第五條 農林大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作製し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出予定計算書には、左の書類を添附しなければならない。
二 前年度及び当該年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書
(歳入歳出予算の区分)
第六條 この会計の歳入歳出予算は、歳入の性質及び歳出の目的に従つて、款及び項に区分する。
(予算の作成及び提出)
第七條 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の予算には、第五條第一項に規定する歳入歳出予定計算書及び同條第二項各号に掲げる書類を添附しなければならない。
(利益の処分)
第八條 この会計において、毎会計年度の損益計算上利益を生じたときは、政令で定めるところにより、これを一般会計に繰り入れなければならない。
(剩余金の繰入)
第九條 この会計において、毎会計年度の決算上剩余金を生じたときは、当該剩余金(当該年度において、前條の規定により一般会計に繰り入れなければならない額があるときは、その額を控除したもの)を翌年度の歳入に繰り入れなければならない。
(歳入歳出決定計算書の作製及び送付)
第十條 農林大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作製し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出決定計算書には、当該年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。
(歳入歳出決算の作成及び提出)
第十一條 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の歳入歳出決算には、前條第一項に規定する歳入歳出決定計算書並びに同條第二項に規定する当該年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。
(借入金)
第十二條 この会計において貸付金を支弁するため必要があるときは、第三條に規定する資本の額の範囲内で予算をもつて定める額を限度として、この会計の負担において、資金運用部から借入金をすることができる。
(借入金の借入及び償還等の事務)
第十三條 前條の規定による借入金の借入及び償還に関する事務は、大蔵大臣が行う。
(国債整理基金特別会計への繰入)
第十四條 第十二條の規定による借入金の償還金及び利子の支出に必要な金額は、毎会計年度、国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。
(経費支出の制限)
第十五條 この会計において、第十二條の規定による借入金の利子及び事務取扱費その他の諸費を支出するには、毎会計年度末におけるこれらの経費の支出済額の合計額が当該年度末における貸付金の利子及び附属雑收入の收納済額の合計額をこえないようにしなければならない。
(余裕金の預託)
第十六條 この会計において、支拂上現金に余裕があるときは、資金運用部に預託することができる。
(資金交付)
第十七條 政府は、法第五條第一項の規定により金融機関に対し貸付に関する業務を委託した場合においては、当該金融機関に対し貸付に必要な資金を交付することができる。
(支出未済額の繰越)
第十八條 この会計において、支拂義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、翌年度に繰り越して使用することができる。
2 農林大臣は、前項の規定による繰越をしたときは、大蔵大臣及び会計検査院に通知しなければならない。
3 第一項の規定により繰越をしたときは、当該経費については、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三十一條第一項の規定による予算の配賦があつたものとみなす。
(実施規定)
第十九條 この法律の実施のための手続その他その施行について必要な事項は、政令で定める。