(目的)
第一條 この法律は、京都市が世界において、明びな風光と歴史的、文化的、美術的に重要な地位を有することにかんがみて、国際文化の向上を図り世界恒久平和の理想の達成に資するとともに、文化観光資源の維持開発及び文化観光施設の整備によつてわが国の経済復興に寄與するため、同市を国際文化観光都市として建設することを目的とする。
(計画及び事業)
第二條 京都国際文化観光都市を建設する都市計画(以下「京都国際文化観光都市建設計画」という。)は、都市計画法(大正八年法律第三十六号)第一條に定める都市計画の外、国際文化観光都市としてふさわしい文化観光施設の計画を含むものとする。
2 京都国際文化観光都市を建設する事業(以下「京都国際文化観光都市建設事業」という。)は、京都国際文化観光都市建設計画を実施するものとする。
(文化観光保存地区)
第三條 京都国際文化観光都市の区域内において、文化観光資源又は文化観光施設の維持保存のために、文化観光保存地区を指定することができる。
2 前項の地区の指定は、都市計画の施設としてこれをしなければならない。
3 京都市は、條例の定めるところにより文化観光保存地区の区域内における工作物の新築、改築、増築若しくは除却、土地の形質の変更、竹木土石の類の採取その他文化観光資源又は文化観光施設の維持保存に著しい影響を及ぼす虞のある行為を禁止し、又は制限することができる。この場合において、その禁止又は制限によつて損害を受けた者に対しては、京都市は、通常生ずべき損害を補償しなければならない。
(事業の執行)
第四條 京都国際文化観光都市建設事業は、京都市の市長が執行する。
2 京都市の市長は、地方自治の精神に則り、その住民の協力及び関係諸機関の援助により、京都国際文化観光都市を完成することについて、不断の活動をしなければならない。
(事業の援助)
第五條 国及び地方公共団体の関係諸機関は、京都国際文化観光都市建設事業が第一條の目的にてらし重要な意義をもつことを考え、その事業の促進と完成とにできる限りの援助を與えなければならない。
(特別の助成)
第六條 国は、京都国際文化観光都市建設事業の用に供するため必要があると認める場合においては、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二十八條の規定にかかわらず、その事業の執行に要する費用を負担する公共団体に対し、普通財産を讓與することができる。
(報告)
第七條 京都国際文化観光都市建設事業の執行者は、その事業がすみやかに完成するように努め、少くとも、六箇月ごとに、建設大臣にその進行状況を報告しなければならない。
2 内閣総理大臣は、毎年一回国会に対し、京都国際文化観光都市建設事業の状況を報告しなければならない。
(法律の適用)
第八條 京都国際文化観光都市建設計画及び京都国際文化観光都市建設事業については、この法律に特別の定めがある場合を除く外、都市計画法を適用し、且つ、特別都市計画法(昭和二十一年法律第十九号)第三條を準用する。