(目的)
第一條 この法律は、空襲その他戰災により鉱業原簿等が滅失したため不明確となつた鉱業又は砂鉱業に関する権利関係を確定することを目的とする。
(調製の申請)
第二條 別表第一に掲げる空襲その他戰災により滅失した鉱業原簿(以下「滅失鉱業原簿」という。)に登録されていた鉱業権の鉱業権者、旧重要鉱物増産法(昭和十三年法律第三十五号)附則第三項の規定によりなおその効力を有する同法第十七條ノ二の規定による使用権者若しくは抵当権者又は仮登録名義人は、省令で定める手続に従い、この法律施行の日から六箇月以内までに通商産業局長に鉱業原簿の調製の申請をしなければならない。
2 債権者が民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三條の規定により債務者に代位して前項の規定による申請をするには、省令で定める手続に従わなければならない。
(登録の嘱託の申立)
第三條 滅失鉱業原簿に裁判所の嘱託に基いて登録されていた事項について鉱業原簿にその登録を受けようとする者は、前條第一項の期間内に当該裁判所にその嘱託をすべきことを申し立てなければならない。別表第一に掲げる鉱業に関する登録の嘱託書による嘱託に基いて登録されるべきであつた事項についても、同様とする。
2 裁判所は、前項の規定による申立を相当と認めるときは、遅滯なくその登録の嘱託をしなければならない。
3 裁判所は、第一項の規定による申立を相当でないと認めるときは、決定をもつてこれを却下することができる。
4 非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)の規定は、前項の決定に準用する。
5 裁判所は、第一項の期間内は、職権をもつて同項に規定する事項の登録の嘱託をすることができる。
(記載の通知の請求)
第四條 滅失鉱業原簿に鉱業抵当法(明治三十八年法律第五十五号)第三條において準用する工場抵当法(明治三十八年法律第五十四号)の規定による通知に基いて記載されていた事項について鉱業原簿にその記載を受けようとする者は、第二條第一項の期間内に当該通知をした登記所に更にその通知をすべきことを請求しなければならない。別表第一に掲げる鉱業財団に関する通知書による通知に基いて記載されるべきであつた事項についても、同様とする。
2 登記所は、前項の規定による請求があつたときは、遅滯なくその記載の通知をしなければならない。
3 登記所は、第一項の期間内は、職権をもつて同項に規定する事項の記載の通知をすることができる。
(確認の申請)
第五條 別表第一に掲げる鉱業に関する願書又は登録の申請書を提出していた者は、省令で定める手続に従い、第二條第一項の期間内に通商産業局長にその確認を申請しなければならない。
(権利の消滅等)
第六條 第二條第一項の期間内に同條の規定による申請がなかつたとき、又は同條の規定による申請について次條第一項の規定による却下が確定したときは、第二條第一項に規定する権利は、滅失鉱業原簿の滅失の時に消滅したものとみなす。
2 第三條第一項の期間内に同項の規定による申立がなかつたとき(同條第五項の規定による嘱託があつた場合を除く。)、又は同條第三項の規定による却下の決定が確定したときは、滅失鉱業原簿の滅失の時に同條第一項に規定する事項の登録又は登録の嘱託がなかつたものとみなす。
3 第四條第一項の期間内に同項の規定による請求がなかつたとき(同條第三項の規定による通知があつた場合を除く。)は、滅失鉱業原簿の滅失の時に同條第一項に規定する事項の記載又は記載の通知がなかつたものとみなす。
4 前條の期間内に同條の規定による申請がなかつたときは、同條に規定する鉱業に関する願書又は登録の申請書は、提出されなかつたものとみなす。
(却下)
第七條 通商産業局長は、第二條の規定による申請があつた場合において、鉱業権の設定又は変更の際交付された書面及び図画、登録を完了したことを証する書類、鉱業原簿の謄本又は抄本その他登録について実質的な証拠とするに足る書類により登録の事実を確認することができないときは、その申請を却下しなければならない。
2 通商産業局長は、第五條の規定による申請があつた場合において、出願願書の受付を通知した書面、引受時刻証明の取扱をしたことを証する書面その他出願又は申請について実質的な証拠とするに足る書類により出願又は申請の事実を確認することができないときは、その申請を却下しなければならない。
3 通商産業局長は、前二項の規定による却下をするときは、あらかじめ当該申請人の出頭を求めて、公開による聽聞を行わなければならない。
4 通商産業局長は、前項の聽聞をしようとするときは、その期日の一週間前までに、事案の要旨並びに聽聞の期日及び場所を当該申請人に通知し、且つ、これを公示しなければならない。
5 聽聞に際しては、申請人及び利害関係人に対して、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を與えなければならない。
(資料の提出)
第八條 通商産業局長は、調査のため必要があると認めるときは、申請人その他の関係人に対し資料の提出を求めることができる。
(鉱業原簿の調製)
第九條 通商産業局長は、第二條の規定による申請、第三條第二項若しくは第五項の規定による嘱託、第四條第二項若しくは第三項の規定による通知又は前條の規定により提出された資料に基いて事実を認定し、鉱業原簿を調製しなければならない。
2 通商産業局長は、職権をもつて鉱区図を調製することができる。
(謄本の交付等)
第十條 通商産業局長は、鉱業原簿の調製を完了したときは、鉱業原簿の謄本又は抄本を登録名義人及び第二條第二項の規定による申請をした者に交付し、且つ、鉱業原簿の調製を完了した旨を通商産業大臣に報告しなければならない。
2 通商産業大臣は、前項の規定による報告があつたときは、遅滯なくその旨を告示しなければならない。
(調製の効力)
第十一條 第九條の規定により調製した鉱業原簿は、滅失前の鉱業原簿とみなす。
2 旧鉱区税法(昭和十五年法律第三十一号)、旧地方税法(昭和十五年法律第六十号)又は地方税法(昭和二十三年法律第百十号)の規定により既に納付した鉱区税は、前項の規定にかかわらず、還付しない。
3 第一項の鉱業原簿に表示された鉱区の面積が課税の対象となつていた鉱区の面積をこえる場合においても、そのこえる部分について鉱区税を追徴することができない。
(異議の申立)
第十二條 第七條の規定による却下又は第九條の規定により調製した鉱業原簿に登録され、又は記載された事項について不服のある者は、通商産業大臣に異議の申立をすることができる。
2 前項の規定により異議の申立をしようとする者は、却下については、却下の通知を受けた日、鉱業原簿に登録され、又は記載された事項については、鉱業原簿の謄本又は抄本の交付を受けた者にあつてはその交付を受けた日、その他の者にあつては告示のあつた日から三十日以内に、理由を記載した申立書を当該通商産業局長に提出しなければならない。
3 正当な事由により前項の期間内に異議の申立をすることができなかつたことを疎明したときは、同項の期間の経過後でも、異議の申立をすることができる。
第十三條 通商産業局長は、前條第二項の規定による異議の申立書を受理したときは、その受理の日から十日以内に、これに弁明書を添えて通商産業大臣に送付しなければならない。
第十四條 通商産業局長は、第十二條の規定による異議の申立が鉱業原簿に登録され、又は記載された事項に関するものであるときは、異議の申立があつた旨の仮登録をし、その旨を登録上の利害関係人に通知しなければならない。
2 通商産業局長は、前項の仮登録をした後に異議の申立の取下があつたときは、遅滯なく通商産業大臣にその旨を報告するとともに、その仮登録をまつ消し、前項の規定による通知をした者にその旨を通知しなければならない。
(申立の却下)
第十五條 通商産業大臣は、異議の申立が不適当であると認めるときは、直ちにこれを却下する。
2 前項の規定による却下の決定は、文書をもつて行い、且つ、理由を附さなければならない。
3 通商産業大臣は、決定書の正本を当該通商産業局長を経由して、申立人に交付しなければならない。
4 通商産業局長は、却下の決定があつたときは、遅滯なくその仮登録をまつ消し、前條第一項の規定により通知をした者にその旨を通知しなければならない。
(聽聞の開始)
第十七條 通商産業大臣は、異議の申立があつたときは、これを受理した日から三十日以内に聽聞を開始しなければならない。
第十八條 通商産業大臣は、聽聞の期日及び場所を定め、異議の申立をした者及び登録上の利害関係人並びに当該通商産業局長に通知しなければならない。
2 通商産業大臣は、前項の規定による通知をしたときは、異議の申立の要旨並びに聽聞の期日及び場所を公示しなければならない。
(参加)
第十九條 異議の申立をした者及び登録上の利害関係人の外、聽聞に参加して意見を述べようとする者は、利害関係のある理由及び主張の要旨を記載した文書をもつて、通商産業大臣に利害関係人として参加する旨を申し出て、その許可を受けなければならない。
(証拠の提示等)
第二十條 聽聞に際しては、異議の申立をした者、登録上の利害関係人及び前條の規定により参加した者に対して、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を與えなければならない。
(決定)
第二十一條 通商産業大臣は、聽聞の結果及び第十三條の弁明書に基き決定を行う。
2 前項の決定は、文書をもつて行い、且つ、理由を附さなければならない。
3 通商産業大臣は、決定書の正本を関係通商産業局長を経由して、異議の申立をした者、登録上の利害関係人及び第十九條の規定により参加した者に送付するとともに、決定の要旨を公示しなければならない。
(委任規定)
第二十二條 この法律に規定するものの外、鉱業原簿の調製又は異議の申立について必要な手続は、省令で定める。
(準用)
第二十三條 この法律の規定は、別表第二に掲げる砂鉱原簿並びに砂鉱業に関する登録の申請書、登録の嘱託書及び願書に準用する。